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2020/09/23

オリオン座とさそり座が交替した夜|コロナから半年で冬へ向かう

夏が終わり冬へと向かう、そのしるしは天空にはっきり。深夜1時の東の空に、早くも横倒しのオリオン座が完全に昇っています。新型コロナが始まった頃、そこにあったのはさそり座でした。ともに季節の星座で、さそり座は蚊取り線香の香り、オリオン座はひんやりして無臭。

深夜の天頂に今火星が輝き、南西には木星と土星が並んでいます。より明るい惑星に目を奪われますが、恒星を図形化した星座は、公転で毎日少しずつ動いて、自転で毎分少しずつ動いて、ともに東から南を通って西へと消えます。

これに緯度が加わります。東京は北緯36度、ベルリン市は52.5度。差は16.5度。まずベルリン市では北極星がより高くなります。周囲を取り巻く大くま座(北斗七星)やカシオペア座や、近くにたどれるアンドロメダ銀河は、下がった位置も高めで常に丸見えです。

一方で南天の下部が東京より削られます。公転面を延長した黄道上にあるさそり座と、近い緯度のオリオン座とも、ずいぶん低い位置で家々に隠れやすいでしょう。日本では明快に輝く全天一の恒星シリウスは、ベルリン市では地平線ぎりぎりにあるでしょう。

これらの恒星は全て我が銀河系のメンバーであり、しかしアンドロメダ銀河だけは隣の団体の全体像です。肉眼で見えても距離は地球から250万光年で、600光年にあるオリオン座ベテルギウスの4千倍の遠方で、人が行くことは不可能です。

地球の生物以外に宇宙人がいて、絵画展覧会も開いているかという期待は、NASAのあいまいな発表のせいで高まっています。ところがアンドロメダ銀河は、将来は銀河系と衝突します。衝突寸前の光景はすさまじいかといえば、実際はスカスカの真っ暗なはずで、これも何かの教訓になりそうな。
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2020/09/18

老舗三味線メーカーが工場を閉じる報道|コロナと平成デフレ不況

さっきのラジオニュースで、日本最大の三味線メーカーの老舗が創業130年の歴史を閉じるそうです。コロナ禍で売り上げが見込めず、会社を解散して全員失業という運びらしい。また始まりました。全てをコロナのせいにした報道が。

三味線が売れないのは、1992年からです。バブル景気がダウンし始めると、ハードランディングさせて御破算とした1997年に始まる平成デフレ不況が直接原因です。デフレ下の緊縮財政と消費税増税による、貧困化促進政策の当然の帰結です。

楽器に限らず、本やCDやスポーツ用品もまるきり売れなくなったのが、1997年の後半でした。似た雰囲気を繰り返した、2014年夏以降がピンと来るでしょう。消費税増税で急に物が売れなくなり、人々が急にケチになりブラック社会へと戻った、あの頃が似ています。

今から何年か前にスポーツを通して地元の三味線メーカー社員と知り合い、ドイツで三味線を売る計画を立てました。エージェントがドイツ側で決まらずじまいでしたが、他楽器とのハンデ克服のマーケティング案を色々出したものでした。

不況でも売れる商品と、売れない商品があります。売れるのは生うどん。売れないのは鉄道模型。ユニクロの服は生うどんタイプで、大塚家具は鉄道模型タイプで、だから明暗を分けました。不況でも売り方しだいなんてわけはなく、商品の切実度しだいです。水筒や商品券や軽自動車は、不況でこそ大売れします。

美術も鉄道模型タイプで、好景気に変えないと始まりません。同じ報道で携帯料金を下げる話も伝えられましたが、間違った政策です。現行の携帯料金が安く感じるほどまで、積極財政と消費税廃止で景気を上げるのが正解です。ドイツもイギリスも減税して国民の純手取りを増やしたのに、日本の縮み思考の悪いクセです。
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2020/09/14

インスタグラム始めました|インスタ映えの時代は終わりか?

最近インスタグラムを始めました。2017年の流行語「インスタ映え」は下火で、使われ方がもう違います。奇妙な現象に気づきました。思ったより早く「フォロー」「いいね」がついたのです。他人はといえば、投稿直後の数分で「いいね」が数百個もついています。読者が待ちかまえているみたいに。

アメリカの理髪店が素早いフォロー。しかしフォローを返すと、減り始めました。フォロー返しせずに放置しても、やがてフォロワーから消えることも。もしかしてと思い、消えたフォローに対して試しにこちらも外すと、相手は再びフォローしてきます。これは人間のしわざなのか?。

