外国の美術展覧会は日本と違い、役所内ギャラリーでさえ作品に値段をつけて売ります。自信満々で売れなかった美術家は、自信喪失したり、くさったり、あるいは責任を外に求めるなど、心理動揺するかも知れません。

中には、自分がいかにゴッホに近いかを実証するために、売れない連続記録を暗に期待する画家もいるかも。いつかはギネスにのってやると。アート作品の売れる売れないは、ゲーム感覚みたいな面もあります。性格占いもできそうな。

しかし連ちゃんだと気づきますが、売却は時の運が大きくて、団体展では「自分の時間」みたいなものも生じます。売れたから今後は類似作に傾いたり、売れなかった作風を放棄したりだと、偶然性にペースを狂わされるでしょう。ベテラン美術家はその分析と駆け引きがうまい。

美術大学では、作品を売る哲学は教えていないはず。売れた時や売れなかった時に、どう対処すべきかが一般論になっていないものです。ここが大事なのは、他の商品と違って芸術は否定的に存在できること。

新しい作風を、世界初でつくるから創造と呼ぶのであって。だから外的にマンネリを起こさず、内的にマンネリを起こす難しい作業になります。そんな作品は第三者から見れば、何かが変で異様で異端だったり。理解が遅れるのが芸術の取りえです。

ドイツでの日本美術展もこの基本は変わらず、売れずの作品をもっと売れにくい方向に徹底する作戦もあります。なかなかブレイクしないタイプに、大きい期待をかける正義の理屈がちゃんとあるのです。
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