現代日本へと続く過去として、よく注目されるのは通算264年の江戸時代です。1980年代から、江戸を読み解くおもしろ本がたくさん出ました。人口爆発と災害の心配で、東京一極集中が批判されていたものの、今も一極集中を促進する方向のまま変化していませんが。

明治に急造したかに思える東京は、ほぼ江戸の街が持ち上がったものだそうです。落語も実は、明治の話題で江戸を思わせるそう。しかし和風文化の基盤は、京都で391年間の平安時代と思われます。現中東や現中国から取り入れた次の、オリジナル開発へ進んだ頃。

平安の表現物に紫式部『源氏物語』も含まれますが、絵巻だけでなく当時の屏風絵などで特徴的なのが、アイソメトリック構図です。焦点を無限大とした斜投影図法で、遠くの物が近くの物と同サイズで描かれた大和絵がそうで。理系が作図したみたいな。

これは、建築設計のビジュアル構成図版に今も使う技法でもあり、西洋式の透視図法と違い、奥行き感がなくべちゃっと平板で、模式的な抽象性を感じさせます。遠くにある物体も縮尺が等しい。

ところどころ雲が描かれ、初期のパルテノン神殿みたいに派手な原色がふんだんで。また動画的な描法もあって、ぶれや走行軌跡などモーションのラインも平安時代の表現です。漫画に似ているとよく言われるつくり。

平安を連想した理由は、日本大好き外国人が撮影した旅の記録映像でした。写した物とともに、写す目も和風に感化されたのか、平安時代の風情に映り方が似ているのです。まだ歌舞伎や茶華道を生む前の、原始的な和風です。
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|04-29|世界に伝えたい日本の奥義||TOP↑
テレビや新聞などマスコミとは違い、新興のネットにのみ真実があるというネット優位説が聞こえてきます。ネットに真相が出ることが多いのは確かですが、圧倒的に虚偽が多いからたどりつきにくいのも現実でしょう。

そんなネットで商品名を探すと、今発売中のショップページが大量に並びます。が、絶版になった過去の名著『事故の論理』は、言葉自体がネット上に全くないとわかりました。『事故の論理』とは、国鉄の事故調査部署の長が記したドキュメントでした。

列車事故の報告書から抜粋し、なぜ起きたかの理由を解き明かした一般向け読み物で、新書版だったような。印象に残っているひとつは、行く手が赤信号なのに列車を走らせた正面衝突の大事故でした。

「信号の色に注意せよ」という教訓は無効です。なぜなら信号は青だったから。運転士は青信号を確認して列車を進めたのでした。その青信号は、鉄道用と同じ方向に見える、遠方の道路信号機でした。暗闇に浮かぶ灯りを取り違えたことが、調査と実験でわかったのです。

その本もきっかけだったか、外国人が日本の列車で驚く、あの安全策が生まれました。運転士が信号機を指さし、「信号は青を確認、進行しまーす」と声に出すあれ。行動を自分に解説しながら運転する。ヒューマンエラーを誘う要因がたまたま集中する確率を、自力で下げる方法です。

今日で12年たつ宝塚線の107人死亡事故は、若い運転士が到着遅延の罰則を回避しようと、熱くなって飛ばした脱線と解釈できます。到着の遅れより速度超過の方が罰則が大きいのだと、音読させるマニュアルも必要でした。責任の9割は、本来プレッシャーに弱い人間の脳のはたらきに、上司たちが認識不足だったミス。過労自殺と共通する現象。
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|04-25|その他||TOP↑
ハリウッド映画のパターンは「ボーイ・ミーツ・ザ・ガール」が浮かびますが、意外に多いのは「ザ・タイタニック・スタイル」です。別にそんな言葉はなく三日前に思いついた造語で、これは豪華客船タイタニック号の物語です。

タイタニック号の船長は、会社でいえば社長でした。しかし操縦した船自体は、社長の持ち物ではありません。オーナーたる船主が別にいて、そちらの方が権力が上です。社長は雇われた部下にすぎず、物語全体を支配する頂点にはいない。

タイタニック号の沈没は船体の強度不足による浸水が主因とされ、船長や船員はやるだけのことをやって死亡していました。この物語は、企業オーナーたる株主が運営に無理を強いて組織全体を破滅させる、そんな運命を類推させるものです。

なぜこんなことを思い出したかといえば、動画サイトの広告で似たものが出回っているから。油田の掘削で資本家と現場側が衝突し、資本家の強行に現場が従わされ、大事故となるパニック映画の宣伝が流れています。

「これからの時代は株主の利益を第一に」と言って言って、言いまくったあげくに実現した日本で、名門企業が次々と破滅し沈んで消えたこの19年間が、「ザ・タイタニック・スタイル」を思わせます。

欧米、とりわけアメリカは、「企業は誰のものか」を昔から強く気にしてきたことを、この筋書きの映画の多さで推測できます。「現場の声に左右されてはライバル企業に勝てない」「しかしその躍進に反社会性はないか?」という永遠の対立が、作品モチーフの定番になっています。
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|04-23|美術の基盤は経済||TOP↑
日本で具象美術よりも抽象美術が冷遇以上に嫌われるのは、過去に業界で続いた内戦とヘイトの結果も大きいと仮説を立てています。これは日本人の資質や素養として、根っから抽象が苦手な根拠が特にない証拠立てにもなりますが。

