FC2ブログ
前回に続いて年末のドイツ公演、ワーグナー『ニーベルングの指輪』の最後に、ブーイングが会場に響きました。オペラ『ニーベルングの指輪』の曲は、要するにベトナム戦争映画『地獄の黙示録』のヘリ攻撃や、昔の日本なら落下傘部隊のニュース映画でBGMだったあれです。

問題は客によるブーイング。ヨーロッパでは日常的にあるようで、客が騒いで公演が中断になることも実は多いという。日本ではブーイングは少ないという内外差に着目し、芸術がわかる欧米人対わからない日本人という比較文化論が過去にはみられました。

その場合の「芸術」の語は、「芸能」の意味に近いでしょう。芸術に良いも悪いもなく、趣味に合う合わないの嗜好は真理とは無関係です。

斬新な現代演目にブーイングが増える法則に常連が気づき、これは新しい試みについて行けない保守派が騒いでいるとする指摘もあるほどで。現に音楽の無調や不協和音、変拍子のアブストラクト系は、どれも初演がブーイングの嵐に見舞われたものです。後世に再評価される名曲の宿命で。

舞台への反応が日本で概して静かなのは、その場で理解できないとしても非が自分にあるかも知れない慎重行動かも知れません。今の実感だけで反射して、後で恥をかきたくない心理です。場慣れ不足もあろうと推測はできても、音楽全般への寛容な日本の国民性は特筆に値するでしょう。

変わった趣向をねらった外国アーティストは、日本でなら最後まで滞りなく鑑賞してもらえると見込めそうです。その代わり、騒ぎを起こして目立つには適さない地かも。結果的には、日本公演を特に重視する音楽家は世界中に増えています。
関連記事
スポンサーサイト

|12-29|芸術の秘密と謎||TOP↑

日本現代美術をドイツへ

ギャラリー日独物語

リンク

カテゴリ

最新記事

月別アーカイブ

ご案内

クラウド・ファンディング物語
ギャラリー日独物語

ミニコラム集1
ギャラリー日独物語

ミニコラム集2
ギャラリー日独物語

最新トラックバック

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR