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2018/11/13

最近のネットサイトはなぜ大まかなデザインなのか

インターネットの作家ホームページで深刻な現実は、流行りすたりのテンポの速さです。がんばって作っても一生ものにならず、仕様が一過性です。国際ネット管理団体が、世界中のサイトに変更を要求してくるから。近年は不思議なことに、大まかで大味なデザインが増えています。なぜか。

大味でアメリカンな雰囲気のサイトが急増した理由は、二つあります。ひとつはパソコンとタブレット端末とスマホという、三種の画面サイズを一個のサイトプログラムで兼用するから。コストダウン優先となり、作り分けなくなりました。逃げのマージンが必要で、余白が目立つのです。

もうひとつはサイト制作と管理を、HTML制作からCMS方式へ変えるブームです。この前のXHTMLへの移行はとっくにボツで、HTML5が公式となっていますが、次世代のCMS方式ではHTMLプログラムを作りません。その方式の最大シェアは、Word Pressというフリーのブログ管理アプリです。

何と管理アプリごとデザインテンプレートをサーバーへロードし、クラウドでサインインし管理します。動作にはUNIX系SQLサーバーなるデータベースを使い、中グレード以上の高めサーバー契約が必要です。無料じゃない。定型に従う方式だから、個別デザインの差異化は捨てています。

CMS方式サイトは没個性的で、全てがあたかも数人で作られたかのよう。日本の情報サイト同士も、そっくり似が急増しています。ちょうど車のデザインがこの十年どのメーカーもよく似ているように、どれもよく似たサイトが続々と現れているわけです。

スマホの画面サイズは小さくて画素数は大きいから、パソコン兼用とするために幅によってサイトが変形するように作られています。HTMLセットのように繊細には作り込めず、大味で画像も大ぶりなサイトが目立つようになりました。しかし過去の流れでは、やがてすたれて次へ代わるはず。
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2018/11/08

ランサムウェアの流行と作品画像のバックアップ技術

春からパソコンのトラブル続きで、何日か前に通信機がランサムウェアにかかりました。ランサムは身代金の意味で、ウィルスの一種マルウェアに分類されます。パソコン内のデータを暗号化でロックし、解除希望なら金を払えというゆすり型です。感染ルートはCMS方式ブログサイト制作管理ソフトが疑われます。偽装拡張子がネットになく、世界初の新型らしく。

感染パソコンから直接アクセス可能な全ドライブに被害が及びます。前に韓国企業が感染し、サーバーデータと各パソコンデータがロックされ、1億円以上の身代金を要求された事件がありました。犯人が手がかりを残すわけもなく、身代金もデータも両方失ったとされます。

こちらのガイダンスでも、128ビット暗号データの復元は不可能です。予防策ですが、最も注意がいるのはデジタル写真家です。次に危ないのはCG作家。売却済みキャンバス画の撮影画像も、戻ってこない保護資産です。もちろん日記や帳簿類も。

バックアップの基本に戻ります。元データが1個あり、バックアップは最低2個、合計3個の保存メディアが必要です。根拠はデータをピンポンする数学パズルです。そのバックアップメディアをネットパソコンに常時接続していると、ランサムウェアなどマルウェアによって全滅させられます。

自分が誤消去した時に書き戻す補充用で考えては足りず、ネット側からたどれない不便な位置に隠さないと、今の時代は無意味です。こちらもその態勢でしたが、それでも一時置きしていた新ファイルは失われました。

写真アート類の画像データは、全てをDVD-Rなど改変不能なメディアに2度以上コピーし、先の3個とは別に玄関の低い位置に置くなど、合理的な保全が望まれます。できるなら、自宅と実家の両方に置きたいところ。
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2018/11/05

日本とドイツの美術展の違いは会場の美しさにも表れる

日本のアートフェアへ出品した美術家の不満に、作品売り上げから支払う上納金の額があるそうです。高くて重税みたい。そうなる理由があります。ここのドイツ展企画の後で、「よかった」の声は参加者の全員とは限りません。参加者に残る違和感に、会場が思ったより雑な点もあるらしく。

日本の美術展は、会場を白く整えたピュアな雰囲気が多い。関係ない備品類を白幕で隠し、気が散らない空間にします。冠婚葬祭の場と同じ。対してドイツでは殺風景な室内も多く、ざっくばらんな普段着感覚や即席仕立てが意外にあります。日本はすっきり清潔、ドイツはごちゃごちゃ。

