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2023/10/31

経団連が芸術文化をつぶしてきた時間帯|日本アートの平成デフレ不況

2014年に開始した物語企画の前身は、2012年に募集のみを担当したプロジェクトで、その前身はサイト制作や出版企画を担当した相談所でした。相談所やプロジェクトでは、5万円や7万円の海外展示会に大勢の美術家が参加されました。

当時の参加費は今ではとんでもなく高額に思え、迷うことなく不参加になるのではないでしょうか。これは払える商品価格の限界が徐々に低くなり、相対的に一万円札の価値が高くなっていく現象で、経済用語で「デフレ」と呼びます。経済縮小という意味です。

日本のデフレ不況は1997年4月1日から国策として続けて、当初は不良債権処理で「貸しはがし」を行いました。経済用語で「信用収縮」と呼びます。先進国は日本に対して逆を要求し、公的資金注入で安定化を望みましたが、日本人はお金の本質を誤認しており、逆走して経済は転落しました。

日本がバブルからの軟着陸を間違った理由は、貨幣感の誤りだけでなく、金融再編など株主が大企業を売り崩して株を買い占めオーナー移転する策略がありました。その策略の総称が「新自由主義」です。売り崩しという株価操縦の概念が、理解のカギになります。

美術展示に話を戻すと、ドイツのように自国通貨マルクを放棄し低成長の国でさえユーロばらまきでインフレ好況が続き、イベント参加費用も上がり、当時5万円の展示は今は8万円相当などでしょう。途上国化が進む日本からは、先進国ドイツを高く見上げる度合が強まった。

大震災の2011年からコロナの2023年にかけて国策の貧困化を急ぐよう、緊縮財政と消費税増税で通貨削減を続け、国民の所得減を定例にしました。そう要求したのは経団連です。財界を仕切るグローバル企業の株主らは、各国の個別の芸術文化が大嫌い。経済ブログに具体的な裏話を書いています。
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2023/09/30

インボイスで経済成長は消滅する【税は財源でない、消費税は通貨削減】

明日インボイスが開始。当海外遠征展示企画にご参加の方も、コロナの自粛が解除され、ぼちぼち美術活動に復帰しているそうで。が、国内で美術活動で収益をあげるのはインボイス以前から困難です。日本だけ美術市場が極端に小さいのは、1987~91年のバブル時代にヒントがありました。可処分所得です。

衣食住を除いて自由に使える、遊ぶためのお金が、お客が美術展へ行ったり作品を買う資金です。日本は不当な重税で可処分所得を削り、「働いてばかりで遊ばない日本人」を欧米が糾弾する原因でした。バブル時代だけは、庶民や学生も数十万円の版画を買いました。要は持ち金。

二次大戦後に、遊ぶ金がない日本人に転じた理由は何か。連合国の進駐軍が指導しつくられた『財政法4条』に、普通国債発行禁止が書かれたせいです。国債と聞けば、日本人は国の借金だと勘違いしており、戦後教育で洗脳した結果です。

国債とは政府貨幣(デジタルデータ数値)です。国債の類似品は株式ですが、自然界に無から有を生む類例がないので説明しにくく、大半の日本国民は誤解し誤った理論武装が多い。「国債発行で日本経済は破綻する」の嘘は、日本を経済成長させない連合国の軍事作戦でした。

つまり日本国民は経済成長する唯一のコースを、「それをやれば日本は破綻する」という正反対の嘘に従い、けんめいに避け続け逆走して自滅してきたわけ。「のどが渇いた時、水を飲めば死ぬぞ」の嘘を信じる日本人は、インボイスでもっと多く死ぬ理屈です。草食系男子のせいで人口が減った式の迷信でも信じながら。

今の日本人は、国がどうなっているのか、何をやれば正常化するのか、その思考も逆さまにひっくり返ったままです。進駐軍は勝った。令和にやっと日本を打倒できる。年月かけたジェノサイド。そうだ、このテーマで絵をかいてみましょう。

→ こういうテーマ
2023/02/03

高齢者老害論のデマを信じちゃだめ|お金は版画と同じで必要なら刷る

日本に「老害」の語が出回っていて、広めているのはマスコミの論調です。具体的には「高齢化社会が進むと、働く人たちの負担が増える」の耳タコな言い方です。実はこの危機は真っ赤な嘘ですが、この嘘を暴く者は局に出入り禁止になるとか。

高齢者はパソコンをあまり使わないとすれば、ここの読者に高齢の美術家は少ないでしょう。しかし美術家のコア部分も当然高齢化しており、ドイツ遠征展の強豪参加者も若い方は比較的少なかったのが最初の傾向でした。それでアート・マネージメント・システムには、新世代に早く国際競争力をつける目的もありました。

