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2019/02/01

2019年の世界の動きと日本のデフレ不況の継続情況

おかげ様でジャパン・フェスティバル・ベルリン2019が無事終了し、日本の空気に戻りました。次の一年がみえない理由は、2019年秋の消費税増税です。誰もが経済が悪化すると予測しておびえています。死刑執行を待つ心理がこんな感じ?。

財界のみならず、日本国政府までが増税で起きるさらなる不況を予測し、経済低下を小さくする策を打ち出しました。軽減税率や電子マネー割引もそうで、ルールを穴だらけにした例外規定は、後年に既得権となり国の首が締まる悪政でしょう。

税率を上げても税収は増えないという、消費者心理の法則があります。ラーメンが一杯380円で、店の収入が800万円だとします。一杯760円に値上げすれば、収入は1600万円に倍増するのか。逆に、700万円にでも下がる可能性の方が高い。

税率5パーを10パーに上げると、パイ全体となるGDPが横ばいを保ってさえ、庶民の購買力は952分の909に落ちる理屈です。だから本来消費税は、景気が良すぎる時に物価高騰を食い止める目的の税金だったわけです。誤用が続くと、シャープやパイオニアのように外資に買われる企業が増え続けるだけ。日本の解体。

ネット配信番組も、政府が悪手を指す動機が読めずにいます。ささやかれるひとつの動機は、官僚の人事評価基準が、「税額」ではなく「税率」だからというもの。800万円から700万円に落ち込んでも叱られず、380円を760円に上げたらボーナスが出る、省内での出世レース説です。

今回のジャパン・フェスティバル・ベルリン参加で、日本側では「出品したいけれどお金がつくれない」の声が続出しました。一方、日本のバイト時給は780円などでも、ドイツでは最悪でも1300円と社会のデフレ度が違う。日本は貧乏。日本側の少ないお金の大半を現地へ送り、何とか実現した貴重な回でした。
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2018/06/12

アメリカのトランプ大統領とEU国の貿易対立

アメリカのトランプ大統領はG7で、自由貿易主義のEUに対し、保護貿易を主張しました。それは時代に逆行する暴挙だと、EU側のマスコミは大批判します。ただ、国の保護はそれほど罪なのか。神が許さぬ悪行か。自明の理で済ます者は、大丈夫かと思う時もあります。

市場完全自由化の正体は、誰を富ませ誰を退けるかの配分を設計した上で、キャッチフレーズ化した流行です。時間のスパンが長い流行で、芸術はデッサンなりと似た感じの、普遍性なき一時ルール。

文明国で行われている保護主義的な傾斜策のひとつに、クオータ制があります。多くの国で国会議員は地区に分割して選挙するから、能力が高い順とは違う。国会議員の三割は女性とする女性枠も、クオータ制です。ガチの完全能力主義を避けるのが、むしろ文明国の機微のようで。

国家間の経済ハンデもいたるところに現にあり、日本からドイツへ美術を送ると関税は19パーセントで、逆に日本へ送ると5パーセント。ドイツ経済は保護主義的です。

1990年代のアメリカ発グローバル経済は、アメリカの食料を勝たせるために自動車の首を差し出したと、日本には映りました。つまり国と国の争いではなく、どの職種が儲かるようにするかの闘争が、貿易問題の実体です。ドイツ対アメリカではなく、職種対職種の利益争奪戦。

トランプ大統領が複雑な人にみえるのは、「大事なのはわが国の利益」と正面切ったからで、「大事なのは永遠の正義」と構える人と意見が合いません。価値を固定的にとらえると間違う、美術の「良い作品」と似ています。受賞作品、売れる作品、歴史名作などが一致しないあれ。
2018/06/01

価格破壊と文化破壊と経済の芸術性

少子化のせいで不況になったという、よくあるフェイクニュース。適齢期の団塊ジュニアは人口が多めなのに、結婚しないから子どもが減った。物を買う人が減ったから消費が伸びない。結婚しない特殊な哲学が日本を傾けたという、この若者犯人説を信じる人は今も多いみたいで。

むろんその説明は虚偽で、因果関係は正反対でした。1970年代の日本は人口爆発が心配され、角栄の列島改造論もその前提でした。人口減に話がひっくり返った一因は、90年代に始まる長期デフレです。消費が伸びないから貧困化し、結婚不適格で子どもが減ったのです。

デフレ経済は、節約と価格破壊で起きます。緊縮財政、経費節減、ストップ無駄づかいで不景気になる。好景気は逆で、財政出動、経費拡大、浪費と空費。意味もなくアートを買い込むと、好景気の時間となる。

90年代のテレビ番組は、物価が下がるほど国民は幸せになると唱えました。城南電機のあの社長とか。しかし下がった結果は、途上国化。さらに痛かったのは、価格低下で品質低下が起きたことです。ファッション衣料が3980円から1980円に下がっても、客が得しなかったのはなぜか。

