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この26年の日本は経済政策を間違い、国力が低下しました。近隣国との摩擦激化など国威衰退の悪影響も露骨でした。最近ニューヨークタイムズが、その失敗をまた指摘しました。その失政の根が何かはネットにもあまり書かれませんが、日本の借金700兆円というデマでした。

今も国民の大半が固く胸に刻んだままの、700兆円、800兆円、900兆円、1000兆円という数字。赤ちゃんも含め、国民一人当たり800万円以上という重い借金。日本の未来を真っ暗に変えてしまった子孫の絶望的な負債は、しかし実は国民の頭脳を見切った巧妙なウソでした。

日本の未来を論じる議員や評論家、会社員や主婦たちの共通する勘違いが強固すぎて、国ぐるみ妄想から戻れない状態です。勘違い同士がケンケンがくがくの議論で、暗い未来を再確認し合う繰り返しでした。

その勘違いとは何か。1000兆円を返す前提です。返済。日本の破綻確定を嘆く悲観者も、破綻など起きるものかとなだめる楽観者も、ともに借金を返す前提で話をします。返済してがんばって零円に戻して、さらに努力して黒字に持って行くつもり。そんな奇行を考える国は地球上にないのに。

「日本の海外借金」はウソで、「政府の国内借入」です。政府プライマリーバランス(基礎的財政収支)で、日銀と他金融が出資した国債で生じる貸方円建て残高であり、日本政府が日本国民に借金している額です。赤ちゃん以上が政府に800万円以上貸しています。「国に」ではなく「政府に」。

政府借入金は明治時代から何万倍にも増え、やがて1京円、いずれ100垓円(今の1000万倍)になっても正常です。経済学者は財政立て直しは虚偽と知る上で、「日本は借金で破綻する」のポジショントーク中。識者が自己実現のために国民をあざむくのは、芸術分野より経済分野がひどい。
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|10-09|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
昔、雑誌だったかの悩み相談コーナーに、好きで絵をかいている素人からの質問が出ていました。美術をある程度心得た知人に自信作を見せると、「絵の才能がないから向いていない」と言われて。それ以来は落ち込んでいるという相談でした。

ネット時代にも同種の相談が見られます。対するアドバイスは、「絵は才能ではない」「努力すればうまくなるし」「いや天才は常人の手が届くものではない」など、ありがちな定型回答が集まります。

実は質問者も回答者も、大きい間違いをやっています。時代の差異も国の差異も、条件に抜けている失敗です。ここの活動でも、ドイツで売れて躍進しているタイプは、日本に戻ると意外に散々だったりします。国内では閉め出されたも同然で、海外で毎度売れる亡命状態というか。

日本で日本人に絵を見せたとして、独創性と毒性があるほど「わからん」「才能ゼロ」「対価に見合わず」の反応が返り、実際に売れないわけです。その傾向ならドイツで完売もするし、市場もはるかに大きい。相談者も回答者も、国内の常識感覚で芸術の真実を追究するのは無理な話です。

こちらに届いた作品見本は、「ここがこうならベター」「こうすれば浸透力が違う」と瞬時に判断されます。その視点は国際市場向けであり、芸術性を高めると買い手が現れやすい前提です。この真っ直ぐさを求めて、日本から海外へ出て行く美術家が多いのです。国内に見切りをつけて。

質問も回答も、絵のうまいへたをデッサン技術で語る点が18世紀的です。その常識をカメラが崩したのが19世紀でした。ネット議論では、新興絵画への苦手雰囲気がただよい、現代アートは遠い机上で語る感じ。要は、絵の才能は20世紀に大変化したのに、国内の議論は18世紀の感覚のまま。
|09-23|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
美術大国のアメリカや中国よりも、日本の現代美術の市場規模は100分の1のオーダーだと言われます。以下のイギリス、フランス、ドイツよりも、はるか小さい金額です。古美術を別にした現代美術で差が目立ちます。

日本で絵や彫刻があまり売れず、美術市場が小さい理由は、前からネット掲示板などにもありました。「美術界は国民に美術の資産価値を伝えていない」「国民は美術を買う意味がつかめない」「どの作品に価値があるかがわからない」「国民は作品を信用できないから買わない」。

この分析の何が間違いかは、日本の感覚だとわかりにくいでしょう。日本国内では美術の価値は上から下へ、大本営発表を国民に降ろす慣習だからです。この慣習の末が、現代美術が売れない現状です。

