FC2ブログ
2021/04/21

仮想通貨ビットコインはなぜ通貨にできない?|美術品の価値と似た面

仮想通貨、暗号資産のビットコインが、大きく下がってニュースになっています。ビットコイン以外の仮想通貨も、暴落と言われて落ちたようです。世界中でコロナ給付金は平等に配られていて、高所得層が金融商品に投機してきた流れです。投機はナンピン買いが可能な資産家が勝つ道理です。

ビットコインについて参加者と相談したことがありました。こちらの関心は、投機商材としての美術品とのアナロジーとともに、ドルやユーロや円に替わって国家の通貨になる可能性がない、財政技術の本質論でした。

今回の下落の伏線として、トルコで仮想通貨を規制したり、インドなどいくつかの国で所持を違法にする方向だという情報があります。日本も当然、円に替えて暗号資産のデジタルコインを通貨にすることは不可能です。

デジタル仮想通貨は責任者の不在が利点と言われますが、通貨は国ごとに必要なので政府が著作発行権を持ちます。各国政府が仮想コイン類に反対するのは、国民の生命財産を保護する既得権です。財務省の資料では、政府は国民に年240兆円渡しています。国民はこれを知らず、0円のつもりです。

政府が発行と徴税で通貨量を増減して、インフレ率や失業率のコントロールと産業振興を行います。福祉だけでなく大規模災害や疫病蔓延でも、ばらまく権利がないビットコインだと、企業は全滅して従業員は皆が路上生活です。

たとえばアメリカがドルをやめてビットコインに変えたら、FRBの財政出動が消えて貧乏国に落ち、原子力空母も全て廃船です。仮想通貨がアナーキーと言われるのは、世界中を猿人の時代に戻す願望を意味するからです。
スポンサーサイト



関連記事
2021/04/14

まんぼうとゴールデンウィークの経済7番底|2020東京五輪優先

2021年4月12日から、東京、京都、沖縄で「まん延防止等重点措置」が始まりました。このまんぼう政策への批判はネットに多くても、正論はほとんどありません。正論は、粗利補償と引き換えに国民を家に3週間引きこもらせ、コロナをいったん鎮火させる方法。ウイルスの性質を利用します。

これができないのは、政府のせいというよりも、国民の貨幣観の誤解が原因です。国民はお金を定量と信じ、パイを分け合う感覚で考えます。本当は自国通貨の円と呼ぶパイは、2倍にも半分にも政府がボタンで変更できます。でも知らない。聞いてもピンとこない。

お金がどう生まれ、どう消えるかを電子コントロールする時代なのに、年貢米のつもりで不足に泣く喜劇です。コロナ対策費がない前提で社会的弱者の死を容認したり、弱者が淘汰されれば納税が軽くなる期待を抱いています。税金とは余りすぎた貨幣を、市場から間引いて捨てるゴミなのに。

もし国民がみんなで勘違いすれば何が起きるかが、今の現実です。この件に詳しい先達たちの予言どおり、ゴールデンウィークの自粛は2020と2021が同じ繰り返しになる足踏み状態です。100日後の五輪を難しいものにしたロスです。

店主たちは危機を訴えますが、貨幣観はあくまで間違っていて、批判論が的を射ることもなく。お金は大切な資源だと国民が思い込んでいる間は、引き換えに国民の命を捨てていく方向でしか、政府も手が打てない理屈なのです。

逆に、世界は正論で動いています。お金をじゃんじゃん発行して、国民救出に乗り出しました。IMFも財政出動を主張し、欧州中央銀行ECBも、米連邦準備銀行FRBも同じ考え。2兆ドルを決めたトランプ計画を、バイデン大統領は実行開始。日本だけはインパール作戦を続けるという。
関連記事
2021/04/07

檄を飛ばす美術作品とは|難しい日本語よりはまだ簡単な美術

「檄を飛ばす」という言葉、この意味に合うのはブログです。檄(げき)とは人を集めたり説明する文書を指し、主張コメントや論説記事が檄に相当するでしょう。新聞社説ふうのブログを書くことが「檄を飛ばす」だといえます。

この語は解釈間違いが広まっています。檄の漢字が激に似ているせいで混同され、「叱咤激励」の意味での誤用が多いそうです。社長が朝礼などで社員を半分叱りつつ励ますような、鼓舞する演説が「檄を飛ばす」だと国民は覚えていて、調査すると8割近くが間違っているとか。

漢字の姿が似ているせいで誤用される言葉はけっこうあります。もう定着して正誤が逆転している一例は独擅場(どくせんじょう)です。漢字も読みも異なる独壇場(どくだんば)が通用してしまっています。

考えてみれば美術作品は、その機能自体が檄を飛ばす存在です。何かを訴え同意を求める意味どおり、アート作品は訴えて賛同者を集めるコミュニケーションツールだともいえます。相手を探しながら世間が認知しうる範囲を調べる、リサーチの面もあるわけです。歴史的に、500年早かった絵画もあります。

同意を求めるとはいっても、わかってもらえるように作ることは少なく、むしろ同意が得られにくく作ってある方が多いでしょう。創造性は斬新さとともに意外性でもあるから、本来はなじみの悪いのが取り柄で、反発を受けるケースがあって普通です。範囲の自由度が高い。

現代アート絵画塾で重要な価値観は、正しい意味で檄を飛ばす以上に、誤用どおりハッパをかけてガツンと衝撃を生む方向です。日本国内で作られるものは、とかくまろやかに整えられ平坦で見どころが減りがちなので、自ずととがったものを意図することが多くなります。
関連記事
2021/03/31

デジタル版画の増刷はお金の発行に似ている|需要と供給を理解

コロナ以前から日本の病気はたった一つだけ、デフレ不況です。原因は自国通貨を削減してきたからです。お金は使えばなくなるから、皆で使わず温存しようという宗教的信念です。1997年4月1日から続けた緊縮財政と消費税増税です。ところがこの因果関係を国民は理解できません。

理解の障壁は貨幣観が間違っているから。全員がそろって間違っているから、正す人がいない状態です。「世界はテーブル形で、海の端には滝があって海水が落ちていく」を全員が信じていた、あれの現代版が貨幣を誤解する現象です。

これはデジタル版画で考えるとわかりやすい。デジタル版画がお金と似ている最初の点は、必要なだけ増やし続けられる融通です。手刷り版画と違い、デジタル版画を欲しい人が現れれば、全員に行き渡らせられます。つまり総量が決まっていなくて、後から増やせるのです。枯渇や窮乏があり得ない。

「現代のお金はいくらでも出せます」と言えば、「無限に出せるなら、この世はお金で埋まるぞ」などと揚げ足取りが出てきます。この誤解は、デジタル版画を無限に出す画家がいないことで謎が解けます。多く出しすぎるとあり余るので、1枚の価値が落ちるからです。

たとえば同一図柄の版画を一回に5枚ずつ買わされるなら、世にだぶついて価値は暴落します。お金も同じであまりにも多く発行して総量が激増すると、ある臨界点から価値が落ち始めます。超インフレーションです。お金の臨界点は新型コロナのマスクや小麦粉で起きたとおり、買いたい商品が品切れ続きの時です。

そこで各国政府は、国産品を開発し増産して品切れを防ぎ、お金も増刷して売れ行きを上げて国力を上げます。日本は国産品が豊富で世界一インフレから遠いのに、貨幣観の間違いで自国通貨をわざと削減して、24年間もデフレです。ユニセフから女性と子どもの貧困国に指定されています。最後の頼りは外圧か。
関連記事
2021/03/25

アメリカの増税は貧富の差を縮める目的らしく|日本では理解困難

アメリカのバイデン大統領は、増税へ向けて動いており、財界の抵抗はやはりあるようです。トランプ大統領は新型コロナ対策の一環で減税しましたが、対策強化での増税はどういうサインでしょうか。

経済学の教科書は間違っていて、税金は財源ではありません。各国政府はお金を発行できるからです。発行物は発行者には金目のものではないから。デジタル版画と同じで、持っている人から巻き上げる必要がありません。必要数を自在に追加できるから。増刷して全量を増やします。

ではなぜアメリカは増税するのか。デフレ不況の日本とは反対に、アメリカはインフレ好況だからです。好景気なら増税して、不景気なら減税するのが鉄則。つまりインフレ率の調整です。財源を得る目的なわけはなく、理にかなっています。

そして民主党政権なので、低所得層に対するケアが公約で、富裕層に増税します。わずかであれ貧富の格差の縮小です。この説明は、日本だとまず間違って解釈するでしょう。「富裕層のお金を貧困層に回すのだな」と。これは全く間違いです。

国税の機能は主に四つあります。通貨信認、景気調整、格差縮小、悪事懲罰です。格差縮小は累進課税で実現されます。インフレ率は貨幣過剰で起き、富裕層が過剰なのだからそこの税率を階段状に高め設定します。回収した税は廃棄されますが、財政出動として還流されます。