答は推理したとおり。「自動フォローいいねアプリ」なるソフトがユーザーに人気だそうです。相手のフォロー返しを誘った後に、自分が相手を切る機能がウリで。フォローが少なくフォロワーが多いほど、愛するより愛される立場で優秀に見える演出という。アプリユーザーは美容院が多いと宣伝しています。

なので受けた「いいね」も、ロボットが押して人間は見ていないわけです。露出度の上昇が目的だろうから、フォロワーが多いアカウントをなるべく狙い「いいね」するアルゴリズムなはず。自分の投稿が作動の起点になるので、同じ画像を何度も投稿する手抜きの説明もつきます。もはや映えない。

ある漫画を思い出しました。大学の授業風景。一人の学生が机にテープレコーダーを置いて、教室を抜け出しました。他の席にも日に日にレコーダーが増えて、最後は教師の机にもテープレコーダーが置かれるお話です。無人の教室で一台の機械がしゃべり、たくさんの機械が聞き取るオチのギャグ。

前に芸能人が「SNSでいいねを押し合っても何の意味があるの」と言いましたが、インスタグラムではもう人が押していません。ただ、いいねが少ないアカウントは自動アプリを使わず、人が操作している可能性が高いでしょう。自動アプリは26種類は出ているそうで、有名団体の需要が大きく有料だからです。
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2020/09/10

大阪都構想とイギリスのブレグジット|ショックドクトリンの住民投票

大阪都構想はイギリスのブレグジットと近い時期に住民投票が行われ、結果は逆に出ています。二つはよい結果が出たといえます。なぜかといえば、両方とも新自由主義経済とグローバリズムをやめて、地元住民を従来の正攻法で裕福にする方向で投票結果が出たから。

イギリスは二度投票はしませんでしたが、大阪は一回きりの宣言を破って振り出しに戻しています。やり直し投票は11月1日です。コロナ禍が火事場で取り込み中なのを狙うわけです。どさくさのバタバタの中で大きい決めごとを通す手法が、言葉が定着してきたショック・ドクトリンです。

ショック・ドクトリンとは、日常の落ち着いた時なら反対される案件で、大災害や大事件の直後に賛成を取りつける常とう手段です。新自由主義の政商のテクニックとされ、判断停止してそれどころでない心理状態を悪用します。若者を熱狂させて住民投票する、ナチスの手法として歴史本によく出てきます。

前回の大阪都構想の住民投票では、大阪都を総務省が名乗らせない可能性と、正体が大阪市の政令指定都市返上と解体だとは、やはり伏せられました。政令指定都市から落城すれば、府があてにする市の税収は投資減で減るのだから、素人プランに多くが首をかしげたものです。

イギリスが反対多数でEUに残ることが、大阪市が賛成多数で都構想へ進むことと、なぜ同じなのか不思議でしょう。その二つこそが、新自由主義経済とグローバリズムという、デフレで経済縮小を強める貧困化促進だからです。

日本人全般が都構想もブレグジットも、核心を語れない理由も明らかです。日本がコロナ以前にデフレ不況が23年目に入っていた理由と同一だからです。何か芸術に言及する時みたいに、根っこの前提が終始ずれた構造になっています。

→ 大阪都構想の対案を簡単に
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2020/09/04

嘘つき政治が幅を利かせる日本の悩み|清廉だけを求めて人材難に

コロナで日本も政治の季節ですが、よくあるのが嘘をつく議員が当たり前になったとの指摘です。次期総理大臣の候補者を批判する動画でも、過去に国会質問や記者会見で虚偽回答していた場面を分析して、議員たちの人格問題をあげています。

嘘つき集団に好き放題される、国民の不幸を訴える内容です。しかし、少し考えたいこともあります。人は普通、得する方を選ぶものです。今の日本では正直に失敗を認めるよりも、みえすいた嘘で否認した方が得する審査になっていないかと。

議員も普通に判断ミスし、考え違いや思慮の浅さや失言もあろうはず。それをひとつ見つけては「辞任する気はないか」と記者やキャスターが問うのです。事実を明らかにする熱意より、辞任へ追い込んだ実績を記者の能力とみなす慣習です。

ブラック企業がこの風潮です。部下のミスを見つけしだい激しくなじる職場は、ミスを減らして効率を上げる方向とは逆です。むしろ全般にミスが変に増えて、言い逃れと責任転嫁が常習化し、目に見えて業績悪化しています。

失敗を国民に言えば最後、皆に激しく追い込まれ排除されるのなら、議員側も最初から虚偽説明と責任転嫁へ注力する仕事となり、巧みで強引な嘘つきが生き残っていく必然性です。いつの間にか能力主義とも、成果主義ともかけ離れています。