最近、高齢者の施設を訪問し強く感じたのは、「この世代が高度成長の頃の若い社員であり、バブル時代の企業幹部や社長だった」という点。投資が停滞する「失われた34年」の直前まで、各地を設計施工し作り込んだ主役が昭和一けた以降の世代でした。今我々が恩恵を受けているインフラです。

マスコミ論調の「高齢者が若者の負担になっている」の嘘を、高齢者のほとんどが耳に入れているでしょう。「自分たちが長生きしては、働く世代に申し訳ない」という罪悪感が心の片隅にあると思われ、皆の顔が曇っている気がしたのです。日本のこの嘘を暴かないといけません。

「働く世代の負担になれど、ご先祖様は偉大だし人権もある」という話ではありません。国の経費が増えれば通貨発行が増え、GDPが上がりマネーストックが増え、好景気になり国力が増す、という話です。日本国民が思考する全てがあべこべなのです。現に日本だけがデフレ不況で、他国はことごとくインフレ好況です。

「国費は国民が負担」は日本限りの嘘であり、裏に新自由主義とグローバリズムのレントシーキングが隠れています。ところが最近繰り上げ当選した議員が国会質問で「政府負債を国民は返済しない」と財務省に言わせました。回答の重さを国民が理解し、税金は財源でないという地動説を飲み込めるかが迫られます。

→ ツイッタートレンド #税は財源ではない
2022/12/13

インボイス制度という自滅で倒れゆく日本文化|アニメやロックの撲滅

日本美術のドイツ展示を背後から支えるひとつは、実はアニメ文化です。日本画は西欧の写実具象と異なる略画であり、その延長にアニメの線画があります。だからアニメに影響を受けた新世代画家の人物画は、現代の浮世絵としても通り、ドイツで好評です。盛り上がります。

そのアニメ業界をボロボロにしてきたのが緊縮財政と消費税増税で、今度はインボイス制度が強行され、日本文化撲滅をたたみ込んできました。ちなみに日本文化を撲滅する勢力は新自由主義とグローバリズムで、ワシントン・コンセンサスの路線です。上位がいわゆる「ワンワールド思想」です。

最近日本で話題は、消費税は直接税だった事実です。1990年や2002年の裁判判決で「預り金でない」と確定済みでした。消費税の嘘への接ぎ木がインボイス制度です。年売上千万円以下の個人タクシーやたこ焼き店、アニメ、Jポップ、デザイン、アートなど零細に1割増税します。皆赤字に落ちて廃業続出でしょう。

インボイスという語を聞いた方で、物語企画より前の、物語募集より前の初期展示に加わった方は、自ら書いた覚えがあるはず。郵便局から国際小包を送る時、作品の種類と材質と重さと個数と価格を書き、伝票とともに局に提出するインヴォイス用紙A4版です。

インボイスは請求書や内訳書を指す英語にすぎず、領収証の英語レシートとペアの用語です。「世界はインボイスを導入しているから日本も」は、増税の方便として外来語を振り回して意味不明です。日本の「失われた30年」の経済衰退を、さらに強める圧がインボイスです。

初期の会員はインボイス書類を12年前から、多い方は20回以上書いたはず。免税や預り金はフェイクだと気づけます。インボイスを吹っ掛けられても、全員が無視すると制度は不成立で、OKした人は増税に加担し日本現代文化の敵に回る理屈です。
2022/11/18

増税ラッシュに皆も納得してはだめ|税金は財源でないと知ろう

日本の税金は誤解のデパートで、まず国民の皆さんは国費は国民が負担するのだと思い込んでいます。それならアメリカのトランプ+バイデン大統領がコロナで経済縮小した時、なぜ減税してドルを国民にばらまいたのか説明できません。アメリカでは金利上げで話題沸騰しても、財源を調達する話題は聞きません。

この現実をよそに、日本だけが「税金は財源だ」で逆回転し、「失われた30年」と欧米から呼ばれ、25年のデフレ不況です。税金が財源だの認識だと慢性的に金欠になり、「腹が減って食べる肉は自分の背中から切り取りなさい」と身を斬る改革に向かいます。

「吸う空気は、吐いて用意せよ」。へびが自分の尻尾を食べ空腹を満たす方式で、体重が増えず成長しません。日本だけのこの混乱は、お金を物体ととらえる誤認に由来します。アメリカやイギリスやドイツの財政への評論も間違え、一例はドルが紙くずになる予言です。

ドルの発行のしかたは、まず米政府がドル国債をデジタル発行します。次に国債を連邦準備銀行FRBでベースマネーに変換し、増えた政府預金分を担保に市中銀行へ指示すると、店頭で国民の預金口座に数字を入力するだけ。お金の正体は紙でなく情報です。何となくNFTアート的なイメージもあります。

