日本語の乱れは、「誤解」という単語にも及んでいます。雑魚の料理を高級魚使用と書いた事件で、偽装犯たちが「客が誤解した」と言い出したので、「日本語の使い方がおかしい」と客が反発したという。

「結婚は誤解によって始まり、理解によって終わる」との格言がありました。アートとの恋愛にもみられるメカニズムです。たとえば新しめの現象に、ネットにポップアート批判があります。理解したら幻滅したという。

日本ではポップアートは若年層に人気で、マリリン・モンローの顔が顔役です。芸術の理解にてこずって、「あっ、これならわかる」という出会いもあったことでしょう。しかしこれ、日常の物品をアートと呼んで生じる大衆心理実験をねらった、一種の情報戦でした。映画『ナイアガラ』のポスター写真を引用し、僕の作ですと言えば大衆がどうリアクションするかの実験。

日本人の固定観念では、アートとは美しい事物を模写したものです。典型はバラの花の油絵で、花を美女に替えたモンローでは、作者は世の古いアート観をからかう気があったようです。そういうことを、インタビューで答えていました。

缶ビール彫刻も、作者はパッケージデザイナーではなく、空き缶をゴミ箱から拾ってきただけ。そんなギャグとは気づかず、女優を模写したデッサンの確かさや、手広いマルチ手腕に感心する誤解の鑑賞で、日本でのポップアート人気は支えられました。うんとひねった問題作なのに、写生画に扱われている状態。ポップの本領は、幻滅する瞬間にあるのでしょう。
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