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最近ラジオ番組で、ひょんな場面で名前が出たのが、ソプラノ歌手のアンナ・モッフォ。70年代前半に来日していたはずで、当時の雑誌FMファンに見開き特集がありました。タイミングとしては、メゾソプラノのマリア・カラスの来日前だったような気も。

突然名前が出てきたのは、NHK-FM放送番組『夜の停車駅』の話題でした。蒸気機関車の汽笛で始まり、文学の朗読を加えた音楽番組のテーマ曲、ラフマニノフの『ヴォカリーズ』の声が実はアンナ・モッフォだったという。この曲はあのバージョンが理想的だと、今も国内で定評になっていると知りました。

ロシアの作曲家ラフマニノフは二次大戦中の1943年没だそうで、アメリカのアンナ・モッフォと同時に生きた期間は11年ほど。ラフマニノフの晩年に小学生だった知らない女の子が、没21年後に稀有な名演を録音し日本で隠れ名盤になっているという。途切れのないメロディーがモッフォの歌唱に合い、作者の予想以上かも知れず。

ところで今の日本では、あのような番組は継続困難かも知れません。ある頃から暗いもの、悲劇的なものが特別に嫌われるように変わっているからです。そういえばテレビアニメソングも60年代にはメランコリックな曲が多かったのに、後になるとかげりを排除する変化が起きています。

いわゆる「ネクラ」排斥運動?は、日本発の表現物を強く制限しています。21世紀の今も、明るく陽気な影差さない作風が規範となっていて、やはり現代アートも同様に何でもありではなく禁制回避の跡を感じさせます。
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