完結した作品が必要です。出品用の作品を探して断念した例に、タブロー不在が少なからずあります。一枚の作品として完結しておらず、かきさしのスケッチ画をためているだけとか。

「自分は絵をかいていて、あれもこれも色々やってみたい」系のブログに見かけますが、断片スケッチの紙があるとして、並べると迫力も出るでしょう。でも一枚単位だと物足りないのです。弁当をつくる時に、おかずのつくりさしが一個ずつ入った弁当箱なら、何箱もあるみたいな。

売る時は一箱ずつだから、そのままでは腹につもらず市場に出せません。部分的におかずを上手につくれても、市場に出すにはもう何歩か進めて、箱を満たす必要があります。売れる弁当をつくるために充実が必要。

ただそこで、「自由が大事だ」「売る目的はよくない」「商業主義は敵だ」の抵抗感が生じやすいのが芸術です。コマーシャリズムの作為を排除したい思い。しかもそれは日本特有の心情です。世界ではあまり一般的でない、普遍性のない特殊な思いです。

商業と芸術は相関しないのに、反比例する関係でもあるかにとらえやすい日本では、美術家が実力発揮しにくい面があります。「モナリザ」「夜警」「浮世絵」など、商売目的だった絵を過剰に信仰し崇拝した空気が、国ぐるみ隠れハンデになっている疑い。

「現代は何でも自由だから」をまんま認めるなら、むしろ売るに徹するのも自由だし、聖俗反転も自由で、教条の余地こそがなくなる道理です。現にアメリカ産の商用版画は年月経て、日本で「現代の大物画家を三人あげよ」で真っ先に名前が出ます。この矛盾した商業観念にならう必要なし。
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