現代アーティストの悩みのひとつが、作風統一しにくいこと。原因はアートの多様化です。19世紀の画家は具象だけを手がけましたが、現代の画家は具象と抽象を並行して手がけたり、ラインナップすることも多いのです。

色々な作品が出尽くし、お手本が多岐に渡る時代なので、合計4種類とか、写真も入れて7種類など作品系統が多い画家が増えています。一貫した自分色でまとめ切れない、作風のデパート現象も起きるでしょう。

ひとつひとつの系統をかじるうちに時間切れで、スタイル確立半ばで放置とか。才が集中せず力点が分散するから、自己ベストや顔となる代表作になかなか結実しないとか。野球とサッカーを両方やるみたいで。

一人で作風がABCあって、別人のごとく共通の特徴がない場合が心配です。外国で毎年展示するとリピート客が多めだから、作風が毎度チャラになると固定ファン獲得に不利で。音楽と違い美術は、作者の同一性で記憶に残る面があるからです。

特別に手が器用だと、よけいにお試し作品を続けやすくもなり、こちらも「本命はこれとこれぐらいですね」と絞り込みたくなります。ところが「これでいきます」の決意があって、新たに考えたDタイプだと、何だかなーと。

現代作風の選択肢やお気に入りが多すぎて迷うことと、作風が一貫しないことは一応は別問題です。しかし、たとえば一人の水彩画とペン画が別人の作であるかに見える不統一は、目に入る既存作品に影響されたせいも大きく、こちらも話のタネにすることがあります。
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