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クラシック音楽史上最高のピアニストは、19世紀のリストとされます。作曲でも美曲、難曲、技巧曲が多い。しかし最近の反論では、もっと速く弾ける新人ピアニストはゴロゴロいて、リストなんて下位だという。人間は進歩して年々向上すると言いたげな今ふうの主張ですが、実はワナがあります。

アップライトピアノが合う部屋に、達人がグランドピアノを置く理由は何か。音が美しいからか。最大の理由は高速のアクションです。鍵盤を押して離すとすぐに戻る。1秒間に鳴らせる音数が、グランドピアノの方が倍に達し、新製品が有利という。

現代ピアニストがハイスピードに弾きまくる、その手柄はメカのレスポンスでした。ピアノメーカーの勝利。

これと何となく似た現象が美術にもあって、たとえば絵具の鮮やかさです。後世ほど、抜けるように輝く原色が増えています。昔は複数の混合だった色が、顔料の開発で原色チューブで次々と新発売。「鮮やかー、きれいー」と感動する近年の絵画は、画家の腕というより画材メーカーの勝利。

ところで、速度アップや彩度アップは万人にわかりやすいから、玄人は避けたくなります。それが作品を評価する軸を乱しもします。うんと地味な中間色が好まれた昭和の絵画も、枯れた趣味というより、一般人や子どもが反応しにくく、立ち入り難いようにした高尚狙いだった疑いがあります。輝く原色も渋い中間色も、色で芸術性を判断するのはワナです。
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