景気調整はインフレ率のコントロールを指し、金欠の貧困層を増税すれば当然国は傾くから、富裕層の税率を調整して社会を安定させるわけです。アメリカの場合、連邦準備銀行FRBが政府から独立しているので、様々な陰謀の本が出ていますが、それらも間違った経済教科書が発端となった妄想です。
関連記事
2021/03/18

アメリカのコロナ対策費用で財政が悪化するデマ|デジタル版画に似て

国際経済ニュースにもフェイクが多く、そのひとつがコロナ対策費を使えば財政が悪化するという嘘デマです。実は日本に限りません。お金の意味や機能の歴史転換点が1970年代と新しい出来事なせいで、経済学の本を改定せずに古典が幅をきかせたままになっています。重鎮の地位保全。

コロナ財政悪化の虚偽報道の典型が、アメリカ政権の一人15万円のドル給付です。「国民は楽になるが、国の財政は悪化する」という真っ赤な嘘です。各報道機関が伝えて国民は受け売り、間違い認識を固めて国内の経済悪化を肯定しています。

この認識間違いの根っこは、政府が自国通貨を発行した時に、政府の貸借対照表の貸方欄に負債計上する簿記への誤解です。緑色のインクのあれ。サラリーマンは貸借対照表と生涯関係ないから、理解不能の領域に都市伝説ができてしまうのです。

政府が借りたお金を将来返さないといけない、返せないと破綻するという、イカレた論法をみんなで共用しているのです。いつ誰に返すかは誰も言わない。ところが画家、特にデジタル版画の関係者は、この都市伝説に簡単にはだまされません。

自国通貨はオリジナルCG版画と似て、枯渇しません。たとえば『モナリザ』は知られた原画は1枚、または2枚説ですが、ジクレー版画の『モナリザ』は世界に数百万枚あるでしょう。数千万枚や数億枚に増やすこともできます。足りているから増やさないだけで、足りないなら足りるまで増やすだけ。お金も同じ。

画家がデジタル版画を発行して、発行した百枚を誰かにそっくり返済する日はいつでしょうか。画家が日本政府で、版画が預金通帳です。自分のオリジナルなのに、返せず破綻する奇妙な妄想は、人類のどういう脳の仕組みなのでしょう。
関連記事
2021/03/11

宮城や福島の津波で考える基本の基本は何か|東日本大震災10年

日本美術をドイツで展示するイベントの前身は、2010年の展示から始まりました。翌年に東日本大震災。活動の中にも被災と社会問題が入ってきました。当時スマホやカメラ撮影された動画が多くあり、かなりの量を毎日見たものです。あれから10年ですが、「基本」の重みを感じます。

今では細かいエピソードがネットにあり、亡くなったケースや助かったケースで、あらゆる思いが噴出しています。全てに共通するのは、ひとつの大きい無念です。「あの時は基本を知らなかった」「だからしくじった」というもの。

小学校や幼稚園が典型で、大地震が起きたので児童を各家庭へ帰そうとしました。先生と生徒が行列したり、送迎バスを出した幼稚園もありました。それらのひとつずつに理由と必然性があり、あの時は適切な判断だったのでしょう。しかし一番の基本が多くに抜けていたのでした。

「津波というものが、ああいうものだと初めて知った」「今では知っているから、もうしくじることはない」「しかしあの時は名称だけを知っていた」「全員が高台にいたのに、帰宅させようとわざわざ低地へ降ろしてしまった」。「わざわざだと今なら言えるのは、正体を見て知った後だから」。

日本の貧困化も似た知識不足の恐ろしさです。日本経済の低落と国全体の貧困は、自国通貨の量を故意に削減して起きています。円を発行してばらまけば正常に戻る簡単な話です。IMFや欧州中央委員会は、新型コロナ恐慌で世界大戦を再度起こすまいと、造幣とばらまきで飢え死にを防ぐ積極財政を宣言済みです。

ところが日本ではほとんど知られません。知識がないと大地震後に低地へ降りてしまう、それが日本経済でも起きています。所得喪失で路上生活になってもあきらめない男性と違い、女性は列車に飛び込んでいます。知らない人だけが集まり知恵を出し合っても、その集団はコロナ恐慌の波にのまれて死んでしまうのです。
関連記事
2021/03/05

小中学校の鉄骨補強と日本経済の規模|コンクリートから人への貧困化

日本国内の小中学校の校舎を見ると、窓ぎわにV形やX形など太い斜め材が目立ちます。欧州ではあまり見ないでしょう。阪神淡路大地震をきっかけに広まった、耐震補強というリニューアル法です。耐震診断と呼ぶ現地調査から始めます。

当時の青焼図面製本が、発注した市役所や県庁に残されています。学校の場合は、ラーメン構造の外構枠を利用して、戸外側に鉄骨ブレース(筋交い)の剛体をはめ込む方法。鉄骨ビルだと内部に加えるために、内装をはがし取り一新します。室内が少し狭くなりますが。

日本の耐震診断の構造計算ソフトは、世界一進んでいます。国土交通省とゼネコン構造部、構造設計事務所、大学建築学科が連携し、論文も充実しています。しかしそれだけにコストは高いのです。オフィスビルの例では、建て替え新築の半額もかかりました。取り壊しは別途なので、差は十分あるのですが。

そこで政府の通貨発行権で補助金を出して、オーナー側は銀行融資で払いました。新基準を義務として、後から建てたビルは震度7でも倒壊しない厳しい設計です。後に全国で続発した地震に間に合ったケースも多くあり、間に合わないビルは壊れました。

前に構造計算のミスや不正で事件になった建物も、大地震で結局どれも倒れなかったのは、大きいマージンをとるからです。未来の地震や台風は、きっと過去最大より大きいとの想定が業界にあります。他国で建てた日本製の橋や塔が倒れない理由がこの伝統ですが、建設費はやはり高い。

おもしろいことに、建築を丈夫に建てるコストがそのまま、日本の経済規模GDPを大きくする宿命です。コスト高なほど貧乏になると思いきや、貨幣発行総量が増える原理なので、経済大国になり庶民の暮らしも向上します。その逆を行く風潮が、「コンクリートから人へ」という経済衰退方向のムーブメントでした。
関連記事
2021/02/26

もし国民が税金を払わないと何が起きる|動画サイトの嘘フェイク説明

ネットニュースに時々出てくる記事に、「情報の嘘を見破るネットリテラシーを身につけよう」があります。SNSで広がったデマ「地震で熊本市街にトラが逃げた」「犯人の家族はこの会社で働いている」の事件への、学識者の警告でしょう。

記事を書いた人に甘い見込みがあります。正しい情報を判断する目安に「大多数の人は間違わないだろうけど」という誤りがあるのです。国民全員が一人残らず間違う想定が抜けている欠点です。これでは付和雷同にすぎません。美術でも日常的にみられる現象です。

動画サイトに「もし国民が税金を納めないと、世の中はこんなことになる」という啓もう動画がありました。「犯罪が起きても予算のない警察は動かない」「消防車や救急車も出動されない」「大地震が起きても自衛隊も動かない」「国会は開かれなくなる」「官公庁や地方自治体は金欠で解散する」。

こうした指摘が延々と続く説明ビデオです。同様の動画は他にもいくつも並んでいました。今はもう消されているのでしょうが、どれも完全に間違った説明でした。日本を壊すためのフェイク動画といえるものです。

動画の作者はお金の由来、誰がお金を発行するかを調べずに、フェイク動画をけんめいに制作していたわけです。各国政府は通貨発行権を持つから、お金が底をつくという発想自体がマヌケです。「世に打ち出の小づちなどない」が情報リテラシーの欠如です。どの国もひとつ以上持ちます。では、お金の発行はどうやるか。

財務大臣の決裁で財務省が国庫短期証券を発行し、日本銀行が日銀当座預金の政府預金にマネタリーベースを増やします。それが国や自治体をまかなう財源の正体です。次に金利調整するため、国債を発行して主に一般銀行に買わせて、一般銀行の日銀当座預金を減らします。最後に市中の余剰金を税金として回収し廃棄します。
関連記事
2021/02/19

橋本聖子元スケート選手が東京五輪委員会会長に|海外は女性を待望

「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長」をやらされる橋本聖子元スピードスケート選手の現役時代に、西日本新聞編集長が異様に厳しい社説を書いていました。スケート全種目に毎回出て入賞はあれどメダルがなく、夏五輪の自転車種目に出ても敗退したことへの批判でした。

「オリンピック女もだめか」の空気の中、1992年フランスのアルベールビル五輪1500メートルでメダル獲得。「ああやっぱり、何を言われても続ければ先が開ける」と日本中が納得しました。スピードスケートで日本女子初。社説は喝か。

後に橋本参議院議員となった彼女に必要なのはお金でした。情報収集して研究する装置、調査機関を議員各人が持たないと活動が実を結ぶわけもなく。どぶ板選挙やみかん箱選挙は無意味な美談で、連日図書館に通う節約生活だと能率が悪い。

先進国の議員個人は公設秘書だけでなく、シンクタンクを持つお金を国が支給するものです。国費なら通貨発行権で直接出せるから事実上無料で、国民の出費や寄付は不要です。日本国民はそこを理解できず、議員報酬を下げれば国の出費が浮いて国庫が助かると勘違いしています。