同一商品ではなく、粗悪品と交替したから。布地の伸縮性が乏しく、洗濯すると固くなり、糸が切れやすく、穴があくのが早い商品と交替。70年代の古着といっしょに洗濯しても、先に破れる。値段半分、寿命四分の一。

品質低下が新幹線やエアバッグやテレビ番組にも及ぶとは、番組スタッフも想像できませんでした。美術館も経費節減で、収蔵品が傷みだしたという。出費が小さいほど国が富むのだと、国民は正反対に理解しているから不況が続きます。無駄づかいで裕福になるとは、確かに芸術的な破天荒ロジックだから、わかるだけでも壁は高い。
2018/05/24

女性用シェアハウスが売れなかったのはなぜか

シェアハウス会社が倒れ、バックの融資銀行内で不法行為が常習化していた事件です。そもそもの問題は、「シェアハウスは新しい日本人の、新しい暮らし方です」と誰かが言ったデマが発端の事業です。

間違った前提で築かれた新文化が、早晩に転ぶ事例といえるかも。日本のシェアハウスはあこがれの生き方ではなく、貧しい生き方です。失われた26年を記録更新し続けているデフレ日本国で、住宅事情の貧困がシェアハウスの正体なのだから。シェアは不景気の合言葉。

格差社会で生じた低所得層が自宅の家賃を払えなくなり、路上生活に転落するピンチ。そこで、家賃を半額に下げる苦肉の策が、シェアハウスの原意です。割り勘住宅の意味。移民たちが同性異性を問わずよくやる、二人で一戸の住まい方です。

ところが若者の搾取に触れたくない論者も多く、現代若者のライフスタイル哲学が生まれたとつくり話を語る。そのデマを信じた小金持ちが銀行融資を得て、シェアハウスオーナーとなりユーザー不足。デマを信じておしゃれに豪華に高額に、貧困向けアパートを建てた論理矛盾が敗因です。

この道理のシェアハウスで、有名なのはゴッホとゴーギャンです。結末は、ゴッホはゴーギャンを刃物で殺害しようとして失敗し、自らの耳を切り届けようとしたあの事件でした。いさかいの背景は貧困で、二人とも絵がさっぱり売れないダメ画家だったせいでしょう。

ゴッホには他にもコロニー計画があり、これも何度出品しても誰も買わない芸術の宿命を前提として、自己救済も含めた苦肉の策でしょう。世界各国で現代アーティストたちが利用するシェアハウスも、昔からほとんど事情が変わっていないように思えます。
2018/04/20

日本の財務省のデマが報道でバッシングされていて

いわゆるモリカケ問題。官僚が議員の縁者に利益供与した複数の件が、国会で長引いています。マスコミが叩くのは議員より省庁のデマ、偽証、書類偽造と廃棄。この話題と美術の接点は、もちろん景気の動向です。

省庁の最大の罪は、知る人ぞ知る状態です。バブル後の1992年から続く不況を5年で終わらせず、さらに21年延長させた発端のあのデマが最大の罪でした。一説では、省内出世レースと関係が深いとか。

そのデマは「日本の借金は800兆円」というもの。後に1000兆円に増えた数字を、英米など外国からの借金と信じる日本人が今も多くいます。「日本は財政破綻し、ギリシャの次に倒れる」という危機感。美術を買っている場合ではないと、国民は節約を徹底しGDPは長く横ばいのままです。

世界最大の借金国は日本だとの、この情報を耳に入れた外国の格付け会社が反応しました。各国の財政の国際ランキングで、日本を低い評価にしたのです。外国の信用情報筋が、日本を財政悪化国と認めたかたち。

すると日本のある団体が怒り、格付け会社に抗議しました。「日本は世界一の債権国(出資国)で最大の黒字国なので、他国並みの低いランクはつけないでくれ」と。数字やグラフを用いて日本の豊かな財力を説きました。破綻から最も遠い国が日本だと、正しく評価したまえと。

その抗議した日本のある団体とは、「日本は世界最大の1000兆円の赤字国であり、ギリシャのように破綻が近い」と国民に告げた団体と、同一の団体です。財務省です。そのジキルとハイドぶりにマスコミが触れないのは、メカニズムが平易でなく咀嚼しきれないからでしょう。たとえるなら抽象美術みたいなもの。
2018/02/01

経済成長させたい気持ちがあれば経済成長する近未来

「日本はもう経済成長しないから、その前提で国づくりすべきと思います」。こう述べる人は、外国に目を向けると開眼するかも。人口減少や少子化が日本より激しい国々は、逆に経済成長(GDP上昇)しているから。投げない国は成長する。

