いわゆるモリカケ問題。官僚が議員の縁者に利益供与した複数の件が、国会で長引いています。マスコミが叩くのは議員より省庁のデマ、偽証、書類偽造と廃棄。この話題と美術の接点は、もちろん景気の動向です。

省庁の最大の罪は、知る人ぞ知る状態です。バブル後の1992年から続く不況を5年で終わらせず、さらに21年延長させた発端のあのデマが最大の罪でした。一節には、省内出世レースと関係が深いらしく。

そのデマは「日本の借金は800兆円」というもの。後に1000兆円に増えた数字を、英米など外国からの借金と信じる日本人が今も多くいます。「日本は財政破綻し、ギリシャの次に倒れる」という危機感。美術を買っている場合ではないと、国民は節約を徹底しGDPは長く横ばいのままです。

世界最大の借金国は日本だとの、この情報を耳に入れた外国の格付け会社が反応しました。国の財政の国際ランキングで、日本を低い評価にしました。外国の信用情報筋が、日本を財政悪化国と認めたのです。

すると日本のある団体が怒り、格付け会社に抗議しました。「日本は世界一の債権国(出資国)で最大の黒字国なので、他国並みの低いランクはつけないでくれ」と。数字やグラフを用いて日本の豊かな財力を説きました。

その抗議した日本のある団体とは、「日本は世界最大の1000兆円の赤字国であり、ギリシャのように破綻が近い」と国民に告げた団体と、同一の団体です。財務省です。そのジキルとハイドぶりにマスコミが触れないのは、メカニズムが平易でなく咀嚼しきれないからでしょう。
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|04-20|美術の基盤は経済||TOP↑
今になって失敗と気づいたのは、同じパソコンを長く使ったことです。書類と画像の作成用の一台が、最近不具合で二週間近くも深入りしています。2005年に最新パーツで組んだ、省電力のPentium MとマイクロATXマザーボードの組み合わせ。

原因の推定は変転しました。最初はキーボードのPS2コネクタ接触不良、次に帯電、そしてディスクのセクターエラー、MBRの損傷、電圧が低下してBIOS保持不能、AFTディスクの開始セクター問題。半導体の劣化かも知れません。

医者の苦心を想像しました。フィジカルもメンタルも異常なしで、しかし症状は表れる事態です。ネットにもこの故障の例は出ていないようで。

解決してもCPUの馬力不足で時代遅れと考え、一台また作ることにしました。ただし絶版ソフトは、非AFTディスクの旧OSでのみ動作するから、古いパーツも探しました。

パソコンの難題に、ハードとソフトの寿命があります。いつかハードは物理的に壊れ、ソフトは機能不足になります。新ハードでは古ソフトが動かず、古ハードでは新ソフトが動かず。AGPカードやGクルーみたいに消えるものもあります。

近所にあったパソコンパーツショップがやや遠くへ引っ越していましたが、行ってみると広い床に中古コーナーが増えていました。90年代のパソコンは生鮮食料品と呼ばれましたが、旧製品は遅いという不満は2008年以降の製品はほぼ消え、古物も実用的な時代に変わっています。
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|04-19|パソコンとネット関連||TOP↑
派出所で上司を撃った事件と、サッカー日本代表の監督解任騒動。この感覚があったのかも知れません。「考えが同じ人としかつきあえない」「意見が一致しないと全然だめ」「親しい人以外との仕事はごめんだ」。

よくある完全同化主義。そして現実には意見が合う人が固まると、摩擦と刺激が薄れて価値観や思想も片寄るでしょう。長期の発展性がない。俗に言う組織の論理とくれば、今は大相撲や女子レスリングも連想しそうな。

国会でもお友だちの輪の追及が続きます。議員の盟友は結論ありきで計画が採用され、知らない人の優れ計画は排除される。盟友に税金を流し、関係議員へ政治献金で還流させるなど、途上国に多いパターンかも。