アメリカがドルをばらまき「国の借金」(Government debt=政府負債)2300兆円を3100兆円に増やした事実が報道されません。意味が日本で理解されず、増えた800兆円を米国民は払わされると、日本の論者は笑います。笑う方が間違い。

思い込みが堅固だと、間違ったストーリーで解釈されます。典型が美術鑑賞であり「美術は美しい」の間違った前提で、日本の美術は市場形成できずにいます。その話に行く前に、美術は可処分所得が育てるので、経済成長が絶対条件です。
2022/10/29

NFTアートはインフレ好況国の投機商材|デフレ日本で理解困難

「NFTアートには価値がない、誰でも描ける絵で芸術性がないだろ?」の質問へのネット回答は、暗号資産イーサリアム関係者が巡回で書き、アートに乗じた商戦です。ガス代と呼ぶ手数料収入が目当て。「NFTアートには価値がある」の反論内容に、日本のデフレ不況の深刻度を感じます。

NFTアートはアイコン型の投機商材です。たとえば600ピクセル角の小サイズなので、鑑賞する対象ではありません。買ってSNSやサイトでプロモーションする目的です。高額であるほど中味の落差で話題が沸騰し、購入した現オーナー企業の宣伝になる。さらに高く譲渡し転売益が出ることもありそう。

似ているのが、バブルの日本でゴルフ会員券が2億円に高騰した現象です。プレー予約の優先権で購入客は元がとれるわけもなく、2億円の数字インパクトの勝負でした。好景気社会には、法外な高額の情報商材が流行ります。

「失われた33年・デフレ不況25年」で景気が冷え切った日本で、理解しにくいのは当然です。遊びの気持ちが生じない社会環境で、過熱するプレミアムを楽しむ社交はマッチしません。日本はユニセフから、児童の7人に1人が飢えていると指摘されています。NFTアートは金満先進国のエンタメだから、乗りが違う。

NFTアートのリアル版も、かつてありました。戦後にケインズ主義経済で西側国が金満となった頃の、インスターレーションです。テーブルに食器。トーストパンも乗っている。その一式セットが実はアートで、何百万円で買う人がいました。その実験場は1937年のシュールレアリスム展が走りでしょう。

好景気を満喫すると、人の価値観は広がり採算を度外視します。お金を捨てるように使って楽しむ人間のウィットです。おもしろ投機商材に付加価値がつく、浮かれた気分です。幸福の尺度といえます。唯一デフレ不況の日本国では享楽にならず、好景気だった頃の思い出のノスタルジーだけが残ります。
2022/10/22

日本の消費税とドイツの売上税|知られざる仕組みの違い

日本では延々と間違った議論が続いていて、間違っているから「失われた30年」が33年目の今も続きます。そのひとつの焦点は、国を経済成長させるための成長戦略は何かという課題です。答は簡単で、自国通貨の造幣とばらまきです。

日本以外の国は全てがコロナをきっかけにお金を消費者の手に渡すことで、消費を活発化させています。それがなぜ成長戦略になるかという疑問が出る時点で、日本の経済評論家や大学名誉教授たちは完全に勘違いしています。時代は管理通貨制度なのに、金本位制で考えてしまうのです。

古典経済学は間違っており、現代経済学では経済成長とはGDPが上がることと定義されています。GDPとは、個人と企業と政府の金づかいの合計に、輸出入のプラマイ差し引きを加えた金額数字です。買い物の総額がデカくなるのが経済成長です。

それをアメリカが模範的にやってみせ、しかも国際金融基金IMFは「各国は最大限通貨を発行せよ」と勧告しています。日本だけが通貨削減して貧困化に突っ込む、その根拠は二次大戦の敗戦のペナルティ(の名残)です。真珠湾攻撃をさせないために、通貨発行を罪と教える特別な教育で国民を洗脳したのです。

それで世界は積極財政と減税で好景気となり金利を上げる中、日本だけが緊縮財政と消費税増税で不景気を続け、自助と身を斬る改革を行政で命じ、大勢が脱落して亡くなっています。マスコミが、女性の多すぎる犠牲の特集番組を作ったほど。

日本の消費税は10%で食料品は8%、ドイツの売上税はコロナ減税で15%で、食料品と生活必需品は5%です。ここから日本人のだまされっぷりの本題ですが、ほぼ字数を使い一回で終わらない話です。絵画にかかる税金も別の機会にします。
2022/09/07

円安が進む原因は緊縮財政と消費税増税|通貨削減すれば価値は落ちる

日本で今二つの話題が盛んです。暗殺された元総理大臣を国葬にするかしないか。1ドル144円に下がった円安をどうするか。この二つ。両方の議論とも、日本の議員も要人も論者も国民も、全く勘違いして悲惨な的外れが展開されています。

