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2019/01/18

Jブランド絵はがきの再スタート元年

ジャパン・フェスティバル・ベルリンは主催団体が拡大したみたいで、ドイツ内で宣伝に力が入っているそうで。ドイツは主要国で日本の次にGDPの伸びが小さく、しかし伸びが21年間横ばいの日本より消費は好調で、市民の顔は明るい。

日本は政策の誤謬により削減と節約でしなび続け、典型が東京五輪の経費削減方針です。経済刺激をなくす方向へ自死する日本の空気に照らせば、ドイツは遠い別世界です。向こうは末端にもお金が回る仕組み。バイト料の下限が時給1300円。

当企画では今回、最小単位のスペースを確保しました。春のうちに早く埋まったらしく、ドイツ人脈に頼り何とか滑り込めたのですが、こちらの判断ミスでした。消費税上げアナウンスで四番底へ向かう秒読みとなった日本の空気を、こちらも引きずり腰が重かったのです。

絵はがきコレクションは2013年発案で、消費税アップは翌年でした。悪化した内需低迷で、シャープなど大手企業が外国に買収される5年でした。今回絵はがき展は5回目で、種類が増えて保管場所の解決中です。大手企業と似た窮地です。

絵はがきを海外転戦させる企画が、よそにない理由は単純です。店舗に絵はがきを預け、売ってもらうとします。どれが何点売れたか記録を契約に入れるには、まとまった人件費が必要です。タダ働きを強いて済む日本とは違います。

そこにお金をかければ、最初から企画参加料は高くなります。不況だから安くして現地の友情出演に頼れば、売上金歩合と残り絵はがきしか回収できません。もし数が合わないと店頭での万引きが疑われます。現地の警察に被害届を出すなどと気に病むなら、日本から出ないのが賢明で、だから絵はがき転戦はここだけです。
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2019/01/12

白い恋人たちと東京五輪スキャンダルの掟

映画『白い恋人たち』の1968グルノーブルオリンピックでは、ジャン・クロード・キリーというスキーヤーが三冠王(滑降、大回転、回転)になりました。映画のサウンドトラックは2018年秋に亡くなったフランシス・レイが担当した、誰もが耳にしたことのある曲です。

「すぎてゆくのねー」の和訳歌詞に対して、サントラ曲の直訳は「じゅうさんにちかーん」となります。映画タイトルの直訳も『フランスでの13日間』でした。その年に引退したジャン・クロード・キリーのライバル、オーストリアのカール・シュランツは実は回転で優勝していた疑惑に泣いて、次回を目指しました。

しかしカール・シュランツは、4年後の札幌オリンピックを追放されました。理由は『クナイスル』。オーストリアのスキーメーカーで、スキー板の宣伝ポスターに写った彼を、オリンピック委員はアマチュア規定違反として札幌入り後に失格としたのです。

この極度のアンチ商業主義を完全否定し広告収入で成功したのが、1984年夏のロサンゼルスオリンピックでした。以降の冬五輪はアルペンもジャンプも、選手たちはスキー板を持つ時にメーカー名を常にカメラに向けるようになりました。国際オリンピック委員会は、1988年にカール・シュランツの失格処分を取り消します。

2016年以来の問題は、2020東京オリンピックの開催地選びの賄賂疑惑です。東京都は札幌オリンピックでのカール・シュランツのように、失格候補44人のうち1人だけ失格のスケープゴート役なのか。しかし2016リオデジャネイロオリンピックでは、すでに賄賂疑惑は解明され処分も終わっています。裏金はよくあること。

「フィクサーなしには票がとれない闇の掟があるのに、演技ふうの取り締まりだけが行われる」という事情があるのかも含め、全体像を語れる者がいない状態です。1998長野オリンピックでは、普通なら後世の記念物になる資料を素早く燃やしたので、疑惑は過ぎてゆくことなく固定しました。
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2019/01/09

ビッグデータと芸術の関係がつかめない

アメリカで行われた占いショーのイベント。大きい会場にお客を集めて、占い師が占ってさしあげるというものです。会場に来ているお客の中から選ばれた女性が、占い師にみてもらうと次々と的中して盛り上がります。

「あなたにはお子さんが二人いますね」「はい」「もしかして双子ですかね」「ええーっそのとおりズバリだわ」と、お客は目を丸くし驚きの声。「抽象画に関心がおありですね」。サクラではないことが見ているとわかるから、会場はどよめきに包まれていきます。

よく当たるのは、占い師の団体が住民データベースを取得しているからです。来ているお客が誰で、年齢や仕事や家族構成を占い師は知っていました。プロの占い師がそこまで本気だと知らないお客は、透視術や予知能力を信じたのです。

