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2020/06/29

ミネアポリス暴動はロサンゼルスの再来|アメリカの新自由主義と格差

アメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルス暴動は、もう28年も前の1992年に起きた人種衝突でした。発端は粗暴なアフリカ系市民を無力化した後の、警官による過剰暴力でした。暴徒の都市破壊が韓国系商店に及び、全米が動乱のようになりました。

コロナ騒動の最中に、アフリカ系市民の首を押さえて死なせた事件はミネアポリス暴動。ジョージア州アトランタの事件もあります。近年は新自由主義経済の断末魔が人種問題にずれたみたいな。小さな政府、緊縮財政、格差拡大、自己責任など、国民を低所得化して連帯を壊す方向です。

遅れて新自由主義に傾斜した日本でわかるように、格差の拡大と固定によって社会に柔軟性がなくなります。その典型が東京大学入学の世襲的傾向です。年収950万円以上の上級国民が高い割合で合格し、低所得の家庭は通用しないらしく。

入試で小論文や面接の採用が流行し、生徒の多角的評価にはなっています。ただし裏口入学の表口化というか、お金ならあるという生徒から授業料収入を得る目的に広がってきました。これは国税への誤解で、大学補助金を無意味にカットした財政ミスが発端の新自由主義でした。

緊縮財政の補助金カットが、国民の分断と差別の助長となる当然の成り行きです。民営化の先輩アメリカでは、アフリカ系は低所得、低学歴、医療を受けられないなど、ハンデが固定しています。是正は部分的なので共食いとなり、白人ワーカーが今度は低所得化して悲惨らしく。

延々と続く警官対アフリカ系の事件は警察の体質ではなく、経済格差の問題です。人種が多様化した上での格差拡大は無茶で、貧困問題を残して差別だけなくすのは不可能でしょう。アメリカが解決する近道は、昭和の日本を真似た3億総中流か、あるいは皆保険制度とベーシックインカムで極貧を消すか。
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2020/06/09

月と木星と土星が集合した夜|惑星グランドクロスと日本財政破綻論

2020年6月8日から9日にかけた夜、梅雨入り前の日本で天体ショーがありました。月のすぐそばの11時の位置に木星、10時の位置に土星が並ぶ惑星配列です。もしも木星が月の向こうに隠されてしまえば、月による木星食ということになりますが、そこまでぴったりは重ならず。

このように太陽系の惑星が同じ方角に集まると、地球で不吉なことが起きるというデマが大流行した時がありました。20世紀後半の中盤頃に、ベストセラーとなったフィクション『ノストラダムスの大予言』を元に、惑星直列と惑星グランドクロスが世界の終わりのしるしだとされました。

大型の惑星が集まると、一方向に引力が集中して地球の物理に作用を及ぼす筋書きでした。また人間の脳に異常を起こさせて狂わせるという恐怖説でした。この本が偽書扱いされた理由は、数字の大小や程度問題を考えない言葉勝負のオカルト流儀もありました。エンタメ本でした。

地球に多大な作用を及ぼし、人間の脳に影響を与えるのは太陽であり、その巨大さにくらべて、惑星の影響は小さすぎて話がアンバランスです。これは宇宙の規模を誤解している人への引っかけでした。惑星の配列を示す立体模型も一因です。

方角が近いだけであり、地球から月までの平均距離を1メートルとすれば、木星は2000メートル、土星は3700メートル離れています。月は別格としても、木星の明るさが際立つのと、土星が意外に暗いのは、反射率以上に距離が関係します。ところで今、このように数字を出さないデマが経済学でも広まっています。

コロナ給付金を増税で巻き上げないと、ハイパーインフレで日本は終わるという、経済グランドクロス説です。経済ブログへ検索アクセスがあり、不安だけのノストラダムスとは違い、財政破綻論は倒産企業の見殺しにつながります。人心が変調をきたすのは、万有引力よりもデマの本が原因とわかります。
2020/06/04

