日本的デザインの前に立つ、和装のモデル女性カーリー・クロス。その写真がヴォーグ誌(Vogue)の表紙になると、米国内で批判されました。批判する根拠は、日本ではほとんど誰もピンとこないので、日米のすれ違いが目立ちます。

これはニュースに出てくる語「差別」「植民地」の線で読むとわかりにくく、「著作権」「意匠権」で考えるとスムーズです。たとえば、アングロサクソン系の人がインディオ(ネイティブアメリカン)の羽飾りをつけてCMに出ると、まずい行いだと批判されます。

逆にインディオの子孫が、アングロサクソン系の洋服でCMに出ても許されるらしい。レア度の高い文化は保護されるべきとして、多数派が少数派からパクるのはいかんという、多民族国家のモラルです。メジャーがマイナーを引用するとアウト。逆はセーフ。

ヴォーグ誌の写真では、日本古来の意匠やスモウレスラーを使いながら、主役はアメリカのマジョリティーたる白人系だから、「日本文化を盗んだ」と判定されたのです。白人系が白人系を批判したかたち。いらぬ心配ではなく、過去に何度も世界の少数民族から「我が文化を表面的に使われたくない」という抗議が来ていて、その対策だそう。

日本人の感覚はおおむね、「そちらの和装は自由、こちらの洋装も自由。発祥を偽らない前提で、自由に使いましょう」式です。これは、日本国が昔から欧米と交流があり、知られざるレア文化を持つ自覚が薄れた歴史事情もあるでしょう。そういえば最新の学校教科書では、江戸時代の「鎖国」の記述が史実と異なるから廃止するそうで。

ジャパン・フェスティバル・ベルリンのアイコンは、もちろんアメリカでないから無関係だとして、日本人は「この表情でいくの?」と感じても、「盗用だ」とは思わないでしょう。珍しいほどでもないくらい、この種のイメージが世界に普及済みである前提で、日本側は考えています。

ジャパンフェスティバルベルリン
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