この風潮は、美術作品の至らなさを見つけては落選させて、会場入りさせない日本の公募コンテスト展とも似ているかも知れません。作者のできることが限られてしまったり、しまいに成功例を拝借した盗作が横行します。
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2020/08/30

コロナ陰謀説と情報リテラシーと民主主義|ドイツの自由参加デモ大会

ドイツベルリン・コロナデモ

ドイツベルリン・コロナデモ

8月29日のベルリン市で行われた大規模なデモです。最多のドイツ国旗以外に各国旗の集団があり、「自由」「民主主義」「予防接種強制反対」「コロナ嘘」「マスクいらね」などプラカードもまちまちで、相反したりします。屋外で三密は免れても、撮影者のみ距離をとり、マスクありで誰ともしゃべらず。

最近、情報リテラシーが言われます。不正確や間違った情報を拡散させる罪です。国産だけのトイレットペーパーや、ヨード系うがい薬の品切れもありました。深刻なのがコロナ陰謀論です。ひとつは、コロナは狂言芝居で、死因はインフルエンザや暗殺だという説です。

アメリカのSNSで「コロナウイルスは5G通信で高速拡散した」「ビル・ゲイツらしいぞ」の陰謀説が有名です。かつてWindows 95が出た後にも、「パソコンに触れた子どもに、パソコンウイルスがうつらないか心配だ」と、各国の保健所に相談が集まったものでした。

悪意の実行プログラムの隠密増殖と動作を感染にたとえたら、人体の病気と誤認した笑い話です。しかし日本人は笑えません。国家をゆるがす「国の借金1100兆円」が、同類の笑い話なのに皆が真剣だからです。

各国政府は財政出動で国民にお金を裏から与え、表の就業所得と相乗効果で、国民も国家も経済成長します。国民に与えたお金は政府の貸借対照表で、貸方欄に負債計上する簿記ルールです。その負債を借金と偽って吹聴し、返金できずに国が破綻する筋書きの妄想デマです。

この妄想で、日本はコロナ対策が経費節減で省かれ、それは国民全般の誤解の産物で起きた平成大不況と同一原因です。ちなみにFacebookは「コロナは架空の嘘」説を削除する方針で、民主主義と衆愚主導の線引きに乗り出しています。
all photos: (c) Mihara
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2020/08/26

ドイツはベーシックインカム試行|日本は勘違いのまま関心もなし

ドイツはベーシックインカムの試行を決めました。3年間試すようです。やはりと思ったのは、何カ月か前のドイツスタッフからの情報でした。コロナ給付金60万円を早めに中断したそうで。日本で10万円を決めるより前に終了しました。

合理的なドイツ人が国民を切り捨てるのも奇妙で、新ナチスの台頭を許しかねないと感じました。やはり福祉制度に変更を加える妥当な考えで、月1200ユーロ15万円を120人に支給し、支給なしの1380人とも実地テストするという。

ベーシックインカムについては、日本で語る人はほぼ全員が勘違いしているので、こちらで重要点を説明しています。ベーシックインカムが容易な国は、世界に7カ国プラス1カ国あります。プラス1カ国は中華人民共和国ですが、7カ国の中に日本は入っています。

ところがドイツは入っていません。なぜかといえば、自国通貨マルクの発行権を返上しているからです。だから試行の原資は寄付金だそう。ところが欧州委員会はベルギー国にあっても、欧州中央銀行(ECB)はドイツのフランクフルト市だから、マルク発行のノウハウを継続しているはず。

だからドイツ自身はEUの財政のオブザーバー以上で、財政出動の意思決定権もあるのではと。フィンランドやスイスも決断し、他の国も次々決めると予想できます。国民側のマネーストックM3までを何割か吐き出せば、通貨発行権をめぐって各国はアナーキーから内戦へ向かうからです。現代のフランス革命です。

日本ではベーシックインカムを勘違いして陰謀論になっていて、アイデアとして出にくい問題があります。なので他国が進むのを指をくわえてながめて、十分に犠牲が積み上がってから重い腰が上がる、いつものスロースタートでしょう。

→ ベーシックインカムの基本構造
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2020/08/23

コロナ特別定額給付金の締切り1週間|原資は税金ではなく財務省証券

新型コロナの特別定額給付金10万円の申込期限は、8月末です。ネットカフェ難民や、路上生活者がまだ残っているという。国内景気に左右される美術系には、気になることです。そして国民の多くは、給付金の正体を根本から間違っています。

10万円は打ち出の小づちといえる、国債(急場は財務省証券)の発行と償還の作業で生みます。多額を出すほど好景気になります。もらう人が国内に多いほど、国民側にあるお金の全量が増え、経済は右肩上がりに向かい、コロナ不況の損失補てんに成功します。