日本だけがただ一人、経済成長しない26年。『サザエさん』の提供が、東芝から外資系のニッサンへ移ると報道。世界には日本を経済成長させない流れや誓いでもあるのかと、ネットでしばしば言われています。

論点のひとつが、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)です。日本政府が国債を出す時、配下の日本銀行から発行し、親が子から借金するかたちです。この借金はよそ(外国)からではなく、内内の貸し借りだから「国の」借金や赤字と呼ぶのは曲解だという。国民は貸す側。

それを国民の累積借金800兆円と呼んだパニックが、20世紀末の中央による例の議論でした。このメカニズムを語れるマスコミ人は日本にいなくて、海外からの異論にとどまっていたもの。政府PBの貸方に当たるこの自称赤字は、今は1000兆円を超えています。

この曲解に目を向ける日本人が今や増え、もっと素朴な疑問もあります。国債が増える不健全は、政府PBの貸方がGDPの2倍になるとメタボ状態だからとされます。それなら逆に、GDPの方が今の倍の1080兆に増えれば、PBの貸方が今の倍の2000兆にふくれてもメタボ度は同じ。ムダを減らすのではなく、ムダができるほど経済成長すれば早い。

日本の人口はドイツの1.53倍で、この程度に気づく者が日本に一人なわけはなく、アンチ成長派が政界にいる疑惑が出ています。今は投資カットで成長が止まっているだけ。GDPを減らせばムダも減ってくれる奇妙な思想が、今の日本です。経済成長は、中央の投資で故意に起こすものだから。
2017/11/26

ベーシック・インカムで日本の不況を終わらせる奥の手

現東京都知事がつくった新政党の公約に、「AIからBIへ」がありました。人工知能からベーシック・インカムへ。交替させる意味ではなく、同時に求める意味です。元大阪府知事もBIを唱えました。人の頭脳を電子頭脳に替えるAI革命が、ホワイトカラーを不要にする時代への対策です。

高給取りだった銀行員も、熟練幹部が頭を使う融資業務さえAIへの置き換えが確定しており、早晩仕事が消えます。現に大手都市銀行でも、全社員を25パーセント減らすと発表したばかり。非正規に替えないで。アメリカには「近い将来に消える百の職業」なんてニュースがありました。事務や営業や管理はもちろん、弁護士やファンドまでもが消滅候補です。

仕事が不足して国民が死んでいくので、全国民に月7万円などを支給し、残り少ない職場で働いたら上乗せする制度がベーシック・インカム。いくつかのヨーロッパ先進国は着手済み。急ぐ動機に、日本企業がデモするロボットの衝撃もあるでしょう。曲芸師や兵士も不要になりそうだから。世界から仕事が消える。

日本で全く議論されないのは資産家が国を仕切るせいと思われ、実際ネットの議論も自分に有利か不利かで意見が割れています。財源がないとか、働かない人が増える指摘は、働く場が消えて人材が不要になる深刻度への反論になっていません。自分大好きを唱えている感じ。

自動運転車が普及してからでは遅いだけでなく、電気自動車への移行も部品数が激減して大量解雇になって手遅れ。車の電化が遅れた日本はなおさら。影響を読めない理由で議論を遅らせようにも、今起きて身近に迫っている問題です。早く研究して失敗を重ねるトレーニングが必要でしょう。

ベーシック・インカムの利点に、老後の不安と蓄財が縮小し、お金を使う好転が言われます。趣味や教養への関心が増えるなら、美術には有利かも。ただし制度設計する人材がいない国では、輸入AIに指示をあおぐのかも。日本は世界一の高齢化社会だから、先輩として動くべき立場は変わらず。
2017/09/08

新聞テレビ対ネットはどちらがウソつきかの出版不況問題

日本に限らず、世界の報道各社がフェイクニュース競争に明け暮れているという。印象操作の工作も、内外ともめっきり増えました。しかもデマを、視聴者たちが比較的早く見破る時代です。ウソの浸透も、その否定も高速化。日本の妊娠米とか。速さの理由はインターネットだと言われます。

日本で多いフェイクニュースのひとつが、書店の消滅はネットが原因だという説。無料の電子情報に食われたから出版不況が起きたと。これがデマとわかる理由は、書店の倒産ラッシュは1998年だったからです。当時のIT雑誌をめくると、ネットが全然普及しない日本を嘆いています。ネットは関係ない話。

紙の本が全盛の時に、街の本屋さんはバタバタ倒れました。ネットの被害者ではなく、不況の被害者だったのです。最近台頭してきた「事の真相」系の報道にみる、「消費税5パーセントへのアップで日本はガクンと傾いた」説が、因果関係として時代の動きと合います。

