fc2ブログ
2021/12/04

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2020の絵はがき|買われた全て

あまりに遅れすぎの報告ですが、22カ月前の2020年1月25日、26日のジャパン・フェスティバル・ベルリン会場での、絵はがき展示販売の結果です。

思ったより分散するもので38種類が買われ、日本文化の特徴をよく出せたと思っています。申し込み順に並べてあり、上の方が売れ数が少ないのは、2015年以降すでに買ったお客もいた場合もあるでしょう。

この回で初めて買われたものもあり、今回買われなかった図柄も他の回では買われていました。今回で残りが底をつき、少なくとどまった図柄もありました。



現地スタッフで分担し、絵はがき担当は音楽家で画家のHanane.Kさんで、手間がかかる枚数カウントもやっていただきました。

この展示がお開きになった6日後に、横浜港でダイアモンドプリンセス号の騒動となり、今に至るまで大きいイベントは途絶えています。それで国内で活用する準備として、新作を100枚日本へ送る企画もスタートしています。
スポンサーサイト



2021/11/13

ドイツで刷った絵はがき100枚日本へ|参加募集を始めました

『ドイツで刷った絵はがき100枚日本へ』の企画を募集開始しました。自己PR用に使えるポストカードの製作です。普通の絵はがきづくりとは少し違います。普通はドロップシッピングみたいなセルフ方式でしょう。好きに作るだけ。

しかし100枚は配ればすぐ使い切りますが、売るとなればなかなか減らないこともある枚数です。お金を払ってでも欲しいものは、誰でも慎重に選びます。出来栄え以外に、気になる欠点がないかも探すはずです。

魅力があるだけでなく、欠点にも気が回ります。売れるものを作ろうではないか、というコンセプトです。どう作れば買う側を引き込めるかは、絵だけを見て選んでもらえるドイツでのノウハウを応用します。

スキがある状態では検討を続けて、「買わない理由になるものは全てつぶせた」で入稿になります。ジャパン・フェスティバルのような目標の締め切りがないので、急ぎ足にならずに済みちょっぴり有利です。

それにしてもコロナで7番底の不景気にある日本。皆様お気づきのように、世界で日本だけが自国通貨のばらまきを断固拒否しています。現代の財政は、政府がお金をデジタル発行しては、何とおりかのルートで国民にサーブする方法です。なのに背いてデフレ続行が示されています。

何をやってもマルがつきにくい時間帯で、しかも日本だからこそ、あの手この手で名品になるように、いかしたカードをひとつでも多くつくりたいと考えています。

→ ドイツで刷った絵はがき100枚日本へ
2021/11/05

ドイツで再び日本祭に絵はがきを出します|ベルリンの日本特集

近く「絵はがき100枚日本へ」を始めますが、過去の絵はがき在庫から11月21日の日曜に再び日本祭に出品する予定です。スタッフの自然食の高級菓子コーナーに、また絵はがきを置いてもらえそうです。

毎年のクリスマスは11月の最終の週らしく、今年は1週早い日本祭の週になりそうだとして、クリスマスプレゼントの勢いで買われればと期待しています。スペースの都合で、品ぞろえは日本的な図柄を中心に抽象やデザイン系も加えます。

夏に続く秋の開催はドイツあるあるで、同シリーズのイベントがドイツでは春秋の2回や、年に4回あったりなどします。前にここで、ライプツィヒ市のシュピネライという新興芸術村の美術展を年4回分募集しました。日本からの出品は初回分だけ集まりましたが。

真面目な話をすれば、日本以外の先進国は可処分所得が多く生活費にゆとりがあります。生きているうちに楽しもうとなるのでしょう。日本以外は「管理通貨制度」で財政運営され、日本だけは「金本位制」です。お金の総量を固定して税を財源と誤認し、無限に増税するのが日本です。

ドイツは生活必需品の消費税(売上税)が7%で、コロナで5%に下げて景気落ちを防いでいます。現地報告では、ドイツは日本のようにホームレスの激増や、激しい優生思想が台頭はしていないそう。ただ20年間の経済成長率はプラス30%と低く、論外のマイナス20%の日本に次ぐワースト2位です。

