在日本アメリカ大使館の大使は、先日までキャロライン・ケネディが就任しました。その父ジョン・ケネディ大統領暗殺(1963)の資料は、あと22年で公開されキャロラインも見ることができます。利害関係者による公文書の隠滅を防ぎ、最終的に市民に渡すのがアメリカ流。当局の都合で破棄して永久に消せる日本とは逆の価値観です。

その国立公文書館で、大日本帝国の機密が時効で公開されました。石井四郎率いる731部隊の、10万ページものファイル。過去に他の資料が公開された時、日米の裏金がモロに記録してあり、ビッグニュースになったことも。今回も研究者たちが資料を調べ、今度はがっくり拍子抜けしました。

731部隊は、保健所の出先機関だったからです。ソ連の南進占領を食い止めた満州国で、風土病と飲料水対策を行う防疫組織でした。たいしたことがないというか、ショボいというか。実体の迫力がなさすぎて、多くの関心も落ちて話題性が一気にしぼんだもよう。

従来の噂では、731部隊は細菌兵器と人体実験で知られる、非人道的な悪魔団でした。その恐ろしさと凄惨な悪行の数々を暴いた本が何冊も出版され、写真図版もおどろおどろしいもので。古い情報発信源は主にソ連。海外ネットのグロ専門サイトにも掲載された、つながった妊婦と嬰児の遺体写真など。生きたままの解剖。

しかし前々からそれらの写真に疑問が出され、旧帝国大学医学部の学術用途や、後の映画の宣伝スチール写真が混じっているとわかり、混沌としていました。GHQの米軍が戦犯免除と引き換えに石井らを連れ去り、細菌も入手し米軍の生物兵器の基礎を築いた説も広まっていて。朝鮮戦争の陶器製の細菌弾もその応用だったとか。

フタをあければ、天狗の正体が山菜とりのおじさんだった印象。同時に、731部隊をバイオ兵器の草分けとしたある種の権威性も消えました。情報量が少ないせいで憶測と妄想をかきたて、人々を振り回し続けた創作表現アートみたいな話。ある意味、オズの魔法使い。
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