そのデータベースを国や世界全体に広げるのが、ビッグデータの概念です。電話番号や口座番号などにとどまらず、支持政党や宗教や隠れた趣味もデータ化します。パソコンやスマホで閲覧したページ情報など、本人も記憶にない本人の秘密を第三者が得られる仕組みです。日本で美術サイトを見る人は少ないはずで。

SNSの自己紹介や動画登録と組み合わせて、秘密警察でも集めきれない個人情報を個人単位で関連づけできる時代になったのです。事件のニュースがあると容疑者のSNSが暴かれ、未成年でも名前がばれるのと似た効果でしょう。

さらに電子マネーと自動運転のGPSデータを加え、人工知能で個人をリアルタイム追尾できるはず。無線通信インフラ機器に隠されたスパイチップが以前からささやかれ、アメリカがついに動き出しました。通信機器に隠された「余計なもの」は、遠隔で一時注入するプログラムになるはず。
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2019/01/02

美術展覧会は海外の方が楽しくやりがいがあるのはなぜ

日本で開催される大規模な展覧会の大半が、公募コンテスト方式です。その最大の特徴は、審査員が取捨して当落を決める点。市民に見せるべき作品を通し、見せるべきでない作品を除去します。審査員が嫌いな作品タイプは展示から外れる。

日本人がそれを当たり前と思っているのは、「正しい美術」と「間違った美術」がある前提と、その二つを上位の人が仕分けしてくれる期待があるからです。一方、外国でコンテストが敬遠される理由は、現代のゴッホが除去される仕組みだから。

除去してもよいと日本で考えるのは、芸術が苦手だからです。どうせ作品を見ても違いがわからないから、優れ物と劣り物を先に分別してくれたら、僕らは安心して美術展が楽しめるという。ゴッホは子孫にまかせる。優れ物は上が決めて下に教えれば済み、下の立場で価値を決めてはだめ。市民は上からの指示を待つだけ。

さて問題は、アーティストにとっての効用です。ある画家が異なる作風の二種類を出して、一方が当選し一方が落選したとします。その画家は賞罰で指導を受けたかたちで、見ようによっては調教される犬やイルカのような扱いです。

とはいえ、芸を覚えるプロセスのどこかに審査する評価者がいてくれないと、制作力アップが見込めないのも事実。そこで日本以外では、審査員を一般市民に設定しています。市民は作品を買いはしても、展示前に除去するまではやらない。結果は展示即売の方式となり、いわばアートの豊洲市場です。

豊洲市場に見学者より購入者が多いように、世界の美術展覧会は購入者向けの市場です。買う立場にとっては物をよく見せる飾りつけは不要で、床にゴロゴロ置いてもらえば選んで買うから。会場をキラキラに美化した費用を、画家たちの売り上げから没収する必要もなく。
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2019/01/01

新元号で何かができそうな新感覚と美術活動

新しい参加希望者の「色々やりたい」「何かができそう」という未来志向で、明るい気持ちになります。美術に限らず、この志向が日本国内でしぼんだせいで、不景気に納得してしまう人が増えたのでしょう。「日本はもう経済成長しないから」というなげやり人間が、テレビラジオにめっきり増えたのは確かです。

不景気とは、消費と投資が節約で冷えた状態のことです。「消費と投資が冷えると不景気が起きる」の言い方は間違いです。冷えた状態が不景気なので、「頭が痛くなると頭痛が起きる」式のトートロジーです。とたんに気がつくのは、株価上昇と景気は関係がない点です。具体的にどういうことか。

株価が上がり配当金を得るのは、イギリスやアメリカや中国の投資家と持ち株会社など、日本に住まない富裕層が大半です。彼らの収入は、日本全国のシャッター通りに店が戻る話と関係なし。日本の会社員がマイカーを大型に買い替えるブームもないし。コンビニの正月休みブームは、消費縮小の証拠です。

しかし国民は事態をイマイチ理解できず、低所得を自分の罰だと思い、気が滅入り自殺しています。しかもネットに、低所得者はまじめに働かないからだと、書いて回る関係者が複数います。裏側に不況バンザイの特殊な面々が詰めて、国内分断を願っている証拠です。日本の分断。不況は人災でなく故意。

養護施設の19人刺殺犯人もそうした活字に感化され、始末する汚れ役を買って出たハネ上がりだった蓋然性が高いのです。犯人はたぶん親切なタイプ。事件がデフレ不況の末路と気づかない国民はやばい。国民は、国内テロは未来に起きると思い込み、そのテロを悪人が起こすと思い込んでいます。