国民が国の通貨発行権を知らないのです。そこに老害側の都合が加わります。個人資産や集金力で序列を決め、能力主義にさせない。駆け出し議員に資金を世話した先輩が、持ち駒にする因襲です。「出藍の誉れ」を阻止する日本らしいシステム。これは伸びる企業が嫌うやり方でしょう。

「議員の経費は国民の税金だ」の妄想が、国会議員を知識不足と体験不足にとどめる主因です。役立たない議員を報道しては、それなら報酬を下げろという間違った世論が繰り返されます。お金を宝物としてあがめる貨幣観が災いして人が育たず、結果の能力不足をあげつらう報道はエンタメ化しています。
関連記事
2021/02/13

チック・コリア死去・東京ジャズ祭の看板スター|大物の訃報続き

ジャズ界のスーパースター、チック・コリア氏が、コロナと無関係の珍しい疾患で死去していた訃報がありました。マイルス・デイヴィスの『ビッチズ・ブルー』に登用される前の初期の盤で、すでに作曲とピアノ演奏の才が開花していました。

報道で出た代表曲は『スペイン』『ラ・フィエスタ』『500マイルズ・ハイ』などで、もちろん『リターン・トゥー・フォーエバー』が最も有名でしょう。しかしオリジナル作曲が多い中、ロドリーゴの『アランフェス協奏曲』の翻案『スペイン』が筆頭ではちょっとという感じ。

すぐに思い出せるのは、後にフローラ・プリムが歌った『ウィンドウズ』や、長尺サンバ『フレンズ』、間奏ふう『インディアン・タウン』、日本がテーマの『シルヴァー・テンプル』(銀閣寺)などです。曇り空から一気に日が差すような劇的な展開を次々と生み出す、天才的コンポーザーでした。

彼のやり方はジャズの伝統どおりで、新人との共演から新しい世界がきっと現れる期待どおりの成果を出してきました。伴奏と曲提供の裏方に回り、アルバムの価値を上げたケースも多くありました。ジョン・マクラフリンのソロ再出発とか。

得意技は即興でも耳を引くメロディーと、コードの不協和音を細かく変えながら、フロントを引き立てるミラクルなプッシュが目立ちました。大胆かつ芸が細かい。共演ミュージシャンが大成しやすい機会をつくり出す、そういうサポートがかなりうまい人でした。

従来と違うことをやることで、人類の資産は合計が必ず増えていくのだと、明快な原理を実践していました。そんな様子を美術畑からみると、古い体質にさえぎられない動的な分野の良さをつくづく感じることもあります。
関連記事
2021/02/11

日本の老害の構造に世界が関心を持ってきた|女性は会議が長い?

元総理大臣の「女性がたくさん入った理事会は時間がかかる」発言は欧米でも報道され、味方する関係者が多い奇妙さも続報となっています。発言の背後に「委員会が男性だけの会議なら話は早い」という共感でもあるのかも知れません。

経験則では、会議はトップの意向や鶴の一声で決まり、セレモニーに終わりがちです。それに対して女性がある割合加わると、疑問を言い出したり反対の見解で会議が紛糾するなどが起きました。女性がお客さんで終わらないと新風が吹いて上向く傾向。

起きる停滞を迷惑と受け取るのは、会議が結論ありきで形骸化している場合も考えられ、概して独裁的な会議で起きる現象です。日本は上意下達の社会なので、裸の王様がイエスマンを引き連れる運営が比較的多くみられ、既定路線が長年固定していることがよくあります。

テレビの討論番組でさえ、特定のプロパガンダに向かっています。都合の悪い声を編集で消したり、生番組なら突然CMを重ねたり、司会者がすかさず話題を変えて封じ込めるのも日常的です。言わせて叩くのではなく、言わせないようにするのが日本式だと、世界が勘づいたのかも。

元総理しか人材がおらず代わりがいない理由は、部下の活躍を上が阻止するから。まともな企業はその破滅を嫌い、だから下位の者も早く現場に出して訓練し、世代交代に備えます。20世紀末に流行したISO9001もその方向でしたが、当該組織はそれとは違うらしい。

組織が衰弱する原因は全て同じで、権力と能力の逆転です。それで権力者は部下に大役を与えず、能力を腐らせ新陳代謝を食い止めて、自らの延命を図るわけです。一般に言われる老害の構造は、美術でもかつて散々に言われました。
関連記事
2021/02/05

ゲームストップ株で空売りファンドと個人投資家が団体戦|世界の不正

1月30日に起きたアメリカのゲームストップ社株の売買事件が、日本でも報道されました。ロビンフッドという証券会社のスマホアプリで個人が徒党を組み、下がりきっていた株価を爆上げして、機関投資家に大損させた事件です。

ところがゲームストップ社株を下げたのは、ファンドと呼ぶ投機会社の空売り作戦でした。空売りとは現物を持たない者が借りて高く売り、投げ売りする群集心理で下がった後に、買い戻して貸し主に返して差額を儲ける際どい売買手段です。

この事件についてアメリカ民主党と共和党とも、議員が業界の不公正を是正するよう意見しました。株の不公正とは何か。株取引所と証券会社による金融資産の売買は、個人が参加しても損するようルールを歪めてある問題です。

日本でも耳に入るのは、株価操作の禁止です。ところが厳禁は個人投資家だけで、機関投資家の一種大口ファンドは操作し放題です。個人が犯せば摘発され、機関は逆に行うよう推奨されているのです。個人を釣り、資金を呼び込むグルという構造だから、故意に値動きをつけます。一理ある。

アメリカで先に問題になったのが、ファンドの売買プログラムサーバーを証券取引所内などに置く優遇です。超高速回線に加え物理的距離も近づけ、何万分の一秒速く後出しジャンケンで勝ち、個人投資家に常に損をさせ続けるハイテク技術です。一理もない。ちなみにファンドのAIは一秒に最大10万回売買できるとか。

それで若者たちがSNSでしめし合わせ、愛着のあるゲームストップ株を買いで対抗し、500ドル以上だったのが2.5ドルに落とされていたのを、480ドル以上に上げ、空売りファンドに報復したのでした。イカサマにイカサマで対抗して。アメリカでも弱者のみ罰して幕引きにするかが注目されます。
関連記事
2021/01/29

コロナ特別定額給付金を生活保護で代用できる?|誤解されたお金

日本のトップの悲惨な発言は外信となりました。「国民に再度10万円を出すのか」を拒否し、「政府には最終的には生活保護という仕組みも、そうしたセーフティーネットを作っていくのが大事」と言ったそう。おもしろいのは周囲の反応です。

この発言への批判が「そこまで国民を落とす言い方はひどい」にとどまる点です。そこかよ。お金への勘違いを誰も指摘しない点がすごい。日本が衰退する原動力は、口を滑らせる方も、それを叩く方も、そろって考え違いしている点です。

国会議員も国民であり、総じてお金について完全に誤解しています。お金を石油やレアメタルのような天然資源に見立て、「出費に使えば減って消える、だから使わず温存すべし」「命よりはお金が大切」という特殊な思想なのです。何が特殊か。

今から48年前にお金の意味が現代化しました。高度な表現だと「借用証書」に戻しました。本来のお金の意味です。平易な言い方だと「各国の商品券」です。足りないなら足りるまで刷り足す方式に、国際的に変えていました。「国はお金を大事にします」は無意味な時代錯誤です。自主発行するチケットに変えたから。

日本人だけがフェイクの世界に住み、結果は女性の多すぎる自殺です。各国が景気調節で自国通貨を自在に増減する方式にしたのに、限りある資源のつもりで、残量を保護しようと使用拒否に必死です。このアホらしさは、美術家なら理解しやすいはず。お金は、いわば自作品のデジタル版画だから。出しても何も減らない。

必要な人がいれば、著作者が出し続ければ解決です。著作者は誰か。デジタル版画なら画家、お金は中央政府。底をつく枯渇や、発行した罪を子孫が受けるなどあり得ない。しかしみんなの勘違いは今も続きます。国庫の残りをコロナごときで消耗させず守り抜こうと、国民一堂が命がけという、むごい笑い話です。
関連記事
2021/01/23

ドイツでベーシックインカムの実験開始は3月|新時代へ行けるか

2021年3月からドイツでベーシックインカムの実験を行うそうです。様々な業種の500人を募集して毎月約15万円を支給し、暮らしがどうなったかの調査リポートを作成します。そして近未来に施行する計画らしい。

ただ、この実験は少し手抜かりがあります。金額を2通り用意して千人で実験すれば、もっと念入りになるでしょう。もし日本で行うなら、こちらは8万円を基準と考えています。ドイツは今の物価と生活レベルから、15万円なのでしょう。

ところでお金は時代によって意味が変化しています。原初的なお金は、貸し借りの記録でした。それが中世の西洋では、宝物の置き換えへと曲解され、近代に思想の派閥が分かれて現代を混乱させています。芸術が何なのか、派閥が分断されたままの現象と似ています。