いわゆるお友だちの輪は、美術アーティストにも生じます。アーティストの多くは、実力主義で世に出たいと考え、匿名で作品を出してみたりします。ところが音楽と違い美術はわからない人が多いので、広域の支持は限られます。

知らない人の優れ作品は排除されたりもあるし、身近な人の輪に頼ることも多くなり。美術通販サイトも、作者の身内買いを前提にしているほどで。日本の程度問題はあるとしても、世界的に能力主義からずれやすく、縁故に戻りやすいアートです。

そんなアートでは、敵と味方を利用し合う関係を使わないと、分断と孤立に向かいやすい。作風なんてものは互いのギャップが価値でもあり、完全同化とは逆の世界です。では価値観の相違がある前提で、何を共通の価値に置けばよいのか。それはもちろん芸術性です。
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|04-16|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
サッカー日本代表の旧ユーゴスラビア人(現フランス国籍)監督を、ワールドカップ第一試合まで70日残して解任するニュースが騒ぎになりました。本人はこれで二度目の途中解任らしく、第三試合の相手国ポーランドは当惑し、それは同グループの監督たちも同様でしょう。

この解任に疑問が出たのはタイミングの悪さと、アジア予選で日本が組を一位で通過した実績。それより、ワールドカップは前評判と異なる結果が多いという。ジダンがヒーローとなった1998フランス大会で、フランスチームは予選で散々に言われました。なのに優勝。プロの勝負師たち。

2002日韓大会で優勝したブラジルも、年配者がこんなひどい我がチームは見たことがないと嘆いていて。逆に2014ブラジル大会では、優勝候補の好調ブラジルはドイツに大敗し、三位決定戦もオランダに敗退。

今の日本代表も前評判が悪くて善戦するかと、縁起の予測もありました。親善試合は自由なテストなのだし、パスサッカーを離れた監督が、わざと混迷させた説もあるほどで。戦術を敵に読まれなくする迷走演出に、味方の上司や広告業界が引っかかって動転したとか。

メキシコ人監督の八百長疑惑で差し替えた監督なので、だめ元で最後まで見届けて、効用を検証して教材にするのがよかったはず。これでは結果の良否が、誰の功罪かわからない。成果を毎度総括せずに、国際試合を使い捨てる感が日本にあり、協会にビジョンがない説がまた出るでしょう。

強豪は、最悪を受け止める強さもあるのだろうと。これは少しだけ、美術の出品でも感じています。しんぼう強く負ける過程があってこそ、作品が本物に育つ法則です。不安を感じてリセットして避けました式のネガティヴ思考は、年月かけて何かを築くにはマイナスでしょう。
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|04-09|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
銀河とブラックホールの力学や、ダークマターの新説がニュースに出ました。宇宙関連の話題が出ると、しばしばネットで目にする記述があります。「アポロ宇宙船は半世紀前に月へ行ったのに、その後一度も行かないのはなぜ?」。

言外にあるのは、今行けないなら昔も行けたわけがなく、当時のアメリカが国際社会をだました説です。実は行かずに芝居をしただけだと。あれから月へ人が行かない理由はむろん金がないからですが、一般には経済理由は大人の事情なので、理解する人は限られるでしょう。

アポロ以後に高度成長した日本では、金銭で困る小学生も少なく、経済観念は育ちにくかったでしょう。ユニセフが現在の日本を、児童が貧困な国としてリストアップしたのは新しい現実ですが。

科学研究の縮小といえば、国内ではスーパーコンピューターの「二番ではだめですか」があり、世界では宇宙望遠鏡の打ち切りがありました。日本もコスト負担し、幸い次の望遠鏡が打ち上げられ消滅は免れましたが。

次に国際宇宙ステーションへの出資を中止すると、アメリカは言います。ロシアと日本と、EUやカナダだけで維持は困難です。中国が作らないと消滅し、「昔あった国際宇宙ステーションは実はCGを使ったねつ造だった」と、アポロのように半世紀後のネット事典に大々的にのるかも。