ドイツは消費税減税すると発表|日本に可能な0にはできないEUルール

ドイツは7月から12月まで、消費税減税します。長年の19を16パーセント(EUルールは15以上)に、食品などの軽減税率は7を5パーに下げます。当活動はドイツの景気に左右されるので、近年GDPの伸び率鈍化が気になっていました。

日本は23年もGDPが伸びずに止まり、ワースト2位のドイツに引き離されていました。その引き離され方が鈍っていたのです。絵が売れる単価が下がってきて、現地の人・物・金が不景気に巻き込まれる問題です。

消費税はむろん財源でなく、景気の調節弁です。本来は緊急インフレ抑制とデフレ抑制、つまり貨幣価値安定の手動式スタビライザーです。その道理でドイツ政界の意向に従い、メルケル首相は付加価値税の減税を発表しました。当然ユーロを追加し、ダブルで好景気化します。

EUは新自由主義経済とグローバリズムで設計され、景気後退局面でデフレスパイラルから出られない宿命です。そこで昨年、ECB総裁はMMTも参考にすると公言し、その時点では現代通貨の認識改善に出遅れ、主流派経済学説だとわかるわけです。

総裁がMMTの本を書ける程度に現代の貨幣メカニズムを理解すれば、EUが景気を上げるのは難問ではなく、コロナ後の紛争も防げるはずです。コロナで新自由主義とグローバルの曲がり角が来たと、世界に共通認識があるでしょう。例によって、イギリスとアメリカが先行して次へ進む過渡期です。

国債発行で自由に景気を変えられる日本と違い、ドイツはユーロを発行できず受動的です。欧州委員会がユーロ補助金を増やすにも、理念や思想や貧困化ビジネスの利害もあります。ただし日本のように、輸出業者が還付金欲しさに増税を望む歪みは、製品ユーザーのみ払う付加価値税の他国では起きません。
2020/05/24

海外の日本人へのコロナ給付金を実現させよう|外国への政府財政出動

特別定額給付金を海外の日本人へも広げるよう、政党にはたらきかけています。海外生活のコストはデフレ不況の日本より相対的に高く、励ましとシンボル的な効果にとどまりますが、一部当地の給付不足に物言う意味もあるにはあります。

日本では国民に嘘を教えてきたツケが、今どっと出ています。国の出資は税金でまかなうという壮大な妄想です。国民はケチになり、風俗産業従事の母子家庭はもれたし、学生への給付や事業給付の拡大にも、大反対する意見ばかり並んでいます。自分が納めた税金を他人に渡すまいとする勘違いです。

そもそも定額10万円も、持続化給付金も、マスク配布も、全て政府国債こと財務省証券発行によるマネー・クリエイションの円造幣です。真水と呼ぶ自国通貨の追加発行です。給付規模を増やすほど貨幣総量のパイ全体が大きくなり、日本は貧困から富裕へチェンジするだけの話です。

「えっ、だったら今も続く平成大不況は何なの?」。そう、ケチに徹して自国通貨を減らした自滅だったの。日本国民が労働を怠けたせいではありません。国の無駄をなくせば納めた税金が助かるという逆さまの論理に皆が走ったから、デフレ国は日本だけです。

ところで政府財政出動を国内でなく、海外に行えば経済効果はどうなるか。海外の銀行口座へのコースは金融業者が決めるとして、当地の貨幣へ為替変換されると、ごく小さくても当地全体の貧困化緩和とインフレ率向上になる理屈です。

これはODAなどに近い意味になり、当地の景気はかすかでも向上します。連想するのは平成の大逆転です。財政出動でインフレ好況の中国と、緊縮財政でデフレ不況の日本が、世界貢献度で入れ替わりました。日本はGDPを再び上げて、また世界にばらまくのがお互いの文化のためになるでしょう。
2020/05/15

財政破綻のデマでコロナ給付金も少なく遅い|税金の嘘は芸術の嘘より罪

支援金や給付が変にハードルが高く、もたもたするうち150件ほど企業倒産しています。全員失業。申請してもお金が届かないので悲鳴が増えています。日本政府はお金を出し渋っているのではないか、という声が高まっています。何を今さら。