日本の財政だけが経済成長の阻止に力を入れていて、なぜそうするかは経済ブログに詳しく説明しています。日本だけがデフレ不況なので、好況のドイツなら当たり前の金額が日本では高値になり「絵はがき100枚日本へ」の設計も苦心しました。よろしくご参加ください。
2021/09/18

絵はがきに向かない作品も一応あるけれど|ドイツと日本の需要

絵はがきに向かない絵もあります。まず正方形の絵は、絵はがきの長めの長方形とタテヨコ比が合いません。正方形の四隅が重要な絵だと、トリミングは無理です。短辺に合わせて余白をとったりしても、魅力ある商品になりません。

また絵はがきは郵便で送って、しかも絵が見えた状態なので、率直なインパクトが求められる面があります。受け取った人が、「あれ、おもしろいぞ」となる一瞬やひとときにワクワク感が期待されるから、やはりパッと見のセンスみたいなものはあります。

とはいっても刺激的である必要もなく、味わい路線でもよいのですが、絵はがきとして存在感を出す「うま味」はあって欲しい看板的な商品です。一枚が高いものではないので、何分か友だちと時間をつぶせる話題性が欲しいところ。

ドイツでは郵便用ではない、紙カード類の需要がかなり大きく、我々の発注時にも印刷会社で注文が行列のこともあり、どうも好景気産業みたいです。日本の印刷所ではこの10年で高画質プリントが選べないとか、超値上げしていましたが、ドイツでは今も手頃価格です。

ただもちろん、現代のオフセット印刷の専門的な処理や、印刷出版で避けられない印刷トラブルに対して、ドイツ側に解決できる備えが必要ですから、ちょっとしたハードルはあるにはあります。色を合わせるコンパイラーの知識などは必須です。

この絵はがきを日本で活用できると考えています。既存企画の日本送付オプションでは、皆様うまく使われたでしょうか。国内に絵はがき展もあり、エントリーされた方もいらっしゃいました。何度見てもいいなあ、というものを作ります。
2021/08/27

絵はがき100枚日本へ企画を計画中|国内に需要をつくりたい

先日の日本祭でも、大型ブランド絵はがきは好評でした。絵はがきに作者のサイトURLも記されていて、売れると宣伝になります。この絵はがきの価値は、ひとつはオフセット印刷にしては原画の鮮やかな色も出る再現性です。色あせたり沈んだりしないで。

もうひとつは、図柄を厳選している点です。美術家が思い入れた絵をそのまま出しても、買い手が現れないものも初期に生じました。そこでより手が入ったり芸術性の高い絵図を推薦し、売れるように持って行く企画戦略で改善しました。

どれが作者のベスト作なのかは、自薦と他薦で割れることがよくあります。枚数が出た方が得策という企画なので、一枚売れればよしというジクレーよりはシビアになる面もあります。まとまった枚数を刷るわけで。

大型ブランド絵はがき企画は、元は我々が一時的に持っていたアートギャラリーの店頭販売用でした。それをドイツ側の判断でジャパン・フェスティバル・ベルリン2015に出してみると、まとまった枚数が売れました。和風の図柄が多く買われたのは、日本特集見本市も理由だったでしょう。

これまでドイツ側の保管場所のコストがかさんで、日本へ一部送ったことはありました。国内で使う用途として、日本へ送る常時企画を追加する計画です。日本では日本祭はないし、純粋なアートフェアも定着していないので、個展での配布や販売用と想定しています。

ちなみにポストカード以外も含めた紙カード類は、ドイツでは日常的に多く制作され、あちこちに出回っています。よくあるのがA5版の面積で長細くした、ラングと呼ぶサイズの案内カードです。こちらで作ったこともありますが、日本側が好景気になればまた作ります。
2021/08/17

