ベルリンにはドイツと日本以外に、フランスやイタリア、アメリカ、ロシアからも美術が集まっています。二つの戦いが繰り広げられ、ひとつは作品の量と質の戦い、もうひとつは各国マネーの戦い。ジャパン作品とジャパンマネーが強ければ、現地で優位に立てます。

ジャパン作品の量と質は、日本国内美術の活性度に相関するでしょう。日本のハンデは、現代美術や現代写真の市場が国内でかすんでいる点です。この30年のその変化を知ろうと、9月に東京の展示場を使ってみました。「2+1展」の東京巡回計画が発端で。

日独の差は、国民が美術展へ行く理由にも表れます。ドイツのお客は、欲しい物を探して展示場を回ります。それに対して日本のお客は、見て楽しむ目的です。ドイツは買う前提、日本は買わない前提。

ドイツでは、買うに値しない物ばかりだとお客は落胆します。それに対して日本ではどんな作品でも怒らず受け流せて、一見すれば心が広い寛容な国民に映ります。これは、買わない前提で生じたトリックです。

だから、本物の芸術創造は日本で生まれやすく、その日本でスルーされておしまい。同時に「小学4年生のような絵」(幼児のような絵ではなく)も、日本で出やすい理屈です。玉石混交ぶりが、日本の方が大きいはず。

ジャパン・フェスティバル・ベルリンの作品編集に入りますが、もちろん欧州式の会場なので相手は買う物を見つけに来ます。こちらも商談に強い版画に仕立て、日本ではあまり考えずに済んだ値段づけにも時間をさきます。
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