何のことはない、1989年に3パーセントで始めた消費税を、1997年に5パーセントに上げて、その消費の冷え込みで書店が翌年に倒れたのです。国民は一日二食に減らす前に、本や雑誌の不買で節約に努めたのでした。年に50冊も雑誌を買ったのをゼロにした人も、当時みました。その雑誌はやがてどれも休刊し。実は同じ年に、街のCD店も急に消えました。

新聞社が新聞の値段に軽減税率を求めるのはなぜか。消費税アップでどれほど出版物が落ち込むかを、社内で痛感しているから法律を変えたいのでしょう。新聞社の幹部は人の心をよくわかっていて、あの時消えた書店の二の舞が、自社に起きるのを避けたいのです。本が売れない原因を正しく知る人たちの行動です。

新聞テレビ対ネットのどちらがウソつきかが世界で議論されますが、人が事実を述べても主観的な表現に必ずなります。別人が書けば違う内容になる。だから論説の多彩化を正常とするほかありません。絶対の正解はなく、最高のものも逆方向からみると最低なのは、やはり美術作品と同じ。
2017/07/25

日本が経済成長する前提を大前提としなければ

「日本はもう経済成長しないから、それに合わせた国づくりを考えるべきだ」と、ひんぱんに耳にした7年間でした。この言い方を、20代の若者なら許せません。言うのが70代の名士なら、若者も頭に来るはず。年輩は過去の経済成長で財を得て、余裕の笑顔で日本沈没にいいね!を押す。

そもそもこの25年間、アメリカもEU国もブリックス国も東南アジアも、経済成長しました。フランスもドイツもG20も。例外的に日本だけが一人、GDPの横ばいを続けたのが統計。相対的に国際ランクも急直下。これでよしと永遠の斜陽にゴーサインを出す年配者の影響で、国内空気はよどむばかりです。

国ぐるみ25年間も落ち続けたせいで、少子化にも拍車がかかりました。すると今度は、結婚しない特殊な奇妙な若者たちが現れたと言い出し、連中が日本を傾けた犯人だと話を向け始めたのです。

最近経済新聞が、さらに奇妙な論を情報発信しました。若者たちがシェアハウスに住み込んだ現状を指して、昭和末期の漫画『めぞん一刻』のほのぼのとした下宿を引き合いに出しました。人情とつながりを大事にする新たな暮らし方を若者が始めたと、時代変化を肯定するコラムでした。

そうじゃなくて、満足な家賃が払えない低所得ゆえのシェアハウスでしょう。6万円のマンションは手が届かず、3万円のシェアハウスへ若者たちの暮らしの質が落ちた。貧困で家のシェアを余儀なくされているだけ。路上生活の一歩手前。人とのきずなの台頭ではなく、要はビンボー。

退却を転進と言い替える戦中報道の伝統というか。デフレと搾取の肯定。支配者層の世論操作に、若者は勝たなければいけません。負けたら日本萎縮を止めるメンツがいない。仮に東南アジアの人がこの地に来ても、伸びずに縮む無気力ニッポンの空気になじめず、母国より夢がないと一年半で気づくでしょう。
2017/06/13

明治のカールと少年ジャンプ、ロングセラーが低迷するベクトル

節約とは物を買わないことなので、節約すると物が売れなくなります。節約イコール不景気。削減やコストカットを続けるとGDPの萎縮も続き、国力衰退と地位低下も続きます。節約で経済アップはない話なのに、あると信じる勘違いが日本病の原因と先述しました。しかし、ただの勘違いでもなく。

おやつは「カール」の製造工場を減らし、東日本での発売中止が発表されました。原因を識者が説明したのは、国民の味覚変化やとうもろこしの原価でした。しかしスポーツカーやゴルフクラブや本が売れない理由と同じで、原因は中下層の貧困です。おやつ代を節約して買い控えたから。要はビンボー。

長くサブカル界で人気ダントツ一位の『少年ジャンプ』も、部数が大きく減っています。これも同じで、読者が漫画誌に求める思想が時代変化したのではなく、貧困で買い控えたから。漫画はなくても死なないよと。アートと同じで見るだけ、立ち読みするだけで僕らは買わないよと。要はビンボー。

景気の悪さへ話を向かわせまいとした説明が、怪しい立場の存在をうかがわせる重要ポイントです。国民が一丸となって景気向上へ力を合わせているわけではなく、実は内部で綱引きが起きているのです。景気を上げるか下げるかの綱引き。

今の日本では、上層が国内経済を悪くしたい願望を持ち、下層が良くしたい願望を持っています。概して経済団体は前者。前者に主導権があるうちは不況は維持されます。記録的な好景気が今来ていると、政府が実態と逆のアナウンスを行い、国民が放心した状態が今です。

不況の雪解けのきざしは、2014年の年初でした。しかし、3カ月後の消費税上昇で消費はガク落ちして節約時代に戻り、冬の後の冬という状態です。今から3年後の東京五輪の前評判が暗いのも、節約五輪コンセプトが1998年頃の緊縮財政と同じ考え方だから。国力が落ちるベクトルだから暗い。
2017/06/07

