日本美術の特異性というか持ち味のいくつかを、ヨーロッパに広めたいと常に考えています。たとえば、空間を大きくとった絵画です。売れそうなのに思ったほど売れないのがこれで、画面内スペースの解釈に日欧の違いが表れます。

空白がポカッと広い絵は、日本で多くみられます。しかしデザインバランスの問題として、間の取り方は傑作か駄作かの分かれめのひとつです。絵にすき間がありすぎると充実感が抜けてしまう問題は、制作ガイダンスでも話に出しています。

意図的な意匠として画面内に大きめにとった空間が、他国でどう見られるかは大きい関心事です。間合いに成功した表現なのか、踏み込みが浅くとどまった失敗なのか。洒脱を未熟と、誤解釈されないかという心配。

売れる絵は、日本とヨーロッパ各国で一致しません。料理のすまし汁とシチューの違いに相当する文化的趣味の違いも要因でしょう。むろん、異国情緒は互いに逆だし。また取っ付きのよい画風はどんなタイプかは、作品流通が少ない国と、流通が多い国では違うでしょう。

言葉に表しにくい部分ですが、売り絵のコツが日欧で違っているというか。流通が多いヨーロッパでは中心価格帯がいくつもあり、高い方も安い方もピンキリという違いもあります。

わからない作品ジャンルには、どうしても権威主義が入り込みます。だから日本からヨーロッパへ送る作品は、相手にとってわかりやすいサブカルっぽいものほど、実力だけで立つことができやすい傾向もあるのです。
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