その日本で「色々やりたい」「何かができそうだ」という新世代は、なげやり人間に勝たなくてはいけない。日本が好転する出発点は、常に外圧と世代交代でした。自浄はない話。国益に使える外圧はないか、美術でも探しています。謹賀新年。
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2018/12/29

2018年アート海外遠征展向けアートマネージメントは好調

アート・マネージメント・システム参加が少しずつ増え、内容も伸びた年でした。一般に海外美術展業者や団体は、作品内容に一切タッチしません。全て自己責任。理由は大きく二つあり、ひとつは活字どおりに自由を尊重。もうひとつは、芸術が何のことやらわからない往年の問題です。

後者は『アートの本格解説』で世界初分析済みですが、前者は日本の宗教と似た状況です。フランスでもロシアでもカルト宗教は違法扱いされますが、日本は原理主義的だからカルトも合法です。殺人が起きた後でさえ、野放し同然の悪平等状態となりがち。

美術作品のどれが芸術性が高いかを、自力では言えない限界がそれと似ています。普段から物ごとの線引きが恣意的だから、線引きする基準が跳び跳ねてゆらいでしまう弱点というか。この手の事例は『芸術ブログ』に時々出てきます。

話をアート・マネージメント・システムに戻すと、洋画が主流といえなくなった感触が強まり、日本現代絵画は日本画とイラスト画の方向へ寄ってきたと感じます。西洋っぽさを芸術の香りのメインとはしなくなった、平成時代の傾向でしょう。

だからか、複数の参加者のコンセプトが「現代の浮世絵」でした。こちらが現代の浮世絵と呼びたい作品もありました。一般的には日本ではバラの花の油絵が好評、ドイツでは和服女性の水彩画が人気と、趣味は分かれます。ドイツ向けには、異国情緒以外の見せ場を探すことが多くなります。

一方、抽象画には課題が目立ちました。日本では抽象画はわからないとして、今も敬遠は続きます。国民は抽象美術が大の苦手。傑作と駄作を分別できない国情が、やはり制作にも表れます。国内にかまう人が少ない放置ゾーンでもあり。自分にはまだ外国は無理かもと降りた方は、抽象の作り手が大半でした。
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2018/12/24

インターネット時代に流行る文章とデザインの手法

ネット上で調べごとをすると、同じ文章があちこちに見られます。同一ではない、よく似た文章も目につきます。これはどういうことなのか。同じ人が同じ文をばらまいていることも一応あります。しかし多いのはパクリ改変です。

文筆(ライティング)の仕事で多いのは、12個のキーワードを出現させて2000字で書いてくれ式の注文です。アナログ時代なら、図書館で文献を調べるにしても、専門分野の心得がないと書けないのが普通でした。専門家が登用されました。

ところがネット時代には、キーワード検索で既存の文を探り当て、コピーして改変する道が開けました。俗にリライト業務と呼び、専門性を持たない素人アルバイト向けの仕事です。リライトの意味は、たとえば独文和訳を口語に整える作業も一応ありますが、需要の大半はネット文章を盗んで書き換えて使う盗作です。

前に事件ニュースになった医療サイトでは、医療関係者が書いた文の「しかし」を「だが」に変えて別内容に見せかけるなど。肩こりの原因を幽霊で説明し問題化しました。ネット読者が画面表示すればサイトにお金が入るから、内容はどうでもよかった。ウソ情報がネットに激増する動力源は、ネットアクセス広告収入です。

「こんな文でプロだなんて楽な仕事だね」と読者は悪口コメントしますが、超高額報酬でも2000字で1500円などで、本来なら10時間かけても足りない作業で、文章に中味があるわけもなく。読んだ若者はウソを覚えて生きていく。この文章づくりをデザイン業務で使ったとの指摘が、2020東京五輪のロゴマークでした。

あの時「盗まれるのが嫌ならネットに出すな」の声が多かったのは、盗作で食べている業者が多いせいです。これらの背景はデフレで質低下が進む流れであり、産地偽装、車の不正検査、新幹線の台車亀裂、川の氾濫と共通する国情です。この貧困の起点は偶然Windows95の発売年、つまりネット元年の人材派遣ブームでした。
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2018/12/18

社会インフラと美術インフラの日本的な特殊事情

日本のデフレ不況で起きた社会の変化を、適切に言い表したことわざが「貧すれば鈍する」でしょう。「衣食足りて礼節を知る」と同じ意味を、裏返しに言った先人の知恵であり、普遍的な法則といえます。貧困で常人も気がすさむ。

すぐ浮かぶ例は、1998年頃に急増したモンスタークレーマー。オレオレ詐欺も同じ文脈か。マネー市場と成果主義に感化され、他人を効率よく倒しやすい犯罪が好まれる。あおり運転やらの不機嫌と、邪推や被害妄想で沸点が下がった狂気の沙汰が日常化し、日本が22年間のGDP横ばいで得たものを物語ります。