ベルリンの日本祭に絵はがきを出展|高級手作り菓子の一角に

2021年8月15日(日)にベルリンで日本祭が開催されました。現地リーダーは手作りの自然食品、高級菓子でエントリーし好評でした。その一角に、物語ブランド絵はがきを置いてもらいました。

買われた図柄です。他に抽象系やモノクロ写真や、おもしろデザインも多数置きましたが、今回は和の伝統をイメージした図柄が当たりました。すでに日本へ送るなどしてドイツ側の在庫が希少の初期の好評作は、欠席となりました。それらも置ければよかったのですが。

現地リポートです。「引き続き猫ちゃん人気はありました」「絵に漢字文が書いてあると、お客様から意味をたずねられました」「日本語を上手に話すドイツ人の方から、『すべてキレイだ、どれにしようか迷うからおすすめを教えてください』と頼まれてしまって」。

日本文化に研究熱心なお客もいらっしゃったそうです。三色刷りですが、強彩色の発色も鮮やかな絵はがきです。楽しい交流になりました。そうそう、日本祭というのが定期的にあるのです。作者の方々はご協力ありがとうございます。

日本祭21絵はがき販売
2021/08/01

ドイツ日本祭の絵はがき展と日本へ50枚|企画がゆっくり始動

絵はがき企画を考えていて、ひとつは「絵はがき50枚日本へ」という企画案です。ドイツ製絵はがきは日本の美術館の売店の物と次元が違う美しさで、日本国内でも美術家が活用できそうです。50枚なら個展で使える手頃な規模ではと。

同じ頃にドイツから一報があり、日本祭で自然食の高級菓子コーナーに絵はがきを少し置いてくれる案があります。締め切り日があるから今から絵の募集は無理で、現地の在庫から出す計画案です。

絵はがきは現地で人気で、立てても寝かせても成り立ちますが、やる業者があまりいないのは、手間がかかるからです。まず、売れた図柄をカウントする手間です。残留分から逆算できないのは、店頭で紛失も起きるから。

現地ショップに置いてもらえど、枚数カウントを強いるのは難しい。薄利だから、文房具店などにある名所の写真などの定番の絵はがきも、原作者は儲かりません。大量に刷って広域に卸しています。

それでジクレーと絵はがきの両方に参加していただくと、作業が兼用で補われ経費的に助かります。何しろデフレ不況が長い日本と違い、海外はインフレ好況の中でのコロナ禍なので、日本よりも人件費も高いのです(つまり裕福)。

しばらくは美術も含む総合イベントが増えそうで、スペースの制約で絵はがきのみ考えます。それにしても日本経済の沈み方はひどすぎる状態です。他国政府と同様に日本政府も通貨発行して、通貨廃棄(徴税)は減らして、景気回復へ反転させるように皆で声をあげましょう。
2020/01/01

激動の2020年始ドイツの心中察してこれ|ブランド絵はがき図鑑13

謹賀新年。今年は変えましょう。ジャパンマネーの強化を図るために、日本経済をどうにかしないといけませんね。

それにしても世界の人々は仲良くならず、いさかいと分断が続いています。いさかいと分断は、友人関係や夫婦関係でも普通に起きていますが。人には、世界を混乱させる本能でもあるとみた方がよさそうな気もしてきます。

というか、人は非常に複雑な生き物で、現象に反応して動的に変化する性質があります。この手の論は、芸術の複雑さを語るマクラみたいなものですが。

たとえば企業の中で優秀な2割を集めて新組織をつくると、メンバーの2割は働きがよく、2割はだらだらし始める配役の再構成が自動的に起きるそうです。優生思想を否定する根拠になっています。美術の傑作も、誰にできるかは不確定です。

2020年に、経済大国の動転が起きると言われてきました。アメリカ、中国、日本、ドイツ、イギリス、フランスと、大国は問題をかかえています。興味深いのは日本で、存在しない財政不健全問題に悩んで混迷したナーバス国です。