ドイツの市民は作品個々の資産価値を知った上で、資金運用で絵や彫刻を買うのではありません。彼ら彼女らは作品を見て楽しみ、時に驚き、知人と話題にして、いやされたり奮起するなど、自分の変化が目的です。それが集まっての大きい市場です。

美術が売れないのは、作品がわからない人が多いからです。芸術が苦手なら、大本営発表を頼るのも当然かも。それに美術界が応じる間は、問題は先送り。いつまでも国民が自分の目を持たず、作品を見て楽しみ、時に驚き、知人と話題にできる日が来ない日本の現状です。

上が下に伝える値打ち情報で市場を回すなら、新人の新作を買う空気はなくなる理屈です。他の国は思想を込めたエンタメで美術を考えているのに、日本だけが値上がり益で資産形成する目的で、投機商材とみる常識がオピニオンリーダーにも広がっている問題があります。
|09-08|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
大相撲あたりから始まって、レスリング、アメフト、ボクシング、居合道など、競技団体の協会や連盟などで、組織上層部の事件がニュース続きです。また出た、次はこれ次はこれと、目新しい感じで走馬燈のように。次は体操競技だという。

体操での話題のキーは、選手の引き抜きです。選手がどこでトレーニングするか、所属する団体などを移る時に出てくる権力行使です。これが体操競技で問題になり、すでにメダルをとって引退している選手が何人か、引き抜き批判を述べています。工作意見が出てきて裏が発覚しました。

体操で問題にされるのは、よその監督やコーチが苦心して有力に育てた選手を、オリンピックでメダルをとれそうになるとヘッドハントでさらう、その行為への批判です。選手が強く立派になったのを見計らって巻き上げる、いかにも不道徳な立ち回りを、先輩メダリストたちも批判しています。

野球やサッカーには、金銭トレードや移籍金があり、選手の実力に合わせて価格をはじき出して、得する側が払います。移籍金は選手の報酬額ではなく、チームからチームへ払う調整金です。

「引き抜きは自由だ」「抜かれた側が無能だ」と関係者はネット投稿していますが、野球やサッカーでは自由でなく、公正な取り引きがあります。だからパ・リーグ投手を巨人軍が次々巻き上げた頃は、パ・リーグは活動資金を得る恩恵を受け、選手を育成しても無駄にならなかった。

芽から育てる苦労は他人にやらせ、開花前に奪い去る問題は、芸能界にもありました。たとえば、売れ出したタレントがプロダクションを捨てて家内運営を始めると、不義と恩知らずを理由に業界追放する慣例があります。画廊の取り扱い画家も、昔はこの問題がありました。
|09-03|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
かつて著書でアートフェアを説明した時、日本のアートフェアも一応チェックしました。あれから時間がたったので、最近の様子も調べました。参加した人のブログの中には、「日本版アートフェアはもう全然だめ」「やめちまえ」の声がいくつもあります。むろん、やめずに改良を続けるべきでしょう。

ドイツでは全品が現代アートなのに対して、日本では古美術商や骨董市が加わります。日本国民が新美術への関心が低いから、古美術で補う必要があるという隠せない事情が、いきなり雰囲気をレトロにしています。音楽祭でいえば、常に昭和歌謡の支えを要する感じか。

そして公募コンテストの感覚もついて回ります。そのひとつが、目玉の有名アーティストに関心が集中する現象です。有名どころが来場するから見たい、大物に触れて感動したい、感動の輪を広げてきずなをつくり、みんなとつながりたい・・・

若い無名の画家や彫刻家や造形作家に対して、「あとはみんなゴミだろ」の声が集まったりして。日本の現代アートが、人々の目にどう映っているかの象徴といえそうな。そもそも有名人が出品しない理由は、買う空気が乏しい懸念と、若い無名と並べば内容負けする懸念なのです。

日本の美術は特殊化しており、「現代アートは嫌いだけど、たまに見るのもよいと思って見学します」となりやすい。そんな日本に対して、ドイツ国内のアートフェアは、美術の一般化の上に築かれています。市民が現代美術を楽しみ、期待している社会背景があります。この起点の差が大きい。

ドイツ市民は買い物目的で来て、自分にとっての傑作を探します。美術界の評価を頼らず、片隅の埋もれた絵も掘り出して見ていく。だから出品者も内容づくりに力を入れます。幅広く買い手が存在する前提だから、画家が派手なパフォーマンスで出し抜こうと焦らないのがドイツ。騒動を演じなくても、ちゃんと見てもらえるから。
|08-28|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
ロシアはサマータイムを2011年に廃止しましたが、EU国は今も続けています。サマータイムがなぜヨーロッパに多いかは緯度が高いからで、高緯度ほど夏の昼間が長いから、早朝から夜暗くなるまで働けば、労働時間がうまく収まるという農業国の知恵でした。