宝物の置き換えを「実物貨幣論」「商品貨幣論」「金本位制」と呼びます。お金の本体自体が、金銀サンゴの代替だとみる思想で、最大の特徴は総量一定で貴重品であり、いわば天から降りたとする信仰の対象です。だから人命より大切。

それに対して貸し借りの記録を「信用貨幣論」と呼び、現代はこれです。ところが古い教育を受けた学者の惰性に引かれ、金本位制から脱却できずにいる国際問題があります。欧州中央銀行総裁のビギナーっぽい発言は驚きでした。巨匠が芸術って何でしょうかと、原点を彼岸の目標扱いする感じ。

日本のコロナ特別定額給付金で、貧困層だけに配って支出を小さくとどめたい民意が、特定職業への激しい差別言動へなだれ込んだのは、記憶も新しい。中世のお金の感覚で、自国通貨が減って底をつくのを恐れるという、悪い冗談のような国民の反応でした。実際の給付は円を新発行し、増分が経済成長になります。
関連記事
2021/01/16

全米ライフル協会が解散しNY脱出?|TPP改めFTAで銃規制は変わるか

全米ライフル協会は銃器と兵器の製造業が中心の組織で、アメリカ最大のロビー団体です。銃規制を公言した議員を落選させる激しいキャンペーンでも知られ、議員たちは銃規制を強める政策を口にできません。

その全米ライフル協会がNYを出てテキサス州へ移る話があり、団体を解散して再結成する計画だという。汚職問題が関係するそう。そこでこちらも、日米がTPPで合意すると日本の銃規制が変わるかもと踏んでいました(その後FTAに交替)。

TPPはアメリカ合衆国憲法の下位にあり、日本国憲法の上位として定義されます。基本的人権の尊重をかかげる日本国憲法とて、アメリカ企業がTPP裁判に告訴すると、判決は日本国憲法に優先するので、一企業が相手国を壊せる仕組みです。

自由貿易で最初に壊される日本の制度は、軽自動車規格と国民皆保険制度とされます。日本政府が国民を保護すると、アメリカの車や高額保険の権利を損ねるから、福祉のないアメリカに合わせるよう、アメリカの裁判所が命令を出す仕組みです。カナダ国は全ての裁判に敗れていました。

それを銃にあてはめると、日本でもコルトやスミス・アンド・ウェッソンの薬装式連発短銃を庶民が買えるよう、法律の変更を迫ることができる理屈です。日本では競技用の単発短銃(ラピッドファイアーピストル)を国内に50人だけが持て、自宅ではなく警察署に短銃を保管する規則です。

輸出販売チャンスを失わせる障壁として、銃器メーカーがアメリカのTPP裁判所に訴えると、日本は銃社会に強制改革される理屈です。今後さらに貨幣発行を断ち、貧困化を進めテロの機運を強めれば、日本人の武装したい民意は高まるはずです。福祉制度は今以上に嫌われ、弱者の撲滅を国民は支持する恐れがあります。
関連記事
2021/01/14

米大統領のアカウント永久凍結でドイツ首相が意見|SNSの検閲時代

アメリカのトランプ大統領は、暴動を扇動する発言はしていないようで、しかしTwitter社はアカウントを永久凍結しました。声を表に出させない措置。それに対してドイツのメルケル首相が、「発言をさせない封じ込めはまずい」とSNS側へ問題を投げかけました。犬猿の仲にもかかわらず。

美術の論壇でも、アートの内輪に耳の痛い話を論者に発言させないよう打ち切り、議論を消すなどはよくみられました。今も。それはオピニオンですが、制作の作風に関して行うのが、公募コンテスト展の隠れ機能になっていることもわかります。

世界の展示会の潮流は提出物は全て展示し、展示内容がまずければ市民が反応するから、議論すればよしの感覚です。が、国内美術は既存の価値が脅かされる転換を恐れ(公序良俗に反しないのに)、既得権に配慮してきた疑惑があります。

ところでメルケル首相はリベラルの長期政権で、EUの理念を進めた分だけ、ドイツの国力を脆弱にしたと数字に出ています。極端すぎた移民難民のスルーより、むしろ緊縮財政を強める理念に、東側的な生い立ちがにじむと言われてきました。

緊縮財政は、日本経済を壊す主義と同一です。資本主義経済の需要と供給のうち、需要の核心である自国通貨の発行量(公債発行残高)を減らす財政手法です。物が売れない社会へと変化させることで、経済縮小で貧困化させて秩序を変える新自由主義のビジネスモデルです。

なぜそうするかは、人の価値を下げることで人件費を下落させ、企業の業績が伸びずして収益が上がるトリック計算です。ノーベル経済学賞の面々が唱えています。21世紀の先進国のメインテーマは、政府主導の人権侵害で、実は過去の再来です。この話をSNSに書くと検閲で凍結されるから、ブログに書いています。

→ ドナルド・トランプが登場する映画シ-ン(YouTube)
関連記事
2021/01/08

成人式の振袖がまた受難の緊急事態宣言|日本画とモダンアート

振袖の展示や試着会は海外のジャパン・フェスティバルでも行われ、和服の最高峰になっています。今年も成人式が近づきましたが、二度目のコロナ緊急事態宣言で一部地域は中止みたいです。レンタル振袖が消えた事件など、二十歳女性の受難が続きます。

振袖の最大の特徴は袖の布が下に伸びたデザインで、タテ1.1メートルもある大振袖が成人式で多いそうです。一昔前は中振袖が定番でしたが。その大面積に広げられた図柄は日本画の形式をとり、長年コストをかけて洗練されています。

振袖を美術としてみると、日本画の伝統的な意匠が見て取れます。まずはアシンメトリーなレイアウトで、左右対称や並列を意図して崩してあり、水平や垂直が生じないよう斜めに流れるイメージが多くみられます。規則的なかっちりしたリズムはなくしてあります。

空間の埋め方はモダンアートの表現主義と近似し、花は写実ではなく抽象化されています。幾何学的な造形はほとんどなく、有機的な形態へ持って行くアンチデザイン指向です。さりとて生々しさや毒々しさへは行かず、前衛の手前でとどめていますが。

色も赤系や桃系、青系など以外に、意外な組み合わせカラーで、珍しさを狙ったものもあります。それらをトータルすると、画一化ではなく多様化された世界です。ワンセットを抜き出せば、そこに込められた物語性は豊富でしょう。

しかし物語は一着の振袖の中で埋もれたり、集団の中でも埋もれやすいでしょう。埋没はモダンアートでもよく起き、慣れない目に全てが同じに映ったり、細部は目に入らないとか、記憶に残らないことがよくあります。振袖の図案は、日本画への入門みたいになっています。
関連記事
2021/01/01

学生が持続化給付金をだまし取る原因|円の発行は簡単すぎるのに

謹賀新年。大みそかからのネットニュースに、持続化給付金をだまし取った学生が自首して、返金し始めたリポートがありました。主役の詐欺でなくリーダーが別にいて、「お金が手に入るうまい話」に友人から誘われたのです。

書類をつくり提出に訪れた場所は、役所の持続化給付金窓口でした。犯罪に駆り出されたと気づいても引き返せず、だまし取った百万円の半額をリーダーに上納し、犯罪が成立しています。愚かな学生への批判が集まっています。

おかしいと思った方も多いでしょう。学生への給付金が立ち消えになった点です。新型コロナ騒動の当初、学費が払えず除籍(中退を名乗れない)になる学生が激増するからと、政府が通貨発行してお金を出す案があったのです。アメリカやドイツにいる日本国籍の人への給付金案もありました。

日本人は国の財政を完全に勘違いしています。学生に回すお金は国民が払った税金だと妄想し、税金ドロボーには渡すまいと声をあげ、給付は立ち消えました。当の学生たちも嘘を書いた社会科の教科書で学んでいて、お金の意味や機能を誤解釈しています。お金の全量が一定で、使い切れば底をつく勘違いです。

「各国にひとつある打ち出の小づちを振って、学生の地位保全に金を使え」と声をあげたのは、一部の中高年でした。特別定額給付金や持続化給付金や家賃補助は、政府短期証券で円を発行し、後日一般銀行が買う公債へ差し替えて金利を変動させない、世界標準方式の通貨発行です。政府の借入金ではなく、自己資金です。

自己責任や自助精神と呼ぶモラルハザードの中で、犯罪のハードルは途上国相応に下がっています。バブル時代以前にはあった学生の未来を祝う空気は、経済低落とともに冷えています。戦後の混乱で盗人が激増した頃と似て、若い前科者が無駄にふくれあがる令和恐慌のやばい一面です。
関連記事
2020/12/26

作品は改善すべきか改革すべきか|現代アート絵画塾の方針

当初は展示企画のオプションだったマネージ・アンド・プロデュースのオプションを、現代アート絵画塾という単独企画に変えて好評です。もっとも作品改良するとなれば、日本ではやや抵抗があるのが普通かも知れません。

というのは、日本では芸術は売り物と対立する葛藤があり、束縛のない自由な衝動を尊重するからです。それがかえって伸びしろの制約になり、買うほどの特異性が小さくなる面があるのです。気の向くままだと、普通の凡作に向かってしまう。