昔はできて、後にできなくなったことは多いのです。身近だと木製タンス、将来の候補は車のガソリンエンジンとか。ターボなど誰も知らない未来が来るはず。人類のロストテクノロジー問題です。たとえば美術の名作鑑賞にも、消えた技術の痕跡をふり返って味わっている面があります。
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|04-08|芸術の秘密と謎||TOP↑
日本の大規模展覧会は、作品の権威づけが主目的の公募コンテスト形式が大半で、作品の売買が主目的のアートフェア形式はわずかです。そのため、作品を売ると決めた外国遠征展に、やや違和感も起きるでしょう。

多くが一瞬思うのは、たぶん次の点でしょう。「芸術は個人の感情の自由な発露である」「だから売るための妥協はよくない」「自分の作品は自分が信じるとおりで、角を丸められては困る」と。

実は逆です。日本の作品は角が丸すぎます。作者が思うほど、自由の発露でもなく。ホメオパシーふうに、透明で味が薄い作品が主流です。丸すぎる角をとがらせないと、現地で効きめがなかったりして。

強すぎる個性にドイツ人がおののかないよう、解毒して送り出したことは一度もありません。実は逆で、クリーンな健康作品をダーティーな不健康作品へと、近づける作業がむしろ必要なのです。作風に幅がある中から選ぶ時は、まずはその視点で探します。

公募コンテスト展では、ダーティーな不健康作品はそれが欠点とされ落選します。長年かけて日本の美術界では、汚れなき健康作品を求め合うクセがついています。刺激のない、よい子作品が幅をきかせるホーム。

対してアウェーの外国では、「芸術は個人の感情の自由な発露である」「だから陰気だったり、悪臭もある」の前提があります。ちょい悪以上が芸術だとするのが、他国のロジックです。これは、よい子アートが歴史に残っていない過去を学習した結果の改善策でしょう。
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|04-03|作家方針の工夫||TOP↑
というわけで、4月1日からクラウド・ファンディングを始めます。目的は日独美術文化交流活動の主にドイツ側資金準備で、また副次的な面にも期待があり、日独アートの落差を国民に伝える機会ととらえました。

日独アートの落差とは何か。日本では現代アートは特殊化し、ドイツでは一般化しています。この差です。ならば、特殊化と一般化はどう違うのか。まずは、大規模な現代アートイベントの開催場所です。

日本だと現代アート展はスペシャル化して、郡部や離島など日常からかけ離れた地理の、特別なキャンプを伴う場合がしばしばみられます。アートが遠くにあった方が、国民は安心します。それがドイツだと、近所のビルや横町の元農協の倉庫でも平気です。

晴れの舞台へ上がる特別感がなく、普通に生活圏に現代アートが入り込んでいるのがドイツです。「さあ、珍しいものをお見せします」式の大げさな構えが、ドイツではあまりみられません。各地方の各市で、現代美術の存在自体が日常化しています。

日常化は具体的には、普通の人が現代アート作品を所有し、家に飾ってある点です。日本だと現代アートを所有する一般人はまれで、美術業界人かなと思ってしまうでしょう。日本で家に置くならば西洋名画全集の図鑑あたりにとどめ、作品の実物まで買おうとは思わないものです。

こうした日独、日欧の差は、日本の慢性的な美術不況の原因であり、また隠れた伸びしろです。「だって現代美術はわけわかんないし」と敬遠された作品を、ドイツへ送るとスッと買われる。その差をマル秘情報にとどめず、明るみに出したいと考えていました。
クラウド・ファンディングのページ https://camp-fire.jp/projects/view/66657
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|04-01|クラウドファンディング美術支援||TOP↑
ネットによくある質問は、「絵を売る方法を教えて欲しい」と単刀直入です。売り方は別にあるとして、先に知りたいのはこれでしょう。「売れる絵を制作するコツは何か」。

実はこちらへ初参加する方も、それを割と意識されます。文化交流の面で参加する意義や、見ていただけるという次に、できれば売れて欲しいのは当然でしょう。そして実際に、外国の美術展はむしろ売買を文化交流と呼ぶようなものです。相手は買うのが楽しみ。

