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アメリカの新型宇宙船オリオンが、衛星軌道の15倍の遠距離まで達して、地球へ戻ったニュースがありました。地球外に人が住む計画は、現大統領が月から火星へ変更しています。火星にも国際宇宙ステーションにも行ける、多目的スペースクラフトのテスト。

感想は、世代で違うようです。先輩たちは、「次のチャレンジが着々と進んでいるな」。後輩たちは、「自分が生まれる前に月へ人が行ったのに、火星へスッと行けないのはなぜ?」。新世代に特有の疑問への答は、地球からの距離だけでなく、ハイテクとローテクの関係もあります。比例しないもの。

たとえば1960年代の電卓の内部には、半導体パーツが詰まっていました。ところが80年代の電卓だと、切手より小さいMPUと配線フィルムだけで中はほぼ空洞。現代人が誇る進歩は、実は半導体の集積度がその正体で、10億トランジスターという数字が自信の源だという。

アポロから45年たった世代交代で、ローテクは実はロストテクノロジーになっています。ウルトラ警備隊が手首につけた架空のテレビ電話は、45年たって携帯電話として普及したものの、水に落とすとだめになる制約がローテクの運命を暗示します。2010年代の電卓も、ゾウが踏んでも壊れない向上とは違う。

人類の能力は全方位が右肩上がりはせず、オリオンのローテク部の工作はジェミニやアポロの工作より苦労している疑いがあるのです。要するに45年で職人が没落。探査機「はやぶさ2」の製作はレアな金物職人が手がけ、江戸や明治から続くローテクの伝承で何とか実現していました。

美術もまた、全面的な右肩上がりではないのでしょう。アイデアやコンセプトが上昇した反面、手の動きが生む魔力は下降したような。多くが何となく比例よりも反比例を感じる変化が、宇宙開発でも起きています。
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