冬のオリンピックのたびに、日本のアルペンスキーは地味でした。オーストリア、ノルウェー、ドイツ、スイス、フランスなどアルペン強豪国には伝統の蓄積があるとされ、日本が及ばない理由が様々言われてきました。

一方のパラリンピックは、日本も存在感があります。2014ソチでは、チェアスキー(シットスキー)の男子滑降とスーパー大回転で日本は二冠でした。

そのアルペンコースは容赦なく荒い中急斜面だから、転倒も激しい。片足で滑る選手がギャップで大クラッシュしたり、視力がない選手はマイク通話しながらも前走ガイドに追突したり、ゴール後に止まれない転倒も多い。

そんな中、チェアスキーは一本スキーのかかし状態で、スタンス幅や前後差、外向外傾もプルークもステップもなく。ひざ屈伸はコイルバネで代用され、時速120キロに達して荒れた部分で飛びはねて怖い。でも上位選手はさすがにうまい。

長野の頃はカテゴリー細分化でメダルの総数が多かったのを、後にハンデ制で同じ土俵にまとめてメダルを減らしました。それも含めメダルの重みは安定せず、価値の公平性がすっきりせず、パラリンピックと距離をとる人も世界に多いのではないかと。

成績の価値から離れてみると、スキーの激しさと難しさが残ります。その点は美術も似て、作品の値打ちから離れたら、もっと作品に近づいた鑑賞ができるでしょう。現実は、どういう価値を持つのかに気を回すあまり、作品と距離をとることになりやすいのですが。
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