どう作ればドイツで売れ、どんなふうだとだめか。何をどういじれば可能性が開けるかは、すでにある程度つかめています。むろん相手あっての確率だから、偶然の出会いも要素となる不確実性の中にありますが。

ところが、「日本国内で売れる制作のコツは?」と問われると困るのです。困る原因は、日本の鑑賞者の多くはモチーフ当てごっこに向かうから。しかも個人の価値観は希薄だという前提があり、誰に何を訴えるか目標を定めにくいのです。要は、能力主義社会ではない。

作品そのものをあまりよく見ない問題は、著書ブログで触れています。ドイツで売れやすそうなオリジナル絵画があるのですが、日本で批判一辺倒に巻き込まれた実例です。作品をよく見ないで、トークだけは羽ばたく傾向の国内事情がそこにもみられます。

そこで出された批判の動機はわかっています。絵が優れている証拠書類がないから、値打ちがないとみなしテキトーに叩けと。優れものを裏づける連帯保証人が不在だから、足元を見ろと。日本で売れる決め手のひとつは作者のルックスですが、そこでは顔写真は出していなかった。
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|03-27|作家方針の工夫||TOP↑
昔うちにもあったけれど、とっくに廃品回収に出して今はもうないという、雑誌やブックレットなど。それが、ネットオークションで一万円以上で落札されていてびっくりなんてことが。

そんな古本みたいに値段はつかずオークションに出ないけれど、似た現象があります。自分が住む街の風景写真です。都心の知られた場所や観光地なら報道写真やビデオがどこかにありますが、郊外の自宅近くは事件でもないと記録されません。

身近な街の風景は一度も記録されず、ひっそり消滅し続け、全人類から忘れ去られます。値打ちがある風景もあるはずです。そこで、外国にしばらく移り住む方々に進言しています。とりあえず、異国の身辺の地を意味もなく無駄に撮影しておけばよいと。デジタルカメラを利用して。

そこに住むと景色は見放題で珍しさが消え、あえて撮影する気になりません。見飽きた雑誌と同じで、価値を感じなくなって。しかし日本へ戻った後、当地の当時の写真があれば本も出せます。ないと絵にならないから、出版話も持ち上がらないだろうと。

今ありふれているものは価値がないと感じ、しかし時間がたつとお宝になる。ノスタルジーを超えて、貴重な資料になる可能性が身近に転がっています。今こちらでは、ベルリンの美術展会場写真がそれです。

今回、ベルリン写真を皆様から快くお貸しいただき、クラウド・ファンディング用に使います。絵画作品と並ぶ写真作品群みたいに、一枚ごとに物語が感じられます。
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|03-21|写真とカメラの話題||TOP↑
今日からジャパン・フェスティバル・ベルリン展で買われた作品の、売上金をお送りする作業が始まりました。30名以上なので時間もかかります。それよりも気になったのは円安ユーロ高です。

日本人が円安で得るメリットは、自動車や家電などの一般商品を輸出した時に、現地で安く買ってもらえる点です。外国での安売り戦争で価格競争力を得る効用だから、巨大企業が希望します。

その反面、外国からの輸入品に多めの円を払わされるから、輸入業者は国内販売力が落ちます。円安なほど、舶来品は高嶺の花です。1ドル360円と極端な円安だった70年代は、西ドイツ製ポルシェ911が、日本製マツダRX-7より高かった。第三国のアメリカではマツダの方が高額だった。

この原理はグローバル時代、すなわち株主が大事で従業員は大事でないと定義し直した現代において、世界各国で優先されています。だから日本の円安は、巨大企業の忖度を受けた日本政府による為替操作だと、外国から疑われているほど。

海外へ出た美術作品が、現地で買われた売上金を日本円に換算すると、円安なほど増えます。日本のアーティストは、国際グローバル企業と同じ恩恵を円安で得ます。だから今回の参加者は、ユーロ数字が前年と同じでも、円に直すと前年より大きいのです。