国際金融が故意にバブルを起こさせ、故意に後処理を失敗させ、貧困化させて金品を持ち去る陰謀がよく言われます。しかし国際金融は貨幣発行権を持つ側だから、論理矛盾があります。人の複雑さです。

ブランド絵はがき
2019/12/01

ドイツの絵はがき印刷は美しすぎる|日本製プリンターのハイテク技術

毎年、晩秋から初冬にかけてはジャパン・フェスティバルの出品準備で、だんだん手がふさがってきます。特に手間がかかるのが絵はがきで、一枚売って終わりではなく百枚あるから、数が出る可能性を求めて微妙な手直しがかさみます。

絵はがきの難しいひとつは、全ての図柄で等しくするタテヨコ比です。正方形の絵はまず収まりません。裁断しろが大きいから絵の一部は切れますが、切れてよくなるバランスを見つけます。白や黒の囲みワクを設けたら、商品にならないし。

一枚一枚のレイアウトが何個かの条件で決まり、挽回する小細工を加えることもあり、元の絵と多少でも違う再現となります。多くの原画は縮小され、素材感は出ないように思えますが、やりようで出せます。そういう奥の深いところも。

CMYK変換が入るにしては、ドイツの絵はがきは色がよく出て、日本で普通に市販される絵はがきより鮮やかです。時々参加者が日本でつくられた絵はがきを送ってくれますが、鮮やかさはドイツが圧勝です。廉価なDM仕様だと、くすんだ色でもやむなしですが。

ドイツは上質の印刷機を常用できる富裕社会に思えますが、機材は日本製かも知れません。というのも、2013年頃に裁断寸法が日本の数値に替わっていたからです。少なくともジクレー出力機は日本製だとわかっていて、でもその成果を日本国民が堪能しにくい時代へと暗転しました。国庫の危機を狂言した貧困化の時代です。

美術館が所蔵する歴史名画を売却させる目的で、先進美術館構想が出されました。国内資産を海外へ売却して、館の現金収入を得るそうな。商品貨幣論から思いついた間違い政策です。シャープ社やエアバッグのタカタ社も、そうして外資へ売り払われた後です。
2019/08/05

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2019絵はがき|図版ベスト3

ずいぶん遅れましたが、2019年1月の売れ行き結果です。いつもの定番に混じり、新作の日本少女とサムライシリーズが入りました。モノクロに近い絵が上位に来たのも初かも。次点につけた中には抽象的な図柄もありました。

JFB19-best3.png
2019/01/18

絵はがきコレクションの再スタート元年|なぜ他社はできないか

ジャパン・フェスティバル・ベルリンは主催団体が大きくなったみたいで、ドイツで宣伝に力が入っているそうで。主要国でドイツは日本の次にGDPが伸びず、しかし21年間も横ばいの日本より消費はずっと好調で、市民の顔も明るい。

日本は政策の誤謬で節約に徹してしなび続け、その典型が東京五輪の経費削減方針です。あえて経済刺激を放棄し自滅を選んだ日本にくらべ、ドイツは末端にもお金が回る仕組みで、バイト料の下限が時給1300円という。

当企画では今回、最小単位のスペースだけ確保しました。春のうちに早く埋まったらしく、場所どりに失敗。ドイツ人脈に頼り復活で滑り込めたのですが、消費税上げアナウンスで四番底へ向かう秒読みとなった日本の空気にこちらもやられ、腰が重くなっていた失敗です。

絵はがきコレクションは2013年の発案で、翌年が消費税アップでした。増税により風邪がぶり返すように再び冷えた内需低迷で、大手企業シャープなどが外国に身売りする5年となりました。絵はがき展は5回目で、種類が増えて保管問題がふくらんだのを解決することになりました。大手企業と似た窮地です。

絵はがきの海外転戦企画がよそにない理由は、やってみてわかりました。たとえば店舗に絵はがきを預け、委託販売するとします。どれが何点売れたか記録してもらうには、人件費が必要です。タダ働きを強いて済むデフレ日本とは違うから。

