放送事故とは、音声や画像が途切れたり、別物が出てしまう電気設備的な失敗を指すという定義があるそうです。信号ケーブル端子の接触不良や、オンエア切り替えスイッチの押し間違えなどが原因です。

ところがその意味も曲解され、タレント番組で冗談の誤用が広まりました。スタジオ出演者が床の段でつまずいて転ぶのも、放送事故と呼ぶほどです。この論法だと、サッカー中継番組で選手が試合中に転倒するたびに、放送事故が発生しています。時には負傷者が出る事故。イエローカードもオウンゴールも、中継番組では放送事故です。

言葉表現には、間違った意味の方が取っ付きが良くて、本来の意味を駆逐する現象もみられます。「役不足」や「うがった」は誤用率が半々で意味が逆だから、弁論の場ではもはや実用性が失われた言葉です。誰かが口にしたとたん、解釈でもめて場が紛糾する元でしょう。

「芸術」の語はどうか。意味が複数あるだけでなく、逆の意味も許された単語のひとつなので、もはや言語の機能は喪失しています。たとえば作品の芸術性を言う時、前例がある作風を除外する前提か、前例がない作風を除外する前提か、正反対なのに半々なら言葉として役に立ちません。芸術的な人を二人連れてくると、水と油ほど異なることも多いわけで。

やがて、タレントトーク番組でゲストがうっかり「芸術」と口にすると、放送コード抵触で放送事故に認定されるかも。番組中、不適切な言葉を使ってしまいましたと。
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