日本のイベント会場は、美化と雰囲気づくりを重視する。これが箱物行政など、器の高級化が第一の伝統ともつながるでしょう。主催者は場をきれいに整えた費用を、売れて気をよくした美術家へ追徴するわけです。

日本のフェア主催団体は、作品売り上げの5割とることもあるという。だから画商は参戦が困難。一方、ドイツのアートフェアには主催団体への上納がありません。最初の参加費だけ払って終わり。売り上げの2~3割を画商がとり、美術家は会場セールに加わらず自宅にいても7~8割とります。

ドイツで会場美化が手抜きされる理由は、現代アートの売買が盛んだからです。お客は買い物が目的だから、作品置き場が執務室でも丸太小屋でも草原でも、中味だけを注視するのに慣れています。欲しいのは展覧会場の雰囲気よりも、作品だという。美術を信じている国だから。

ドイツで器が立派だと、無駄金を払わされる心配がお客に起きそうです。日本なら避ける粗末な場でもドイツなら売れるから、古建築を廃墟状態で活用するイベント会社が各地にあるほど。当然我々も空気を読み、買える範囲に作品を入れて展覧会を完結させます。
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2018/11/02

変態仮装行列と呼ばれる渋谷ハロウィン騒動と日本の芸術

2018年のハロウィン祭が国内各地で行われましたが、渋谷では暴動になり事件化しています。地元商店街からも「変態仮装行列」と呼ばれ、話題が世界に拡散中。しかし暴動の原因をコメンテーターが語る時に、どうしてもブレーキがかかる部分があります。

「27年目になる長期デフレ不況によって、人生が丸ごと停滞の時代に含まれる若年層は、いつでも狂い出せる心因と背中合わせ」というような分析は厳禁です。なぜかといえば、今は空前の好景気だと政府が定義しているから。政府の顔に泥を塗ると、政府から報道ソースがもらえなくなる。

今は不景気だという直接表現だと、テレビ局から排除され職を失い所得を減らす危険に、コメンテーターや局職員たちもさらされます。自由トークは許されず、人を虐げると何が起きるかも今の日本でアンタッチャブル。

渋谷のあの場所は、国際的に東京の顔です。テレビニュースでも素人動画サイトでも、東京の映像といえば、あの向きから見た渋谷交差点と街並みがよく出てきます。渋谷に関係がない日本全般の話題でも、象徴的に渋谷の写真が使われます。

養護施設の19人刺殺事件が起きた時も、職員だった若い男が故意犯かつ確信犯という、その動機を報道は説明できませんでした。しかし日本版の格差社会にきちんと向き合えば、犯人の思考や情熱や狙いは順当すぎるミエミエの犯行だったのです。首をかしげる人こそ世情にうとい。

調査基準を変えて不景気を好景気と言い替え、庶民の滅入る気分が悪化し、何かの拍子に狂う下地はできています。庶民はそんな思いを芸術表現にでも向けようにも、市場もなく無意味。やむなく粗暴な破壊行動で発散した「日本死ね」のきずなはミエミエすぎ。要は、秋葉原の続き。
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2018/10/28

コラージュ作品の版画化 ブランド絵はがき図鑑12

十何年もネットで続けた話ですが、版画と印刷物は同じものです。似ているとかでなく、同一物です。日本では原始的な手回しのプレス機は版画専用で、ハイテクの電子プリンターは印刷専用だと分けて考えます。しかし版画は印刷した絵図を指すから、二つの機械に区別はありません。

プレス記者やプレスルームの語は、新聞社や雑誌出版の用語です。プレスとプリント、版画技術と印刷技術は同じです。各時代の印刷機を使った量産絵画が、版画の正体です。美術の一般化、ホームユースです。

10月27日に東京で始まったノルウェーの画家エドワルド・ムンク展ですが、作者は自己ベストの油彩画『叫び』を再発売するため、木版画も何枚か作りました。写真製版技術はまだなく、フルカラーが可能なシルクスクリーンも開発されていない時代でした。

彼は版画ならではの風情を求めて、手彫りの味わいに入れ込んだわけではなく、できるだけ忠実に再現したかったはず。手で再現したコピーなので原画とかなり異なり、複製画にはほど遠いものでした。

普段あまり感じないことですが、絵はがきも版画です。普通の絵はがきは多色刷りで、一枚の紙に四種の顔料を四度転写し、四辺を裁断してできあがり。その原理はカラー写真とも似ているので、それなら写真も版画の一種なのでしょう。