そもそも的外れがひどいから、欧米が言う「失われた30年」は33年目の2022年にも、力強く突き進んでいます。どこを勘違いしているかは、コメンテーターの論を耳コピーした市民の声に表れています。路上インタビューに「円安になれば、経済が停滞するから心配です」と。その言い方、因果関係が逆さまです。

順序があべこべ。経済が停滞しているから、デフレ不況で物価が低い。その物価に対応する日本円は対外通貨比で相対的に価値が下がる。これが円安のメカニズムです。利上げしない日銀のみガリレオ状態で、周囲の批判者は全員が天動説。

現にインバウンドで来日した先進国の人々は、日本の物価が安いから強い自国通貨を為替交換して使いでがあるのです。日本はバーゲン状態。中華人民共和国民も、安い炊飯器や洗浄便座などで爆買いブームを起こしました。日本は物価が安すぎる途上国の立場なのです。特に外食産業。

経済停滞が先に起きています。「どこに起きてるって」。だから平成元年から続く日本の経済停滞を、欧米が「失われた30年」と呼んでいるではありませんか。緊縮財政と消費税増税で自国通貨を削減し続け、デフレ基調で賃下げが続いています。

日本では、通貨発行も徴税もインフレも金利も、まるきり勘違いした説明ばかり。一方のアメリカはトランプ大統領+バイデン大統領がドルをばらまいて、その結果ドル高なのです。他国は自国通貨をばらまいて、良性のデマンドプル型インフレ。日本だけが緊縮と増税と資源輸入依存で、悪性のコストプッシュ型インフレ。
2021/12/14

18歳以下に10万円給付が大混乱して|批判が空回りする国民

18歳以下一人に10万円を給付するのに、5万円を現金とし、5万円をクーポン券にする決定がありました。当然、全国の自治体は手間がかかって人手不足で遅れるから、不満を言っていました。それで半分の5万円は現金とクーポンを選べるようにするよう変更されました。

自治体はやっぱり困ります。選ばせる手間がかかって人手不足で遅れるから。誰が選ぶのか、選んだ責任はどうなるかなど、パラメーターが増えてきました。このようなことを新型コロナが始まった2020年2月から、延々と続けています。

なぜ、国庫短期証券で生んだデジタル通貨10万円をさっさと渡さないかは、もらい損ねる人を増やす目的です。クーポンにすると期限があるから、使いそびれる者が増えて、それが狙いになっています。

国民がより貧困化するよう仕向ける理由は簡単で、世界は管理通貨制度の信用貨幣ですが、日本は金本位制の実物貨幣で運営されています。その違いは経済ブログに詳しく説明しています。金本位制だとお金の総量は一定だから、ゼロサムゲームになり絶対に経済成長しません。

誰かに10万円あげるなら、誰かから10万円奪うことが、日本国だけは必要になるのです。「そもそも10万円程度だと砂漠の遭難者にヤクルト1本だ」と国民には指摘できるだけの知識がない。それで話が延々とそれ続けています。

1人に10万円配れば、1人に10万円増税するという宗教に引きこもっているのが、日本国民の現状です。このお笑いコントで、すでに大勢が亡くなっているわけで、悪気のない勘違いの信念ほどやっかいなものはないという。
2021/10/09

不評で始まった総理大臣は日本を挽回できるか|新自由主義と決別

10月から新しい総理大臣に代わり、いきなり不評の嵐です。しかしマスコミ論調もネット世論も、評価がグシャグシャにからまっています。これは日本の「失われた30年」が、今も続く理由と同じ現象です。

「失われた30年」は海外でも使われる語で、最初は「失われた10年」でした。長く続く理由は、原因を皆が間違って解釈しているからです。いつもの比喩を使えば、凍傷の人に冷水や氷や冷却剤をあて続ける間違いです。まさか温めれば解決するとは誰も思わず、30年が過ぎました。

治そうと必死になるほど、もっと悪化するわけです。30年前に何があったかといえば、1989年前後からのテーパリングでした。「消費税導入」「公定歩合の爆上げ」「信用収縮」の三つ、自国通貨の削減方針です。この自国通貨という概念が日本人は全く苦手です。

「お金とは何か」で勘違いして、GDP世界2位の国が自己崩壊した、不思議な世界史です。新しい総理大臣は、崩壊を終わらせようとして公言しました。「小泉政権以来の新自由主義から転換する」。「回っているのは地球の方だ」と言い出したから、大勢が「こいつは何なんだ」となったわけです。

新自由主義経済とは、政府を罪悪視して民営化を促進し、格差拡大と貧困化を進める原理主義的な経済思想です。近年は持ち株会社を主軸に世界同時不況を故意に深め、富の独占を進めてきました。新自由主義は反社会的が身の上であり、読み解くキーワードは「社会」です。

