「クールジャパン」に対して日本国内から出された批判の多くは、自称はカッコ悪い、官主導ではおかしくなる、というもの。

国が既存の「クール」を使い出した原因のひとつは、欧米で流行っていた和食や寿司店の問題でした。日本人による経営ではなく、他国の人が類似品を売っている実態の報告が発端という。日本の食文化の名前だけ使われて、ウソの料理を世界に広められては本家が困るというあの問題。

「クールXX」の語の由来がいくつか言われますが、音楽関係者が思い当たるのは1940年代末にアメリカに現れたクールジャズです。皆で楽しく踊るスイングジャズの大ブームの後に、東海岸のアフリカンがビバップジャズを創造した、それへの対抗馬としてヨーロピアンがクールジャズを創造した流れでした。

クールジャズの歴史的名演はアルバム「サブコンシャス・リー」のほぼ一択で、主役のリー・コニッツは発売64年後の今も86歳で演奏しています。クールの語には、本物ゆえ大衆化されない意味もあって、反対語はウォームでなくポップとする論が有力でしょう。ジャズ史でも、クールは連山でなく独立峰に近いものです。孤高というか。

漫画やアニメにクールと付けるのは、その文脈ではなく逆にポップ感覚になっています。絵画や彫刻の作家が、自らがクールに相当するかを考えると、真剣に論じるほどでもないと感じそうです。今は雰囲気だけの言葉だから。コンテンポラリー作家は、原意のクール作品をこれまでにも作ってきたことでしょうし。
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