仮想通貨ビットコインとアート作品の宣伝

ビットコインの大半を中国ユーザーが持つ理由は、人民元を円やドルに交換する制限と、国外へ持ち出す制限を、一挙にかいくぐる目的です。日本のショップは、そうした脱出資金での爆買いに応じる目的で、ビットコイン決済へと踏み切り始めています。

数百~二千種もある仮想通貨のひとつであるビットコインは、実は通貨でなく決済手段だとの指摘もあります。人民元に限らず日本からの円持ち出しも、外国為替法があり自由ではありません。空港からの現金も百万円以上は届け出制の上に、内部的な自主報告は十万円あたりから。

電子マネーもタックスヘイブン活用金融商品以外では、少額送付さえマイナンバーカードで顔写真を届け、月何万円までと上限もあります。日本とドイツの送金コストも、為替手続き部分にかかる二項目がかさみ変動もあって手がかかります。

しかも、年々不自由になっています。過去に海外送金できた銀行カードも、今はほぼ廃止。理由は欧米からの国際テロ対策要請で、日本からの資金移動は抑制され、アングラマネーとマネーロンダリング防止が優先しています。

ビットコインの全体像はいわば同人の集いですが、もし米欧日ユーザーがメインで使うと、送金手数料を主な収入源とする日本の銀行は、解散になるでしょう。それで銀行幹部は勉強会を開いて、ビットコインの代わりになる本命システムを計画する準備を始めています。

ビットコインもまた、欲しい人が多いほど資産価値が高まります。昔の貝殻やチューリップ球根と同じ投機商材。その点はアートも似ていますが、アートでは先行購入者が値上げ目的に購入呼びかけするのはまれでしょう。無名画家を買った者が世に広めて、資産価値を上げる発想があってもよいのに。
2017/03/29

日本の大企業が次々とつぶれていく悪い冗談

電器のサンヨーはすでになく、シャープは外国に買い取られ、東芝も倒れようとしています。これを時代の流れと感じる人は、過去の流れを知らない若い一群でしょう。なぜなら、「これからの時代は株主優先へと大きく変えることが、日本復活の唯一の選択肢」という、90年代後半から進めた国家変革の結果がこれだから。

労働者の所得を大きく落とす政策で、バブル後に傾いた企業が助かる約束だったのです。日本をデフレの格差社会に変えて、奴隷制と呼ばれる賃下げを行い、引き換えに企業コストが軽減して立ち直り、経済大国へと返り咲く筋書きでした。だから国民も長い年月がまんできた。

ところが、搾取された従業員だけでなく搾取した企業までが、今になって没落し始めて消滅してびっくり。時代の流れではなく、国の運営を間違ったのです。企業強化のために国民が貧乏に甘んじた98年からの19年に、企業も仲よく倒れる誰トク状態で、これは笑うところなのか泣くところなのか。

要するに19年間、日本国民はだまされました。上が下をだましたのではなく、上も下もだまされた。だましたのは、株主最優先を熱く唱えた投資家たちが疑わしい。しかも少数。それらグローバリストは帰属意識がなく、どの国がどうなっても関係なく金以外に無関心。文化が壊れても平気なタイプ。

おもしろいのはだまされた被害意識の薄さで、イギリスやアメリカやオランダの変化をレイシズムとしか思わない層の広さに表れています。金銭感覚でなく人種感覚で世界が動くとの奇妙な思考の日本人。案の定、90年代のテレビ議論も忘れ、時代の必然と勘違いして。いっぱい食わされた自覚が、この期に及んでも芽生えない日本。

東芝は電器だけでみれば、『サザエさん』のスポンサーで知られる東芝ランプやアイロン程度に思えますが、日立と並んで外国に「日本すごい」と言わせた巨大インフラを数々実現した頭脳集団システムです。そんなボロ企業はいらないと日本人が思っている心理が原因で、日本はよけいに不景気なのです。
2017/03/18

世界のマスコミが庶民から疑問視される時代の英米

新自由主義経済を基盤とするグローバリズム社会は、70年代イギリスのサッチャー首相が始めた説が有力です。アメリカの映画俳優出身、レーガン大統領のあの頃。その先端にあるEUからイギリスが降りるということは、世界にトレンドをもたらせる国は相変わらずイギリスということかも。

1パーセントの人が99パーセントから搾取するグローバリズムは、日本では宅配荷物の激増に表れています。激務で低賃金のトラック運転手が足りない問題ですが、要するに送料無料の通販店のみ繁盛して、引き換えに日本全国にシャッター通りが増えた現象です。99パーセントの貧困へ向かうニッポン。

