左右対称の造形は、デザイン物に見える難点があります。アートの場で相手の関心は下がってしまい、しかも安価なカテゴリーに向かうから、買い取り希望価格も下がるでしょう。非対称に作った方が有利です。

「名画は何が優れているのか」の解説を見かけます。有名絵画の秘密を、図形や数字を使って分析した本やテレビ番組もよくあります。よく出てくるのは三角形になっている配置や黄金比で、お寺の鐘やスカートのタテヨコ比で説明した美の根拠が世に出回っています。

昔の画家は、目分量の感覚で描いたのでしょう。それを後で計測し、法則に合う例だけ集めた雨男的な解釈といえるもの。突っ込みどころが多いこじつけ論に思えますが、ひとつ信じられるのは均等を崩す利です。

三角配置も黄金比も、割り切れないものです。フォーマルでもランダムでもない特異なあいまいさが完成度を感じさせる、心理学の世界。食卓で料理を並べる時も、対称や幾何学配列にしないで、フォーマルでもランダムでもない味ある並べ方をとるのが普通でしょう。堅苦しさが消えて自由感が増し、おいしく見せる無意識の工夫として。

日本の造形は、非対称が伝統とされます。書道も生け花も、楽焼きのひねった茶碗も非対称の美です。しかしそれもよく見ると、対称に近くて崩している際どい美なのです。規則性のない不定形とはまた違って。
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