ここでの作品募集範囲は、古代、中世、近世、近代、現代まで何でもありですが、そもそも現役作家の新作は現代美術に決まっています。実際に現代風なのだし、ドイツで「現代美術展」とわざわざ銘打った展覧会は覚えがなく、アートフェアの参加作品も全て現代美術です。

それに対して日本では、現代美術の語に特別な仕切りがあり、隔離的に扱う傾向があります。一般的な美術という範囲がまずあって、対して現代美術という特殊なカテゴリーが別にあって、両者の間に高い壁がある感覚が日本。ひとつは理解の壁です。

わけがわからず、突飛で難解で、狂っていたり、お馬鹿な作風。作者も何かおかしい人だったり、外国の時流をまねた若者の軽薄や傍若無人とみるのが、今も残る現代美術のイメージでしょう。日本の大御所や重鎮は、現代美術なんかに間違っても手を出さず、勲章推薦もない話。

日本国民が現代美術展へ行く動機は、ケーキを食べる別腹に似た第二の関心であり、どちらかといえばお化け屋敷に入るフィーリングに近いというか。暴走族の集会イベントを見に行くに似た、好奇の対象。

こうした空気の日本国内で現代美術を作ると、先進意識やはみ出し者のヒロイズムさえ生じますが、輸出すれば無効です。向こうへ持って行くと悪役でなくなり、誰も飛びのいてくれない。モチーフ不明の抽象絵画ぐらいでは叱られず、既成の概念への挑戦とも受け取ってもらえず。何をやれば悪役になれるかは、また別にあります。
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