具象と抽象を両方作る西欧の画家は、20世紀にやっと現れました。最初の抽象画は1907年だから当前。民族学による第三世界の造形をヒントに、西欧で抽象美術が生まれ、やがて多様化の時代が来たわけです。一人の作家が、全く違う作風を複数手がける時代。

しかし何系統も続けると、二兎を追う弊害も出てきます。どの品種も極まらずに拡散した作家の例もみられ、何屋さんを目指すか迷走ぎみだったり。確たる顔がつくれない遅れを、本人もわかっていたりとか。

年季イコール芸術ではないとしても、創作には時間も必要でしょう。ある絵を完成させるのに、その絵を何枚も描かないと、絶妙に収まらないのはよくある体験です。多品種に拡散しない方が、傑作の出現率が上がる計算。

日本に限らず、芸術という概念を職人芸で代用している人は世界中に多くいます。要するに、手が器用な細かい仕事を指して芸術と呼ぶ勘違いです。しかしそうだとしても、芸術性という得体の知れない迫力にも、細部の詰めを要するのは事実でしょう。手の器用さとは別の次元で。

たとえば鳥の絵で、木立の枝が鳥に一部隠される、その隠れ方もだんだん気になるのが本当でしょう。くちばしと葉の干渉も。位置関係を少し変えても良し悪しが生じることでしょう。前例のない破天荒さえ場数を踏んで結実させるもので、一発で成功させるのはたぶん無理。
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