問題は、同時に起きる出品料の目減りです。下がった円だと、外国で買えるサービスが減ります。展示会場のドイツ人バイト料だけでも、以前よりも多額の円を注入しないと足りません。しかも日本以外は経済成長しているから、毎年上がります。クラウド・ファンディングの動機は、そこです。
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|03-19|クラウドファンディング美術支援||TOP↑
日本から海外へ進出する美術家は多いのに、海外から日本へは少ない。これはどうでもよいことでもなく、日本では美術が流行らずというか一般化せずに、日常の中に定着できていない状態です。いまだ物珍しい美術。

アート先進国ではなく、アジアでも強くないのが実態でしょう。その身近な表れが、国民のほとんどが現代美術作品を家に持っていない点です。こう言うと、反論も聞こえます。「だって美術なんて僕らは興味ないし、関係ないから当然でしょ」。

その話をしているわけです。関係なくて当然となっている、美術マイナー国の話を。これが日本で突出した美術の特殊性であり、初めにありきの大前提になってしまっているほど。要するに美術全般を敬遠する国です。自分は持ちたくない、家に入れたくない。

しかし、この結論には穴があります。世代交代が計算に入っていません。一時的な特殊性かも知れない疑い。日本が世界と違う場合、特殊事情や条件で曲折しているものがよくあります。国民性と思いきや、規則や格言が引っ張っているなどよくあるパターンだから。

たとえばアンケート調査の結果には、「多数派が常識」と心理形成する危険があります。多いから正しいとの気分になり、無勢から文化が生まれる道理から外れる危険です。しかも、九割が賛成だと全員が賛成ねと早合点するし。全員が前衛的である必要はないから、アンケートは危ない道具。

海外進出の背中を押す空気があります。いわゆる名前追いファンとか、身内買いを当てにした絵売りシステムなど、非能力主義のあれ。芸術家が絶望感にさいなまれる空気です。するとアンケートの出番です。「僕は家に美術を持つつもり」という人が一割いたら、アンケートではゼロ同然でも、かなりの人数なはずで。
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|03-16|クラウドファンディング美術支援||TOP↑
クラウド・ファンディングの第一弾プランは、昨日審査に合格しました。いつでも公開募集ができる状態です。プランのページの見せ場は、全て参加者様のドイツ撮影写真と、出品作品で構成されます。皆で力を合わせた結果です。

第一弾の目的は、ジャパン・フェスティバル・ベルリンに遠征する、ドイツ側活動資金づくりです。展示会の出品料が低いから赤字で、にもかかわらず参加者も出品困難になりがちな日本国内問題です。要するに2014年夏から続く、デフレ不況三番底の影響です。

そのジャパン・フェスティバル・ベルリンは、夢の展示会というよりは、定期公演的なオフィシャルな位置づけです。そこで、毎月の仕送りのかたちをとる「ファンクラブ型」としました。一般的な「プロジェクト型」は、第二弾以降として個展をすでに計画中です。

この第一弾の目標はもうひとつあり、日本からのドイツ遠征が具体的にどんな作品か、日本国内の鑑賞者に手にしていただきたいのです。見るだけではなくて所有を。日本から外国へ出て、向こうを盛り立てて終わりでは、やはり足りないからです。

現地の成果は日本に戻して積み立てたいところで、まずは好作品を日本でも広めたいと考えています。これは、日本もドイツみたいに美術が一般化すればよくなるのにという希望です。

アーティスト一人がクラウド・ファンディングを行うのは、なかなか負担が大きいとわかりました。負担のひとつは、リターンと呼ぶ返礼品の手配です。この第一弾では、現地での好評作品が増えつつある点はかなり強みだと感じています。
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|03-13|クラウドファンディング美術支援||TOP↑
冬のオリンピックのたびに、日本のアルペンスキーは地味でした。オーストリア、ノルウェー、ドイツ、スイス、フランスなどアルペン強豪国には伝統の蓄積があるとされ、日本が及ばない理由が様々言われてきました。