21世紀になぜ人権侵害と人命軽視が流行るのか。「社会的」が崩壊したイベントです。『ベルリンの壁崩壊』。新自由主義国の反対は、福祉国です。政府が弱者を守る仕組みを不正とみて、「滅ぶにまかせよ」の優生思想、選民思想が新自由主義。その逆をやると言う総理に、国民が「社会主義かよ」とブーイングしています。
2021/09/29

ドローンの宅配便研究は錬金術みたい|ゴールを決めない経済競争

ドローンという語が出始めた時、ラジコン式の無人ヘリコプターだと知った次に、遠大な計画が出回りました。無人の空中宅配便です。商品の倉庫から購入客の家へと、荷物を空から運べば非常に高速化するという夢です。

しかし少し考えただけで、困難すぎるとわかります。まず出荷側で、誰がドローン本体に荷物を乗せるかです。荷物の形状は無限に多様なのに、ドローンにしばりつける苦労です。運搬中の風雨や落雷や、故障は無視しましょう。

到着した家ですぐ受け取れない時はどうなるのか。引き返すのかなどを考えると、すごい難題です。今現在は、この複雑に分岐する障害をプロのトラックドライバーが解決しています。訓練と知恵と機転で創造的に。人工知能を超えた人間です。

ということは宅配便の空中運搬は、鉛から金を作る錬金術のごとく仮の目標だとわかります。未知の成果を求める、ゴールのないクリエイト競争です。だから研究は国費を使うのが妥当でしょう。民間には適しません。

研究成果が出た後で、民間資金で製品化がスタートする順序です。日本でこうした官民の使い分けが不能です。国際競争から脱落した理由は、新自由主義経済の悪弊です。新自由主義は政府を排除し民営化バンザイだから、年月がかかる基礎研究に手を出す者がいません。それで獲得する特許も減ります。

今日2021年9月29日に自民党総裁に選ばれた岸田議員は、何と新自由主義経済からの転換を公言しています。政府が経済低落させ、貧困化させた「失われた30年」のストップ宣言です。ところが彼は国の財源は税金だと誤解し、Too little to lateに終わってしまう予感も。
2021/09/04

アート作品のハードとソフトのロジック|ベルヌ条約と通貨発行権

パソコンの故障を状況説明する時に、「ハード」の語にご注意を。ハードディスクに関する話なら、略したい時はディスクと呼ぶべきです。ハードと呼ぶと、ハード的な物理故障とソフト的な論理故障に混線し、解決の第一歩が始まりません。

ハードとソフトの対立概念は、丸ごと抽象思考です。人間が故障した場合だと、器質的障害がハード的な物理破壊に相当し、機能性障害がソフト的な動作不良です。ハードとソフトを分離した思考は、先進文明の先端の必須事項です。

この問題に画家も彫刻家も、すぐに直面します。著作権です。キャンバス画を所有した人は、作品のハードだけを所有します。ソフトは所有できません。ベルヌ条約で詳細が決められた国際ルールで、日本は19世紀にすでに加入しています。

キャンバス画を買ったお客は、その絵を美術館に貸して、その展示室を有料にしてレンタル料を受けることは合法です。しかし絵を写真に撮り、複製画や絵はがきにして売ると違法です。実現するには、作者と交渉するか没70年を待たないとだめ。

芸術作品の著作権は、国のお金の通貨発行権と似ています。通貨発行権とは、自国通貨というユニークな単位を、各国政府が自由に増減できる権利です。アメリカがわかりやすく、コロナで産業が低迷すれば、大統領がドルの追加発行を連邦準備銀行に指示します。

ドルは公共投資と個人へのばらまき配布で、市場へ投入します。人々は様々な商品を買い、家具や車や住宅も買い、企業の解雇や倒産や外資への身売りを食い止め、国の棄損を減らせます。コロナ飢饉の餓死を防ぎます。日本が同じことをやらないのは、ばらまくお金が国民の自腹だと勘違いしているからです。
2021/08/10

京都市が財政破綻する悪い冗談|福岡市は交通インフラ整備中

昨日は「山の日」の振替休日でしたが、近所の私鉄高架工事の進み具合を見に行きました。開かずの踏切を解消して、経済を活性化させる計画です。ここは日本経済全体の低迷よりはましであり、繁栄の秘訣は公共投資を続けている点です。

「日本は少子化で人口減だから、インフラ整備は不要」と言われますが、どこから突っ込めばよいのやら。まず少子化急伸はデフレ不況が招いた結果であり、少子を前提とした話なんて「傘をたためば雨はやむ」のギャグというか逆です。

公共投資は造幣を伴うので、役立とうが無駄であろうが、出費すれば経済は右肩上がりになります。「ならば今はなぜ右肩下がりなの?」に対しては、逆をやるから経済が落ちるとなぜ考えない?。上を下と覚えたドジ、国ぐるみの大ゴケです。

