現代美術はわけがわからないし、きれいでもないから消えてくれ、と感じている世代。その世代が支配権を発揮し、日本の現代美術家の海外流出が起きています。逆に、現代美術を学ぼうと来日する外国人はごくわずか。

その嫌現代世代の次に社会をになう和解世代は、芸術を「衝動の表現」と解釈する傾向があります。「よくわかんないけど、一応ああいうものもあっていいんじゃないですか」的なリベラル派が、アートをフォローする言葉が「衝動」というわけです。

しかしこれ実は、1960年代以降のモダンないしコンテンポラリーアートを見た印象に引きずられています。エキセントリックなびっくりアートへの呼応といえるもの。爛熟時代の衝撃へのリアクションです。太古から続く美術史を精査して導かれる冷静な結論とは、やはり違っているのです。

いや、しかし衝動の語の意味を広くとらえるとどうなるのか。「外出時に家のドアをあけたのは、外に出ようとする衝動のせいだった」と、日常の心の動き全てを網羅する意味なら、それはそうでしょう。何でもかんでも全部の行動に言えてしまう、フリーサイズ用語にすぎなかった疑いです。

芸術も芸術以外も、全て衝動によって行われるなら、「脳の命令で人が動く」式の原理にすぎず、衝動を大層に扱う意義もないでしょう。何というか、新型美術にお手あげなのが本心で、しかし降参せずに人を食おうとするささやかな反撃が、「芸術は衝動」の言い方に向かっているような。
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