昭和以降、日本全国で進められた区画整理。街を再生し活性化する行政執行で、道路の数を減らして幅を広げ、敷地を合体させ大ブロック化。ついで容積率緩和で地価を上げ、高層ビル化。この時、大字(おおあざ)などの地名を何丁目何番何号と数字に変えました。

やがて地域計画学の見地から出た苦言が、「界わい性の喪失」でした。

古くからの街並みには謎があります。曲がった小道や抜け道とか、行き止まりに広がる笹やぶや、ドブ川をまたぐ古い橋とか。年代不詳の石碑やホコラ、一里塚のたぐいも。目的不明の横丁広場や無意味にふくらんだ側道は、井戸端会議やイベント待機所に使われていたりして。

こうしたちょっと気になるオマケ物が一掃されるにつれ、近隣コミュニティーの疎遠化も進んだものだから、因果関係が疑われました。無用空間の含みが、風情以上の何かをもたらすとする環境心理学です。派生して、東京路上観察学なんてのもありました。トマソンと呼ぶ無駄もそうです。

区画整理と社会変貌の関係は不明ですが、割り切れない余剰空間が奥行きを生む現象は、絵画の画面内でも起きています。整然とまとまった画よりも、不可解な変調や断層が生じた訳あり画の方に趣があるのです。スペースをつくると攻めやすくなるという、スポーツ解説で聞いた原理のように。
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