3日前に、京都市がいずれ財政破綻する報道がありました。原因は地下鉄と市バスへの補助金の借金がふくれたことです。この話を聞いて、国民はおかしいと思わないといけません。生物兵器の実験から感染したと言われる、コロナパンデミックという緊急事態です。戦時並みの緊急時に、ケロッとしているのはなぜ。

経営の失敗でもないのに、ていたらくを責め合って何が正義か。他国と同様に政府が国庫短期証券を発行して、日銀当座預金を通して京都市が借りた市中銀行へ地方交付税交付金名目で振替して、信用創造と信用収縮の同時履行で完済します。

サリンがまかれた電車内で、車掌が客の切符を点検して回るような、コントふうのニュースです。自治体や企業が有事に、平時どおり倒れる必要があるのか。それもこれも、お金は大事な資源だとする、日本国民の妄想が喜劇を生んでいます。
2021/07/26

2020東京オリンピックの開会式が史上最悪?|違う、そこじゃない

2021年7月23日から、2020東京オリンピックが開催されています。開会式を見た内外から不評の声が多く、史上最悪の五輪開会式だとの声が山のように出回っています。まとまりがなく、意味のない、効果のない演出がだらだら続いたと。

その指摘はたやすいことで、このオリンピックは世界経済の仕組みを変えた恐慌、感染症パンデミックの中での強行です。強行理由は、国際オリンピック委員会は民間グローバル組織なので、通貨発行権などないから。日本の混乱は通貨発行拒否が元凶だとお忘れなく。

一国の中で全てが完結するなら、お金を刷ればよい。しかしIOCは放映権料が資金源なので、犠牲を出しても強行せざるを得ません。飲食店に犠牲を強いる非常事態宣言中で、セレモニーの細かい打ち合わせも演習も省かれ、完成度の低さは織り込み済みです。

となれば鑑賞する側は、ひとつでも見どころを発見すれば、儲けものと考えるのが適切でしょう。制作側の実力が出せないのは前提です。それにしても今もその通貨発行権で、日本ではオリンピックに大きい誤解があります。

それは僕たちの税金で運営されるのだという、上から下まで勘違いした妄想です。コロナ解決策でIMFが勧告したように、政府は最大限通貨を発行すべき時であり、アメリカがやっている公共投資のドル発行を、日本は五輪経費で円発行すれば済みます。需給が国内で完結するから。

「五輪費用のツケは子孫が背負わされる」という激しい妄想のせいで、日本はどこまでもいつまでも貧困化を続けています。国民が駄目出しすべきは、世界とは逆にお金を出さずに五輪費用を国民に払わせる政策です。それは年貢米の時代錯誤。
2021/07/17

東京オリンピック直前に総理大臣を叩く国民|外国を見て学ぶ

海外遠征美術展のブログで国内政治の話をしてもおもしろくないものですが、1年遅れの2020東京オリンピックまで一週間を切って、国民は総理大臣を激しく非難していて気になります。何が気になるかといえば、打開策を知らない者が知らない者を叩いている点です。

打開策は国際通貨基金(IMF)が2020年に宣言しています。「各国は最大限通貨を発行せよ」です。これの意味を日本人は理解しないどころか、こんな宣言があったことも知らされず、世界の流れから脱落して独り相撲の状態です。

IMFが言わんとすることは、「独立国は自国通貨を造幣して、政府財政出動で国内にばらまいて、コロナの撲滅と経済の回復を同時に成し遂げよ」の意味です。自国通貨だから無料で、日本は円建て国債を出せばよいのです。ドル建てやユーロ建てだと有料だから無意味。

国庫短期証券を財務省から日銀へ送り、マネタリーベースの日銀当座預金の政府預金に積み上げます。そこから政府は公共投資として崖崩れ調査やガードレール工事や半導体工場支援などに使えば、GDPが上がり国民のマネーストックとなります。

無関係な業種も多いから、全企業に粗利補償してサラリーマンやバイトを解雇せずつなぎとめさせ、生活費を保ちホームレスや自殺をおさえこみます。全国民に直接円を配り、餓死や犯罪への転落も食い止めます。所得が増えすぎたラッキーな者は総合課税で翌年回収し、インフレ率を調整します。

未知数でなく、アメリカのバイデン大統領がお手本を示しているのに、総理も国民も何が何だか理解できずにいます。「バイデン政権を真似て円をデジタル発行してばらまこう」と誰も言わない。言わない理由も明白で、ばらまくお金は僕らの自腹だと勘違いしているから。芸術以上に理解の壁が果てしない。
2021/06/27

デフレの日本経済を説明する漫画が増えた|芸術の復興の準備

芸術は好景気に花咲くので、日本の芸術を押すにしてもデフレ不況下だと不都合です。そこで日本経済の現状や、低落した敗因に何度も触れてきました。最近ネットで何人かの漫画家が、財政を説明する漫画を出しているようです。