さて、この絵はがきの原画は紙細工のクラフトなので、実はわずかに立体的です。色の再現が難しそうな水色に美術紙のテスクチャーも見えます。スキャナー画像の何カ所かを補整し、右下の猫を安全圏に入れました。

ブランド絵はがき
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2018/10/24

免震構造ダンパー不正検査事件の原因を言い出せない日本

1990年頃に、免震構造の建築設計に関わりました。物件は免震構造業者の自社ビルで、当時は珍しい画期的な実験建物として、補助金などもついて特別な建築許可が出ました。95年の阪神淡路地震より前です。

今や免震マンションも続々と増えています。免震ビルは敷地と建物の間にエキスパンション(伸縮)ジョイントを設け、地震で地面が左右に強く揺れても、地下の水平ダンパーがショックアブソーバーとなり、建物は弱く揺れる仕掛けです。ビルが崩れたり、中の家具が倒れたりを防ぎます。

そのダンパー製造メーカーの検査不正が大ニュースです。ダンパーを使用中の建物があまりに広範で、車のエアバッグに似たジャパンスキャンダルになっています。こうした品質低下の不正がなぜ続くのかよりも、その背景を口にしにくい国情がむしろ深刻です。

日本国内で続く不祥事は、要するにデフレ不況が原因です。キーワードは「節約」「節減」「削減」「倹約」「縮小」「緊縮」「コストカット」。出費をとことん切り詰める思想が、検査を減らし、捨てる分を減らし、改善の手間も減らすという、平成の日本病です。いわゆる手抜き競争。検査は冗長性であり、本来は余裕であり無駄の一種です。美術品の存在と似ているかも。

カツカレー店が捨てたトンカツを、廃棄物処理業者から買い取った別業者が、格安トンカツ弁当に転用した事件と動機は一致します。そこそこ使える安い製品を消費者へという、グローバル経済下でのデフレ社会に順応した賢い倹約法です。しかし因果関係の指摘はタブー。なぜか。

今は日本の歴史で最大の好景気だと、政府が定義した後だから。背景はデフレ不況ですと放送でもしたら、反政府の姿勢が鮮明すぎて報道部局も不遇が心配。だから不祥事の原因を、日本人の特性あたりになすりつけるほかない。実際には、国をあげた節約励行で全国の全分野で起きている品質低下のうち、ばれた不正のみニュースになっています。
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2018/10/21

ここのサイトが「http」から「https」へ変わったのはなぜか?

こちらの関連サイトが最近、「https」から始まるURLに変わりました。「s」が増えています。わかる変化として、ブラウザソフトに警告の字が出ます。

「https」だとURLの左側に、「安全な接続」だとか「この接続は保護されています」と文字が出て安心させます。しかし従来の「http」だと、「この接続は安全ではありません」「保護されていない通信」と注意を促すのです。

この警告が出たのはいつなのかは、2018年7月にGoogle社の「Chrome」が強制的に警告する仕組みへバージョンアップし、ネットで配布されました。以前から緑色のカギマークを出していた「Firefox」も、警告の文字が手動で出るようになりました。

「http」から「https」へ変わると何が違うか。サイトに出入りする通信をSSL技術で暗号化します。犯罪者がネットから回収したネームやパスワードも、解けない暗号となるからスペルは再現できず、安全になります。だから2014年頃から「https」化を急いだのは銀行サイトでした。

美術サイトの通信を盗む者はいないとしても、画面に「このサイトは安全でない」と表示されるとイメージダウンだから、こちらも夏からSSL化を研究していました。前はSSLプログラムは高料金でしたが、サーバー会社のレンタル料に含まれるようになりました。つまり後払い。

「http」と「https」は厳密に別サイトなので(www問題と同様)、リンク不整合などの不具合がいくつか生じます。今は過渡期なので手動の調整を余儀なくされ、実際サイト単位で組んだプログラムはなかなか正常動作せず、少し時間がかかりました。
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2018/10/18

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2019の場所確保は成功

ジャパン・フェスティバル・ベルリンの場所取りに成功しました。主催者による募集は、2018が終わった直後の2月にはもう始まっていて、現地の常連団体やアーティストなどはほとんど固定的に確保しているようです。

日本から出向くこちらは、国内の絶不況を押して出て行くので、ボリュームが決まる秋までエントリーが延びるのが常で、結局8月にはテーブルが全てふさがっていました。空き待ちにもつれた大きい出遅れでした。