記録にお金をかければ、最初から企画参加料は高くなります。デフレ不況だから安くして現地の友情出演に頼れば、売上金歩合と絵はがき残りしか回収できません。後で数が合わないと、店頭での万引きが疑われます。被害届を出すべしなどと気に病む方には向かず、だから絵はがき転戦を実行する企画はここだけです。
2018/10/28

コラージュ作品の版画と印刷と複製の関係 |ブランド絵はがき図鑑12

十何年もネットで続けた話ですが、版画と印刷物は同じものです。似ているとかでなく、同一物です。日本では原始的な手回しのプレス機は版画専用で、ハイテクの電子プリンターは印刷専用だと分けて考えます。しかし版画は印刷した絵図を指すから、二つの機械に区別はありません。

プレス記者やプレスルームの語は、新聞社や雑誌出版の用語です。プレスとプリント、版画技術と印刷技術は同じです。各時代の印刷機を使った量産絵画が、版画の正体です。美術の一般化、ホームユースです。

10月27日に東京で始まったノルウェーの画家エドワルド・ムンク展ですが、作者は自己ベストの油彩画『叫び』を再発売するため、木版画も何枚か作りました。写真製版技術はまだなく、フルカラーが可能なシルクスクリーンも開発されていない時代でした。

彼は版画ならではの風情を求めて、手彫りの味わいに入れ込んだわけではなく、できるだけ忠実に再現したかったはず。手で再現したコピーなので原画とかなり異なり、複製画にはほど遠いものでした。

普段あまり感じないことですが、絵はがきも版画です。普通の絵はがきは多色刷りで、一枚の紙に四種の顔料を四度転写し、四辺を裁断してできあがり。その原理はカラー写真とも似ているので、それなら写真も版画の一種なのでしょう。

さて、この絵はがきの原画は紙細工のクラフトなので、実はわずかに立体的です。色の再現が難しそうな水色に美術紙のテスクチャーも見えます。スキャナー画像の何カ所かを補整し、右下の猫を安全圏に入れました。

ブランド絵はがき
2018/10/16

ドイツの絵はがきの色が美しい|付加価値削減で色あせた日本と対照的

消費税を上げる政策で、日本はまた景気が落ちます。上昇は唯一、導入時の1989年でした。3パーセントと引き換え、従来の物品税を廃止したからです。当時3200円の音楽CDは、物品税280円が消え消費税88円が生じ、再販価格が192円下がり3008円になりました。それからCDは爆売れ。

この時の物品税廃止で、ビデオデッキやカメラや高級レンズや三脚や、5ナンバー4ドアの軽乗用車(非商用車)がやはり大売れしました。しかしよりにもよってバブル崩壊後の1997年に5パーセントへ引き上げて、翌1998年には全国各地のCD店と書店が次々とつぶれました。消費の冷え込み。

本とCDの不振をネットに責任転嫁するのは、時系列を無視した虚偽です。国民皆消費削減による日本全国シャッター通りと同じ現象で、本とCDだけでなく駅前通りのブティックや楽器店も次々つぶれました。ネット接続する家庭がまだ珍しい頃に、本とCDの店は倒産しまくったのです。

その後、世界最大手の通販書店A社が日本で伸びたのは、外資系なので本社が日本になく、法人税を払わずに済んだからでした。日本の浮き沈みは、ネットより税制に左右されています。

2014年の消費税8パー上げで、何がつぶれたか。日本の印刷通販店で、絵はがきの種類が激減しました。生活必需品ではない物品は、生活苦が素直に反映されます。行きつけの東京店もアート仕様の選択肢を廃止して、くすんだ色の商用DM中心に転向していました。

新作の絵はがき100枚がドイツから出品者に届き、とてもきれいだとの声がありました。ドイツは絵はがきやカード類が各印刷所に豊富にそろい、日本の美術館の商品よりも、同じオフセット量産でも格段に美しく鮮やかです。プリント料金は実質日本の3分の1。こういう内外差もあります。
2018/02/07