そしてこの問題の上位にあるのは、世界的な傾向として具象より抽象の方が数が出にくいこと。限られた客層で、選ばれた人のみ抽象を買い求める国際的な実態もまた、厳然とあるのです。人類はまんべんなくオールラウンドでもなく、全般に抽象が苦手になっているのも事実で。

画家にすれば、具象画で挑戦するか抽象画で挑戦するかで、課題が異なります。日本作品のドイツ展示に限定しても、具象の目標をグローバリズム画風よりローカリズム画風に帰結させやすく、何をすべきかは平易でなくともハウツーは方向づけやすい。

それに対して抽象画では、日本らしさ以前の壁として、ユニークなビジュアル図案へと詰める苦労が大きいのです。何かを写して似せるという、実写の共感を捨てたのが抽象画だから。抽象はマイナスからの出発。

具象画ほどは売れにくい抽象画を、新たにパワーアップする作戦で、今は実は改良の余地をより大きく感じています。抽象画の方が足りない何かを見つけやすく、具象より向上の幅も大きいから。

モデルの魅力が七難を隠してくれる利が抽象画にはないから、定石を壊して特異性を加えないと、他人の感興を誘わない。佳作の抽象では、佳作の具象より見過ごされるハンデを計算に入れる必要があるでしょう。
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|04-19|作家方針の工夫||TOP↑
サイトの見え方の話題です。WEBサイト(ホームページ)は、映すブラウザソフトごとに違って見えます。機材によってレイアウト再現が異なり、印象も変わります。サイトデザインの評価も、見るソフトで差が出ます。

よくある違いは字や画像間の距離が、近く詰まって見えるブラウザと、遠くスカスカして見えるブラウザです。一番多い体験は、横線を引いた上下の活字が横線からどれだけ離れるかです。また、四角スペースを積み上げた全高も必ず違います。

Google Chromeという新型の略式ブラウザソフトが無料配布されて以来、これで見た時だけ文字が大きくなるトラブルがネットに増えました。プログラム機能の不備、つまりバグらしい。

今現在、Firefoxは最も活字が詰まりコンパクトになり、Google Chromeだと活字が大ぶりで横へ広がったレイアウトになり、一行に収まるはずの文が二行に押し出される部分が目につきます。詰組のプロポーショナルフォントが、活版印刷ふう等幅フォントに化けるからです。

Internet Explorerは両者の中間的ですが、以前とは逆にFirefoxに近くなりました。どう作れば個々の違いを乗り越え差を小さくできるかは、WEB業界の悲惨なブラック就業と過労死の原因でした。個別の解決に定説がなく時間もかかり、しかも毎年変化するから。今のフォント化けはこちらで実験し修正できたものの、ネット情報はありません。

無料サイトやブログは、最も大ざっぱに映るブラウザに合わせ、大ぶりで大味なレイアウトに作ってあります。精度を感じないアバウトなレイアウトは、無料だからボロくしたのではなく、自由競争と自動更新のカオス対策になっています。
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|04-14|作家サイト作戦||TOP↑
今朝3時過ぎにご質問をいただいた新人の方へ。2時間後に返信して不達でした。誤記ではないとしても、そのアドレスはすでに存在していません。ご確認ください。

さて本題。最近またビットコインが宣伝されています。円天やセカンドライフを識者が絶賛したパターンと似ていますが、国民に警戒される理由はいくつもあります。仮想通貨ではなく決済法や投機商材だとする見解もあり、定義が動くこと自体が不安定感を誘っています。

またビットコインに懸念する者を、関与者は説明せずにののしるのも特徴。「参加しない反対者は時代遅れのバカです」と言い切った、過去の大規模詐欺事件と空気が似ている点。本当に良い物なら、叩き発言はしないのがヒトの心理だという。ちなみに、既参者は新参者が増えると資産アップする無限連鎖(ネズミ算)機能があり、売り抜けで暴落する理屈です。

米ドル、ユーロ、円、英ポンドの四強とは違う不安定な通貨の国には、以前から代替貨幣願望があります。要は人口世界一の国民が自国通貨不信で魅了され、他国の客商売はそれにつき合い売上高を増やしたい。日本でも2017年4月から仮想通貨法が施行されます。

仮想通貨の最大の利点は、当局に知られずに資金を動かせる点で、つまり免税と洗浄が第一の目当てです。現に日本で大金が消滅した事件は、犯人がわからないまま。副次的な利点として、決済の手数料を安くできる点もあります。理論上は。従来の正攻法で日独間で展示活動費を送ると、特にユーロレート加算部分の負担が大きいのも現実。