売買市場が拡大しなくなり、受験産業に似た公募コンテスト展が増えるわけです。国内で展示即売会はブレイクしなかったし、展示会は高尚なままです。市民が美術を見る目を持たない前提で、上が価値を決めて下に習得させるやり方です。

この環境で制作する作家は、急進改革では失敗しやすいと感じます。思えば1980年代から叫ばれた日本の各種変更は、改革と名のつく全てが日本を壊してきました。改善とは違い、改革は飛び跳ねて、残念な結果となる経験則があります。

改革が失敗する理由は、過去とのつながりを断つからです。人は過去の延長に現在を築き、足し算方式をとることが多い。CG画で起きることですが、制作後に全てをやり変えると、長所も短所もまとめて裏返しとなり、元あった筋の良さも崩すから積み上がらないことが多くあります。リセットは改善とは違う。

作品を土台ごとひっくり返すと損失が目立つから、こちらも手直しにとどめてその範囲は広がっています。従来の9割を活かし、1割以下の改善でも大きく違うものにできます。美術のこういう方向での前進があまりないのも、コンテスト展だと見る人々が受動的になりすぎる結果だと感じます。
関連記事
2020/12/19

写真とCGはパソコンが2台は必要になる|作品データ画像の保全

パソコンディスクの故障へ備える話題から10日後あたりに、早くもランサムウェアに感染しました。いわゆる身代金要求の不正ソフトですが、ウイルスをばらまかないマルウェア型です。スパムメールやネットサイトに仕組まれたトリガーで、サーバー配信で攻撃してきます。

横同士の感染がないタイプは専門家の分析も遅れます。今回のマルウェアは、拡張子txt、doc、xls、pptなど事務系以外に、psd(フォトショップ)、dwg(オートキャド)なども消滅させます。原理的に元のデータには修復不能です。

対策は繰り返してきたように、ネット用と制作用の複数態勢です。美術作家はパソコンを2台は用意し、大事な写真データやCGデータは、ネット接続しないパソコンだけで扱います。海に出る漁船に、資産が入った金庫を乗せない理屈です。

加えて前回触れたシステム復旧アプリがあれば、ハードディスクの中身を消されても早く元どおりに戻せます。また作品データはDVDやブルーレイなど光ディスクにも複写しておき、水没しても助かる備えが必要です。それら周辺機器は、以前よりずっと高性能で手頃価格になっています。USBメモリは長持ちは無理です。

前に制作用パソコンだけ感染しました。ブログソフトのテンプレートを探した作業後の感染で、配布された圧縮データに仕掛けがあったのかも知れません。あの時は引き離していた別ハードディスクとUSBメモリから複写データを戻して、少しだけ喪失しました。

キャンバス画は500年残っても、デジタルデータは消滅する確率が高いので、現代の文化記録の課題になっています。酸性紙問題と似て、デジタル画は未来に消えてしまうと言われてきました。DVD-RWディスクなどをまとめ買いして複製を多めにつくり、分散して保管すれば当面は安心です。
関連記事
2020/12/13

ランサムウェアから復帰しメールが受け取れるようになりました

13日いっぱいはメールが受け取れませんでした。ネット動画サイトらしきでランサムウェアにやられたようです。最近のマルウェアはウイルスとは違い、遠隔からの不正プログラム攻撃が特徴で、アンチウイルスソフトでは発見しにくいのです。

復旧は早く済んだのですが、よりにもよって3日前に保存していたメールの山が、12月2日からリリースされたメールソフトの画期的なバージョンアップをまたいでいたようです。

メーカーコメントでは、メールデータの互換がない仕様変更を行ったという。それなら古バージョンのメールソフトを入れればよいのですが、やってみると齟齬があり、まだ調査中です。

この原因は、ひとつはメールソフトが無料のフリーソフトだからです。データはそろっているのに、自分でプログラム(機械言語ではないが)を書き換えないといけなくなりました。やはり本命は有料ソフトです。

バックアップから戻すと近い過去の受信分が抜けるから、一定期間分は再度ダウンロードされますが、送信分は戻ってきません。それはメール保存場所に残留しているのをより分けて、引き揚げる手を使います。

これの抜本的解決は、自分がスマホで送ったメールを自分のパソコンでも受信したり、ひかえをサーバー側に置く手もあります。
関連記事
2020/12/06

ベルリン2020クリスマス祭の屋台|コロナCOVID-19下で聖夜近づく

2020ベルリンクリスマス

2020年12月のベルリン市のクリスマスです。場所は2019の写真と同じで、毎年のカイザー・ヴィルヘルム記念教会。今年は2月からの世界的コロナ・パンデミックで、ほとんどお客がいなくて、行くとかえって心が沈みそうだったとか。

写真は現地時間15時前ですが、16時台にはほとんど真っ暗で夜の部みたいになるそうです。屋台の出し物はグリュ―ワイン、ソーセージ、レープクーヘンといった、現地の特産品らしく。

レープクーヘンは香辛料の入ったケーキだと説明がありますが、クッキー状でやや大きいハート形の特別製が売り出されます。固さは日本の「そばぼうろ」や北海道の「トラピストクッキー」のような感触ではないでしょうか。

ワクチンの開発は日本は不参加らしく、ドイツとアメリカで進んでいます。コロナが解決して、欧州中央銀行のユーロ財政出動で好景気に持ち込めば、次回は反動で盛大なクリスマスになりそうな予感を残して、今回はごく静かな聖夜になります。

2020ベルリンクリスマス
all photos: (c) Mihara
関連記事
2020/12/01

システム用ハードディスクのクローンをつくる|パソコンの故障を予防

美術活動にパソコンは不可欠です。ポートフォリオも紙印刷で持参や郵送する必要はなく、電子で送った10分後に相手が見終わる時代です。ただしパソコンのハードディスクはいずれ壊れます。経験則では毎日起動して、4~9年後に死にます。

連休明けに、通信用パソコンのハードディスクを新品に交換しました。4年2カ月使用。当然、OSの再インストールはやりません。それだと完全復活するまで40日はかかるから、非現実的です。そこでシステムバックアップソフトのクローンディスク機能を使えば、長くて6時間で再現できます。

システムバックアップソフトは、通常はDVDで起動します。パソコンのOSプログラムの一部はディスクの特定番地への記述が必要なので、単純にコピーしても動作しません。ユーザーがいじれない領域も複写する必要があり、全てを見下ろす立場で複製する機能がバックアップソフトです。

Windows付属のシステム修復コマンドは、ディスクが物理的に故障すると当然役に立ちません。OSが新しくなるたびに、バックアップソフトのバージョンも上げて、何度も買い替えて乗り継いできました。

今回のソフトは無料でも配られています。ただ無料版で、新ハードディスクが動作しないトラブル相談がネットによくあります。なので動作確認された詰め合わせ有料製品を買う方が、泥沼化する危険はずっと小さくなります。今回初めてクローンで使うと、一発で成功しました。一回で元がとれます。

システムバックアップソフトは本来はOS丸ごと事前保存しておき、旧ディスクが壊れた後で新ディスクに注入しますが、メールで差分の欠落が起きがちです。そこで先代のディスクが生きているうちに新ディスクへ引き継ぐ「生前交替」にすれば、ダビング時間だけで済み故障知らずを保てます。
関連記事
2020/11/25

Kaori SUZUKI個展 A Little World (東京ポルトリブレ)[参加者ニュース]

Kaori SUZUKI個展
「A Little World」
ポルトリブレ デ・ノーヴォ
東京都杉並区高円寺南3-25-18
(丸ノ内線「新高円寺駅」2番出口徒歩8分、JR「高円寺」駅南口徒歩12分)
2020年12月4日(金)~9日(水)
13:00-20:00、最終日は18:00まで

 border=

意外な住宅地にあるギャラリーです。近くの方はぜひ偵察を。
関連記事
2020/11/21

Go Toキャンペーンで混乱していく三連休|貨幣観の間違いを反映

日本経済で起きている現象は、いつも同じパターンです。間違った見当外れの政策があり、批判する国民の声が間違った見当外れで、相身互いの奇妙な対立が続きます。勤労感謝の日にさしかかったGo Toキャンペーンでも続いています。

現金のばらまきは、短期国債(財務省証券)でデジタル発行した自国通貨で、コロナで倒産が近づく旅行業や飲食業を救済する正しい政策です。ところがお金を発行すると日本は破綻するという、フェイク経済学者や金融セミナーの詐欺師が広めた勘違いの妄想が日本にあり、これに従って曲げられています。

お金をばらまけば経済と人命が同時に助かるのに、通貨発行で犠牲があると勘違いして、お客の資産も出させて折半する計画がGo Toです。それでコロナ感染が増えてきた最中に三密の原則も捨てて、感染記録を更新しているのに中止や撤退を渋る強いバイアスがかかっています。

それに対する国民のGo To批判が全くズレていて、「僕たちの税金で旅行業者を利するのはやめて欲しい」という財源論なのです。「国の無駄づかいをまた始めた」「選挙票目当ての利権」という、誤認した冤罪で無意味な怒りです。このボタンの掛け違いは、発端が消費税でした。

