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少し前の話題で、100円玉や500円玉にドリルで穴を空けていた手品セット販売業者が逮捕された事件。耳寄りなのは、ネットの議論でした。

「タバコがコインを貫通するマジックは、コインに穴を空けてあると誰だってわかるでしょ」の声が出てきたのです。しかしわかった人は過去に少なく、トリックに見当がつかずに年月過ぎた人がはるかに多かった。

タネも仕掛けも、なぜ日本国民の大半がわからなかったのか。それはコインに穴を空けた疑いを、念頭から外していたからです。なぜ外したのか。

80年代以前、10円玉の周囲をヤスリで削って100円玉サイズまで小さくし、自販機で使う事件がありました。当時のニュースも、通貨の加工は違法だとはっきりと解説していたのです。紙幣に住所を書くだけでも刑事犯罪だとは、多くの国民の頭にすでにありました。

だから、タバコを100円玉に刺すタネがわからなかった。人体切断のステージマジックで、本当に切断して後で遺体を火葬している可能性を疑わないのと同じです。対して、硬貨や紙幣は持ち主の自由だと思っていた人や、加工を違法と知らない少年たちの目には、貫通マジックがあまり不思議でなかったわけです。「穴を空けたら簡単でしょ」と。

ここで注目できるのは、知識が乏しい人の方が視野が広くなる現象もあること。裏返して、約束ごとを知る者に生じる思考の制約です。美術でも鑑賞のツボを心得た造詣の深い人は、新しい創造にはじかれやすく、概して次世代アートについていけない。妨害する側に回ったりして。美術を勉強した先には、許せる範囲が狭まるマイナス面も隠れています。
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