レコード喫茶やDJコーナーに、若い客が増えているそうです。レコード盤の出荷も増え、プレーヤーも針も生産続行中。このレコード人気は、CDとは異なる音質もきっかけのひとつです。

82年にCDが出た当初、レコードと聴きくらべる科学番組があり、ほとんど違わないとの結論でした。CDへ移行しても大丈夫という、30年以上前のゴーサイン。ところがCDの音になじんだ後でレコードを聴くと、音の厚さ、深さ、力感など、アナログのマジックに新世代が驚いたわけです。

世界初のPCM(デジタル)録音は73年で、日本のデンオン社の13ビットレコーダーでした。後のアーティストはデジタル音源から一度テープに落とすなど、アナログロンダリングして香りを加えたものです。オールデジタルだと無機質に聴こえるのは、スタジオの常識でした。

今ではレコードだけを終日かけるFM特番も出てきて、音の違いは放送でも伝わります。交響曲やメタルロックでも歴然とし、ジャズのアコベなど黒々と太い響きにグワッとのけぞるほど。

このように塩ビ製アナログレコードの音がよい原因は昔から謎で、放送作家の長岡鉄男もライフワークで実験を続けたほど。彼のひとつの結論は、音の悪さが秘密ではと。周波数レンジ、テープヒス、アンプ残留ノイズ、クロストークなど、マイナス要因が人の耳に好ましく作用する逆説。

精度の悪さや雑音が生む潤いは、絵画にもありました。純白でないアイボリーやクリーム色の紙に描いた豊穣感だとか、紙の風合いやキャンバスのテクスチャーもそうでしょう。考えてみれば、絵具の塗りムラもそうで、完全に均質に塗ればアートでなくデザインに見えて、価格も下がりそう。
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