「えっ、これが美術だなんて、まさか、あり得ないでしょ」という作品も待っています。

現代美術と銘打つと、既成の概念を超えることが期待されます。この「既成超え」の意味は、最初は一通りだけでした。やがて、二通りに分かれました。ニ通りとも展示された有名イベントとして、第一回シュールレアリスム展がありました。戦前の1937年パリ。

既成の概念を超えるひとつは、「美術でない美術」です。二つ目は「美術でない非美術」です。シュールレアリスム展で、前者の例はダリの超現実主義的絵画でした。後者は、会場の順路に置かれた電気トースターでした。

「こんなの美術じゃない」というサプライズを起こすのに、美術品を出すか他の物品を出すかで、現代美術は二分されました。「美術でない美術」という比喩的な言い方を、まんま額面どおりに受け取った通りのよい割り切りが、一度は世を席巻したわけです。

絵画という形式は終わったと、絵具と筆でかかれた作品が糾弾され、廃品アートが主流になったのは、しかしもう30年も前の日本でのこと。ブームは去って、すぐにまた筆記具で描くタイプのアートが逆転して今に至ります。

既成の概念を超えるハードルが、電気トースターよりもキャンバス画の方がケタ違いに高いのは自明です。「まさか、これはない」「ウソでしょう」というキャンバス画が少なすぎて、イメージさえできない結果にもそれは表れています。
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