住民基本台帳にない平成難民に受け取らせて使わせ、マネーストックを増やすのが課題です。ところが国民は解釈間違いしています。10万円は納めた税金のリターンだと誤解し、(消費税以外を)納めていない者に受け取る資格はないとして、感情的なのです。この思想がいわゆる財源論です。

固定したサイズのパイを分配するという、誤った安易な思考で、優生思想へと自然に進んで国民の選別を必ず始めるのです。現にネットニュースの意見投稿コーナーでも、持ち家を失うなどした路上生活者たちを厳しく非難し、10万円を受け取らせまいと妨害に必死です。

芸術とくらべれば慣れっこなのは、芸術もまた逆転の常識で回転し、傑作と駄作が海外と逆だったりするからです。全員の思いが誤解で全滅なんて、世の中にけっこうあります。写真術や脳死、インターネットも、最初は全員が誤解していました。

ところで中国と並び、日本がコロナ戦で一番強いと言われる根拠は、生産力です。正反対がレバノンで、生産力がありません。核兵器以外は何でも短時間に作れる日本は、お金を多く発行しても消化する商品が足りるから安定します。しかしここに財源論を持ち込むと、借りたお金の返済で子孫が滅ぶ妄想に至るらしく。
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2020/08/18

AI技術で白黒写真をカラー着色する|遠い歴史もリアルに迫る

カラー写真が普及したのは、1970年代になってからでした。60年代以前の写真は白黒が多く、古びて感じられます。エコール・ド・パリの巨匠画家たちの姿もモノクロームプリントで残っていて、遠い過去へと思いをはせる印象です。

戦後75年の今年2020年に、20歳で戦地へ行き戻った人たちは95歳にもなり、戦中の様子を語る人の少なさが目立ってきました。その中で今年の大きい話題は、人工知能AIによる白黒写真のカラー化技術です(2017年から発表)。着色すると生き生き感が違います。

ジクレー版画や絵はがき制作で要注意なのが、画像の画素数や色数をいったん減らせば復活できない、情報削減の不可逆性です。だから残された白黒写真に色をつけるには、写った物体を判別して色を推理することになります。

超高解像度スキャナーで写真をデジタル化し、AIソフトがこの部分は樹木だと認知すれば、幹と葉と花を区別します。幹は茶色系、葉は緑色系、花は赤や白をソフトが提案してきて、それから修整します。

赤か白かは白黒写真上の濃度で区別でき、AIの守備範囲になるでしょう。でも赤リンゴか青リンゴかはわからなかったりして、他の条件で判断してパラメーター入力するなど、最後は人間の知識で解決することでしょう。

突きとめられない筆頭は、服の色らしいのです。戦時中にピンクやライムグリーンの服はないだろうけれど、灰色に写った私服が茶色系か緑色系かはわからず、だから間違っている可能性も計算に入れて、大まかに鑑賞する前提でしょう。

→ 2000年代のネットでよく知られた、92歳世代が若い頃の写真

→ AIでカラー化すると
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2020/08/15

世界大恐慌のアートはシュールレアリスム|超現実主義は今も標準美術

新型コロナで全国で業務が縮小し自粛も続く中で、ドイツの展示と通販販路の模索と並行して、何件か現代アート絵画塾を続けています。題材となる作品は、全てが個人のマイブームに関わるモチーフです。

新型コロナも今どきのモチーフに使えそうです。ふと思ったのは、前回の世界大恐慌では、どういうアートが生まれていたのか。振り返ると、シュールレアリスム、超現実主義の真っただ中だったようです。

シュールレアリスムは1920から30年代のパリの芸術運動で、無意識をテーマに、社会問題に広げるアートでした。その中頃1929年に、米ウォール街の株暴落が起きました。超デフレ不況で失業と餓死が増え、貧困化の反動で伸びたファシズムも、シュールの制作ネタになったでしょう。

シュールレアリスムのバックグラウンドは、心理学と精神医学でした。西洋文明で歴史上最も美術が創造的になったのは、1930年代だと言われるのは、シュールレアリスムの表現手法の普遍性が大きいでしょう。

意味論、暗喩、記号論、象徴など、モダンの以前にポストモダンへ飛んだような、論理拡張した作品構成が開花したのでした。根底に、全体主義的な管理社会の台頭に対して、人々の警戒と否定意識が起きていたこともありました。

日本では具象の印象派と野獣派だけがわかる人が多いのですが、新世代はシュールレアリスムが標準になってくるかも知れません。ダリに人気が片寄りすぎてはいますが。シュールは具象の延長で抽象思考的で、しかも不穏な謎を持つ作品が多いのが特徴です。
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2020/08/10