海外は普通に経済成長し、日本だけが長期デフレ不況の特殊事情なのだから、日本の気分で海外と関係してもうまくいかないと改めて感じます。緊縮財政なる人災で、日本の美術活動全般が萎縮していることを計算に入れる必要もあり。

ところで、美術品は汎用性とは最も遠い特別な商品だから、人との出会いに左右されます。同じ作品がある回はさっぱりで、別の回には楽々売れるなど、機会のばらつきが実際に生じます。景気だけが要因ではなくて。これはアート・マネージメントでも大事なイロハです。

一回試した展示だけでは、成果の結論はごく限られるでしょう。売れなかったからすぐに作風転向するとか、去就を悩むなど極端な反応は禁物です。日本だけの特殊条件は、日本にいるとまず気づかないものだから。

そもそも現地市民は現代アート展覧会と聞いて、わけがわからないと警戒したり、不本意に足を運ぶ「がまん大会」とは思っていません。変なものを作る者は頭がおかしいとも思わない。こうした内外差も大きいのです。日本で好評の作品が現地で好評かも、疑ってかかる必要があります。
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2018/10/16

ドイツの絵はがきの色が美しいという深刻な内外差

消費税を上げる政策で、日本はまた景気が落ちます。上昇は唯一、導入時の1989年でした。3パーセントと引き換え、従来の物品税を廃止したからです。当時3200円の音楽CDは、物品税280円が消え消費税88円が生じ、再販価格が192円下がり3008円になりました。それからCDは爆売れ。

この時の物品税廃止で、ビデオデッキやカメラや高級レンズや三脚や、5ナンバー4ドアの軽乗用車(非商用車)がやはり大売れしました。しかしよりにもよってバブル崩壊後の1997年に5パーセントへ引き上げて、翌1998年には全国各地のCD店と書店が次々とつぶれました。消費の冷え込み。

本とCDの不振をネットに責任転嫁するのは、時系列を無視した虚偽です。国民皆消費削減による日本全国シャッター通りと同じ現象で、本とCDだけでなく駅前通りのブティックや楽器店も次々つぶれました。ネット接続する家庭がまだ珍しい頃に、本とCDの店は倒産しまくったのです。

その後、世界最大手の通販書店A社が日本で伸びたのは、外資系なので本社が日本になく、法人税を払わずに済んだからでした。日本の浮き沈みは、ネットより税制に左右されています。

2014年の消費税8パー上げで、何がつぶれたか。日本の印刷通販店で、絵はがきの種類が激減しました。生活必需品ではない物品は、生活苦が素直に反映されます。行きつけの東京店もアート仕様の選択肢を廃止して、くすんだ色の商用DM中心に転向していました。

新作の絵はがき100枚がドイツから出品者に届き、とてもきれいだとの声がありました。ドイツは絵はがきやカード類が各印刷所に豊富にそろい、日本の美術館の商品よりも、同じオフセット量産でも格段に美しく鮮やかです。プリント料金は実質日本の3分の1。こういう内外差もあります。
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2018/10/09

日本の借金は1000京円を目指すべきというおもしろ経済論

この26年の日本は経済政策を間違い、国力が低下しました。近隣国との摩擦激化など国威衰退の悪影響も露骨でした。最近ニューヨークタイムズが、その失敗をまた指摘しました。その失政の根が何かはネットにもあまり書かれませんが、日本の借金700兆円というデマでした。

今も国民の大半が固く胸に刻んだままの、700兆円、800兆円、900兆円、1000兆円という数字。赤ちゃんも含め、国民一人当たり800万円以上という重い借金。日本の未来を真っ暗に変えてしまった子孫の絶望的な負債は、しかし実は国民の頭脳を見切った巧妙なウソでした。

日本の未来を論じる議員や評論家、会社員や主婦たちの共通する勘違いが強固すぎて、国ぐるみ妄想から戻れない状態です。勘違い同士がケンケンがくがくの議論で、暗い未来を再確認し合う繰り返しでした。

その勘違いとは何か。1000兆円を返す前提です。返済。日本の破綻確定を嘆く悲観者も、破綻など起きるものかとなだめる楽観者も、ともに借金を返す前提で話をします。返済してがんばって零円に戻して、さらに努力して黒字に持って行くつもり。そんな奇行を考える国は地球上にないのに。

「日本の海外借金」はウソで、「政府の国内借入」です。政府プライマリーバランス(基礎的財政収支)で、日銀と他金融が出資した国債で生じる貸方円建て残高であり、日本政府が日本国民に借金している額です。赤ちゃん以上が政府に800万円以上貸しています。「国に」ではなく「政府に」。