一方のパラリンピックは、日本も存在感があります。2014ソチでは、チェアスキー(シットスキー)の男子滑降とスーパー大回転で日本は二冠でした。

そのアルペンコースは容赦なく荒い中急斜面だから、転倒も激しい。片足で滑る選手がギャップで大クラッシュしたり、視力がない選手はマイク通話しながらも前走ガイドに追突したり、ゴール後に止まれない転倒も多い。

そんな中、チェアスキーは一本スキーのかかし状態で、スタンス幅や前後差、外向外傾もプルークもステップもなく。ひざ屈伸はコイルバネで代用され、時速120キロに達して荒れた部分で飛びはねて怖い。でも上位選手はさすがにうまい。

長野の頃はカテゴリー細分化でメダルの総数が多かったのを、後にハンデ制で同じ土俵にまとめてメダルを減らしました。それも含めメダルの重みは安定せず、価値の公平性がすっきりせず、パラリンピックと距離をとる人も世界に多いのではないかと。

成績の価値から離れてみると、スキーの激しさと難しさが残ります。その点は美術も似て、作品の値打ちから離れたら、もっと作品に近づいた鑑賞ができるでしょう。現実は、どういう価値を持つのかに気を回すあまり、作品と距離をとることになりやすいのですが。
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|03-08|その他||TOP↑
テレビは理解を広めるのが早い代わりに、早合点した誤解を広めやすい欠点もあります。スポーツ選手の中にも若いなりに言葉を選び、誤解を解こうとする場面がみられます。

平昌オリンピックのスピードスケート女子パシュートで、日本が優勝した直後のテレビ番組。準決勝に出て決勝に出なかったメンバーを、「四番手の控え」と呼びました。チーム側が聞いたら、それはないよとなりそうな。

スキージャンプ団体などと異なり、団体パシュートは同時に固まって滑走するのが特徴。データに基づいた組み合わせと隊列で戦略を組み、互いが互いを非常に頼る役割分担となり、チーム内に番付け序列と違う構造があるはず。一家の父母を番付けしないのと似て。

変わって、80年代末に年長者が語った話。「海外のアルペンスキー五輪メダリストと、日本の指導的プロスキーヤーが番組の中でレースした。日本のプロが楽勝し、アマチュアが出る五輪は格下と知った」「五輪金の欧米選手より優れたスキーヤーは、日本にゴロゴロいるとわかった」と。

待って、待って、待って。アルペンスキーの聖地キッツビュールの滑降コースを完走できた日本人は、1987年から31年間いません。ところが2018年に56位に入りお祝いだという。回転種目でも、1956年の猪谷選手以来62年間メダルはなく。ゴロゴロどころかスッカラカン。

「学校のプロ美術教官は、歴史名画より上の絵が描ける」みたいな誤認識は、バラエティー番組の演出を真に受けたのでしょう。いや待って、待って、待って、絵には旗門不通過や転倒はなく、完成できて勝算もあるかも。
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|03-07|その他||TOP↑
ビットコインなどの仮想通貨を買うのは、絵画と同じでインチキだと、ネットでは言われます。どちらも値上がり確実だと信じたら、損するぞという主張です。こちらで最近、仮想通貨と絵画の違いを記しネットに出しました。

仮想通貨の原理を説明し、値上がりするカラクリを分析し、絵画とくらべています。ただ、今の仮想通貨の目的は単純で、要は無限連鎖講です。しかし一方の絵画は無限連鎖せず、もっと複雑な価値に支えられています。

絵画を買う人は、互いに異なる作品を手にします。横のつながりがなくて個々が独立しているから、盗まれた作品が他と混じって見分けがつかないこともなく。

仮想通貨は早い購入者が遅い購入者の納入金を横取りする仕組みですが、美術にはこの横取り機能がありません。ピカソ絵画を買った人が、ダリ絵画購入者の金を得ることはなく。美術は仮想通貨のゼロサム(総合計がゼロ値のシーソー)と違い、有用性の合計が実際に増えます。