消費税増税の時に、「高齢化時代の福祉の財源になる」と真っ赤な嘘で国民を染めました。後になって、政府が通貨発行してばらまいて国民の命を救おうとしても、「高齢化時代の福祉の財源が底をつく」と真っ赤な嘘で国民が怒り出す。フェイクの応酬がお笑いコントの状態です。

国が出すお金は、政府の打ち出の小づちで追加発行した円であり、足りるまで刷り足せばよい商品券にすぎません。なのに国民はお金をゴールドや石油など総量一定の天然資源になぞらえ、円が枯渇する妄想の恐怖にかられ、歯車がどこまでも狂い続けています。最初に定義がズレた芸術と、ちょっと似ていますが。
関連記事
2020/11/16

二重行政は本当はあるのかないのか?|大阪府と市の無駄な議論

大阪都構想は羊頭狗肉で、東京対抗意識を釣る目的で議題さえも偽った住民投票でした。二度否決されて、後日談の動画が増えています。その中で、象徴的な議論がこれ。「大阪府と大阪市に、果たして本当に二重行政はあったのか」「なかったのに騒いだのではないか」。

その指摘に大勢の観衆が納得し、「一番かんじんな話をなぜテレビで議論しなかったのか」「ホントそれ」の声が多いのです。この声の多さがそのまま、日本経済が悪化している理由です。多重行政が問題の核心だと思っている勘違いで、28年間も貧困化が進んできたわけです。

というのは大阪地方の経済が低迷した原因は、日本国のデフレ不況と東京一極集中という、二つの国策だからです。「二重行政についてきちんと検証しよう」と言い出した時点で、わずらっている病気をいきなり誤診しています。

府県と市のそれぞれに美術館や図書館や大学があり、その二重の出費で公費が二倍出ていくから、それで街からお金が消えたのだという、真っ赤な嘘のフェイクネタを5年も信じること自体、貧困化を進めるたいした努力です。あべこべのその努力とは「無駄をなくせ」です。

本当は緊縮財政と消費税増税で国民のマネーストックが減り、個人消費と企業投資が縮小したのです。28年間に他国のGDPが数倍に増えて、日本のみ足踏みしたから、企業や土地が外資に買い叩かれています。その触手は、政党を介して大阪市の中州の中之島にも伸びています。市役所や図書館、中央公会堂の敷地です。

無駄を削減したから貧困化したのに、この期に及んで無駄の削減を誓い合い、貧困に拍車をかける救いがたい民意です。「しもやけの足を従来どおり水で冷やすか、新たに氷で冷やすかの投票」に5年もかけて、今も逆走中です。ところが最近、IMFから大阪経済も温まる積極財政の発言です。自暴自棄をやめて注目しましょう。
関連記事
2020/11/14

カメラの三脚がオークションで底値に落ちている|景気を上げなければ

以前ドイツ特派員がカメラの三脚を買うことになり、すぐに良い物があったそうです。フォトグラファーは、三脚で意外に苦労するものです。三脚の必要条件と十分条件で、スペックが矛盾していて、しかも製品の多くが研究不足だからです。

日本ではプロフォトグラファーが使う三脚で、定番メーカーの三強というのがあります。アメリカのクイックセット社、イタリアのマンフロット社、フランスのジッツォ社です。クイックセットはジュラルミン製のごく標準的なかたち。マンフロットはアルミでやや廉価で独自機構が多い。

プロの誰もが持っているとされるジッツォの三脚は、パーツがシステム化されています。0型から5型まで、サイズと段数とエレベーターの有無やローアングルの可否など、多様な製品群です。機能でスタデックス・クレメーユなどの名称がつきますが、数字の型番に法則がかつてありませんでした。

日本で売れない三脚メーカーもあり、ほとんど誰も持っていなかったのがドイツのリンホフ社でした。ドイツのカメラ関係は非常に高額で、1990年頃に他社なら6万円程度の製品が、プライスリストで30万円でした。その後改善されたようです。

三脚の下部は三脚(トライポッド)、上部は雲台(うんだい、ヘッド)と呼んで、日本のプロメーカーもかつてディスクブレーキ式や非常に精巧な小型超高級雲台を製造していました。しかし三脚部分は、ほとんどがジッツォの製品と組み合わせていました。

今ネットオークションを見ると、かつては中古店で強気価格だったジッツォの三脚と雲台が、すっかり底値に下がっています。一方で日本のメーカーは大丈夫か。中小企業の世界なので、例の勘違い連発のアトキンソン・ドクトリン「コロナで傾いた中小企業は容赦なくつぶす」で滅ぼされる恐れが出てきました。
関連記事
2020/11/08

アメリカ大統領選挙で共和党と民主党が交錯する時代|グローバリズム

トランプ現大統領とバイデン次期大統領内定に関して、国内マスコミはうまく論じられずにいます。ソースを引用する若いカリスマ論客たちも同様です。日本の報道は表面的すぎて、比較的新興のアメリカ合衆国の現実を拾えていません。

日本ではこうしたトップ選挙では、英語を和訳したスローガンと、伝え聞く人柄を印象論で組み立てます。アメリカではもっと突っ込んだ解説が出ています。日本で話題から消えている争点のひとつは、グローバリズムと反グローバリズムです。

日本の保守層からトランプが変に期待されるのは、反中国よりも反グローバリズムです。グローバリズムは、先進国の庶民から過度に搾取する階級闘争を経済思想化したものです。新自由主義のグローバリズムで利を得る上級国民層は、トランプと敵対する道理です。

コロナで全世界の焦点は、積極財政か緊縮財政かです。トランプは積極財政が基軸で、中国共産党はバリバリ積極です。緊縮財政はドイツやフランスで、世界最大の緊縮が日本です。なのでドイツは経済成長率が主要国で二番目に低く、日本は最低で、唯一の経済衰退国です。緊縮財政とは自国通貨の削減、お金減らしです。

アメリカ大統領選挙の上部構造には、国際金融資本の系列の代理戦争があります。イギリス系金融とアメリカ系金融が、交錯してややこしい。しかも共和党は本来は小さな政府、民主党は大きな政府なはずが、近年の新自由主義は大きな政府を否定した貧困促進なので、従来とずれています。

若年の論客は歴史経緯の情報不足で、結局は差別反対の視点にとどまっています。4年前から最悪の人選だったトランプに票が入るのは、支持者がアホだで済ませてはアメリカの混沌と苦悩が読めません。両候補とも米国史の流れを負う代理人でもあり、背後から縛られている点も重要です。
関連記事
2020/11/05

アメリカ大統領選挙の不正と伝統文化のドラマ|メートル法でない世界

パソコンを自作すると、ハードディスクや電源やケースと、フロッピーディスクやDVDドライブの止めネジが異なる不便を知ります。開発元がアメリカか日本かで、インチネジとミリネジの違いです。ミリネジの方がネジが小さめで山が細かい。

これがいまだに世界を分断する、英米のメートル法拒否問題です。車のスピードのマイルやゴルフのヤード、水量のガロン、ボクシング体重のパウンドなど、世界の10進数と違って計算しづらいし、端数処理がラフで科学では不便です。

アメリカ大統領選挙で毎度話題になる「選挙人」の数も似て、2026年に建国250年になる歴史の中で、受け継がれてきた伝統文化です。アメリカ国民の合理性には昔から疑問符がつき、日本以上に日本らしいと言われたりもします。

今開票作業をやっている共和党トランプ対民主党バイデンの大統領選でもめているのは、またしても郵便投票です。不正の温床だからです。民主党が強い大票田で、なぜか郵便投票率が高い州があり、郵便投票分を加えると民主党の票が伸びたことがあるのです。

改めて数え直すと有権者数を超えていたり、投票用紙が家に届かなかった苦情や、なのに投票済みになっていて排除された事件がありました。日本でも期日前投票で、なりすまし投票の発覚が何度もありました。投票に行かない人から購入したか、団地のポストから盗んだ疑惑でした。人類に不正選挙はつきものです。

州制度の特性で自治州の勝手にできるから、トランプ大統領は投票日より後に届いた郵便投票を無効にする裁判の構えです。それでも抜本的見直しをやらないで繰り返すのは、伝統文化を守る意識なのか、利害の思惑なのか。縁起もあるかも。
関連記事
2020/11/02

大阪都構想の賛成票の多さが日本の貧困理由と一致|財源論の呪い

昨日行われた大阪都構想の住民投票は、大阪市の取り壊しに反対する人がわずかに多く、否決されました。当初から詐欺的だと言われ続けました。大阪が東京と並び都となる夢だけを語り続け、豊臣秀吉以来の大阪市を破壊し、資産を奪い取り府の赤字を埋める目的を伏せてきたからです。

大阪都構想の発端は、法律番組で人気の弁護士が光市の事件で懲戒請求に対する逆懲戒に悩み、お笑い芸人の助言で大阪府知事に転身した時でした。政令指定都市の制度を知らない府知事は、大阪市の御堂筋にライトアップするよう要求しました。