マスコミのうち放送局は、電波周波数に限りがあるせいで自由参入に脅かされない既得権ゆえ、1パーセント側に属します。日本では放送局の株を他国政府も買える甘さがあり、他国政府やグローバル企業が放送局を仕切れる理屈なわけです。

その放送局から流す情報が偏向していると日本で言われて久しく、しかしそれを表の争点にしたのは、何と日本の大先輩たるアメリカでした。日本にグローバリズムを伝授し、江戸時代に確立した大和国の構造まで変えさせた張本人のアメリカが。

偏向情報で目立つのはグローバリズム礼賛と、反対勢力への批判です。要するに1パーセントを「理性的」、99パーセントを「感情的」と伝える言葉が、放送局からガンガン流れる毎日です。ナショナリズム政治家たちを「愚かなポピュリズム」と叩く。毎日毎日、耳タコなほど。

マスコミがレフェリー役でなくプレイヤー役で加勢するせいで、世界が不穏となりテロの下地ができてきた、あるある構図。それでは国がもたないと、一転して言い出したのが英米です。事態がのみ込めない日本を置いたまま、サッチャー首相以来片寄った文明国を是正するリーダー争いを、英米が始めた政局です。
2017/02/11

色々なことがみんな限界に来ている、原因を世界は直せるか

日本の人気タレントのマツコ・デラックスが、「みんな限界に来ているのだろう、色々なことが」などと言い話題になりました。これに対する大勢の意見で不思議なのは、「なぜこんな日本になったのだろうか?」と首をかしげる声の多さです。なぜって?、今そこが国際問題の焦点なのに?。

日本がギスギスしてタレントが嘆く原因と、イギリスがギスギスしてEUを脱出する原因と、アメリカがギスギスしてトランプ大統領が当選、ギリシャがギスギスして破たんし、ドイツがギスギスしてテロまで起きた原因はわかりきっています。新自由主義経済を基盤としたグローバリズムです。

ここでも何度か触れましたが、ベルリンの壁が消えてボーダーレス社会が進み、世界各国は激変しました。ソ連など東側国が組み直しになり、世界全体が資本主義になったも同然です。日本では1964年の東京五輪以降の流れで、一線を越えた自由主義を徹底し始めてから国力低下が続いています。低下の例は尖閣諸島の危機。

ギスギスの内訳は、極論の台頭と賛美です。日本なら、「労働できない人は死ねばよい」。イギリスだと「EUは死ね」。アメリカは「移民テロリストを追い出せ」。ギリシャは「やること全てだめ」。ドイツは「・・・」。全ての根底に、中産階級の没落とデフレ経済があります。

人、物、金の国境を消す新自由主義のせいで、みんな限界に来ています。色々と。限界の正体は、マネー争奪で疲弊したマインドでしょう。バス会社の旅行業参入自由化も、得たのは大事故の連続という限界状態。社員の過労死に無頓着なブラック企業も、マネーの奪い合いは一転して無頓着返上。

90年代の経済人は「今後は株主の利益を」と、一億総中流を批判しました。これも極論の典型でした。マツコ・デラックスが語った保育所不足にしても、夫の賃下げを妻が補う貧困家庭の問題です。近い将来に日本女性より一段低賃金で働ける移民女性へ、取り替えるまでのつなぎだから、為政者にとって解決させない方が得策なわけです。
2017/02/07

ドイツ車とアメリカ車と日本車の文化背景

ドイツ車と日本車は、以前から方向性が似ていました。日本車の思想はフランス車とは異なり、イタリアやイギリスとも近くなく、やはりドイツが近い。日本でシェア確保に成功した外車はドイツ車だけと言われ、あたかも日本車の上級グレードの位置づけです。

「日本はアメリカ車に対して不公平だ」とするトランプ大統領の話はウソで、アメ車を日本へ送ると関税は免除され、逆に日本車をアメリカへ送ると関税は2.5パーセントです。驚いたのは、昨年2016年中のフォード社撤退でした。2017年の今、もういない。

日本代理店は111年の歴史だそうで、影の薄さと積極性のない不思議。不思議といえば、98年頃のGMシヴォレーブランドのSUVブレイザーも、日本のランドクルーザー70程度のサイズと右ハンドルで健闘しながら、広く知られる前に打ち切るあきらめの早さ。残された大型のトレイルブレイザーは左ハンドルで全く売れず、奇妙なマーケティングでした。理由は中国重視。

アメリカ車が日本でもてたのは、1970年代でした。マッハワン、トランザム、カマロ、スティングレーといった6600~5700ccエンジンの、異様に大きく低いルーフ、かつ大きいロードクリアランスのスポーティーカーでアイデンティティーを確立しました。

しかし石油価格を産油国が決めるオイルショックで、アメ車は転向や別の引き出しを求められ、失敗して1980年代の日本車バッシングに続きました。日本車をハンマーで叩き壊すテレビパフォーマンス。なのにアメリカでは日本車ファンがその後も増加し続けて。昨年のスバルの爆売れとか。