ドイツの首都ベルリン市も、日本の北海道の札幌市よりもっと北の稚内市より、さらに高緯度です。だから家庭にクーラーがいらず。自国ではあまり使わないドイツ車のクーラーは、オール日本製だったりしました。

イギリスも日本の真横あたりにあると思えて、ずいぶん北寄りです。日本の東北や北海道は南欧のスペインの緯度にあり、東京はヨーロッパではなくアフリカ大陸と重なります。低緯度の日本にサマータイムのメリットは原理上なく、せいぜい欧米並みを目指すあこがれ程度か。

近年の欧米では、夏時間は人体に有害で事故やショック死が増えると医者が指摘しています。特に夜型人間にダメージがあると推測できます。そういえば最近の研究では、人の体質は朝型と夜型に生まれつき分かれているそうです。

しかし体質への配慮は日本になく、朝が弱い夜型人間は非難されました。朝起きられないのはだらしがなくて勤勉でないとか、夜ふかしは深夜番組やゲーム依存症だとか、悪い評価がついたものです。ぐうたらをバンカラにみせにくい女児には、しんどい時代が長かったかも。

サマータイム導入の電子システム変更で収益悪化するから、財界は抵抗しています。しかし実質賃金が下がるので、少し前は賛成でした。今も望んでいるのは一人の元議員のみで、周囲はその恩に忖度しつつも本気では検討せず、時間切れでポシャらせる芝居にみえます。
|08-25|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
前年の天気予報サイトにはなかった「厳重警戒」マークが、この夏はよく出ます。さらに上の「危険」マークも出て、熱中症の死亡ニュースも続く毎日。7月8日が最後の雨で、この先も晴れマーク予報が並んで、しかも盆地以外は夕立ちもなく。

記録的な高温を地球温暖化ガスで説明する報道は、さすがに減りました。二酸化炭素を減らした結果の気温上昇だし、涼しい夏だった昨年との違いも説明できないし。直前の冬が並はずれて寒波続きだった記憶もあろうし、陽光と宇宙線のはたらきの知識や、ヒートアイランド現象の知識も、報道局に広まったことも大きいでしょう。

グーグルマップで過去を知る地を確かめると、前はあった林も池も山も消えて、宅地になっています。当時の日本は人口増で、土と水と緑をコンクリートや瓦など石質に替えると、年々暑くなる理屈で、これがヒートアイランド現象。むろん気象変動の最大の要因は、太陽活動の変動ですが。

しかも裏話もあるようで。日本の最高気温は長年、山形県の40.8度だったそう。原因は盆地のフェーン現象。が、別の地でついに新記録が出ました。しばらくしてトリックが指摘され、現代の百葉箱たるアメダスの敷地を、アスファルト舗装で囲むようにして生じた高温でした。

なぜそんな場所に変えたかは、気温の記録を上げるためだそうで。地表を覆う材質によって日光の反射率と保持率が変わり、気温が大きく上下する土木技術を利用して、「日本一暑い町」の称号をゲットする町おこしが目的だったらしく。各地が日本一の座を狙って競争していたそうで。

近年意外なのは、国民が緑化を求めない点です。植樹で街を涼しくする話が出ないのは、新築マンション全室にエアコンがあるからか。激しい気候が景気につながる期待など、熱波願望もあります。安価な対策は、一日に飲む水の量を倍に増やせば死なないあたりでしょう。
|07-21|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
日本は好景気だとの声は意図的なデマで、不景気の最中です。その証拠は、残業代カットが国会のせめぎ合いだから。実際が好景気なら、残業代を上げる案のラッシュです。もうひとつ、仮に好景気なら増税ではなく増収が耳タコなはず。現実は逆で、GDP拡大で増収した歓喜を聞かない。

たとえばこういう違いがあります。好景気なら人々が「お金を残したら負け」と本気で感じて、使うのにやっき。今は「お金を使ったら負け」と本気で感じて、節約にやっき。土用のウナギも食べずに。この冷えた心を、日本語で不景気と呼びます。景気は心理だから。

大正昭和のことわざ「景気は気のもの」はその意味です。サイフのひもがゆるい時が好景気、固い時が不景気。好景気デマを流す目的は、持ち株会社や資産運用企業など資本主義の上層への中央からの忖度です。貧困時代と呼ばずに、宴会離れやゴルフ離れや旅行離れと呼び変え、思想変化で説明するのが忖度のわかりやすい例か。