正しい財政とはこうだと説明し、なぜ世界で唯一日本がデフレ不況なのか、登場人物が言い合う漫画です。敗因は自国通貨削減であり、緊縮財政と消費税増税による国民の貧困化でデフレ不況なのです。他国は積極財政と売上税減税を行い、日本とは逆にインフレ好況です。

となると、なぜ日本だけ他国とあべこべに走り、せっせと自滅を続けるかが疑問です。好きで自滅しているのか、嫌いで自滅しているのか。答はネットにも暗示されています。キーワードは独自思想の「財源論」です。

アメリカのバイデン大統領はコロナワクチン接種と並行して、積極財政を行っています。連邦準備銀行からドルを発行し、公共投資と生活費ばらまきです。トランプ減税はそのまま、バイデン増税として超富裕層のキャピタルゲインに増税します。

これを日本人は理解できません。4兆ドル(440兆円)を連邦準備銀行が発行すると、国民が4兆ドルを賠償するのだと嘆くのが日本人です。この誤解釈を捨てるには、中央銀行の通貨発行権は打ち出の小づちだと理解する壁があります。バイデン大統領と日本人の壁は、実は簡単な話です。

大統領は財源は通貨発行だと知っています。日本人は財源は税金だと勘違いしています。大統領はトラに肉を与え、余らせたトラに捨てさせる。日本人はトラの肉を切り取り、トラに与える。アメリカはインフレ率2パーセント以上で富裕化して、日本はインフレ率マイナスで貧困化を強めるだけ。漫画みたいな話。
2021/06/18

日本経済を大きく変える動き|アメリカもEU国もケインズ理論へ転換

世界経済が舵を切っています。国際通貨基金IMFの専務理事は「各国政府が最大限お金を発行するよう、もう一段支出を求める」と宣言済み。「最大限」とはインフレ率の許容で、日本で仮に国民一人240万円配れど、インフレ率は1.8パーセントと、健常の2パーにすら届かず貧困を維持(アメリカは5月に5パーで裕福)。

米トランプ元大統領は240兆円、バイデン大統領はさらに400兆円分ドル発行してばらまく計画で、インフレ率が金銀やビットコインや株式相場にからめて当面話題です。中国の人民元ばらまきは前からですが、英ジョンソン首相もポンドを国民にどんどん配布中。

通貨発行権を持つ国はお金の発行が自在ですが、捨てたドイツ、フランス、イタリア、スペインなどEU国はどうか。欧州中央銀行ECB総裁も、ユーロを大量増刷して各国に投入を始めています。ドイツはベーシックインカムのテストで先行。

お金がなければ列車に飛び込むのは日本人くらいで、歴史的には暴動やクーデターから内戦以上の戦闘になっています。欧米の機関は全世界に通達を出すでしょう。日本でも国会議員が、国内の激しい貧困化をストップする勉強会を進めていることを知りました。日本には洗脳済み国民の抵抗問題があるのです。

日本だけなぜ勉強会止まりなのかは、1997年以降人類史上最長で最大のデフレ不況をキープしている理由と同一です。「財源論」「日本財政破綻論」「ハイパーインフレ厨」「財政モラル真理教」など、古典経済への狂信がじゃまします。たとえるなら、船が進むと海の端で滝から落ちる式の迷信が、日本だけ異常に根強い。

人類がお金について勘違いしてきた実態は、実は経済史の核心だそうです。世界が今やる改善は、1929年の大恐慌の後1930年代の財政と同じ、ケインズ理論です。あの時は景気を上げるのに成功しながら、モラルの反動で古典経済に戻して経済が再下落し、第二次世界大戦を招き原爆まで行ったしくじりが経済史でした。
2021/05/19

アメリカのインフレ懸念と財政手法を理解する|景気と絵画の価格

アメリカのインフレ懸念がニュースに増えて、ネットにも論述が多くありますが、やはり間違いが多いようです。バイデン大統領は公共事業への政府支出と大型増税をセットにしています。これを日本では、増税して集めたお金を公共事業にあてるのだと勘違いしています。

そうではなく、公共事業にあてるお金はドルの新発行です。合衆国のお金が増えて好景気になりすぎる可能性が高まります。インフレ率が過剰に上がるのを冷やすために、余剰金を捨て去る作業が増税です。日本で理解されにくい原理です。

日本政府のインフレ目標は年2パーセントですが、コロナ前のインフレ率はマイナスでした。コロナ中の2020年でマイナス0.4パーセントなので、日本だけは延々とデフレ不況なのです。なのに日本でインフレ懸念するおかしな発言が多く、これが日本が傾いている一因です。金欠を理由に増税する日本はあべこべ。