財政宗教を再チェックします。大衆レベルの宗教が財源論です。「国の支出は税金でまかなう」の妄想が「俺たちの貴重な税金を風俗嬢や学生ごときに配るな」という民意となり、足を引っ張り合う共食い状態です。財源を守りたい間違った正義の選別意識が、政府をけん制している図です。

なぜ間違いかは、予算執行は自国通貨の追加発行だからです。なのに国民は、備蓄金の取り崩しなのだとまるっきり勘違い。ならそもそも税金は何か。景気過熱時の余剰貨幣の間引きです。国税は市中にだぶついたお金をマネーストックから除去する、インフレ調整機能なのです。この部分が芸術的で、理解及ばぬ者が続出。

評論家レベルの勘違いは日本財政破綻論です。国債を発行して経済規模を大きくすれば、その借金で日本は破綻するという、国の借金1100兆円のフェイクです。これはバランスシートを誤読した借金なる誤訳で、実際は現役貨幣の発行済み額です。逆に増やし続けないと経済縮小します。現日本の貧困化の直接原因がこれ。

行政レベルの嘘は、通貨発行でハイパーインフレになる妄想です。インフレは貨幣量と商品量の多寡の相対性で生じ、今は超デフレです。体重30キロの人が90キロになる警告の無意味さです。50キロになるまで食べて拒食症を直す処方で済む話で、日本の財政論は芸術論並みにポエムです。

本当は芸術の本質とは「表現の多重性と断層が生む変異」です。それを「芸術は写実デッサンなり」と誤解釈したが最後、作品の全てがわけがわからず、誰も自分の目を持てなくなり、鶴の一声で作品の価値を決めてもらうような感じ。一個の虚偽で皆が染まり一業界が発育不全になる流れが、一国の規模でも起きます。
2020/05/05

日独の財政拡大は日本がドイツを逆転する|円とユーロの違いがでかい

日本のコロナ対策は最悪だという声と、最高だという声が両方あります。これは最高の国家態勢があるのに、決定が「小さくて遅い」画竜点睛を欠くパターンです。100メートルを9秒台で走れるくせに、本番スタート直後に歩いて負けるみたいな。ポテンシャルとパフォーマンスの落差です。

ドイツは行動パフォーマンスが強く、素早く国民へ現金給付を実行しました。ところが間もなくショートして、持続せず中断しています。EU加入でポテンシャルが落ちているドイツ。一方の日本は逆に、のろのろグズグズしながらも軌道には乗っています。

日本が優れているのは、決定を受けた後の現場スタッフのはたらきです。不評だった給付金のネットサイトをチェックしても、想像以上にていねいに制作してあり、当初の欠点はすかさず改良されています。連日の徹夜で作ったであろうと。

日本の小さく遅い意思決定は、ある迷信が原因です。「国債を発行すれば国が破綻する」というたたりです。フェイク本に円のデフォルトや金利上昇やインフレ危機で日本沈没が予言され、素人だけが引っかかります。マスクの配布がすぐ決まったのは利益供与のせいではなく、金額が小さいからです。

一方のドイツでは、変動為替式自国通貨である日本円の発行は夢。ドイツにとってユーロは外貨なので、日本にくらべ大ハンデです。日本のYENがノー・インフレリスクで、GDP減少分以上に国債発行で埋められるのに、ドイツは通貨の自主発行権さえなく弾切れ状態です。

最高条件なのに迷信があり行動できない日本と、行動は速いが最悪条件のドイツの違いです。コロナ恐慌は、通貨発行が多く税回収が少ない国が勝ちます。与条件を活かしているのは、新自由主義経済の緊縮真理教を蹴飛ばし、MMTに基づいた合理性で動く中国だけです。
2020/05/03

アート業界もただ今資金調達タイム|出てくるお金の性質を知ろう

2020年のゴールデンウィークに入りましたが、コロナ緊急事態宣言中なので、各地の伝統イベントやレジャー施設は閉鎖しています。当面は給付金手続き時間です。5月に入って、美術関係の方々もできるだけ多く資金を引き出すよう、準備するのがよいでしょう。

