イギリスの国民投票でEU離脱派が勝利し、世界経済の動転が始まっています。しかし勝利側にとっては、世界経済より自分の家計が大事なはず。この点で、先進国のリーダーたちはうかつに過ぎるでしょう。

イギリス国民がEUをやめたい動機に、移民受け入れ規定があります。移民は低賃金でも平気だから、企業が人件費削減で飛びつき、既存のイギリス人労働者が失業していく道理です。仕事を奪われる悪夢への恐怖が根底にあることが、市民の声にも表れていました。

安泰な特権階級やセレブたちがリベラル発言する陰で、犠牲になる庶民の危機意識はふくらみました。ドイツでも表に出ている話です。世界秩序より我が身を優先するイギリス国民の行動は、容易に想像できます。レイシズムだと攻撃されたくなくて、表に出しにくい問題ではあれど。

日本から欧米へ送るアートにも、この摩擦はあるでしょう。現地で商品を増やすのだから、既存商品と取り替わって終わりでは、相互の利にならないでしょう。それだとシェアという語でかわした、単なるパイの奪い合い。

日本発のアートは現地の売り絵とバッティングせず、ユニークであることが期待されます。現地にないものを持ち込み、現地にあるものを下げない。節約目的で飛びつかせる代替需要は、創作の目的ではありません。

芸術交流はシェア争いではなく、異なる価値の拡張合戦だと規定したくなります。常に実験で、常にプロトタイプで、常に景気刺激策。勝ちをさらっていくスポーツとも違い、勝利者の定員枠を広げる役がアートです。
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