インフレ好況のアメリカがデフレ不況の日本に「逆をやれ」と指示したのは、朝鮮戦争勃発の時でした。日本は実は味方で、ソ連が本当の敵だと知ったアメリカは、日本と韓国を経済発展させるために、公共投資で富裕化させるよう手伝いました。そして1964東京オリンピック。

インフレが主に二種類あることも日本では知られません。デマンドプル型とコストプッシュ型です。絵画だとわかりやすい。デマンドプル型は人気が出て値上がりする絵、コストプッシュ型はキャンバス代の上昇で値上がりする絵。前者は好景気、後者は不景気と、構造が逆のインフレです。

コロナでインフレ率が1パーセントに落ちた苦境のアメリカは、最近2.6パーセントと幸福度が上がり、それが一時4.2パーセントに上がった時は、コストプッシュ型です。原油価格高騰も原因なので、金利上げや増税する筋合いかを検討中です。
2021/05/07

インドへ日本から55億円贈る|日本では理解されない正しい援助

日本政府はインドのコロナ対策として、55億円を贈ることを決めたという。これに対して「日本人にお金を出さず、外国にはポンポン出す」という裏切りを批判する声がネットに多くみられます。この批判は間違っていて、日本でお金の機能がいかに理解されていないかを示します。

まず各国政府には通貨発行権があります。インドがお金が欲しければ、ルピーを好きなだけ追加発行すれば、費用の心配はいりません。この点で日本人は各国政府が自国通貨を自在に発行できることも知らず、お金を宝物と誤認して日本政府批判を続けてきました。もう何十年も。

ならばなぜお金に困らないインド政府は、日本のお金を必要とするのか。買い物が国産品でないからです。インドの病院で酸素不足に陥った報道がありました。解決に必要な物品は国産でなく外国製だから、絶対安全でも自国通貨ルピーの国債発行ではだめ。他国通貨の国債を出すと危ないしややこしい。

なので日本政府がインドへ贈るお金は、インドが海外製品を買う外貨なはず。案の定、報道に「日本が人工呼吸器と酸素濃縮器の提供」とあります。医療機器は日本製品で、お金は日本の国内メーカーに渡ります。健全な政府財政出動です。インドが受け取るのは、医療機器です。宝はお金ではなく製品なのです。

55億円は日本の自国通貨円の国債で発行するから、日本国民の持ち金は減るどころか逆に増えます。このように、国民の政府批判は善行を悪行と邪推するケースが多く、その声が通貨の削減となって貧困化を強める力になってきました。

それなら政府は、なぜ日本国民にお金を贈るのを渋るのか。そこは国民と同じ時代錯誤な金本位制で動いています。知識の有無で内部分裂しています。最近、与党の一部議員が政府財政出動を大々的に行うコロナ終止符案を出しました。何の話なのか理解できない議員ばかりだから、国民の無意味な犠牲がしばらく続きます。
2021/04/24

国際社会はお金の意味を学び直した|日本の百貨店は強制閉店か

「コロナから脱して経済が伸びる一番は日本だろう」という国際社会の当初の読みは、「日本は感染の収束に失敗した」(NY TIMES)に変わりました。日本が期待された根拠は新型コロナ感染数の異例の少なさでした。しかしワクチン摂取が遅れているのでしぼみました。

ところが論点はワクチンではなく、日本のデフレ不況です。根底には貨幣観の誤謬があります。世界はお金の正体の理解者と、無理解者にきっちり分かれています。芸術を理解するしないで、世界に分断がある実態と似ています。

日本の経済信仰は複数あります。「お金は誰も発行できない真理教」「政府が発行すれば破綻する真理教」「破綻を延ばせば子孫がツケを払う真理教」「発行できてもハイパーインフレになる真理教」「問題は皆無でもモラルが崩れる真理教」という具合。「日本はビンボーが一番」という謎の主張も非常に根強い。

世界はどうか。日本と違い社会リーダーに完全な理解者がいる反面、各国民のほとんどが日本人と同じ誤解を持ちます。名称があり、銀本位性、金本位制と呼ぶ、過去に人類が立ち寄った貨幣政策を世界は引きずっています。教育が行き届いた日本は誤解が激しく、しかし他国にも誤解は残ります。

日本でゴールデンウィークに百貨店の強制閉店が予定され、一店に毎日20万円補償する計画です。でも百貨店は日収1億円だから悪い冗談です。1億円補償できないのは、お金の機能を勘違いして惜しむからです。コロナに負ける理由は、ユニセフから「女性と児童の貧困国」と定義されてきた理由と同一の真理教です。

コロナ前からお金の機能を知る者はイギリス金融とスイス銀行や、米民主党の一部議員が目立ちました。さらに世界は思考停止せず、IMF、ECB、FRBもコロナ中に経済を学び直して方針を一転させました。各国はお金を出し続けなさいと。現代の信用貨幣を理解するこの団結の輪に、しかし日本はいないのです。