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プロ将棋界をゆるがす将棋ソフトのカンニング疑惑事件は、理解を超える幕引きになるようです。何と疑惑の発端となった対戦で、本人が席から長く消えていた時間はないと撮影ビデオで判明した調査結果です。状況証拠さえ存在しなかった。何じゃそりゃ。論者たちの全ての発言は無駄になり。

疑惑棋士の行動は現実の出来事ではなく、関係者の頭の中にのみ構築された、妄想性集団パニックだった疑いに変わりました。自信満々に不正を訴えた棋士や、一億パーセントクロと断言した棋士など、現実を見たかのような証言。どうも1979年の児童の「口避け女」パニックに似ています。

これはつまり、将棋ソフトという人工知能に対して、将棋を職業とする人たちが深層心理でおびえていることを意味します。事件はゲームやハイテクの話題ではなく、精神医学の話題といえるでしょう。

たとえばネットに、人と対戦してソフトが勝てば、王位はソフトが得て人は退くべしという主張があります。鉄道の自動改札やスーパーのセルフ式レジと同様に、伝統的ゲームでもハイテク失業が始まる空気があるのです。

人間への尊敬が下がり、ロボットへの尊敬が上がる、そうしたムーブメントが起きそうで、文明が人間排除へ向かっていることに多くが気づき始めたような。その先にある人類滅亡の気配を、将棋で何となく感じ始めていて。まさに将棋は人生。

「機械に劣ろうが人間に主役として期待します」「人間を一位指名します」と言い切れる未来を、多くが確信できないわけです。国民は、関係者は全員辞職せよとは騒がず、悲運の棋士の復権に重心が向くのは、加速度的に伸びる人工知能への不安に、誰しも共感があるせいかも知れません。
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