法的に自治権を持つ大阪市から断られた時の私憤が、大阪市をつぶす動機となり、結実したのが2015年の大阪都構想住民投票でした。彼は潔く政界を引退し、後任が振り出しに戻したのが、2020年の大阪市の廃止と特別区設置住民投票でした。

都市の破壊にイエスかノーかを住民は問われ、二度とも大阪市民の半数近くが賛成しています。これは人々がデフレ不況で金欠に苦しみ、高齢者や生活保護など働かない立場や、公務員や関連業者への憎悪が高まっていることを示します。

ヒトラーが生まれたプロセスを、二度シミュレーションしたかたちになりました。都構想に賛成した全員が、財源論を信じています。お金は公債発行で新たに足せるとは知らない人々が、公金不足の争奪戦に必死なドタバタ喜劇です。地方のひどい貧困は現にあるから、一次大戦後のドイツ恐慌に似た危険な心理状態です。

この話は突き詰めれば、サイフに入っている千円札などの貨幣が、どうして生まれるのか、そもそも何なのかを知らされずに、大勢が生きてきた害です。貸借関係の借用証書だと知ることもなく、日本の貧困に甘んじ歴史ある大都市を壊そうと大挙し突っ走る集団ヒステリー。これも日本の貧困原因と同一の、財源論の呪いです。
関連記事
2020/11/01

UAEアラブ首長国連邦の火星探査機|美術収集も盛んな新興国

アポロ計画の切手が世界でどっと発行された時、その図案はアポロ8号による写真「地球の出」でした。大気のない月の昼空は真っ暗で、白と青の地球が上弦の月のごとく浮かぶ、人類が初めて見た光景でした。次の切手発行ラッシュは、アポロ11号の人類月面着陸でした。

直後に日本の切手商も、記念切手の詰め合わせセットを企画販売しました。ずいぶん安いのですが、発行した国が奇妙でした。「アジマン」「フジエラ」「ウムアルカイン」と記された謎の国が目立ちました。大型できれいな切手だが、どこか南国の小島だろうかと。

現在の「アジュマーン首長国」「フジャイラ首長国」「ウム・アル=カイワイン首長国」がそうで、ペルシャ湾の入り口付近にあるUAE、アラブ首長国連邦の7つの一員です。脱石油を考えて先進技術開発を目指し、アメリカの協力で火星探査機『HOPE PROBE』を製造しました。開くと8メートルで、質量1.5トン。

HOPEはコロナ騒動の最中の2020年7月20日に、受注した三菱重工業とJAXAのH2Aロケットで打ち上げました。日本での報道がひかえめだったのか、編集された「日本すごい動画」は少ないのですが、UAEの人たちの喜びが伝わってきます。

UAEの国土はアブダビが大半を占めますが、ドバイ市が美術文化行政で知られます。レオナルド・ダ・ヴィンチ作の新発見とされる『サルバトール・ムンディー』を、510億円で競り落としたのがドバイ市の文化観光局でした。中東では、イランにあるポロックの絵も話題になりました。

世に美術の新作は増えますが、すぐに権威が有効な古典名作は限られます。だから日本が高度成長からバブルにかけて買い込んだ名画も、景気が落ちると維持できずに裕福な国へ移転します。水面下の争奪戦で負けないよう、日本を早く好景気に戻す必要があるでしょう。その方法は、しかも既知なのです。
関連記事
2020/10/29

大阪市の廃止消滅にあこがれる心理と人間|芸術の破壊的創造

日本では改革は全て悪く出ています。景気は下がり、社会経済は傾き続けました。その理由はわかりきっていて、改良や改善とは違い、改革は逆効果も同時だからです。悪い部分は良くなり、良い部分は悪くなる。朝三暮四的な改革も多いし。

企業でも根幹から変えて戻れない改革だと、意外に多くが倒れています。既存の物ごとの切り捨てが後で利いてきて、喪失に気づくと士気は著しく下がります。人間はロボットとは違い心理的な存在で、生物なのだとよくわかる現象です。

企業の強みは次々と改革して仕様変更する動きよりも、伝統と称したコアにあり、部分的にいじって広げていく方がプラスです。日本は1992年を境に好景気が終わり、バブル不動産の不良債権処理でマネーストックが300兆円以上消えました。

政府の通貨発行権で円を注入するよう世界は要求しました。が、銀行をよく思わない国民感情で見送り、日本は貧困化しました。今の50歳と30歳で、日本の実力がどの程度なのか体験が極端に違います。改革の不吉さは年輩こそ経験しています。

改革が失敗する法則は、美術制作も同様です。個人の生涯のテーマは初段の試作に表れているもので、それを捨てない方がうまくいきます。捨てて一新すると自分の絵に持って行く基盤がかすんで、以前に戻らない条件と相まって、自己流が収束しにくい虚無が生じます。

現代アート絵画塾でも、制作の改革や一新は逆効果だとみています。作品は手直しで見違えるほど改善し、逆転できるケースが大半です。野球のフォームとは違い、作品づくりで過去を捨て去るのは遠回りしすぎで、人はロボットのようにはソフトを替えられないものです。
関連記事
2020/10/23

芸能人の不審死が報道で目立つ|女性の危機にかまう者も不足

日本で若い芸能人や音楽家などが立て続けに死亡しているらしく、ほぼ自殺だとされます。他国も同様なのか、詳細はわかりません。日本では遺書類がないと、別の分類になるそうですが。

コロナで自粛が始まった時、自殺が増える予想がありました。結果は減り、戦時下と同じことかも知れません。4月以降の自殺数は目に見えて減りました。しかし7月から目に見えて増え、女性が多いという指摘もあります。

減少と増加の間に起きた変化は複数あります。まずコロナ感染者や発症者が減ってから、暑い夏からまた増えたこと。風邪とは思えない性質ですが。そして、気をもたせていたコロナ給付金を出した後で、もう出さないと国会議員が強調したこと。出さないのは貨幣観の妄想からくる、間違った信念です。

そこで心が折れて、八甲田山の映画を思わせます。「天は我を見放したか」と一人が言うと、何人かがバタバタと倒れ凍死した場面です。互いに勇気づけ助け合わないのは、流行中の自助という男性原理、新自由主義経済に特有の福祉敵視です。

あたかも耐久レースの様相で、必然性のない自助精神を振り回す者の陰で、失職や破産した者が自治体の施設に収容されています。破産が近い人々は極限のストレスがどこかで切れて、瞬間の判断で命を捨てているとみられます。

類似現象は、都構想こと大阪市廃止賛成の一部にもみられます。世界でも例外的に落ち続けたふるさとを憎悪し、政令指定都市という資格を放棄し気分がすっきりの自暴自棄です。大阪が落ちた理由は他県と同じ緊縮財政ですが、値引き交渉の習慣で一段と経済縮小する傾向もありそう。
関連記事
2020/10/16

特別定額給付金の二度目はない?|お金の本質に疎い国民は反論できず

コロナ禍で倒産と死亡が増えてきた日本で、「特別給付金の二度目はない」と財務大臣が公言しました。ネットの批判意見をみると、今も国民は全く勘違いしていることがわかります。国民の言い分はあくまでも「貴重な税金ではあるが、今は国民の手に送り返すべきだ」と間違った論法なのです。

お金の本質は債権と債務の記録情報です。ゴールドやダイヤモンドのような、手にするお宝グッズとは違います。国民がそこを飲み込めずにいる最大の理由は、世代によって社会科の教科書に真っ赤な嘘が書いてあるからです。

なので「もらえばありがたいが、財源の残りは大丈夫か」という心配は不要です。アメリカでは、大統領の命令で国民に毎月仕送りしています。金庫のあり金を減らす苦汁の決断なんかではなく、連邦準備銀行が追加のドルをデジタル発行します。追加です。追加。経済停滞で減った分以上に増やす。

お金を新発行する概念を、日本人だけが全く理解できずにいます。自分の銀行口座に10万円入って自分が喜べば、どこかに10万円を失って泣いている人がいるから、返さないと叱られる勘違いの妄想です。人命よりお金を守る困った国民性です。

この感覚は、画家には起きにくいのです。画家が個展を開いて、前とは作品が全て異なっている場合です。「在庫がこんなにあったのか、それともどこかから借りてきたのか」とは考えず、「本人が新たに制作した作品ね」と考えます。追加の新造です。これがお金の発行に近い感覚です。合計の個数が増えている。

しかも政府が国民に渡すお金は、財務省証券という打ち出の小づちによる円の新発行です。これに近い美術は、刷り足せば増えるジクレー版画ですが、紙幣ではなくキーボードのテンキー操作で生むデジタル数字のみだから、絵画サイトやSNSへの画像アップに近い。現代のお金は電子空間でのヴァーチャル決済です。
関連記事
2020/10/13

大阪都構想で知られた東京都23区の成り立ち|シティ情報のうんちく

バブルの1987年より前から、80年代は好景気でした。インフレ率は最高8パーセントで、バブルの3パーより伸び伸びした明るい社会でした。その頃書店で流行ったのが、『シティ情報』など東京から全国へ波及した地域情報誌でした。