小型のアメリカ車は欧州車に匹敵しない上に、伝家の宝刀たるフルサイズSUVも近年の重苦しいルックス続きで、世界中で売れない理由はわかりきっています。これはグローバル経済の被害よりも、単純にデザインマーケティングとカースタイリングのまずさでしょう。
2017/02/04

EUは全域が幸せになったのか

少し前にやっと気づいたのは、EUという団体を楽観視しすぎていたことです。二次大戦への反省で、過去に戦い続けたフランスとドイツが中心に、ヨーロッパ国の連合を組んだEU。その軍事面の平和構築に気をとられ、自由貿易の危険性に気づかなかったのです。実は欧州のTPPだった。

ここの参加者に世界各国で展示している方もいて、スペインのアート界が沈んでいると聞きました。三大画家の威光もなく、東京よりはるかにアートを買う雰囲気がないという。どれだけ?。アートが流行るベルリンと比較にならないほど。

ギリシャ問題などでEUが混迷し始めたのは、人、物、金の国境を消すグローバル経済が原因です。国境は本来、国家と呼ぶ地方自治体の安全弁です。物品ごとに関税を上げ下げして、国内の生存権と相手国へのダメージを調整する緩衝帯。グランドデザインの単位。ヒトの移動にも抵抗を設け、大変化と極端を防ぎ安定を図る。

保護貿易はセーフティーネットであり、互助の基本でしょう。セーフを禁止したEUは、互助精神を捨てていました。EU内は互助機能完備かとてっきり思っていると、実はハンデなしの大人と子どものけんかだった。子ども役ギリシャは国家崩壊。弱さを馬鹿にされながら。

EU結成時点で、人、物、金が圧倒的に充実していたドイツの一人勝ちは約束されていました。G7でもない諸国たちは、ヒト、モノ、カネを吸い上げられ、国家丸ごとシャッター通りと化すような不調。結果スペイン製アートは、ロンドン、パリ、ベルリンへ流れて空洞化したのかも。

二極集中した勝ち組のひとつイギリスは、移民で生じた人材デフレで中産階級が没落し、EU脱退で国を立て直すところ。唯一の勝ち組ドイツも人材デフレで格差が拡大し、内部分裂が目立ち始めています。トータルすれば自由主義で壊れていく文明の末路であり、ドグマ好きな欧州人の自殺志願ぶりが見えてきます。
2017/02/01

円高と円安と日欧の美術活動

円の為替は、海外で行う美術展にも関係します。1ドルや1ユーロが何円になるか、円の数字が高いほど円安です。1ユーロ120円よりも130円が円安で、円が弱い。

円安なほど日本からEU国へ送ったイベント資金は、ユーロ金額が減ります。円安なほど送った1万円が低いユーロ額に換算されるから、現地で使い手が落ちる。その反面、作品が売れて日本へリターンする時に、円換算した日本での取り分金額は増えます。

海外イベント参加者にとっては、円安なほど参加費が高くなって、その代わり売れた時に多くもらえる計算です。逆の円高になれば、効果も全て逆になります。

25年前のバブル時代後期には、毎日円高の話題がニュースでした。1ドル80円とか。円高だと輸入品が安く買え、当時は海外製品の内需が拡大したのです。ブランドバッグ、音楽CD、高級ウィスキー。また海外旅行した先で、円の強さで高額のおみやげをたくさん買えました。市民生活には円高がうれしいもの。

今1ドル100円少し。これに対し米トランプ大統領は、日本が為替を円安に操作していると批判しています。疑念の背景は、自国通貨安で輸出品を相手国で安売りできる、貿易の策略です。輸出業者が自国の国力が落ちる衰退を生きがいとする、奇妙な国際競争が続いています。

変動相場でない中国の人民元切り下げの件で、90年代にしょっちゅう議論された話でした。日本はむしろ思うようにできず、他国にただやられるだけの為替失策の国だと、延々と言われていたのですが。
2017/01/24

トランプ大統領にマスコミが突っ込まない部分

2017年1月20日に就任したアメリカのトランプ大統領の欠点は、恨み深いところ。敵からの攻撃を笑ってかわせない神経質が、折々に摩擦を起こすでしょう。

しかし最もまずいのは、誰が敵なのかの思い違いかも知れません。アメリカ国が損をさせられる構造は現にあるわけで、TPPが代表するように資本家の財テクのせいで、産業が食い荒らされる問題です。しかも利益は国に入らず、タックスヘイブンに隠匿されるし。

