東京23区の私大で定員増を許可しないとの、有識者の提言がありました。全国から若者を召し上げる人材吸収を防ぎ、地方創生につなぐ提言に思えます。23区内の私立大学と短大は、収入増ができず困ることでしょう。

この提言には保護主義批判以前に、因果の不合理があります。かつての流行語「抜本的な解決」に照らせば、結果の方を動かして原因を変更するという因果の逆転を犯しています。本来なら、原因をいじって結果を変えるのが正常思考で。順序があべこべ。

類例があります。最低賃金の上昇は好景気時の大盤振る舞いだから、景気が最悪な中で最低賃金を上げて好景気に至らせる発想は不合理です。この倒錯の古典が、アフリカ各地の現地人の行動「腹を壊した子には水を飲ませないように」でした。道理が逆で、子どもの脱水死が続出。

日本が東京一極集中を今も続けるのは、国民の総意です。スケールメリットで国際競争力を保つ決意で、意図した中央集権です。現に都内の再開発は目白押しで、方や地方は道州制に関心なし。自治体の首長の多くは、自立を否定し東京から税を受ける従来方式を希望しています。

皆がトーキョー圏の城下町になるのが、全国的な願望かも。どんな才人も名古屋や大阪にいては上がれない現実があり、多くの企業や有力事業所も、地方の時代が叫ばれるのに合わせて、東京に本拠地を移してきた過去があるのです。一例は地方街づくりの論客でもある、建築の安藤忠雄。結果的に国づくりに関与できた。

その中で大学生のみ流入制限するのは、誰に見せたいお芝居なのか。国策は頭脳の流入大歓迎だから、私大に限らず誰も従う気にならないはず。東京キー曲のテレビに出る者だけが日本を代表し、他は無名の存在でよしとする割り切りは、ネット時代にも肯定されているのだから。
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