核兵器廃絶に反対する日本と核兵器不拡散条約|芸術関係者の反応

昭和の時代には、日本の芸術家、アーティストと呼ばれる人たちは当然、核反対の立場でシュプレヒコールに加わっていました。今では事態の複雑さや必然的に起きる矛盾を認めて、冷静に考える人も増えたように感じます。

日本で検証されないまま惰性的なのが、核兵器の是非論です。唯一の被爆国なのに核兵器禁止条約には不参加です。理由は、日米安全保障条約と呼ぶ軍事同盟でアメリカの核で武装している立場だからです。

検証が不十分なのは、その核があるために他国からの攻撃を免れている効果です。たとえばドイツは国内に核兵器を置いた共有国で、対ロシアの抑止力としてミリタリーバランスが計られています。日本では核弾頭などを船から上陸した記録は知られず、国土に置いていないはずですが。

核を持たない国より持った国の方が、少なくとも自国を安全にして安定させられると証明されています。9.11後のイラク戦争もそうで、誰もが奇妙に思っているのが「イラク国は直接関係ないのになぜ?」でしょう。結局イラクの石油など国営企業は、その後アメリカ資本がオーナーになっています。

フセイン大統領と、その後リビアのカダフィ大佐も、国内の勢力に惨殺されるのを食い止めなかったアメリカの、決定的な汚点になりました。核計画を立てて放棄した者を、アメリカが生命保証しなかった悪い実績です。

逆の現象は前に起きていました。長年不仲なインドとパキスタンは、ともに核兵器を持つとケンカがやんで、安定を取り戻した困った実績があります。核を持てば国が滅ばない現実があり、核兵器廃絶の説得力に穴があいています。
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2020/08/06

新型コロナと第二次世界大戦のインパール作戦|緊縮財政の呪いあり

新型コロナウイルス禍は、日本にとって第二次世界大戦と関係があります。二つの面で。ひとつはピンチになると、責任がぼかされる上層部の不可解な動き。もうひとつは、戦後の連合軍の意向を引きずった不可解な緊縮財政です。

ピンチの責任問題は古ネタです。命令ではなく自粛要請を出して、国民の同調圧力と監視や私刑にまかせるなど、権利と義務の不釣り合いです。重大な局面が来ると上層部が消えたり、敵側に寝返っていた現象が戦後の言い伝えどおり。

最悪と言われたのはインパール作戦です。ビルマ州(現ミャンマー国)で、日本兵の多くは飢えて亡くなりました。食料なしでもがんばれば勝てる式の精神主義が、今のコロナ政策の「仕事はひかえて欲しい、補償金は出さない」とよく似ていると言われます(国民の要求で補償金をある程度出した)。

もうひとつの二次大戦つながりは、補償金を出し渋るその理由です。戦後の進駐軍(GHQ)の日本管理法の再来が、プライマリーバランス黒字化です。国債発行削減と消費税増税の自滅です。国費をまかなうのは国債発行なので、発行をおさえると当然貧困化し、現に23年間のデフレ不況です。

これは進駐軍が日本をアジア最貧国へ下げ、再軍備不能にするプログラムでした。3年後に朝鮮戦争が起き、日本は警察予備隊を組織し、東京五輪に向けドル借金で財政出動し、韓国に物資を送り西側の成長株となり、共産主義の防波堤となりました。進駐軍時代に終わった懲罰を、なぜか1997年に再開した不思議です。

日本のコロナ騒動は、このように二次大戦の続編として、現イラクの混乱と似ているのです。「戦後は遠くなった」と言われたのは1996年まで。最近は「二次大戦の頃の日本は今のこんな空気だったのかな」と若い人も言い始めました。
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2020/08/01

へたなデッサンが現代のテーマとわかる比較図|現代絵画の迫真性とは

昨年秋に、地元の図書館へ初めて行きました。新刊ばかりの書店と違い、古風な雰囲気です。音楽関連コーナーにくらべて、美術関連コーナーはけっこう蔵書が多くあります。比較的新しい本のひとつに、デッサンの技術書がありました。

「写実デッサンがこんなに上手に描けるよう、あなたを変えます」の教科書です。鉛筆デッサン画のビフォー・アフターが並んでいます。「おっこれはすごいぞ」と思ったデッサンがありました。上達したアフターではありません。ビフォーの方がよく見える絵なのです。

ビフォーは正確さに欠けて、歪んでいます。変なくせがあるのです。それに対してアフターは正確で、個人のくせが消えています。ニュートラルでスタンダードで、端正で透明な存在です。その教科書が目標とするデッサン画は、実は18世紀に西欧が目指した方向性です。