人は景気が良いとポジティブ思考、景気が悪いとネガティブ思考になります。貧すれば鈍する。後者の典型が日本は終わった説。しかして美術のように率直表現する分野は、ネガティブ思考にこそ基盤があります。楽天的なアートは、緊張が切れて見ごたえがないから。

ドイツで求められるアート表現の内容面で、社会性や社会問題の語が出てきます。写真分野でよく聞いたのですが、この概念は日本人は苦手です。なぜなら日本美術の基盤は花鳥風月で、作品に社会性を込める感覚から遠いから。ソーシャルをどう料理すべきかわからない。

日本は1995年あたりから格差社会の乱世へ踏み出し、国際発言力も低下して、花鳥風月で楽しくやる空気は落ちています。三番ではだめで二番に上がりたい、その気概を美術に込めたいと思い、そういう目で国内作品を見たりもします。
|07-18|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
先日の台風に続いた梅雨末期の豪雨で、瀬戸内海の北に面した県で想像しがたい水害が起きました。岡山、広島、山口など。過去の東南アジア国を連想させる水びたしとなり、日本は大丈夫かと感じた国民も多そうで。

実家をやられた芸能タレントが言うには、住宅の床上浸水どころか床下でも、後で住めないほどだそうで。清水でなく泥水は当然として、トイレの下水も容赦なく混じるから。下水を閉じ込めるインフラも検討すべきと、今回ささやかれたほどです。

土砂崩れは、山沿いの宅地開発と関係します。かつてテレビで公開された「水害の履歴を地名につけた」昔の知恵を、「平成の市町村合併」で自由に地名変更して消し去る流行が、前から危険視されたものでした。

一方の河川の氾濫は、平成大不況が関係します。直前のバブル時代には全国各地で河川の大工事ブームがあり、完成後は異様に高いコンクリート護岸の底に水がちょろちょろ。数十年に一度の豪雨を計算に入れたスペックでした。バブルで大金投じたそれら改良河川は、今回は氾濫せず。

ところが平成大不況の事業仕分けで経費削減ブームに転じ、残りの工事は中止されました。東日本大震災でも言われた話。コンクリートから人へと転換し、災害に弱い途上国状態で時間が止まったかたちです。土建立国と言われるうちが華だった、日本のローカル事情です。

五月に、リーディング・ミュージアム(先進美術館)なる政府案が出ました。各美術館の収蔵品を市場で売り、運営費に当てる不景気対策です。当事者の学芸員たちは反論し損ね、国民が懲罰的に国に賛同する懸念があります。政府の都合に対しキュレーターの都合をぶつけた対立を、芸術文化育成の都合でまとめて倒す出版原稿を考えています。
|07-14|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
ポーランドはどんな国かの今どきの説明で、ラジオ番組では歌手バーシアの曲を流しました。イギリスの音楽グループ、マット・ビアンコの初期メンバーで、ダニー・ホワイト作曲のブラジリアン・ユーロポップス。

そのポーランド代表との試合で、日本はやってくれました。試合を壊す奥の手です。あの時の日本代表は、イラク代表と最終予選を戦っていました。落選確定のイラクに日本が勝てば、1994年のアメリカ大会に参加できる。終盤に日本はイラクを勝ち越す一点を追加。

日本選手にまだ教えていないことがあったと、監督は後に告白しました。それは試合を壊す方法でした。攻撃すれば、反撃される確率も上がる。残り時間を放置すれば夢のアメリカ大会に行けるから、フィールド内を皆でぶらぶらしていればよかった。遅延行為ととられない範囲で。

ところが日本は攻撃を続けます。アディショナルタイムにそのボールをイラクに奪われ、相手のコーナーキックで点を入れられ引き分けに。アメリカ大会に落選します。ワールドカップの初デビューをかけて、最後の最後の何秒かで大転落。渋谷で応援していた男は涙ぼろぼろ、女はわあわあ号泣。この「ドーハの悲劇」を連想しました。

今回は、負け側がボール回しで試合を破壊。法外な入場料の客もいたはずで、日本代表へのブーイングがスタジアムに響く。現場にいた日本側は落選確定のポーランドが明らかに強いと身にしみ、同時にコロンビアがセネガルより強いと状況把握。博打に出てグループリーグ突破に成功。

