美術館批判が日本で流行ったことがあります。発端は、山梨県の美術館がミレーの絵画を買った騒ぎで、一点豪華主義批判が噴出しました。「そんな古物はやめて近年のピカソやミロを買え」という主張も特に出てこなかったのは、抽象がわからなかったからでしょう。

そういう時代に、日本の大型美術展への批判がありました。応募が増えて入選も増えて、絵が二段掛けになってひどいという批判でした。ところがヨーロッパの美術展だと、絵を二段三段に並べるのはよくあります。上だけでなく、床に立て掛けたりも。

二段三段が平気なのは、あっちの展覧会が商品陳列の場だからです。お客の目的はアート散策や心の浄化ではなく、買い物です。絵が目の高さになくても、額がなくても全然平気。品ぞろえが豊富なのはありがたい。

お客は雰囲気や格式を乗り越えて作品をよく見ているから、会場の自由度も高く、ホテルの各室に作品を詰め込んだ展示会もありました。ヨーロッパでは、見るだけで買う物がないのが実は最悪です。

前に、外国展が初めてという参加美術家が、日本と違いすぎるドイツの展示光景に憤慨していました。日本の展覧会は売らない前提で、心休まる静的な場を求めたガラパゴスだから、無理もないことでした。アメリカと違いドイツの美術展では音楽は鳴らないから、日本に近いのですが。
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