しかし解体前の日本の空気は、それとは逆の精神でした。1997年以前の日本が行く道は中庸と互助でした。ゴルバチョフ書記長時代にソ連職員が日本国内を見学し、「我が国が理想とした社会主義は、日本で実現していた」と放心したという。官民が連携した都市インフラも国民健康保険も、和の国日本ならできた。

日本が一億総中流社会を続けた動機は、国土のハンデでした。地震と噴火と台風。ハワイ諸島が日本側に寄ってきて、海底でめりこみ日本海溝となり時々反発する。日本全国どこでも震度7という。富士山の噴火も近いらしい。しかも台風が列島をなぞるように縦断。西洋にはない致命的な慢性欠陥です。国内不和だと困る。

災害銀座を思い出させたのは、新潟地震から時間がたった阪神淡路大地震でした。しかしその95年から「格差社会」「勝ち組負け組」「自己責任」など、助け合いを捨てたミーイズム思想が大流行しました。金欲しさに西洋側に立ち、日本の解体を促す日本人ロビイストが扇動したのです。

最近経済学者が、日本が裕福なのは僕らの功績ではなく、亡き先祖の功績だと説きました。円が世界三大通貨なのもそう。思えば美術も、先人の名画名作が今を盛り立てています。社会インフラと同様に美術インフラも、過去の才覚と蓄積が現代を支えている現実です。一方のミーイズムは死んだらゼロ。
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2018/12/12

デジタル版画の編集作業は時間の余裕があると有利

ラブレターを書いて直面するのは、翌日になって自分で読むとひどい内容だというショック。これはしかし電子メールでもそうだし、また論説記事やライトノベルの執筆も同様です。文章はなぜ一発で完ぺきにならないのか、という疑問です。

執筆時の思いは片寄っていて、後日読むと「こりゃだめだ」となります。Yahooなどに出るネット記事を読むと、内容がつかめない文や誤解を招く表現など、突っ込みどころが多くあります。概してまとまりが悪く間違いも多い。

これは一記事が800~1500円というジャンク価格で外注されているからで、見直し時間をとらない前提だから駄文の域から出ない典型例です。十倍に値上げしないと改善はありません。同じことが美術作品にもいえます。

たとえばピカソは生涯に絵だけでも13000枚も描き、非常にハイペースな作業でした。ところが過去の絵にちょこちょこ加筆していたから、即席仕事でもなかったのです。ネット記事の執筆者も半年後に推敲すればよくなりますが、ピカソはそれを絵画でやっていました。

これはジクレーの版下編集でもいえるでしょう。夏のうちにあっという間に完成していた版は、展示会までの残り時間に見直す機会があるから、何カ月もかけたのと同じように念入りになります。改良の余地がほとんどない状態にできます。

見直しの最極端は手塚治虫の漫画でした。旧作を別の漫画雑誌に転載するたびに、セリフを変えたりストーリーまで加えたり抜いたりしました。バリエーションは増えたけれど、作者にとっての完全版がどれなのか今も確定できず、初連載誌だけに残された幻の物語もあるらしく。その手もあった。
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2018/12/05

ジクレー版画づくりの撮影作業は簡単なようで難しい?

毎年12月は、ジクレー版画と絵はがき作りの作業が混みます。その作業工程の中で意外にネックになるのは、作品の撮影です。写真スタジオやジクレー工房へ外注せずに、参加者自身が撮影するには多少の技術知識もいるからです。

ストックした作品画像を使おうとすると、画素数が小さいから撮り直したい場合があります。それなら、カメラの世代交代が進んで自作品のストック画像の情報量が時代遅れになれば、時々撮り直して更新しておくのも手です。

セルフで撮り直す時の悩みがあります。今の時代は全自動カメラが一般的なので、写真撮影の理論を調べ直すべき必要も出てくるからです。絵画撮影は全自動の恩恵対象に入らず、マニュアル撮影が必須だから。

SNSで見映えするスナップショットではなく、純粋に商品撮影(ブツ撮り)の知識が必要で、ISO感度、絞りとシャッター速度の相反則に、回折や収差の原理、色温度、照度など、物理学も動員されるものです。カメラ小僧やカメラ女子なら楽勝でも、活字にすると長い説明になります。

写真家やCG画家は画素数を常に念頭に置き、作品が引き伸ばせるサイズ限界に見当をつけていることでしょう。しかし今や、手描き画家もCG同様に商品化できる時代で、一度は写真の講習を受けるのもよいかも知れません。