それに対してビフォーのデッサン画は、後期印象派以降のデフォルメ系に映るのです。セザンヌ以降の絵か。それだけ新しい感覚だからモダンに見えます。しかし、へたな絵の方がモダンに見えるのはなぜでしょう。それは、19世紀後半からへたな絵に迫真の時代を感じる歴史的な変化です。

訓練不足のデッサンほど、我流が多く混じります。そのまま独自色となりやすく、現代に求められるユニークを達成しやすくなります。皆が同じ模範回答を目指して免許皆伝としたのは、19世紀前半まで。その後の作画は個性化の道でした。

現代のアーティストは間違った絵に賭けており、独自の作風に意味を見出します。写真のごとくちゃんとした絵が必要なら、写真で済むというだけの話。つまりカメラの発達で絵の役目が変わり、写真では撮れないへたな絵の競争に変わりました。間違い方が足りない絵は、歴史が選択しなくなりました。
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2020/07/27

美術制作塾・作品撮影術など補強企画の時間|コロナ休み中の募集

日本列島は大部分が長い梅雨のまま真夏へ向かい、でもコロナ感染者数は記録更新が続きます。旅行推進GoToトラベルキャンペーンで感染が広がる恐れで、混乱ぎみです。スポーツ系と芸術系が羽を伸ばせる日は、なかなか近づきません。

日独とも集会の自由が不十分で、展示がセットできない状態です。ただこれも考えようで、空き時間に作家補強企画は続けています。「現代アート絵画塾」「絵画撮影技術ガイド」「作家サイト制作」などです。

「現代アート絵画塾」は、日本であまり聞かない芸術制作のパワーアップ相談室です。20世紀初頭のパリ前衛アートが連帯で花開いたのにヒントを得て、一人で考えると狭まりがちな作品制作に、プラスのアイデアをつけていくものです。作品評価の感覚が、日欧で差が開いた実態が根底にあります。

芸術は世界言語だといえても、美術様式は世界言語でないようです。日本は世界と逆の価値で動くことがよくあります。海外基準でチャレンジの成果が出るよう補強し、現地の的に当てて売却率を上げる作戦です。

「絵画撮影技術ガイド」では、時代の新技法であるデジタルプリント、版画テクノロジーを活用します。最高作がすでに手元になく、画像も撮っていなかった無念の事態が何度もあり、手遅れになる前に改善します。

「作家サイト制作」は、作家のハイライトだけを見せるために、作品展示壁を模したデザインポートフォリオです。従来の自叙伝型サイトが詰め込んで薄まる欠点を改め、他薦を基準とした別冊特集号の感覚で組みます。
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2020/07/20

地球温暖化と寒冷化の結論ありき|冤罪の構図と同じ人類の普遍性

今年の梅雨はやや長引き、地方都市は異例に気温が低い毎日で、夏休みになるのに昼の温度は低く夜は肌寒いほど。なのに地球寒冷化を言い出さず黙っているのは、おもしろい現象です。

警察や検察が起こす冤罪事件は、構図にパターンがあります。「こういう事件だ」「こうであるべきだ」の結論が先に決まっていて、結論を補強する状況証拠だけを選び出してそろえるのです。結論に反する状況証拠は、却下して隠したり、時には作り変えます。

前に、犯罪の証拠がない容疑者を有罪にできるよう、検察官が押収したデータファイルの日付を書き換えた例がありました。途中で弁護士が見破り、大きい事件となりました。決定的な証拠の日付を書き換えた検察官の意図は、事前に決めた結論に落として正義を貫くことでした。

同じことは、国民全員が普段から毎日やっています。暑い日が続くと地球温暖化の社会問題を声高に唱え、寒い日が続くとその話題に触れないで、暑い日が来るまで待って、来たらまた温暖化を叫ぶという態度。

私たちは、検察にワルがいたと解釈するのではなく、人類の脳のはたらきの普遍的な機能だと考える必要があります。望む結論に落とそうとして、証拠を取捨するなどは誰もが日常的にやっていることなのです。

たとえば日本人は具象画だけが好きで、抽象画はからきし苦手だというのも、きれいに割り切れる現象ではなく、程度の問題になっています。ただ程度に片寄りがあるせいで、市場が変に小さいとか、具象画も盛り上がらず国内の斜陽産業になっているだけです。
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2020/07/14

命の選択と優生思想と日本フェイク財政問題|嘘で国民パニックが発生

昨年の衆議院選挙で比例区に立候補した金融思想家が、「命の選択が必要」と唱えた動画を出したそう。それがテレビで報道されたらしく。若者を守るために高齢者に消えてもらう主張と受け取られ、不届きだから除名しろという騒動だそうです。皆で意見を出し合おうという声もあります。