政府借入金は明治時代から何万倍にも増え、やがて1京円、いずれ100垓円(今の1000万倍)になっても正常です。経済学者は財政立て直しは虚偽と知る上で、「日本は借金で破綻する」のポジショントーク中。識者が自己実現のために国民をあざむくのは、芸術分野より経済分野がひどい。
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2018/10/06

2020東京オリンピックのボランティア参加とドイツ

22カ月後に迫った2020東京オリンピックは、運営スタッフをボランティアで募っています。無料奉仕の予定が日給1000円に変わり、しかしこの安さはタダ働き批判をかわすアリバイ同然で、できるだけ値切りたい主催側の意向と受け取られています。関係者の収益確保が本意。

このボランティアの誘い文句で多いのは、「世界の人とつながる」「生涯の記念になる」「運営に関わった誇り」「外国語の訓練になる」「後の就職面接で有利になる」「有名選手の演技を無料で見られる」などなど。

「そんなに遊んでいられる仕事なの?」という疑問はさておき、ボランティアでなくアルバイトにすべき仕事だとの意見も多いようです。オリンピックは国民体育大会と異なり、民間のショービジネスの興行になっていて、フェアと呼ぶべき商用活動だから。

民営路線を強めたのは、1984ロサンゼルス五輪でした。アマチュア大会を改めプロスポーツを集めるイベントに転向し、サーカス団に似た興行です。2020東京五輪はスポーツの秋を避け、セミが鳴く真夏に行う予定で、アメリカのプロスポーツの夏休み期間にはめ込む取り引きです。

1964東京五輪のスタジアムをさっさと取り壊したのは、建設会社との取り引きになっていて、景気刺激策の利点もあるのですが、財政出動する気前のよさをスタッフの安報酬で埋める節約はどうかという、倫理意識も国内にあります。今のブラック日本国に似合いすぎる問題です。

我々はドイツのジャパン・フェスティバルで、バイト料を日給1000円ではなく時給1300円で払います。日給は東京五輪の15倍です。珍しい体験を報酬を低く下げる理由とする「やりがい搾取」は日本に非常に多く、人権の考え方が根本から違うのかも知れません。
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2018/09/29

熊本のゆるキャラ米は国際市場へ打って出るのか

数年前にスーパーで米を買った時、一番変なのを選ぼうと思いつき、黒いクマが大きく描かれた袋のを買いました。熊本県のゆるキャラ「くまモン」という、お笑い系の商品デザインです。それを炊いてみると。

うまい。うますぎ。表面にツヤがあり粒が立ち、ややモチ米ふうで味も濃いという。驚きです。その後ニュースがあり、全国的に米の味が5年ほどで目立って向上し、超Aランクも入れ替わったという。それまで最高だったコシヒカリが、序列トップから陥落した報道です。

それを確かめようと毎回異なるものを買うと、なるほど全般に味がよいのです。何年か前とかなり違い、ニュースのとおりでした。ただ、「くまモン米」に及ぶものはなく、くらべるとどれもあと一歩。

それで最近、熊本産の別の米を買いました。品種も異なります。すると、やや「くまモン米」に似ているのです。何が起きているのかネットで調べると、何と「くまモン米」は6年も前に日本一の味に選定されていました。

米の味はどれも似たもので、水の量、ひたす時間、むらす時間で大違いの不安定さですが、日本人ならやはりわかるようです。美術がわからないという人も、見る回数が増えれば解消するのかも知れません。

政府がTPPを検討していた頃は、グローバル製品の輸出黒字と引き換える犠牲として、日本の米文化ももうおしまいと言われました。が、高品質化して付加価値をつける戦略を進めていたのかも。農家がひそかに世界も意識していると感じます。
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2018/09/23

君には絵の才能がないと他人から言われた悩み

昔、雑誌だったかの悩み相談コーナーに、好きで絵をかいている素人からの質問が出ていました。美術をある程度心得た知人に自信作を見せると、「絵の才能がないから向いていない」と言われて。それ以来は落ち込んでいるという相談でした。

ネット時代にも同種の相談が見られます。対するアドバイスは、「絵は才能ではない」「努力すればうまくなるし」「いや天才は常人の手が届くものではない」など、ありがちな定型回答が集まります。