こちらのサイト制作ワークショップでは、絵画撮影ガイダンスも用意しています。所持カメラの活用法や、新型カメラの選定から始まります。本格カメラはほぼ日本製の一択なので、ドイツより日本で買う方が安く、また日本だと中古カメラの店が多く、キットレンズなどは市場に余っています。
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2018/11/30

外国で開催される美術展には落選の失格がない

日本とドイツの美術展の大きい違いを、改めて簡単に述べます。まず、知らない美術家同士のミックス団体展は、日本ではほぼ全てが公募コンテストです。制作競技会であり、当選と受賞の発表会です。採点は審査員。

外国では全く異なり、多くがアートフェア形式です。販売会の意味です。市場に売り物を出してお客と文化交流します。文化交流とは見せるだけでなく、店の意味です。外国では展覧会は売店です。採点は市民。

公募コンテストでは落選した美術家は失格して展覧会に参加できず、審査料が戻らず終了。対するアートフェアには落選の概念がなく、必ず展示されます。スタッフは公正な立会人などではなく、出品作をセールスする画商です。

アートフェアでは、この作品は人々に見せちゃだめという道徳が無用だから、作品づくりの尺度も異なります。美術家にとって、審査の関門ではばまれることはありません。具象画壇の公募展に抽象作品を出して、会派の意にそぐわないからと懲罰的に落選させられたりも起きません。

だから我々のドイツ展示でも、日本の公募展なら同じ場所に並ぶことのない、異種作品同士が隣り合います。出品者は、自分の作風が許される募集組織なのかを調べたり、対立抗争の渦中で締め出されたりの心配がいらないわけです。

現地の市民は世界の奇抜な作品を見慣れ買い慣れているから、斬新すぎるとか理解できないと怒り出したりもなく、「おもろい」「珍しい」「日本的」などと次々と判断します。コンテストの審査員は採点しても買いませんが、市民は採点して買うので、どの部分のハードルが高いかも日独で異なります。
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2018/11/26

ジョン・レノンはどうしていれば命が助かったのか

12月8日はパールハーバーでの開戦日で、音楽界ではジョン・レノンの命日です。ビートルズ解散後も印象的な名曲がポツポツ出ていたジョン・レノンが、ニューヨークの自宅近くで撃たれたのは1980年。犯人の動機は陰謀でなく、有名人にからんで有名になりたかったという。おそらく発達障害。

ジョン・レノンは、どうしていれば撃たれずに済んだのか。ひとつの答は簡単で、日本に引っ越していればよかったのです。ジャズドラムのアート・ブレイキーや、ロックギターのマーティー・フリードマンのように。

トーキョーでなくニューヨークへ引っ越した理由は、悲しい気分を誘います。というのは、ジョン・レノン自身はニューヨークへ住みたくなく、イギリスに居たかったから。トーキョー移住が選択されなかったのは、ひとつは小野財閥の別荘が地方にあって足りていたからかも。

ニューヨークで受けた不歓迎はオノ・ヨーコが語っていて、まずCIAが一家を電話盗聴していたという。合衆国公文書にも記録があったはず。市民を動かす力のある平和運動のカリスマに、東西冷戦下の覇権国政府は国益を懸念し、当局が警戒したのでしょう。反戦平和運動は通りはよくても、跳ね返りもあるようで。

裏返しに、ニューヨークからの情報発信は、効き目が倍加するメリットがあったわけです。トーキョーだと、世界的アーティストならむしろ余生を送るイメージになるのかも。ニューヨークの方が刺激も大きくエキセントリックで、勢いやトピック性も拡大されるから。美術で考えればわかりやすい。

刺激のひとつが違法行為のたやすさです。絶望者は自殺を選ぶトーキョーと違い、ニューヨークには有名人を狙って有名になる奥の手があると、世界が知らされました。日本では自宅所持が完全禁止の金属薬莢式連発短銃も、アメリカでは小口径ならスーパーマーケットで売られていたのも近い過去でした。
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2018/11/20

ホームレスを救おうと寄付を募ったアメリカの美談

アメリカの田舎道で、女の車が燃料切れとなった。手持ちの金がない。たまたま近くに住んでいたホームレスの男がわずかな全財産をくれたから、燃料を買えた。助かった女が恩返ししようと、クラウド・ファンディングでホームレス男の生活費の寄付を集めた。そんな美談がありました。

テレビ、ラジオで時の人となりゲスト出演となった。このホームレスの美談は作り話で、三人は詐欺で逮捕されました。検察官の調べでは、寄付総額4500万円は全額、ドイツ車や高級ブランドバッグ購入と、国内旅行やカジノ遊興費に使われていたそう。3人はカジノの常連客らしく、裏切りで内輪の訴訟も起きていて。