TPPは国と国の闘いではない。アメリカに工業製品を捨てさせ、日本製に勝たせる。その代わり日本に農作物と医薬品と保険商品を捨てさせ、アメリカ製に勝たせる珍アイデアでした。TPP文書の作成はアメリカ政府ではなく、富の偏在を糧とするグローバル企業の顧問弁護士なのがその証拠です。

世界中の企業株を売買する1パーセントの資本家が、99パーセントから搾取する。そこにメスを入れれば彼はヒーロー。なのに彼がアメリカの敵を国単位で考えているのは、グローバルな新自由主義経済を勘違いしている疑いあり。他国政府が敵だと誤認しているミスです。

1と99のバランスが崩れた格差拡大で、英米は内部分裂して、EUや日本など先進国も低調です。そこをトランプ大統領が誤解すると、反トランプのマスコミはそこを意図的に黙ると予想できます。彼が国際構造からずれたまま倒れると、1パーセント側の支配力は温存できるから。

さて、アートで似た勘違いを探すと、「芸術が堕落している」の訴えが似ています。確かにそれはあるとしてさらに話を聞くと、「近ごろの作品はきれいじゃないからだめだ」と言う。大昔から芸術はきれいごっこではないわけで、せっかくよいことを言いながら根拠は「そこかよ?」と、そんな感じ。
2017/01/16

2017年の国際社会で起きるマネー闘争

1990年代から日本の財界は、株主の利益を説き、主張し通してきました。しかし世界中で次々起きる不穏な事件に、ややちゅうちょし始めたかに思えます。日本国民に食えない下層が生じることに、否定的な社説さえ出したほどで。彼らが本来関心がない部分だったのに。

新自由主義経済の格差社会によって、世界がどんどん暗転している実態への遅れた危惧という印象。危惧する理由は内需が永年伸びないせいで国力低下し、紛争地に日本がすでに含まれてしまった点と、トランプ次期アメリカ大統領への国際的な同調もあるのかも。

裏には、トリクルダウン説の失墜もありました。トリクルダウンとは、企業が大儲けすると、上層から中層下層へと順々に金が降りて、国民に行き渡る経済原理でした。言い出した者が後に虚偽と告白し、次にタックスヘイブンなる資産隠しの企業リストがドイツでタネ明かしされ、トリクルダウン説は崩壊しました。まあまあ、株主と企業は別人だから当然でしょう。

もうひとつはイギリスとアメリカで起きた、グローバリズムとリベラリズムへの反動です。これがそのまま第三次世界大戦の下地です。勝ち組と負け組の差が開くことで、戦争に帰結した過去の経験則が、勝ち組の視野にも入り始めたのです。ということは、戦争はもう避けられない合図か。

驚いたのは、日本を格差社会へつくり変えた時にお手本としたアメリカが、ウッソーな言い方を始めたことです。グローバリズム批判、新自由主義経済批判、ボーダーレス社会批判が、何とアメリカから出てきたのです。メキシコの自動車工場中止もそれ。日本は周回遅れで浮いてしまった状態。

アメリカの投資会社の弁護士が文書作成し、日本をアメリカに帰属させる経済ルールがTPPの正体でした。そのアメリカが、TPPは日本によるワナだと言い出す始末です。どっちが。まあまあ、株主と国家は別人だから当然でしょう。
2017/01/01

世界で激動前夜のつづきが始まる2017年元日

日本の少女漫画『ベルサイユのバラ』の時代。1789年のフランス革命へ向かって社会が動いている最中に、フランスの為政者と政商など裕福な上層たちは、こう感じたはず。「大衆が感情に走り出してポピュリズムが起きている」と。

このフランス革命の現代版が欧米で始まろうとしたのが、昨年の世界史です。それに対して為政者や裕福な上層たちは、テレビ局や新聞社を動員しポピュリズム批判を展開しました。大衆が騒ぎ出したせいで、民主主義が危機に向かっていると。

ところがネット時代という1789年にはなかった新機軸を背景に、異質な新リーダーが予約されてしまったのが2016年までのあらすじ。『ベルサイユのバラ』にも、ネットのホームページは登場しない。

おごれる者は久しからずに該当するのは、登場人物のうち誰なのかという、現代の謎かけが進行しています。日独ではポピュリズムになだれ込むきざしは小さく、日本革命やドイツ革命は準備されていないようです。為政者や裕福な上層たちは、両国で一応胸をなで下ろしている状態です。

言い替えれば、両国とも国内でガス抜きする当てが用意されていません。庶民はがまんを強いられている気持ちが晴れず、灰色の心理が混沌状態となって長引くのかも知れません。

それにしても、英米など民主主義の代名詞的なリーダー国がポピュリズムで動いたのはなぜか。おそらくフランス革命以来、民主主義の本質がポピュリズムだからでしょう。民主主義を守るためにポピュリズムをなくそう式の、報道が言うロジックはおかしい。さあ2017年がスタートしました。謹賀新年。