実は質問者も回答者も、大きい間違いをやっています。時代の差異も国の差異も、条件に抜けている失敗です。ここの活動でも、ドイツで売れて躍進しているタイプは、日本に戻ると意外に散々だったりします。国内では閉め出されたも同然で、海外で毎度売れる亡命状態というか。

日本で日本人に絵を見せたとして、独創性と毒性があるほど「わからん」「才能ゼロ」「対価に見合わず」の反応が返り、実際に売れないわけです。その傾向ならドイツで完売もするし、市場もはるかに大きい。相談者も回答者も、国内の常識感覚で芸術の真実を追究するのは無理な話です。

こちらに届いた作品見本は、「ここがこうならベター」「こうすれば浸透力が違う」と瞬時に判断されます。その視点は国際市場向けであり、芸術性を高めると買い手が現れやすい前提です。この真っ直ぐさを求めて、日本から海外へ出て行く美術家が多いのです。国内に見切りをつけて。

質問も回答も、絵のうまいへたをデッサン技術で語る点が18世紀的です。その常識をカメラが崩したのが19世紀でした。ネット議論では、新興絵画への苦手雰囲気がただよい、現代アートは遠い机上で語る感じ。要は、絵の才能は20世紀に大変化したのに、国内の議論は18世紀の感覚のまま。
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2018/09/16

ドイツのおんぼろ展示場は美術が一般化している証し

ドイツの美術展は、会場がオンボロでも成り立ちます。作品の周囲が乱れてごちゃごちゃしていても平気。場所の体裁が悪くても展覧会場に即仕立てられ、皆も慣れていて違和感がありません。美術が一般化している前提があるから、どこでも展覧会場にできる手っ取り早さがあります。

対して日本で美術展を開く場所は、きちんと整っている上で清潔感や格調も期待され、クリーンな透明な場所を用意しなければならない手っ取り遅さがついて回ります。だから会場の美化にコストもかかります。

この差の理由として、日本では美術作品のどこに注目すべきかが、個人の中に備わっていない前提が考えられます。見る目が作品に集中できない不慣れへの対処として、透明や白い背景が必要であろうと推論できます。冠婚葬祭のような、雑念を排したおごそかな静かな場所で。

言い換えれば、作品を置く環境しだいで鑑賞があまりに影響され、曲げられ妨害されやすいのでしょう。雰囲気しだいで、作品の味が大きく変わってしまう、頼りない鑑賞が常態化している疑いです。自分の好きなように見るには遠いという証明なのでしょう。

ドイツによく見る貸し展示イベント会場は、廃屋のリユースです。リフォームではなく、リユース。壁を塗り直さずボロボロのまま。中古車にたとえれば、外観がかなり凹んだまま板金塗装をやり直さず、赤く錆びた状態のような展示会場です。そこを背景に絵や彫刻を置きます。

ボロボロの壁の絵にはアーティスティックな趣が出て、何だかかっこいい。日本でも1980年代前半、ウオーターフロント再開発のフィッシャーマンズ・ワーフのブームで、古倉庫やロフトの美術展が話題になりました。レンガ壁やアールデコ調が日本にもあった。でも美術が一般化しておらず、主役である絵の楽しみ方が安定せず、ドイツのようにはいかず。
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2018/09/08

日本で美術作品が売れない原因分析は間違っている

美術大国のアメリカや中国よりも、日本の現代美術の市場規模は100分の1のオーダーだと言われます。以下のイギリス、フランス、ドイツよりも、はるかに小さい金額です。古美術を別にした現代美術で差が目立ちます。

日本で絵や彫刻があまり売れず、美術市場が小さい理由は、前からネット掲示板などにもありました。「美術界は国民に美術の資産価値を伝えていない」「だから国民は美術を買う意義を見出せない」「どの作品に価値があるかも知らない」「国民は作品を信用できないから買わない」。

この分析の何が間違いかを言える日本人は、おそらく少ないでしょう。なぜなら日本国内では美術の価値は上から下へ、大本営発表を国民に降ろす慣習だからです。この慣習の末が、現代美術が売れない現状です。

ドイツの市民は作品個々の資産価値を知った上で、資金運用しようと絵や彫刻を買うのではありません。彼ら彼女らは作品を見て楽しみ、時に驚き、知人と話題にして、いやされたり奮起するなど、自分の変化が目的です。それが集まって大きい市場ができています。

日本で美術が売れないのは、作品がわからない人が多いからで、苦手なら大本営発表を頼るのも当然かも。それに美術界が応じる間は、問題は先送り。永久的に国民が自分の目を持たず、作品を見て楽しみ、時に驚き、知人と話題にできる日が来ないのは道理です。

