日本で具象美術よりも抽象美術が冷遇以上に嫌われるのは、過去に業界で続いた内戦とヘイトの結果も大きいと仮説を立てています。これは日本人の資質や素養として、根っから抽象が苦手な根拠が特にない証拠立てにもなりますが。

そしてこの問題の上位にあるのは、世界的な傾向として具象より抽象の方が数が出にくいこと。限られた客層で、選ばれた人のみ抽象を買い求める国際的な実態もまた、厳然とあるのです。人類はまんべんなくオールラウンドでもなく、全般に抽象が苦手になっているのも事実で。

画家にすれば、具象画で挑戦するか抽象画で挑戦するかで、課題が異なります。日本作品のドイツ展示に限定しても、具象の目標をグローバリズム画風よりローカリズム画風に帰結させやすく、何をすべきかは平易でなくともハウツーは方向づけやすい。

それに対して抽象画では、日本らしさ以前の壁として、ユニークなビジュアル図案へと詰める苦労が大きいのです。何かを写して似せるという、実写の共感を捨てたのが抽象画だから。抽象はマイナスからの出発。

具象画ほどは売れにくい抽象画を、新たにパワーアップする作戦で、今は実は改良の余地をより大きく感じています。抽象画の方が足りない何かを見つけやすく、具象より向上の幅も大きいから。

モデルの魅力が七難を隠してくれる利が抽象画にはないから、定石を壊して特異性を加えないと、他人の感興を誘わない。佳作の抽象では、佳作の具象より見過ごされるハンデを計算に入れる必要があるでしょう。
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