入社試験の論文に出てきそうな、究極の選択に思えます。逆をやっていたら、道徳の教科書にのりそうなものですが。前監督への奇襲解任に賛同を得るための結果論が必要な国内事情もあり、攻める博打は選べなかったと想像できます。国の名誉を保つ難しさを感じる一幕でした。
|06-29|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
サッカーワールドカップ2018ロシア大会で、日本代表チームが国内ファンから祝福されずに出国しました。世界でも珍しい直前の権力側クーデターで、セルビア(旧ユーゴスラビア)人監督を電撃的排除。彼が予定する能力主義的な選手の登用を、連盟が阻止した反動といえます。

セルビア人監督はワールドカップ16位の監督実績で、世界の技術的潮流かつ日本選手が苦手な高速縦反撃を重視し、従来の広域パス回しを卒業させようとしました。この現代化で直面する一対一で負けない動きに対応できたのは、主に若いニューフェイスでした。新個性の萌芽。

そのニューフェイスたちは、過去に日本が勝っていないオーストラリアにも初勝利した手柄で、日本はアジア地区予選を一位通過し出場権獲得。が、新世代だから過去の実績がなく、強い支援者の縁故もない。美術にたとえれば、新進の前衛的な作品たちです。

テレビや新聞のCMは、名が知られる年長のビッグ3やビッグ4で制作済みとされ、ニューフェイスたちとポジションが競合します。そこで知名度の方を重視し、指名権を持つ監督もろとも片づけたのではと、もう雑誌にも書かれています。能力主義の野球やスケート、卓球のようにはいかず。

名のある先輩選手が、名のない後輩選手の手柄を召し上げ舞台に出る。しかもチームに新技を加えたのはセルビア人監督で、仮に準優勝すれば彼の功が大きいわけで、続けていたら優勝できた理屈。勝てても正義は対オーストラリア時の体制にあり、新監督は時間不足で役も小さい。

美術よりスポーツの方が、能力尺度が明瞭なのは確かなはず。しかし新しい才能が削られ、本番でよくみる新人成長劇も封じられ、4年前のブラジル態勢に戻したも同然。年輩選手の過去を高く買った再起用に、コアなファンほど「何だかなー」と気持ちの整理がつかない状態です。
|06-03|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
長期の募集展示が終了し、作品が戻りました。連休前半を仕分けと梱包に当て大忙しでしたが、送り出した頃からの大きい変化は国内の配送です。2010年開始の宅配「はこBOON」が、四月に経営断念したのです。

それはネットで会員登録してセルフ申請し、荷物のサイズや重さもセルフ計測します。140サイズで3キログラム程度の板状など、軽くてかさばる荷物に好都合な格安料金で、作品搬出コストが低くできました。

昨年の大手通販と大手宅配の値上げ騒ぎで、空きトラックに便乗していた「はこBOON」は夏に休止して価格見直しに入り、結局廃止の通知が来ました。条件が似た古着など、オークション関係者も困っているみたいで。

日本は今、様々なものが生まれる時代ではなく、消える時代だと感じます。全ての原因はむろんデフレ経済で、あれが終わったこれが消えたのニュースが続きます。最近の話題で大工さんがリフォーム以外で激減し、在来工法や和室やたたみ文化も終わると言われています。

ロストテクノロジーはピラミッドやアポロ宇宙船を出すまでもなく、たとえばレジスターの歯車を作れる人も消えています。「ジャー、ガチャン、チーン」という店のレジ。歯車はなくても、人々の購買力と購買意欲が持ち直せば、代わりの新しい何かが次々生まれるはずですが。

そう考えると、廉価な宅配が消えて高額なボールペン伝票に戻ったのは、デフレからインフレへの転換なのか。スタグフレーションと呼ぶ、物価が上がり景気は低い現象だとも指摘されます。値上げラッシュの次に何が起きるかは重大な関心事です。
|05-02|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
派出所で上司を撃った事件と、サッカー日本代表の監督解任騒動。次の感覚があったのかも知れません。「考えが同じ人としかつきあえない」「意見が一致しないと全然だめ」「親しい人以外との仕事はごめんだ」。

よくある完全同化主義。そして現実には意見が合う人が固まると、摩擦と刺激が薄れて価値観や思想も片寄るでしょう。長期の発展性がない。俗に言う組織の論理とくれば、今は大相撲や女子レスリングも連想しそうな。

国会でもお友だちの輪の追及が続きます。議員の盟友は結論ありきで計画が採用され、知らない人の優れ計画は排除される。盟友に税金を流し、関係議員へ政治献金で還流させるなど、途上国に多いパターンかも。

いわゆるお友だちの輪は、美術アーティストにも生じます。アーティストの多くは、実力主義で世に出たいと考え、匿名で作品を出してみたりします。ところが音楽と違い美術はわからない人が多いので、支持の範囲は限られます。

