不景気は「合成の誤謬」の典型で、素直な人が率先して起こします。収入が少し減った人が、支出を少し減らす素直な行動で、どこまでもどこまでも、いつまでもいつまでも、暗転し続けるメカニズムです。国民の足並みがきれいにそろっている方が、不景気がひどくなる理屈です。

物を買えば景気が上がるとわかっていても、みんなの行動に自分も続いてしまう素直さ。みんないっしょの輪をつくる、その輪の大きさに比例するように、大きい景気のうねりが長引くわけです。みんなにならっていたら生まれない、創造表現の論理と似ています。

問屋で商品を買い叩き、次々と業界最安値で店頭に出したあの社長。テレビはもうヒーロー扱いしなくなり、価格破壊押しをやめています。値下げは経済規模の縮小だから、国民の手取りも下がります。一時代前は、この程度の計算も解さない者がオピニオンリーダーになっていました。

新聞の売り上げが目に見えて減り、裕福なトップたちも経済縮小の恐ろしさに気づき始めました。それも最近。気づくのが遅れたのは、ひとつはネット時代が同時に進んだからです。たとえば本が売れない出版不況は、国民の貧困化とネット情報氾濫のどちらが主因か特定できずにいたのです。

高値が続く宅配ピザで安売り宣言した新規参入業者を、消費者は白い目で見るようになりました。好況業種がひとつ没落し、不況業種がひとつ増えるだけとわかっているからです。国民のこの新しい認識が日本にとっての朗報と思えるほど、変化はスローです。
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