買いたい人が二人以上(競売では一人以上)いると、値上がりが始まる点は仮想通貨と同じです。しかし絵画は仮想でなくリアル物品だから資金プールはなく、仕手戦で価値を落とされる心配は小さいでしょう。

数字上のゲームと異なり、確かなビジュアルイメージが絵画です。意外に大きいのは、選ぶ目の効用です。選択眼に自分らしさが表れ、家にアートを置けば自分の芸術観が表明される。全員が異なるものを買う複雑さゆえ、絵画についていけない人は仮想通貨よりもはるかに多いでしょう。
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|03-01|芸術の秘密と謎||TOP↑
平昌オリンピックの閉会式がやがて始まります。今回はスケート種目の伸びと、カーリングなど初メダルや入賞があった陰で、アルペンスキーはほとんど空気でした。滑降、スーパー大回転、大回転、回転。昔から言われてきた、「日本のアルペンスキーはなぜ弱い?」の疑問です。

答は「勝ちに行かないから」で、こうやれば勝てる道理から逆算した準備が足りないせいです。準備のひとつは、異常に雪が荒れたコースです。荒れたコースは国際スキー連盟の策で、気持ちよく整ったコースで下位選手が勝つ番狂わせを防ぐため。

気持ちよく滑れるコースでポール練習ばかりやっても、オリンピック本番は飛ばされたりつまずいて完走も難しい。実際に日本のトップ選手は、繊細な技術はあっても、序盤のポール不通過や転倒が昔から多かった。

整った氷上で自分を出すスピードスケートと違い、ウソだろ?という起伏とガサガサ雪の危ない斜面を、スキー選手は滑らされます。スケートと違いスキーは障害物競走でもあり、きれいにかっこよくきめるゲームでなく。

その結果を指して、体格が劣る、体重が軽い、手足が短い、スキー人口が少ない、性格が向かないなどの理由づけが百出。こういう場合に真っ先に疑うべきは、組織が思想的に分裂していないかです。勝ちに行く合理的な解決へと、焦点が結ばない何かがないか。

この着眼で日本の美術をみると、思想的な分裂みたいなものは確かにあるでしょう。一例は、お手本に似ていることを芸術と呼ぶ派と、似ていないことを芸術と呼ぶ派の対立です。二つの思想は完全に逆だから、間にはさまった画家は迷って中途半端になりやすい。
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|02-25|その他||TOP↑
ジャパン・フェスティバル・ベルリン2018の記録映像が増えていました。2019の主催者発表はすでに行われ、チケット販売が始まっています。こちらも2019用出品作の募集を開始しました。

芸術の階から始まる2018映像。
Japan Festival Berlin 2018

駆け足で、マイクロ個展2018の絵画とクラフトが映る2018映像。
Walkthrough . Japanfestival Berlin, 2018

既報のテレビ局2018映像。
Japan Festival Berlin 2018
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|02-21|展示会場スケッチ||TOP↑
スキー複合個人ラージヒルの渡部暁斗選手は、ジャンプがトップなので金メダルに近づきながら、結果はドイツ勢三人が表彰台を独占。やはり気になったのは、体重以上にワックスが合わなかった疑いです。

スキーやスノーボードの裏面のワックスは、雪質によって変えます。日本国内でも、鳥取、長野、北海道の各スキー場で使い分けることが多く。雪温が高いと撥水性向上、低いと摩擦軽減のために、パラフィンやフッ素樹脂などの固形ワックスが多種製造されています。アイロンで溶かして塗ります。

草レースだと選手が塗るわけですが、ワールドカップや五輪ではワックスマンが同行し、当日の雪質を分析しワックスを選びます。「スキーが滑らなかった」という声は、ワックスが雪温と雪質に合わなかった意味です。