知らない人の優れ作品は排除されたりもあるし、身近な人の輪に頼ることも多くなり。美術通販サイトも、作者の身内買いを前提にしているほどで。日本の程度問題はあるとしても、世界的に能力主義からずれやすく、縁故に依存しやすいアートです。

そんなアートでは、敵と味方を利用し合う関係を使わないと、分断と孤立に向かいやすい。作風なんてものは互いのギャップが価値でもあり、完全同化とは逆の世界です。では価値観の相違がある前提で、何を共通の価値に置けばよいのか。それはもちろん芸術性です。
|04-16|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
サッカー日本代表の旧ユーゴスラビア人(現フランス国籍)監督を、ワールドカップ第一試合まで70日残して解任するニュースが騒ぎになりました。本人はこれで二度目の途中解任らしく、第三試合の相手国ポーランドは当惑し、それは同グループの監督たちも同様でしょう。

この解任に疑問が出たのはタイミングの悪さと、アジア予選で日本が組を一位で通過した実績。それより、ワールドカップは前評判と異なる結果が多いという。ジダンがヒーローとなった1998フランス大会で、フランスチームは予選で散々に言われました。なのに優勝。プロの勝負師たち。

2002日韓大会で優勝したブラジルも、年配者がこんなひどい我がチームは見たことがないと嘆いていて。逆に2014ブラジル大会では、絶好調な優勝候補ブラジルはドイツに大敗し、三位決定戦もオランダに敗退。

今の日本代表も前評判が悪くて善戦するかと、縁起の予測もありました。親善試合は自由なテストなのだし、パスサッカーを離れた監督が、わざと混迷させた説もあるほどで。戦術を敵に読まれなくする迷走演出に、味方の上司やスポンサー企業が引っかかって動転したとか。

メキシコ人監督の八百長疑惑で差し替えた監督なので、だめ元で最後まで見届けて、効用を検証して教材にするのがよかったはず。これでは結果がどう出ても、誰の功罪か神のみぞ知る。成果を毎度総括せずに国際試合を使い捨てる感があり、協会にビジョンがない説がまた出るでしょう。

強豪は、最悪を受け止める強さもあるのだろうと。これは少しだけ、美術の出品でも感じています。しんぼう強く負ける過程があってこそ、作品が本物に育つ法則です。不安を感じたのでリセットして避けた式のネガティヴ思考は、年月かけて何かを築くにはマイナスでしょう。敗因を隠すのも損。
|04-09|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
クレーンゲームはマニピュレーターを操作し、中の景品をつかみ取ったり、引っかけて落とすマシン。ゲームセンター側が不正に設定した詐欺事件として、大阪府警がいっせい摘発した珍しいニュースです。日本語が不自由な外国人旅行者もカモにしていたらしく。

外国人がクレーンゲームを、日本のサブカル文化として紹介した動画がありました。ところが国内ネットには何年も前から、ぼったくりだの詐欺だのと報告が多くあります。客の撮影では、景品をアームでつかむタイプは握力をひどく弱く調整し、景品が自重で滑って持ち上がらない手口が大半。

器具を落下させ穴に命中させるタイプは、客がやれば全て失敗し、店員は全て成功します。命中率ゼロと命中率一を切り換える電気的な隠しスイッチがあり、店員が押し分けて客をあざむく様子が動画にあります。

景品を吊すひもを切るタイプは、ハサミをあえて故障させてあり、景品を横へ押すタイプは、横へ押す動作を殺してあるという具合。景品にもおもりを入れて持ち上がらなくしていたり、針金や両面テープで固定し移動を食い止めてあったり。累計投入金額に達した直後のみ、機能障害が正常に戻り客が成功する「確率機」が主流だとは、元店員の証言。

アームの爪は大きく、穴も大きく、ハサミも大きく、この大ざっぱなデザインが詐欺の伏線です。難易度を上げて腕を試す方向ではなく、いかにも平易そうなデザインにした上で機能障害でプレーを妨害し、客から料金をだまし取るマシンに仕上がっています。なぜその方向へ進歩したのか。

現行のクレーンゲームの機能障害を正すと、平易すぎるデザインゆえ景品を取りまくる客が続出するでしょう。だから本来は、イカサマを排除してなお成功率が低くなる、日本の技術を活かしたデザインが必要だったのです。その方向へ行かないのは国内の空気なのか。似た例が他のジャンルにもないか気になります。美術作品にはないと思いつつ。
|12-24|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
日本には美術の一般市場がないから、現代アートフェスティバルは市街地で開催されず田舎へ向かう。市民社会と切り離された、オタク文化の内輪で珍世界の存在意義を保つ。この現代アートの冷遇構造をつくった犯人は誰でしょうか。