意見を出し合いたい理由は、コロナ騒動の中で命の選別が隠れた民意を形成したからでしょう。「国の限られたお金では、国民の全員は守れないから、誰を優先して誰を切り捨てるか」という、ネットに時々みかける生命に優先権を設定する議論のことです。

これと重なるのが「コロナで傾いた企業は不良だからつぶせ」式の政界にある主張に対して、国民が半分納得している企業選別問題です。しかしどちらも前提が全くの勘違いなので、今すぐ議論しても成果はないとわかっています。

勘違いはここ。「国の限られたお金」。真っ赤な嘘。円、JPYというお金は閣僚と財務省職員と日本銀行が、東京都心で自由に発行できます。多すぎたら自由に回収できます。お金の増減は中央政府の胸三寸です。その原理を無視した、総量一定とする思想を財源論と呼びます。前提がそもそも、悪い冗談なのです。

「芸術は写実の精度」と定義して、芸術論を語る無意味さみたいなもの。大前提がフェイクなので、語れない作品だらけです。高齢者が困っていても、若者が貧困で進学できなくても、円を追加発行すれば解決し、発行量が巨額なほど経済成長して右肩上がりになるだけの話です。「選別が必要な時代」がそもそも妄想です。

皆が心得た大前提があべこべだから、知恵を出し合っても悪知恵ばかりでしょう。国民はお金を限られた資源だと勘違いしたまま、給付金におびえ、回収される覚悟という始末です。税金で国の支出をまかなう虚構を共通認識としたまま、優生思想をどう思うかを語り合っても時間の無駄です。
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2020/07/07

東京都知事選挙と2020東京オリンピック|中止を公約して票が入るか

2020年7月6日の東京都知事選挙は、現職女性都知事が圧倒的に勝利し、他の21名は伸びませんでした。その原因がさっそくネットで分析され、東京都民の気概のなさや現状認識の甘さに対して、幻滅する声が多くあるようです。

しかしネットの評価で上がってきた21名の候補者は、テレビ画面に出続ける現職がいかに有利かを過小評価したかに、他県の目に感じました。これはよく見るアート作品を名作と感じ、見かけない作品は駄作と感じる露出度の差異と共通します。

そして気になったのは、2020東京オリンピックの見直しや中止という公約のまずさです。瀕死の状態であっても、死の宣告はもう少し待って欲しい、ねばって欲しいと心の支えにしている層の心理的な抵抗に対して、一刀両断すぎるのです。

完全に中止を決めずに保留にした方が、責任を一方的に背負わずに済むし、将来の新展開で復活の可能性が少しでも高いという、淡い期待も残るわけです。1年後にできると夢みて、目指しますと宣言する現都知事は、策謀というより人心に沿っています。勇ましい男らしさこそが敗北です。

1996世界都市博覧会を中止する公約で当選した当時の都知事は、おわび行脚に終始し悲惨でした。無駄づかいは悪だと信じて逆に不況を深めた都民は、セット済みのイベントはなるべくやり遂げた方が吉と出ると心得たことでしょう。お金より大事なもののひとつかも知れません。

お金を言うなら、公費は国債発行で払い、税金で払うわけはありません。地方交付税交付金を受けない東京さえ、オリンピック代は刷った円で払うロジックであり、地方債発行に可能性を見出すなら、五輪の首もつながる理屈になるでしょう。もちろん、現今の財源論の誤りに触れる話になりますが。
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2020/07/04

ハンコ制度を廃止するかの国会議題|印鑑印章を最重視する文化の終末

新型コロナで増えたのが、リモートオフィス方式のテレワークで、事務作業を自宅からパソコンで行う方法。パソコン需要が増えているらしく。そこで問題になったのは、決済の書類にいちいち印鑑を押す手間です。捺印だけのために会社へ出向くケースもあるらしく。

印鑑は日本の伝統だから、今後も残そうという団体があるそうです。しかしすでに前々から、個人の証明を印鑑で行う方式は廃止が広がっています。郵便や宅配も、ハンコよりも手書きサインの方をよしとする場合が増えました。

契約書の誤解も多いのです。日本では今も契約書に印鑑が必要と信じる人が多いのですが、実はサインの有無も決定的ではありません。笑福亭仁鶴が司会の法律番組で何度もテーマになったあれで、契約は形式より実質的な有効性を審判します。

当契約の存在の有無は、契約書で決まるのではなく、契約があった蓋然性で判決が出されます。口頭の約束であってさえ、双方が約束を履行すべく動いていたなら、契約書類が何もなくても契約は有効です。今ならメールのやりとりも証拠です。