江戸と東京ブームの中で、23区の成り立ちにも触れられました。日米戦争の開戦は1941年12月8日、終戦は厳密に1945年9月2日。それらの中間1943年の戦時中に東京市は解体され、23区の特別区へ格下げされました。

虎の子の東京市をつぶした理由は、陸軍が直轄して資産を召し上げる目的でした。当時の全国の県知事は、国が派遣した部下でした。東京府知事が東京市を強制支配し、東京市の民主政治を封じて占拠したかっこうでした。

23区へ落ちると当然経済は不調で、インフラ整備が区で分かれ、にっちもさっちもいきません。だから今でも世田谷区や千代田区は、東京市に戻すか、単独でも政令指定都市への格上げを希望し、しかし都が断固として反対するから無理。解体後に戻すセカンドチャンスは閉ざされます。

東条内閣の暴挙といえる東京都構想は、戦後のある国策と交換条件に、罪がつぐなわれます。東京一極集中と呼ばれる、日本のメインテーマです。現時点で人類史上最大の都市は東京圏で、地方から人・物・金を集めてきた歴史です。今も集め続けるひとつが、有力企業の本社です。

あおりを食ったのが大阪であり、二重行政など無関係です。東京23区は国立施設が集積し、円の通貨発行と政府財政出動で不景気に強い。民間銀行の信用創造(GDPの原資)も大きい。そこで大阪都構想はドルと人民元に助けを求め、市営インフラを民営化とPFIで外資へ資産移転する1998年式の再来です。いわば香港化。
関連記事
2020/10/06

けやきのお椀とDVD-RAMが消えた|やせ細っていく日本の消費

最近あちこちの店を回って製品を探したのは、けやきのお椀でした。過去に大きめが800円ほどでしたが、今はプラスチック製ばかりで、天然の木製はありませんでした。代わりにケヤキの皿はありますが、素人作業の粗製に見えます。

おそらく消費低迷による製造縮小と、南国の森林伐採の制限でしょう。直撃を受けているのがタンスなど家具業界や、バイオリンやギターなど弦楽器業界です。それでレジ袋の解決も、かつての紙製のレジ袋へ戻る選択肢が消えています。スーパーは1980年頃、書店は90年頃まで紙製の袋でした。

もうひとつ、探すまでもなくネット上から消えているのが、DVD-RAMディスクです。書き込みDVDは種類が多く、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RWの4点セットに加えた真打ちが、DVD-RAMでした。

DVD-RAMだけは、データを一個だけ消したり追加したりが自由です。その自由度がハードディスクやUSBメモリーと同じなので、消せないRやライティングソフトで消すRWにくらべて、逆に中途半端にみえた不幸な登場でした。片面両面と一層二層のDVDの話題に埋もれました。

最も使い勝手のよいRAMは全て生産終了し、4年前は10枚1200円だったのが、今6600円などに高騰しています。DVDやブルーレイなどは、絵や写真の画像バックアップに向いています。最近調べて、2010年に書き込んだDVDのRも+RWも中は無事でした。-RWは千回、+RWは百万回書き込めるとか。

これがUSBメモリーだと、消えたり故障することが多いでしょう。2013年製永久保証の32GBは、今回のチェックでコントローラーが死んでアクセス不能でした。驚くことに、最新のUSBメモリーの製品レビューを見ると、全メーカーの全製品が当たり外れの苦情だらけで、ここにも人類の能力の限界がみられます。
関連記事
2020/10/01

参加者のブログやSNSの補強もお手伝い中|ハッシュタグのコツ

インスタグラムを始めて、こんな仕掛けだったのかと気づくことがあります。まずハッシュタグが仕様変更されて、記入できる場所が当初より増えています。そしてハッシュタグの記入法が間違っているユーザーも見かけます。

ハッシュタグは、半角のナンバーマーク「#」を使い「#現代美術」などと、投稿文内のどこかに入れます。「現代美術」が関連キーワードとなり、他人の検索で探し出されやすい仕組みです。これは「#」の直前に、必ず半角のスペースで空ける必要があります。空けずに字を詰めて書くと機能しないらしく。

たとえばこんな文。「昨日の展覧会の写真です。 #現代美術 #人物画」なら有効です。スペースを忘れて「・・・です。#現代美術#風景画」と詰めたら無効です。「。」と「#」の間を空け忘れやすい。スマホだと正しく直して更新できますが、パソコンだと更新する機能が省かれていて修正不能です。

タイムラインと呼ぶフォロー相手の投稿写真が並ぶ順序は、投稿順ではなくなっています。投稿順だった頃に、投稿し続けて独占する広告が現れたので、荒らし対策でAIふうアルゴリズムで散らしているという。

インスタグラム用の写真サイズについては、適正なタテヨコ比が存在する説明が日本語ネットに多く出ています。誰かの誤解を多数の解説ブロガーが真似たらしく、インスタグラムの制約は特にないように見えますが。元は不合理な設計だったかも知れませんが。

投稿は数打つと露出度が上がるから、ラフな写真が多いことにも気づきます。動画も活字を映すだけのが時々あります。自動フォローいいねアプリが多いから、人があまり見ていない前提の合理化でしょう。
関連記事
2020/09/27

建前と本音は日本人の欠点にあらず|ドローンと先進美術館構想

内外の比較文化論によくみる日本人の欠点が、「建前と本音を使い分ける」です。悪いことのように言われてきましたが、考えてみると社会性やら世渡りに苦心するヒトの宿命として、人類全てに必須のやりくりといえます。

日本に限らないし欠点でもないから、再考が必要でしょう。むしろ逆に、日本人はダブルスタンダードを除去して公正を演じようとして、損することが多いのかも知れません。最近の日本政府の発表は、中国製のドローンを公的機関が使わない方針というもの。是正です。

世界をひとつにするグローバリズムを、日本は本音の部分で信奉しました。しかし諸外国は国益のための建前でした。それが表れたのが、新自由主義経済の保護主義撲滅スローガンです。日本は補助金をやめれば公正だと信じ込んで、国内の農産品を没落させました。農家を悪者扱いし続けました。

欧米国は農業への手厚い補助金が露骨で、建前のはずの民営化に本音で乗った日本を尻目に、公務員も多いのです。大阪市は経費削減で職員を減らしすぎて、コロナ給付金が日本で最も遅く4カ月以上もかかったとか。本当は、公務員がそれなりに多い方が安定した強国です。

ドローンに戻れば、この手の無線IT機材の半導体には、情報監視するバックドアを備えつけるのは常識です。バックドアのプログラムは厳重に暗号化され、メーカーの技術者だけが遠方からコントロールできます。用心して法規制が及ぶ国産製品が無難だとして、日本政府もドローンを選ぶ方針にしました。

人・物・金の国境越えの自由化は、資産の争奪戦だと気づく時が来ました。アートの争奪戦が、懸案の先進美術館構想(リーディング・ミュージアム)です。日本の美術館が好景気で買ったピカソやミロやミレーを、平成デフレ不況の経費ダウンに乗じて、金余りの中東国などに放出させる、仲介ファンドの新ビジネスです。
関連記事
2020/09/23

オリオン座とさそり座が交替した夜|コロナから半年で冬へ向かう

夏が終わり冬へと向かう、そのしるしは天空にはっきり。深夜1時の東の空に、早くも横倒しのオリオン座が完全に昇っています。新型コロナが始まった頃、そこにあったのはさそり座でした。ともに季節の星座で、さそり座は蚊取り線香の香り、オリオン座はひんやりして無臭。

深夜の天頂に今火星が輝き、南西には木星と土星が並んでいます。より明るい惑星に目を奪われますが、恒星を図形化した星座は、公転で毎日少しずつ動いて、自転で毎分少しずつ動いて、ともに東から南を通って西へと消えます。

これに緯度が加わります。東京は北緯36度、ベルリン市は52.5度。差は16.5度。まずベルリン市では北極星がより高くなります。周囲を取り巻く大くま座(北斗七星)やカシオペア座や、近くにたどれるアンドロメダ銀河は、下がった位置も高めで常に丸見えです。

一方で南天の下部が東京より削られます。公転面を延長した黄道上にあるさそり座と、近い緯度のオリオン座とも、ずいぶん低い位置で家々に隠れやすいでしょう。日本では明快に輝く全天一の恒星シリウスは、ベルリン市では地平線ぎりぎりにあるでしょう。

これらの恒星は全て我が銀河系のメンバーであり、しかしアンドロメダ銀河だけは隣の団体の全体像です。肉眼で見えても距離は地球から250万光年で、600光年にあるオリオン座ベテルギウスの4千倍の遠方で、人が行くことは不可能です。

地球の生物以外の宇宙人がいて、地元で絵画展覧会を開いている期待は、NASAのあいまいな発表のせいで高まっています。そして将来、アンドロメダ銀河は銀河系と衝突します。だんだん大きく見えてきて、衝突寸前の光景はすさまじいかといえば、実際はスカスカの真っ暗なはずで、これも何かの教訓になりそうな。
関連記事