たぶん単にニワトリとタマゴと思われ、いざ売らんとした時のウリの少なさが新しい原因でしょう。作者は最初から出し物と考え、売り物と考えないから、作品にウリがない。実際「過去にドイツで売れた作品はこれこれです」とサイトを示すと、一定数の参加辞退があります。ハードルを感じるらしく。

自分の思いで作るには慣れていても、売るには慣れていないと考えられます。それも当然で、日本の公募展覧会は販売禁止のコンテストが大半なのも大きいでしょう。お客が見るだけに制限されているから、作者も見せるだけの想定で考え、他人が買わない範囲で作る。

「我が家に飾るため、無名の作品を買いに来ました」というお客は、ドイツには多く日本には少ない現状です。作品と鑑賞者のこの関係が、独日アートの隠れた大差です。買って友人に自慢したくなるおもしろい絵画が、日本にはできにくい構造でしょう。

見て終わる前提のお客には何だって通用しても、買う前提のお客だとボーダーラインは上がるでしょう。展覧会イコール売買マーケットのドイツでは、作品がウリの華を持っていて当たり前なのでしょう。市販音楽CDの曲づくりと同じで。

売れる作品を商業主義とみなし、芸術の神への冒涜とみる通念が日本にあります。ゴッホやモディリアニなど、売れずの画家が尊ばれるのも、原因であり結果でもあり。たぶんその空気のせいで、買う気を刺激しない作品が主流。美の常識への挑戦や、既成の概念超えが目的ではない、普通に心温まる作品さえがウリを欠いてお客とすれ違って。
|12-05|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
日本で自慢だった原子力発電所は、地殻変動の津波で壊れました。かぶった海水で、海辺に置いてあったディーゼル冷却装置が破損し、原子炉は温度上昇で水蒸気爆発しメルトダウンへ。原発の地位は失墜し国際競争から離脱。発電所の関係者が不可抗力の無実を訴えたものだから、ならば今後また起きるから全部なくそうという世論に。今ココ。

しかし日本の失敗とは関係なく、フランスや中国など各国は原発をいっそう増強中です。そもそも原発という悪魔的エネルギー交換装置を人類が頼る最大の根拠は、種の生存です。昔から言われてきた氷河期の地球寒冷化で、暖をとれないと人類は絶滅が確定。

次に逆に地球温暖化への対処を要し、太陽の残り寿命の50億年よりもはるかに早期に、赤色巨星化する過程で核融合は活発化し、地球上の生物の死滅は確定。座して死する前に、人類は火星か土星の衛星へ逃げ延びるほかありません。月の空洞へ逃げたのでは、近すぎてやけどする。

大気が酸素ではない移住先で、電力づくりは酸素で燃やす石油や石炭ではなく原子力に依存する道理です。ただしこれらの長期スパン以外にも、近未来の需要が新たに出てきました。電気自動車です。

車から燃料タンクが消え、スタンドで売らなくなったガソリンと軽油を、発電所に集めて充電用の電力をつくることになります。が、化石燃料は国際政情で供給が不安定だから、地震が少ない国は原子力を主に使うでしょう。

悪いタイミングで原発事故が起きた日本は、世界貢献と商機に近いポジションから離脱中。自滅中。だからか国内に出回るプロパガンダでは、電気自動車の時代は今後百年来ない予想になっています。電気自動車の時代が来る日を遅らせたい願いは、内部にも外部にも山とある現状です。
|11-20|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
モンゴル出身の横綱が他部屋の力士を叩いた凶器は、ビールびんかゲンコツかで、しばらくマスコミがゆれています。最近マスコミのフェイクニュースがひどいと言われます。マスコミ自身は指摘せず、指摘するのはインターネットのWEBサイトですが。

そのWEBサイトで、新聞社サイト以上にアクセス数が多いのが、トレンドブログと呼ばれるニュースまとめサイトです。そのトレンドブログが、最近の事件に関連して被害を出しました。東名高速道路の夫婦死亡事件です。

その容疑者の関係先として、ある会社をトレンドブログが詳しく報告した。すると国民が電話で糾弾し始めました。「倒産させてやる」「殺してやる」などという脅迫が続々とその会社に。市民たちの手で悪人たちを世の中から退治し、抹殺する正義の鉄槌がついに爆発。

よくあるように、関係ない別人の会社でした。騒ぎに大喜びしたのは、トレンドブログの関係者。ガセネタで読者を山のように釣って、アクセス数を飛躍的に伸ばして得た広告料で、一億円以上の年収を獲得。大成功。

