今でもたまに誤解があるのが、ジクレー版画展の参加資格です。ジクレー版画の本を読んで勉強したり、ジクレー版画セットを買って彫刻刀で彫るとか、版画家になる訓練をイメージしているケースがありました。

実際にやる作業は、作品を写真撮影するだけ。調達が必要なのは版画づくりキットではなく、デジタルカメラです。版画業界で版画に定義されているジクレーなる技法は、厳密には技法ではありません。表現法と言っても、何か違う。

人によってやることが違うからです。ある人は油彩画だし、アクリルや水彩画かも知れないし。クレヨンや鉛筆も当然あります。さらに、風景を撮った画像をジクレー化してもよいわけです。間に絵をはさまなくても。

それはむろん写真作品と呼びます。写真引き伸ばし機(エンラージャー)を使った従来の暗室作業は、後にミニラボに替わり、写真引伸プリンターかジクレープリンターに替わりました。シャッターを押せばジクレーにできるから、人類全員が訓練なしにジクレー作家になれます。

ジクレーの条件はインク吹付プリンター出力なので、レーザープリンターで印刷するとレーザー版画と呼ぶべきでしょう。90年代に日本で大売れしたアメリカの版画に、輪転機で印刷したオフセット版画がありました。これは虫眼鏡で見ると網目になっていて、簡単に判別できます。

ジクレーの利点は、原画を売った後に版画で再販できることでしょう。昔はデジカメがなかったから、自分のヒット作を手で模写して、木版画に彫り直して量産しました。知られる実例にムンクの『叫び』があります。
関連記事
スポンサーサイト

|10-19|ジクレー版画物語||TOP↑

日本現代美術をドイツへ

ギャラリー日独物語

リンク

カテゴリ

最新記事

月別アーカイブ

ご案内

クラウド・ファンディング物語
ギャラリー日独物語

ミニコラム集1
ギャラリー日独物語

ミニコラム集2
ギャラリー日独物語

最新トラックバック

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR