日本と違って欧米では、素性のわからない一見さんの作品でも買い手が現れます。だから、外国遠征が初参加の画家が売れることも割とありました。作品の実物を見せているのだから、値打ちを測る材料は足りているわけで、相手は作品をよく見ています。

一方日本で展示を行うと、相手が見たいのは作品よりも値打ちを裏づける資料かと感じることがあります。世間でどういう評価なのかを知りたがるとか。作品実物は補足資料みたいで。日本では人々が自力で見ない前提ができていて、結果的に欧米の方が売買数も圧倒的に多いという。

それなら日本から欧米へ何でもどんどん送ればよさそうですが、日本の作品価格では高すぎます。オープン市場では、安い優れものを探そうとしてコスパ狙いが起きているからです。現地での相場は日本より常に低く、さらに値引き交渉も始まります。

それなら値段を変えて済むかといえば、内容もいじる必要がけっこうあるのです。国内では作品向上に、周囲があまり関心がなかったからです。優劣は評価情報に従うから、内容にシビアにならずに済んだ。買うわけじゃなし、美術家が何をやろうが割とどうでもよかった。買うものがないと文句を言うお客もいないし。

内容がさして注視されない環境で生まれた作品に、不足やスキが多いのは自然の成り行きです。なので海外進出するには、日本では二の次でも済んだ作品内容に、改めて本腰を入れることになります。
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