この問題で学者たちは憂慮しました。「これではインターネットは信用されなくなる」「アクセスが多いからと、検索ソフトがフェイクニュースを優良扱いしてよいのか」「良質な情報が下位に落とされ、読まれなくなってしまう」と。こうした意見は、異論なのか、ぶれなのか。

良貨を駆逐した悪貨を良貨と呼ぶ、勝ち負け社会に変えたはず。「富を最高の価値とする」「富む者の情報を最高の価値とする」。これらは新自由主義の諒解だったのに?。支持の多さが正義となる単純化した世界秩序へ、日本を変えた後で忘れるのがチト早すぎ。
|11-17|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
日本の衆議院選挙は、何が目的かの論争から始まりました。この28年の流れでは、東京を火の海にする予告に対応する足場固めが8割で、お友だち優遇政策糾弾に煙幕を張る副次目的が1割というところでしょう。

昔2発落ちた核の3発めが、新たに日本の何県何市に落ちて何人死ぬかを予想した書籍が売れゆきを伸ばす中、遠いEUの悩みのひとつはスペインの内部分裂です。芸術関連でよく聞くカタルーニャ地方が独立し、スペインを去る住民投票が終わったところ。まるで日本からの愛知県の脱退。

スペインに限らず世界のいくつもの国は、旧ユーゴスラビアと似て別文化圏をつなげた構造だという。それを接着する安定経済も、EUへ加入して国内の自治権をなくしたせいで不景気続き。昼食時間が長いエンジョイ型のスペインは、勤勉なドイツに食われ再起不能らしく。金の切れ目。

カタルーニャ州はスペイン最東部でフランスと接し、バルセロナ市を含む地中海に面した地理。独立後にEUに単独加入する希望があるらしく、するとまた自治権をEU本部に召し上げられ再び失墜が予想されます。

EU国の内紛は、ナショナリズムとグローバリズムの対立が原因です。前者は自国ファーストで、国家単位の安定で世界が安定する価値観。後者は株主ファーストで、国家を壊して人・物・金の移動を自由化すれば、利益が極大化する価値観。カネをめぐる階級闘争なので、フランス革命の現代版であり、焦点は人道や人種ではなく富の配分です。

EU国でグローバリズム反対派が伸びたのに、日本の衆議院選挙にナショナリズム政党はありません。これは、日本で野党がかみ合わず空回りする理由と同じでしょう。ところで日本には美術という与党に対し、現代美術という野党があり、かみ合わないというより互いに無視しています。
|10-12|ニッポン事情スケッチ||TOP↑
東京23区の私大で定員増を許可しないとの、有識者の提言がありました。全国から若者を召し上げる人材吸収を防ぎ、地方創生につなぐ提言に思えます。23区内の私立大学と短大は、収入増ができず困ることでしょう。

この提言には保護主義批判以前に、因果の不合理があります。かつての流行語「抜本的な解決」に照らせば、結果の方を動かして原因を変更するという因果の逆転を犯しています。本来なら、原因をいじって結果を変えるのが正常思考で。順序があべこべ。

類例があります。最低賃金の上昇は好景気時の大盤振る舞いだから、景気が最悪な中で最低賃金を上げて好景気に至らせる発想は不合理です。この倒錯の古典が、アフリカ各地の現地人の行動「腹を壊した子には水を飲ませないように」でした。道理が逆で、子どもの脱水死が続出。

日本が東京一極集中を今も続けるのは、国民の総意です。スケールメリットで国際競争力を保つ決意で、意図した中央集権です。現に都内の再開発は目白押しで、方や地方は道州制に関心なし。自治体の首長の多くは、自立を否定し東京から税を受ける従来方式を希望しています。

皆がトーキョー圏の城下町になるのが、全国的な願望かも。どんな才人も名古屋や大阪にいては上がれない現実があり、多くの企業や有力事業所も、地方の時代が叫ばれるのに合わせて、東京に本拠地を移してきた過去があるのです。一例は地方街づくりの論客でもある、建築の安藤忠雄。関西を去ることで、国づくりにも関与できた。

その中で大学生のみ流入制限するのは、誰に見せたいお芝居なのか。国策は頭脳の流入大歓迎だから、私大に限らず誰も従う気にならないはず。東京キー曲のテレビに出る者だけが日本を代表し、他は無名の存在でよしとする割り切りは、ネット時代にも肯定されているのだから。
|10-03|ニッポン事情スケッチ||TOP↑

日本現代美術をドイツへ

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