上が下に伝える値打ち情報で市場を回す日本方式だと、新人の新作を買う空気はなくなる理屈です。他の国は思想を込めたエンタメで美術を考えているのに、日本だけが値上がり益で資産形成する目的で、投機商材とみる常識が識者の間にも広がっている問題があります。
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2018/09/03

ニッポン体操競技選手の引き抜き騒動と画廊

大相撲あたりから始まって、レスリング、アメフト、ボクシング、居合道など、競技団体の協会や連盟などで、組織上層部の事件がニュース続きです。また出た、次はこれ次はこれと、目新しい感じで走馬燈のように。次は体操競技だという。

体操での話題のキーは、選手の引き抜きです。選手がどこでトレーニングするか、所属する団体などを移る時に出てくる権力行使です。これが体操競技で問題になり、すでにメダルをとって引退している選手が何人か、引き抜き批判を述べています。工作意見が出てきて裏が発覚しました。

体操で問題にされるのは、よその監督やコーチが苦心して有力に育てた選手を、オリンピックでメダルをとれそうになるとヘッドハントでさらう、その行為への批判です。選手が強く立派になったのを見計らって巻き上げる、いかにも不道徳な立ち回りを、先輩メダリストたちも批判しています。

野球やサッカーには、金銭トレードや移籍金があり、選手の実力に合わせて価格をはじき出して、得する側が払います。移籍金は選手の報酬額ではなく、チームからチームへ払う調整金です。

「引き抜きは自由だ」「抜かれた側が無能だ」と関係者はネット投稿していますが、野球やサッカーでは自由でなく、公正な取り引きがあります。だからパ・リーグ投手を巨人軍が次々巻き上げた頃は、パ・リーグは活動資金を得る恩恵を受け、選手を育成しても無駄にならなかった。

芽から育てる苦労は他人にやらせ、開花前に奪い去る問題は、芸能界にもありました。たとえば、売れ出したタレントがプロダクションを捨てて家内運営を始めると、不義と恩知らずを理由に業界追放する慣例があります。画廊の取り扱い画家も、昔はこの問題がありました。
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2018/08/28

日本のアートフェアは欧米のアートフェアとかなり違う?

かつて著書でアートフェアを説明した時、日本のアートフェアも一応チェックしました。あれから時間がたったので、最近の様子も調べました。参加した人のブログの中には、「日本版アートフェアはもう全然だめ」「やめちまえ」の声がいくつもあります。むろん、やめずに改良を続けるべきでしょう。

ドイツでは全品が現代アートなのに対して、日本では古美術商や骨董市が加わります。日本国民が新美術への関心が低いから、古美術で補う必要があるという隠せない事情が、いきなり雰囲気をレトロにしています。音楽祭でいえば、常に昭和歌謡の支えを頼る感じか。

しかも公募コンテスト感覚までついて回ります。そのひとつが、目玉の有名アーティストに関心が集中する現象です。有名どころが来場するから見たい、大物に触れて感動したい、感動の輪を広げてきずなをつくり、みんなとつながりたい・・・

若い画家や彫刻家や造形作家に対しては「無名はみんなゴミだろ」の声が集まったりして。日本の現代アートが、人々の目にどう映っているかの象徴といえそうな。そもそも有名人が出品しない理由は、買う空気が乏しい懸念と、若い無名と並べば内容負けする懸念なのです。

日本の美術は特殊化しており、「現代アートは嫌いだけど、たまに見るのもよいから見学します」と、鼻をつまんで食べる感じ。そんな日本に対し、ドイツ国内のアートフェアは美術の一般化が下地であり、市民が楽しみ期待しているのです。この起点の差は果てしなく大きい。

ドイツ市民は買い物目的で来て、自分にとっての傑作を探します。美術界の評価を頼らず、片隅の埋もれた絵も掘り出して見ていく。だから出品者も内容づくりに力を入れます。彫刻に火をつけて話題をさらうなど、出し抜こうと焦る必要もないのがドイツ。
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2018/08/25

サマータイム制に隠れた人間の優劣評価?

