日本の絵を欧米で展示する。しかし、きれいに徹した絵は伸び悩みます。日本の絵の何割かはきれい型で、日欧文化ギャップの洗礼を受けます。

そこに、作品の梱包も相関するのです。作品を一点一点ていねいに包み込み、厳重に何重にもくるんである荷物は、同じフラグが立っています。

ドイツで何度も売れた作家の新作が届いて、少し驚きました。ビニール袋にまとめて放り込んだみたいに簡素で、作品同士こすれ、軟らかいのは曲がり、一部は角が折れて。顔料が落ち、粘着も張り付いて。クッションも簡略。それで結局、現地で目をつけられ売れる。これはいったいどういうことか。

梱包の態度は、制作の態度と似ます。絵を物理的にかばって守ってしている場合、制作の筆でもかばって守ってしているのです。欧米の目に、踏み込みの足りないアマチュアの作品に映ります。

逆にかばわずに描かれた絵は、踏み込んだ本物の仕事に映るらしい。ピカソの絵はアトリエに無造作に置かれ、端に泥がかかっていても無頓着だった逸話がありました。欧米はワイルドでダーティーな絵を求め、日本はセンシティブでクリーンな絵を差し出す構図。

これは、日本で芸術の意味が間違って認識されているせいと思われます。一点の曇りもない純粋物質を至高の芸とみなす誤解が、共通認識にある疑いです。美術の美を、美品的な清潔感に重ねた勘違い。若い世代までが染まりつつあるのは心配です。
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