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作曲家の山田耕筰の最高作はひとつは『ペチカ』と思われ、てっきりロシア民謡と思わせる意外な転調でひねった歌曲です。それよりも日本的な曲が『赤とんぼ』で、ジャズコードをつけると異様に劇的なのが山田流。ふるさと情緒以外に実験音楽も多く、日本初のオーケストラを結成した人。

「ラフォル・ジュルネ音楽祭」など、東京で開かれるクラシックコンサートが盛況です。山田以降発展を続けた日本のオーケストラも、世界級に達したと言われたのはずいぶん前で、70年代半ばの雑誌にもそうあるほど。各分野と同様、日本の楽団員は概して器用で多芸だという。

しかし聴衆の多芸さはまた別で、現代音楽が今も苦手なお客が多い制約があります。アメリカの日本人からの報告で昔から聞くのが、ベートーベンやチャイコフスキー、いやストラビンスキーやプロコフィエフよりも新しい現代音楽が、どこでも普通に演奏される体験でした。音が出るまで曲目が知らされなくても、抵抗なく切符が売れるという。

日本ではそうはならず、知っている古典曲との再会を楽しむ傾向がみられます。絵でいえば、ルノワールやゴッホに心酔して、しかし話題が抽象画に向かうと「抽象はちょっと」と言う立場に似ています。この「ちょっと」とは、「全然わからないし嫌いだから見ません」という意味です。

表現物には、常にわかる壁がつきまといます。人気が爆発している鑑賞の話題が、壁の外へ広がっている話なのか、それとも内側で回っている話なのかで、現象の意味がかなり違ってくるはずで。すごい活況でも、時代変化は起きていなかったりもします。
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