しかし捕捉できない超自由主義で世界は不安定になるはずで、仮想通貨の根底には無政府主義願望もあり、何となく現代アートの一部にみられたアナーキズムと親しい方向性です。国を壊して世界を組み直すおもしろさの一方で、安定と秩序を今も保つ最古国日本に欲しいのは、仮想通貨のようなデフレ材料とは逆方向なのも現実。
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|04-11|その他||TOP↑
今日気づいたことですが、連続テレビ小説『おしん』(1983)のテーマ曲に元ネタがあったのかと感じました。ジョニー・ピアソンの『ヘザー』がそうで、きっかけはカーペンターズのベストセラーアルバム『ナウ・アンド・ゼン』(1973)。しかしネットにこの情報は一件もなく。

出だしから曲の回し方が似て、共通するコード展開です。途中で和音がガク折れして、テンションを高める部分は酷似。ただし主旋律は異なり、盗作とは感じない範囲でインスパイアーかもという程度です。『サウンド・オブ・サイレンス』と『夜明けのスキャット』の関係に近い感じ。コード拝借なら『チェロキー』と『ココ』みたいなものか。

『おしん』のテーマは開始わずか5秒でサビとなる劇的な曲で、連続テレビ小説シリーズ曲の最高傑作と定評があります。1980年代のアメリカから始まった、低域を厚くした音づくりを感じさせるもの。市販のサウンドトラックはモノラルだったので、ステレオ盤が待望されていました。

鳴かず飛ばずの曲を劇的に改良した例に、ジョージ・ハリスンの『マイ・スイート・ロード』がありました。盗作裁判の原告側が示した元ネタ曲が、煮え切らないもどかしい不発作品で、これがイマジネーションの差かと感じた人も多かったのでしょう。

もっとも、既存作品の改良作業はたやすい一面もあるはず。現に、表現物の多くは他の表現物を参考にしています。似ない場合でさえ。しかしまた、オリジナル作に最も普遍性が宿り、二番ものは亜流くさい例も多く。

以前の美術大学教育で、有名画家作品の模写が不自然に評価され、劣化コピーが推奨されるも同然で、部外者もあきれたと騒いでいたニュースがありました。オマージュは本来、元祖に対して「出藍の誉れ」といえる差異と向上が期待されるはずで。
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|04-06|芸術の秘密と謎||TOP↑
2018年のジャパン・フェスティバル・ベルリンに出すジクレー版画の募集がスロースタートしました。毎回の目標があり、次は価格アップ作戦です。

今回、会場の別ゾーンにあったサブカルプリントを偵察しました。こちらで出したジクレー版画は、似たサイズのサブカルの4~20倍の価格で売れました。しかしこれは仕様の差もあり、こちらのプリント料金はかなり高額で、最低価格が高くなります。

美術品は永久保存が前提だから、経年変化しにくい紙、染料でなく顔料で堅牢なハイエンドインクの、耐久性ある仕様です。用紙は、世界的に高級な日本製かドイツ製です。

しかし現地の購入客は、財産価値にはあこがれません。絵のコンテンツである意匠イメージが目当てで、資産価値やリセールバリューを考えないのがドイツ。後日の値上がり期待で買うわけではないから、画風のへたりは気にしても、絵の端の折れなどは気にしないほどで。

原画よりも安価に出せる版画に替えたことで販売数は増えましたが、販売数を追うと値下がりを招きます。日本美術の価格破壊が起きないように、多角的に研究する回にもなります。
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|04-03|ジクレー版画物語||TOP↑
日本にエイプリルフールは定着せず、過去に新聞社がジョーク記事をのせた時、読者は怒り出しました。冗談が通じにくい東アジアの地域性なのか、中国共産党もこの風習に乗らないよう人民に呼びかけています。

エイプリルフールの虚報を真に受けた例に、「アポロ陰謀説」があります。月に降りた12人に、今の価値で総額1億円もの口止め料を払ったとされる事件。元は4月1日制作と記した英テレビ番組(放映は別の日)でしたが、世界に潜伏するアメリカ国への私憤と混じり、アメリカ下げプロパガンダが形成されました。

「巨大イナゴ」「スパゲティのなる木」も、今も信じる人がいます。よくあるパターンは「ツタンカーメン王の呪い」で、冷遇された出版社の恨みの創作と当時は知れていたのに、年月経て信者が増えた時間差薬効でした。テレビのウルトラシリーズも後世に、宇宙生物が地球に来ていた証拠映像として引用されるのは確実。

ところで、今や毎日がエイプリルフールです。たとえば、水道水に「ありがとう」と言ったり、モーツァルト曲を聴かせると、味がよくなるデマがあります。デマと言われて反発する立場は、水や装置の販売業者だけでなく、一般人にも広がりました。最大の理由はアフィリエイト。

見え透いたデマでも一定率で洗脳できる統計成果を利用するのが、今日のフェイクニュースサイトです。米トランプ大統領の選挙でも、本国内外のフェイクニュースメーカーが複数動員されたとされ、有名な虚偽報道サイトはロシア企業でした。デマの創作と流布は法律違反でないから。

当局のエイプリルフール化も負けず、江戸しぐさだとか。「ニセの情報に気をつけろ」という警告はほぼ無意味で、人が享楽と利害で正誤を決め取捨するという、美術展の審査に似たやり方は今後も強まる勢いみたい。
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