正式な契約書こそニセの印鑑やサインで偽造でき、書類重視は危険です。一例が、不動産書類を偽造でそろえて土地をだまし取った、地面師の事件です。印鑑重視はもはや無意味で、双方が合意して動いた形跡が契約の実体とされます。印鑑の地位は下がり、銀行通帳にも押さなくなりました。

今のネット通販も互いに捺印やサインもなく決済が進みます。そんな現代の事情を背景に、古風なハンコを廃止すべきとの声がまた噴出しています。日本の美術通販サイトでは、手書きサインがないプリント画を扱わない規則がほとんどで、中身でなく形式に価値を感じる国民性との葛藤にもみえます。
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2020/07/01

ドイツは今日から売上税を減税し景気回復へ|消費税は景気冷却が目的

今日2020年7月1日からドイツは売上税を減税します。食品は7から5パーセントに下げ、アートなどぜいたく品は19から16パーセントに下げます。ドイツの売上税が元々変に高いのは、EUルールの義務が15パー以上だからです。これは新自由主義とグローバリズムの思想です。

つまりECとEUは緊縮財政による貧困化促進が基本設計で、ヨーロッパの活力をそぐ意図が優先しているとわかります。活力をそがれて国難に至ったイタリアやスペインの斜陽は、EU設計指針のシンボル的な光景といえます。謎がない。

消費税は消費行動への懲罰なので(比喩でなく元々その機能)、EUは消費抑制型のグランドデザインです。消費税を100パーセントにした時と、マイナス50パーセントにした時の違いをみれば、景気を好きに上げ下げできる機能がよくわかります。

100パーなら物価は倍になり、マイナス50パーなら半額です。マイナスの消費税は手間がかかるので、最悪デフレ不況なら0か廃止で調節して、それでもなおデフレなら政府財政出動で貨幣量をより増加させ、GDPアップを図りマネーストックM3のかさ上げで貧困化を防ぎます。

EUが制度設計した時、実は消費税の機能は不明だったのです。後世2017年頃の論文で、景気の緊急ブレーキ役と判明しました。日本でももちろん毎度こじつけ理由で、シャウプ税制を放棄した初回以来、変転しています。最近の理由は「一度下げたら上げる苦労が大きい」という内情だそう。

ちなみに、消費税はインフレだと上げて、デフレだと下げます。固定は誤用です。日本で消費税を下げる気運が盛り上がらない理由は、上と下で異なります。上は輸出企業が益税が目当てで陳情するから。下は福祉の財源だと勘違いしているから。増税で福祉が切り捨てられ、マスコミが気づいて指摘したのが昨年秋でした。
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2020/06/29

ミネアポリス暴動はロサンゼルスの再来|アメリカの新自由主義と格差

アメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルス暴動は、もう28年も前の1992年に起きた人種衝突でした。発端は粗暴なアフリカ系市民を無力化した後の、警官による過剰暴力でした。暴徒の都市破壊が韓国系商店に及び、全米が動乱のようになりました。

コロナ騒動の最中に、アフリカ系市民の首を押さえて死なせた事件はミネアポリス暴動。ジョージア州アトランタの事件もあります。近年は新自由主義経済の断末魔が人種問題にずれたみたいな。小さな政府、緊縮財政、格差拡大、自己責任など、国民を低所得化して連帯を壊す方向です。

遅れて新自由主義に傾斜した日本でわかるように、格差の拡大と固定によって社会に柔軟性がなくなります。その典型が東京大学入学の世襲的傾向です。年収950万円以上の上級国民が高い割合で合格し、低所得の家庭は通用しないらしく。

入試で小論文や面接の採用が流行し、生徒の多角的評価にはなっています。ただし裏口入学の表口化というか、お金ならあるという生徒から授業料収入を得る目的に広がってきました。これは国税への誤解で、大学補助金を無意味にカットした財政ミスが発端の新自由主義でした。

緊縮財政の補助金カットが、国民の分断と差別の助長となる当然の成り行きです。民営化の先輩アメリカでは、アフリカ系は低所得、低学歴、医療を受けられないなど、ハンデが固定しています。是正は部分的なので共食いとなり、白人ワーカーが今度は低所得化して悲惨らしく。

延々と続く警官対アフリカ系の事件は警察の体質ではなく、経済格差の問題です。人種が多様化した上での格差拡大は無茶で、貧困問題を残して差別だけなくすのは不可能でしょう。アメリカが解決する近道は、昭和の日本を真似た3億総中流か、あるいは皆保険制度とベーシックインカムで極貧を消すか。
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