日本国民が作り話と知らず感動した例は「一杯のかけそば」ですが、寄付の美談も早くから突っ込まれています。幼児の難病がアメリカで直るとして高額治療費の寄付を募ると、1億円以上も集まった事例が複数あり。しかしネット掲示板で疑問の声が続出し、炎上騒ぎになったあれです。

両親と子どもが渡米すると思いきや、親類や知人も同行するという。渡航料やホテル代、観光費用や友人へのおみやげ代も、寄付金から出しているのだろうという、せこくて真っ直ぐな疑惑が次々と出てきたのです。医療に使った余りは、何に使うつもりなのかと。

この時のネット意見は、「寄付金をどう使おうが受けた者の自由だ」と「名目以外へ使えば詐欺になる」に分かれました。ついに掲示板の有志が難病の家族に会い、会計報告させて余りは慈善団体に寄付する約束を取り付け、チェック役になったという。

それもあり日本のクラウド・ファンディングでは、返礼なき寄付募集は公益法人しかできません。一般人は返礼品を用意するコースしか選べず、また市販製品や金券の返礼は禁止されています。これは作り話の詐欺を防いで、ふるさと納税が新設した規則も先取りしています。
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2018/11/13

最近のネットサイトはなぜ大まかなデザインなのか

インターネットの作家ホームページで深刻な現実は、流行りすたりのテンポの速さです。がんばって作っても、一生ものになりません。国際ネット管理団体が、世界中のサイトに仕様の変更を要求してくるからです。近年は不思議なことに、大まかで大味なデザインが増えています。なぜか。

大味でアメリカンな雰囲気のサイトが急増した理由は、三つあります。ひとつはパソコンとタブレット端末とスマホの、三種の画面サイズを一個のプログラムで兼用するからです。一種のコストダウン。指で押すスマホ向けにパーツ間隔を広めにとる必要があり、余白が目立つのです。

また、スマホ画面は縦向きでは幅の画素が少ないから、パソコンと兼用のサイトは画面の幅により変形するように作られます。そのマージンも加わり、従来のHTMLセットのような芸の細かさは消え、大味で大画像なサイトが増えたのです。

さらにサイト制作と管理を、HTML制作からCMS方式へ変えるブームです。XHTMLは消えてHTML5が公式となりましたが、次世代のCMS方式ではHTMLプログラムを手作りしないから、コンテンツ吸収マージンも大きめです。その方式の最大シェアは、Word Pressというフリーのブログ管理アプリです。

何と管理アプリごとテンプレートをサーバーへロードし、クラウドでサインインし管理します。動作にはUNIX系SQLサーバーなどのデータベースを使い、中グレード以上の高めサーバー契約が必要です。無料じゃない。定型に従うことが推奨され、個別デザインの差異化は捨てています。

CMS方式サイトはアメリカ製が多く、全てがあたかも数人で作られたかのよう。日本の情報サイト同士も、そっくり似が急増しています。車や洗濯機が同時代にどのメーカーもよく似るような、模倣の連鎖がさらに加わっています。しかし過去の流れでは、やがてすたれて次へ代わるはず。
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2018/11/08

ランサムウェアの流行と作品画像のバックアップ技術

春からパソコンのトラブル続きで、何日か前に通信機がランサムウェアにかかりました。ランサムは身代金の意味で、ウィルスの一種マルウェアに分類されます。パソコン内のデータを暗号化でロックし、解除希望なら金を払えというゆすり型です。感染ルートはCMS方式ブログサイト制作管理ソフトが疑われます。偽装拡張子がネットになく、世界初の新型らしく。

感染パソコンから直接アクセス可能な全ドライブに被害が及びます。前に韓国企業が感染し、サーバーデータと各パソコンデータがロックされ、1億円以上の身代金を要求された事件がありました。犯人が手がかりを残すわけもなく、身代金もデータも両方失ったとされます。

こちらのガイダンスでも、128ビット暗号データの復元は不可能です。予防策ですが、最も注意がいるのはデジタル写真家です。次に危ないのはCG作家。売却済みキャンバス画の撮影画像も、戻ってこない保護資産です。もちろん日記や帳簿類も。

バックアップの基本に戻ります。元データが1個あり、バックアップは最低2個、合計3個の保存メディアが必要です。根拠はデータをピンポンする数学パズルです。そのバックアップメディアをネットパソコンに常時接続していると、ランサムウェアなどマルウェアによって全滅させられます。

自分が誤消去した時に書き戻す補充用で考えては足りず、ネット側からたどれない不便な位置に隠さないと、今の時代は無意味です。こちらもその態勢でしたが、それでも一時置きしていた新ファイルは失われました。

