出版不況はインターネットが情報を提供したせいで起きたという、間違った説明が日本に出回っています。書店が撤退し始めたのは1998年であり、その時まだ日本にインターネットは普及していません。当時の日本はネット後進国と言われました。だからインターネット博覧会を開いたわけで。

日本の出版不況は95年から表に出た不景気、バブルがはじけ不動産暴落で銀行が経営難となる中で生じました。あの頃、国民の一人一人が倹約に努め出し、真っ先に本を買うのをやめたのです。毎号買った雑誌を増刊号だけにするとか、年に52冊買ったのをゼロに減らすとか。

本なんて読みませんと言う最大の動機はサイフ事情であり、貧しくてケチになったから。だから、国民の精神的な変化やら、思想哲学の変容をいくら分析しても無意味です。今すぐ余剰金ができれば、今すぐ本を買い始めるのは明らかで、現に立ち読みは相変わらず多く図書館も盛況です。

トランプ大統領候補への追い風は、グローバリゼーションで生じた中産階級の没落です。「強いアメリカ」の正体は、誰もがダッジに乗れた経済配分でした。書籍は中所得者が安定的に購入する商品なので、そこが落ちると出荷は激減するでしょう。一人が同じ本を二冊は買わないし。

こうして本離れが進んだ後で、後発のインターネットが代替となった順序です。ところがネットの無料情報は書籍よりずっとラフだから、インターネットが出版不況を起こしたという間違った説明も、コピペで広まります。ネットには、際どい事情を丸め単純化して済ませる欠点があります。簡単に言えば間違い情報推進本部。
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