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2018絵はがき|図版ベスト8

2018年1月27~28日のジャパン・フェスティバル・ベルリン2018で、ブランド絵はがきの販売数ベスト8です。3位が5種、8位が3種で計10種。毎度ランキングされる人気絵はがきがありますが、新作の折り紙デザインはダークホースとなりました。

10種のうち8種は人物系で、日本の感覚ではあまりしっくりこないかも知れません。日本では絵画は昔から風景が一番人気で、外国は逆に人物モチーフが強い。これは、内外アートに関わる大きい話でもあるのですが。

今回はジクレー版画ともども、偶発的と思える片寄りもみられます。感激の初売れは、ここにない立体造形と工芸品の写真の絵はがき。テーブル置きディスプレイに変えて、見え方が変わったのもあったでしょう。過去とくらべると変化がわかります。

ブランド絵はがきコレクション
2018/01/28

絵はがき展示テーブル置き|ジャパン・フェスティバル・ベルリン2018

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2018

2018はいつもの絵はがきスタンド、ワイヤー製のあれが用意できず、一般的なテーブル置きになりました。やはりスペースをとるので、何カ所かに分けています。スタンドを購入して所有する案も出たのですが、ご想像どおり保管コストで無理でした。

その絵はがきは、シリーズ内でも競争になるのですが、この階にもライバルは多くあります。デザイン系の階にもアニメイラストなどがやはり競合し、広くはベルリン市中で見る絵はがきも競争相手です。だから見劣りしないよう時間をかけてつくっています。
2018/01/21

日本の公立美術館のアート絵はがきはなぜ粗末?|唯一のGDP停滞国

年明けすぐに公立美術館へ用事ができ、いくつか発見がありました。その美術館は、バブル時代の最晩年に滑り込みで建てたもの。直後の最初の消費税アップで日本経済は目に見えて暗転し、書店やCD店がどんどん閉鎖し、昨年2017年までが「失われた20年」と呼ばれるそう。

実は失われた20年とは、バブルの後始末、すなわち土地担保暴落による銀行不良債権問題を、国費投入で解消しなかった日本の失政を、先進7カ国が批判する枕言葉でした。長引く不況で用い方が変わり、本来は1992年が起点で、今年で失われた26年と世界記録更新中のこと。

話は戻り、その公立美術館の売店にある絵はがきが粗末だったのです。デザイナーの仕事に目が行く職業病もあるとして、「わっ、きれい、これも、あれも」とはならず、商品価値に疑問。素人ふうレイアウトで色も悪い。

我々が作るブランド絵はがきの当初の宣伝は、「画廊が送る個展DMとは次元が違う美しさ」でした。ところが、国内美術館の商用絵はがきまでも、経費節減DMレベルだとは。デフレ社会の100円ショップ的ローエンド狙いか、299円幕の内弁当ふう大味。

差の原因は民需の論理外である以外に、日独アートの特殊化対一般化もあるでしょう。優れものを競う必要が元々なかったり、販売スペースを埋める程度で現実に足りている疑いです。デザインをよくしても、どうせ売れないとのあきらめ。身内だけが買えばいいやと。

日本で美術の競争が起きにくいのもあるでしょう。外国で主流のアートフェアほどガチのオリジナル制作競争は、公募コンテストでは起きないし。世界がたじろぐジャパン・クオリティーが、美術関連に限って逆なのは新発見でした。もちろん先進国唯一のGDP横ばいが決定的すぎて、他の理由を添えても無意味ではありますが。
2017/12/29

ジャパン・フェスティバル・ベルリン新作 ブランド絵はがき図鑑11

一カ月後のジャパン・フェスティバル・ベルリン2018に並ぶブランド絵はがきの新作は、5点にとどまりました。すでに人手に渡った原画が3点あり、過去に撮影されたストック画像から版を起こしています。トップセールスが出やすいのはたいてい新作なので、会場では目立たせます。