ワックスがあまりに合わないと微妙な差どころでなく、何となくつんのめって後傾に構える重い感覚が起きるなど、初級者でも滑走性の悪さに気づきます。冬の五輪で純粋にタイムを競う種目は全て、空気抵抗とともに雪と氷の摩擦との闘いになっています。

ワックスの失敗を選手が訴えないのは、ワックスマンに全面的に頼っている理由もあります。ドイツ選手がそろって好調だったのは、ワックスかストラクチャー(裏面の細かい刻み加工)のノウハウもあったのかも。

マテリアル選びは美術でもあります。一歩離れるとかすんで他人に伝わらない絵は、線が細すぎるペンが原因なのも見かけます。世界に挑むには太くて繊細に見える絵へと、やり方を変える必要もあるでしょう。
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|02-20|その他||TOP↑
今、クラウドファンディング第一弾の準備中です。資金活用のプレゼンテーションなので、ポイントも色々あるようです。それ以前に、募集会社からの要求は幅広く細かいものです。そう簡単にはできません。

値打ちが高い謝礼品を豊富に用意できるかは、挑戦者の関門になっている気がします。こちらに世界一のアート絵はがきシリーズがあると自負はしても、嗜好の内外差を具体的にくらべたことはなかったもので。

ところで今日は五輪フィギュアスケート男子を、ラジオで聴きました。日本勢は金銀を同時に獲得し、ニュースの声もはずんでいます。すぐに思い出したのは、かつて長くフィギュア男子が国内で不人気だった頃です。

ひっそり出場した往年の日本選手たちは指導側に回ると、本気で勝とうと変革してきました。全体の力量が上がると、一転して冬季五輪で一番人気となり、好循環が起きています。各地でエキシビションが大入り。理解されるコツは、内容を充実させることでした。

日本では概して現代アートは理解の外ですが、現代アート関係者は国民が時代に追いつけば解決すると思っているようです。内容を充実させるべきだと指摘しても、現代アート推進側は受けつけません。不備は国民側にある前提で、もっと強く広報すれば理解されるつもりらしく。

こうした在来作品ありきの現代アート業界と異なり、スケート業界は出し物の改良で国民を魅せる策をとりました。現役選手のがんばりだけでは変わるものでなく、上層部が目的意識を整理して計画を立てたのは効果的だったでしょう。
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|02-17|クラウドファンディング美術支援||TOP↑
冬のオリンピックは、全員が公平にはなりません。スキーの回転や大回転は、ポールや旗門のきわを皆が回り、徐々に雪が掘れ自分のラインどりが難しくなります。そこで塩類をまいてアイスバーン化し、ランキング順に一本滑り、タイムの逆順に二本目を滑って合計タイムで競うなどが対策です。

雪と氷の宿命で足元の状態が皆違い、だから夏の大会ほど厳密性がないのは確かでしょう。そこでジャンルごとのワールドカップのシーズン成績と照らし合わせて、リザルトが順当か波乱かを観客も計算に入れて見ることになります。

平昌オリンピックで、スキージャンプ男子とスノーボード女子スロープスタイルは、法外な強風で波乱となったようです。「でも全員が同じ条件だから、言い訳はやめよう」という声もありますが、そんなわけはありません。

仮に選手一人の体に吹きつけた強風のエネルギー量が全選手とも等しくても、吹きつけたタイミングは異なります。その瞬間の姿勢によって運悪く転ばされたり、運良く無傷だったりします。

そこまでの波乱はなくとも、公平のばらつきは美術の団体展でもあるでしょう。会場のどの場所か、隣に何が来るかでビジュアルな干渉が起きたり。自信作が低評価となった時、位置の不運を嘆いたり不満もあるかも知れません。しかし自分がよい位置を占めると、他人は逆になります。

この課題に対してこちらで行ってきたのは、ビジュアル的に引き立つ配置を考えることと、途中で行う作品の並び替えでした。さかのぼって、搬入時に梱包開封を簡便化して、時間の余裕をつくる必要があります。展示会場に零下十度の強風はなくとも、下準備はやっぱり重要です。
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