写真アート類の画像データは、全てをDVD-Rなど改変不能なメディアに2度以上コピーし、先の3個とは別に玄関の低い位置に置くなど、合理的な保全が望まれます。できるなら、自宅と実家の両方に置きたいところ。
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2018/11/05

日本よりもドイツの美術展の方が会場が雑なのはなぜ

日本国内にもアートフェアがあり、参加した不満に作品が売れてとられる上納金の高さがあるそうです。それは理由があります。話は回り道して、ドイツ展企画の後で「よかった」の声は、参加者全員とは限りません。あれっと感じるのは、会場が思ったより雑な点です。

日本の美術展は、会場を白く整えたピュアな雰囲気が多い。関係ない備品類を白幕で隠し、気が散らない空間にします。冠婚葬祭の場と同じ。対してドイツでは殺風景な室内も多く、ざっくばらんな普段着感覚や即席仕立てが意外にあります。日本はすっきり清潔、ドイツはごちゃごちゃ。

日本のイベント会場は、美化と雰囲気づくりを重視します。これが箱物行政など、器の高級化に熱が入る伝統ともつながるでしょう。場をきれいに整えた付加価値的な費用を、売れて気をよくした美術家へ追徴するわけです。

日本のアートフェア主催団体は、作品売り上げの5割とることもあるという。だから画商は参戦が困難です。一方、ドイツのアートフェアには主催団体への上納がありません。最初の場所代だけ払えば終わり。売り上げの2~3割を画商がとり、美術家は自宅にいても7~8割とるというように、出品側だけで山分け。

ドイツで会場美化が手抜きされるのは、現代アートの売買が盛んだからでしょう。お客は買い物が目的だから、場所が執務室でも丸太小屋でも草原でも、作品の中味を注視するのに慣れています。欲しいのは展覧会場の雰囲気ではなく作品。美術を信じている国だからか。

ドイツで器が立派だと、作品価格に転嫁されている心配がお客に起きるでしょう。日本なら避ける粗末な場でもドイツなら売れるから、古建築を廃墟状態で活用するイベント会社が各地にあるほど。当然我々も空気を読み、買える範囲に作品を入れて展覧会を完結させます。
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2018/11/02

変態仮装行列と呼ばれる渋谷ハロウィン騒動と日本の芸術

2018年のハロウィン祭が国内各地で行われましたが、渋谷では暴動になり事件化しています。地元商店街からも「変態仮装行列」と呼ばれ、話題が世界に拡散中。しかし暴動の原因をコメンテーターが語る時に、どうしてもブレーキがかかる部分があります。

「27年目になる長期デフレ不況によって、人生が丸ごと停滞の時代に含まれる若年層は、いつでも狂い出せる心因と背中合わせ」というような分析は厳禁です。なぜかといえば、今は空前の好景気だと政府が定義しているから。政府の顔に泥を塗ると、政府から報道ソースがもらえなくなる。

今は不景気だという直接表現だと、テレビ局から排除され職を失い所得を減らす危険に、コメンテーターや局職員たちもさらされます。自由トークは許されず、人を虐げると何が起きるかも今の日本でアンタッチャブル。

渋谷のあの場所は、国際的に東京の顔です。テレビニュースでも素人動画サイトでも、東京の映像といえば、あの向きから見た渋谷交差点と街並みがよく出てきます。渋谷に関係がない日本全般の話題でも、象徴的に渋谷の写真が使われます。

養護施設の19人刺殺事件が起きた時も、職員だった若い男が故意犯かつ確信犯という、その動機を報道は説明できませんでした。しかし日本版の格差社会にきちんと向き合えば、犯人の思考や情熱や狙いは順当すぎるミエミエの犯行だったのです。首をかしげる人こそ世情にうとい。

調査基準を変えて不景気を好景気と言い替え、庶民の滅入る気分が悪化し、何かの拍子に狂う下地はできています。庶民はそんな思いを芸術表現にでも向けようにも、市場もなく無意味。やむなく粗暴な破壊行動で発散した「日本死ね」のきずなはミエミエすぎ。要は、秋葉原の続き。
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2018/10/28

コラージュ作品の版画化 ブランド絵はがき図鑑12

十何年もネットで続けた話ですが、版画と印刷物は同じものです。似ているとかでなく、同一物です。日本では原始的な手回しのプレス機は版画専用で、ハイテクの電子プリンターは印刷専用だと分けて考えます。しかし版画は印刷した絵図を指すから、二つの機械に区別はありません。

プレス記者やプレスルームの語は、新聞社や雑誌出版の用語です。プレスとプリント、版画技術と印刷技術は同じです。各時代の印刷機を使った量産絵画が、版画の正体です。美術の一般化、ホームユースです。