実は申し込み数はもっと多くあったのですが、製品化に至りませんでした。絵はがきは今どき家庭でもつくれますが、現地事情も考えた絞り込みによる結果です。ヨーロッパ国には美術があふれ、一般化し、アートのグルメも多いから、相手の手が出る根拠がひとつ以上欲しいという事情があります。

ところで現地社会はといえば、EUのグローバル主義政策で相対的に勝ち組となったドイツでさえ、景気失速中にあるのは確かです。が、停滞が当たり前になってしまった日本とは違いGDPは上がっているので、消費活動は活発です。新作をもっと送って欲しいという向こうの事情も健在です。

版はすでにドイツ側へ送っています。現地はGDP上昇のせいか、印刷料も人件費も前回より値上がりしているとわかりました。

ブランド絵はがき
2017/10/25

絵はがき用の作品画像を探した結果

絵はがき展を始めた理由のひとつは名刺です。アートフェアはアーティストの宣伝だから、名刺の備えは自然なこととして、会場内での場所と整理が意外に高コストです。自作の名刺を送って置いてもらうのに、追加料金が必要になりました。

そこで名刺を大型化して絵はがきにし、制作企画にした事情もありました。相手が捨ててしまうメモ相当にとどめず、商品化したのです。ついでに絵はがきブランドを用意しました。

通常はがきサイズでは目立たないから、大判です。国内のポストカードにないサイズで、色もとてもきれい。その後、日本の印刷所で絵はがきの種類が急減したのは、2014年の消費税率上げ以降で、印刷料も日本の方がずっと高くなりました。

一品のジクレー版画と違い、量産する絵はがきはオフセット印刷で、これも版画に分類されます。ドイツではアートグッズだけでなく、鑑賞用ミニ作品としても買われます。絵はがきとジクレー版画は競合するから、作品選定の大事な条件です。

現地のはがき印刷は色彩がよいから、画像は厳選します。最近制作中の一枚は画像がいくつかあるのですが、解像度、階調、ディストーション、ノイズの何かが不満です。原画は売却済みで、ゆくえ不明になった画像を探すと、こちらの受信ホストに残っていました。きれいな画像で一安心。『East wind』という絵。

ジクレーよりもオフセットの方が、原稿の条件はシビアです。オフセットには分版とスクリーン処理が入るので、縞模様が出るなどトラブルも多く。撮影用カメラの性能も欲しく、撮影法も重要だから撮影ガイダンス企画があります。絵画撮影というマイナー技術を、生涯に一度だけ覚える企画です。
2017/02/17

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2017絵はがきベスト8

1月21~22日のジャパン・フェスティバル・ベルリン2017会場で、ブランド絵はがきの販売総数は前回2016年の36パーセント増でした。販売数ベスト8が出ました。8位は3点あるので計10点。

ランキングは遊びにすぎず、ご当地の気分を知るおもしろネタ程度です。今回は、抽象系より具象系が伸び、現地の気分は少し落ち気味と推察しています。昨年のドイツは色々と不安材料がありました。一般的には景気がよくなるほど、売れる範囲がレアな不思議図柄へ広がります。

まだ売れていなかった抽象の図柄が初めて売れ、おおっというのもありました。静かに待っているだけの対策もありそうな。現物がまだこちらに来ていないので、写真は版下からおこしました。実際の製品とは図柄の範囲が異なります。

ブランド絵はがきコレクション
2017/01/08

デジタルイラスト ブランド絵はがき図鑑10

明日は成人の日ですが、このフルデジタル画の作者は学生だそうです。

ペイント系のデジタル画は、最初にボードサイズを決めます。小さい値だと粗い絵になり、後で小さくしかプリントできません。ジクレーだとギザギザが見えたり、オフセットだと画素が不足し色にも影響が出ます。

値が大きすぎると、描いて消しての反応が重くなり動作がノロノロします。縦横の値を適切に決める必要があります。デジタル画には後で改変できる利点があり、ここでは絵はがきにうまく収まるよう帽子の上部と、絵の最下部を新たに描き足してもらいました。

ブランド絵はがき