ロシアはサマータイムを2011年に廃止しましたが、EU国は今も続けています。サマータイムがなぜヨーロッパに多いかは緯度が高いからで、高緯度ほど夏の昼間が長いから、早朝から夜暗くなるまで働けば、労働時間がうまく収まるという農業国の知恵でした。

ドイツの首都ベルリン市も、日本の北海道の札幌市よりもっと北の稚内市より、さらに高緯度です。だから家庭にクーラーがいらず。自国ではあまり使わないドイツ車のクーラーは、オール日本製だったりしました。

イギリスも日本の真横あたりにあると思えて、ずいぶん北寄りです。日本の東北や北海道は南欧のスペインの緯度にあり、東京はヨーロッパではなくアフリカ大陸と重なります。低緯度の日本にサマータイムのメリットは原理上なく、せいぜい欧米並みを目指すあこがれ程度か。

近年の欧米では、夏時間は人体に有害で事故やショック死が増えると医者が指摘しています。特に夜型人間にダメージがあると推測できます。そういえば最近の研究では、人の体質は朝型と夜型に生まれつき分かれているそうです。

しかし体質への配慮は日本になく、朝が弱い夜型人間は非難されました。朝起きられないのはだらしがなくて勤勉でないとか、夜ふかしは深夜番組やゲーム依存症だとか、悪い評価がついたものです。ぐうたらをバンカラにみせにくい女児には、しんどい時代が長かったかも。

サマータイム導入の電子システム変更で収益悪化するから、財界は抵抗しています。しかし実質賃金が下がるので、少し前は賛成でした。今も望んでいるのは一人の元議員のみで、周囲はその恩に忖度しつつも本気では検討せず、時間切れでポシャらせる芝居にみえます。
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2018/08/20

迷惑メール対策が災いして大事な連絡が永久に届かない?

大事な受信メールがスパムメールや迷惑メールのボックスに隔離されていて、存在にも気づかなかった体験は誰でもあるでしょう。そのメール設定はすぐに見直した方がよいでしょう。

まず迷惑メールかどうかは、自動判別での的中は不可能です。スパム側に対抗して強化すると、誤認逮捕や冤罪が増える理屈です。ある単語が含まれたりマークが並ぶと迷惑認定するなど、メールソフトのプログラム設計にすぐに限界が来ます。当たり外れの確率が存在します。

だから逆に、スパム内容なのに安全メールボックスに届いている体験もよくあります。迷惑メールの自動判別はあくまでもビギナー向けで、ベテランは瞬時に目視判別できてしまうから、自動を普通は切ります。

また自動判別をオンにする時も、別フォルダーに隔離しないのがコツです。危険物はマーキングすれば十分で、見る前に排除して見えなくするのは、ビジネスユースでは取り返しがつかず忌避されるもの。

最近出回る迷惑メールは有名企業のなりすましが多く、リンクか添付に仕掛けがあります。一方、表示しただけでマルウェアに感染するHTMLメールなどは、メールサーバー側で事前除去していることも多いのです。スパムメールは、かつてほど大量には来なくなっています。

迷惑メール判別機能は一種の人工知能ですが、百発百中で当たるように作れそうな気はしても完成は遠いようです。初心者が目で見分けるよりも、外れの多い判別能力にとどまっています。 メールとPCのトラブル解決
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2018/08/17

リーディング・ミュージアム構想の対案の試案

日本のアーティストが海外で活躍している話題は、わかりやすい国力指標です。ただ、海外で伸びている美術家も、日本の市場に戻るとそう多くは売れません。美術に、ホームの洗礼があります。アウェーの洗礼ではなくて。

5月に政府が提案した『先進美術館(リーディング・ミュージアム)構想』が、タイムリーな話題になりました。小さすぎる日本の美術市場を問題視して、マーケット拡大のために美術館を大きく変える計画案でした。

その構想に大反対したのは美術館側です。が、美術館に国民が味方するかは不確定です。前年に「文化学芸員を一掃すべき」という発言が、地方創生担当大臣からありました。観光マインドの語はあったものの、学芸員の何が悪いかは勘違いだったような。

特に公立美術館には文化遺物を保全する大役があり、前線で美術市場をリードする役目ではないでしょう。ならば市場拡大は誰がやるかの問題です。ここでは美術館の出番も用意し、政府と違う別案を考えました。

この件はクラウド・ファンディングで触れたように、若い美術家が欧米へ移り住まずに日本にいるなら、常につきまとうホーム問題です。

ドイツ展示企画の陰に常にあった課題は、日本国内市場の相変わらずの狭さです。国内に買い気がない。日本に経済基盤を置けないアーティスト全般の深刻さが、作品を売る場がある欧米とは対照的なのです。
→ アートの本格解説4(スマホ版)
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