10月27日に東京で始まったノルウェーの画家エドワルド・ムンク展ですが、作者は自己ベストの油彩画『叫び』を再発売するため、木版画も何枚か作りました。写真製版技術はまだなく、フルカラーが可能なシルクスクリーンも開発されていない時代でした。

彼は版画ならではの風情を求めて、手彫りの味わいに入れ込んだわけではなく、できるだけ忠実に再現したかったはず。手で再現したコピーなので原画とかなり異なり、複製画にはほど遠いものでした。

普段あまり感じないことですが、絵はがきも版画です。普通の絵はがきは多色刷りで、一枚の紙に四種の顔料を四度転写し、四辺を裁断してできあがり。その原理はカラー写真とも似ているので、それなら写真も版画の一種なのでしょう。

さて、この絵はがきの原画は紙細工のクラフトなので、実はわずかに立体的です。色の再現が難しそうな水色に美術紙のテスクチャーも見えます。スキャナー画像の何カ所かを補整し、右下の猫を安全圏に入れました。

ブランド絵はがき
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2018/10/24

免震構造ダンパー不正検査事件の原因を言い出せない日本

1990年頃に、免震構造の建築設計に関わりました。物件は免震構造業者の自社ビルで、当時は珍しい画期的な実験建物として、補助金などもついて特別な建築許可が出ました。95年の阪神淡路地震より前です。

今や免震マンションも続々と増えています。免震ビルは敷地と建物の間にエキスパンション(伸縮)ジョイントを設け、地震で地面が強く揺れても、地下の水平ダンパーがショックアブソーバーとなり、建物は弱く揺れる仕掛けです。ビルが崩れたり、中の家具が倒れたりを防ぎます。

そのダンパー製造メーカーの検査不正が大ニュースです。ダンパーを使用中の建物があまりに広範で、車のエアバッグに似たジャパンスキャンダルになっています。こうした品質低下の不正がなぜ続くのかよりも、口にしにくい国情が深刻です。

日本国内で続く不祥事は、要するにデフレ不況が原因です。キーワードは「節約」「節減」「削減」「倹約」「縮小」「緊縮」「コストカット」。出費をとことん切り詰める思想が、検査を減らし、捨てる分を減らし、改善の手間も減らすという、平成の日本病です。いわゆる手抜き競争。検査は冗長性であり、本来は余裕であり無駄の一種です。美術品の存在と似ているかも。

カツカレー店が捨てたトンカツを、廃棄物処理業者から買い取った別業者が、格安トンカツ弁当に転用した事件と同じ動機です。そこそこ使える安い製品を消費者へという、グローバル経済下でのデフレ社会に順応した「賢い」倹約法です。しかしデフレ不況との関係を指摘するのはタブー。なぜか。

日本の歴史で最大の好景気が今だと、政府が定義した後だから。デフレ不況を指摘すると、反政府の姿勢で浮いてしまう。だから不祥事の原因に向き合えず、日本人の特性になすりつけるほかなく。実際には、国をあげた節約励行で全国の全分野で品質低下しており、不正の域でばれた分のみがニュースになります。
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2018/10/21

ここのサイトが「http」から「https」へ変わったのはなぜか?

こちらの関連サイトが最近、「https」から始まるURLに変わりました。「s」が増えています。わかる変化として、ブラウザソフトに警告の字が出ます。

「https」だとURLの左側に、「安全な接続」だとか「この接続は保護されています」と文字が出て安心させます。しかし従来の「http」だと、「この接続は安全ではありません」「保護されていない通信」と注意を促すのです。

この警告が出たのはいつなのかは、2018年7月にGoogle社の「Chrome」が強制的に警告する仕組みへバージョンアップし、ネットで配布されました。以前から緑色のカギマークを出していた「Firefox」も、警告の文字が手動で出るようになりました。

「http」から「https」へ変わると何が違うか。サイトに出入りする通信をSSL技術で暗号化します。犯罪者がネットから回収したネームやパスワードも、解けない暗号となるからスペルは再現できず、安全になります。だから2014年頃から「https」化を急いだのは銀行サイトでした。

美術サイトの通信を盗む者はいないとしても、画面に「このサイトは安全でない」と表示されるとイメージダウンだから、こちらも夏からSSL化を研究していました。前はSSLプログラムは高料金でしたが、サーバー会社のレンタル料に含まれるようになりました。つまり後払い。

「http」と「https」は厳密に別サイトなので(www問題と同様)、リンク不整合などの不具合がいくつか生じます。今は過渡期なので手動の調整を余儀なくされ、実際サイト単位で組んだプログラムはなかなか正常動作せず、少し時間がかかりました。
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