ジクレー企画への質疑で目立つのは、自分の作品はジクレー版画に適するかわからないというもの。これは版画という語も原因かも知れません。

CG作家や写真家は、普段の作業がジクレー版画づくりと同じだと心得ているでしょう。合わない作品はなくて。しかしキャンバス画や水彩の立場では、新たに版画を彫る作業が発生する話じゃないとは百も承知でも、何となく版画の伝統技法のイメージに引っ張られます。語感の問題で。

ジクレー版画の正体は、作品の写真プリントです。絵画を撮って印刷したら版画になる理屈。版画は英語でプリントと呼ぶので、欧米では違和感が生じません。版画のプレス機は、昔からプリンターと呼んできたし。

しかし日本で版画といえば、原始的な手作りの味わいを浮かべ、素朴で雑な「いもばん」あたりを連想しがちです。日本の伝統的な書道の墨汁が、英訳するとインディアンインクやチャイニーズインクになってピンとこないのと似ています。プリントといえば、試験問題用紙を浮かべてしまって。

今回は水彩紙やキャンバスペーパーも選べ、ハイテクの美術用プリンターでリアルな作品になります。キャンバス画をキャンバスペーパーにプリントすると、キャンバスの雰囲気だけは出ますが、水彩画を水彩紙にプリントすると、見ても触っても水彩直筆に感じます。

見慣れた絵をジクレー版画にすると、元の絵と違うサイズになるから、見え方が変わって新たな発見がよくあります。自分の作品を分析するような面もあるでしょう。
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