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このシーズン、ショップ街やアーケードで流れるクリスマスソング。際立つ一曲が『アヴェ・マリア』でしょう。途中から大きく動転する展開が、ハッピーソングとあまりに違っていて。賛美歌に含まれながらも、キリスト教と全く関係がないこの曲は、謎が多いままです。

シューベルトには、こうした悲しみの思いに響く曲調が目立ちます。めそめそとメランコリックに始まり、すぐに高揚に向かってまた沈む、大仰ではないスモールスケールの回し方は、ほとんど彼の個性といえるもの。境遇の反映であろうというのが、よくある見解です。

全くもてることなく暗い貧乏な青年時代を生きて、31歳で亡くなった浮かばれない人生だそう。25歳で作った代表的な交響曲7番(旧8番)『未完成』も、初演は没後37年。ベートーベンが彼の才を認めるも、知るのが遅すぎて間に合わなかったらしい。

今日、誰も真似できない巨星も、当時は中堅でもない局地評価の未熟者で終わっていたという。いくつかのチャンスをものにできず、派手な活躍はなし。かつて松本零士の劇画でも、ドラマのない地味な悲哀の物語に描かれていたシューベルト。主人公でさえなくて。

どう演奏すべきか不明な曲も含め1000曲も書きためて、ほとんど何も得ずに消えていった。盛り上がらずじまいの失敗人生が残したクリスマスソングが、冬の商店街に鳴り響いています。
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