給付モノと融資モノがありますが、ひとつ重要ポイントがあります。いずれも日本のどこかにある在庫の備蓄金や、税金などを回すわけではありませんので。税金はそもそも支出する筋合いで徴収していませんし。

給付モノは政府国債発行によるマネー・クリエイション(信用創造)で行う新規の円発行です。このお金はユーザーが返済しないし、政府も国債償還で借り換えする性質のもので、いつか誰かが負担するものではありません。誤解のなきよう。

一方の融資モノは、銀行からのマネー・クリエイションによる新規の円発行です。担保を取らない融資が前提で、最終的にユーザーが無利子で返済しますが、本当に返済することになるのか、政治判断になると思われます。

何しろ緊急で非常な事態なので、もしかすると回収不能分は国債発行で帳尻を合わせることも考えられます。結局は企業や事業者が倒れない調整として、返済の法外な延期や免除もあり得ます。その証拠に、大企業向けの融資は返済を前提としない隠れ給付らしいのです。倒れそうなら借りてから考えるのが得策。

いずれのお金も、今から発行する貨幣です。もらって使うとGDPが上がり、もらわず使わないと国家経済が縮みます。経済原理的には、なるべく多額を受け取り全額使う者が、社会貢献度が大きいということになります。ちなみにもらえば後が怖いとの警鐘は、財政の仕組みに反したフェイク本のデマです。
2020/04/16

第二次世界大恐慌となるコロナ騒動|令和から第三次世界大戦へ

1985年の五カ国プラザ合意で、完全変動為替の円高と日銀の公定歩合引き上げから、日本はバブル時代へ入り好景気にわく8年間でした。が、バブル前夜のテレビはある現象をとりあげ、一部の国民はある本を読みました。

テレビが話題にしたのは、カラスルックと呼ばれる黒いファッションでした。これは本来は不況の予感なのです。好景気に並行して黒が売れました。ひそかに読まれた本は『大恐慌』でした。1929年にアメリカで起きた株価暴落で、世界が超デフレ不況から恐慌となった事件でした。その記録書です。

第一次世界大戦の賠償支払いで困ったドイツでナチスが台頭し、周辺国へ侵攻して第二次世界大戦へ。昭和恐慌で円を刷り立て直した日本は二・ニ六事件から、ソ連対策でインドネシアの石油をめぐり日米開戦へ。原爆まで直行。大恐慌から1945年まで、株が発端で世界の人口が激減しました。

その大恐慌以来の世界同時不況が、コロナで起きているデータがあります。GDP下落予想ですが、肺炎と所得減の飢餓の死者数は未知の領域です。91年前はウイルスのない恐慌でした。日本から出るデータは粉飾で信用されず、評論家も英米の大手金融会社など海外のデータを頼っています。

他国と違い、日本のみ悲惨な制約があります。刷れば必要なだけ増やせる自国通貨を刷らない宣言です。働いてかせぐべきお金を無料で配る棚ボタだと、財政規律に照らして商道徳に反する理由です。食えない庶民は自己責任で列車に飛び込めと。この特攻玉砕の思想の根に、ある偽書が隠されています。

偽書では、日本は国債発行額でとっくに財政破綻し、円が紙くずになっているはずです。現実は世界一強い円のままです。財政の仕組みを無視した偽書に肩入れするなら、今からでも日本が崩壊してくれないと『ノストラダムスの大予言』に終わる理屈です。ジャパン・プロトコルふうのミステリーが進行中です。
2020/04/08

緊急事態宣言の翌日のラジオニュースは悲鳴|令和恐慌がスタートした

2020年4月7日に、緊急事態宣言が7都府県に出されました。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡。こちらも入っています。遅れた上に強制力が弱いのは、逸失利益の補償回避です。実はこれが、日本だけの特殊事情なのですが。

翌8日19時のラジオニュースからも、市民のパニックと殺気だった雰囲気が伝わりました。恐慌がスタートしたとわかります。全国でもう45社だかが倒産し、失職したり抵当物件を失うなどで、列車に飛び込んだり首を吊ったりを、周囲が食い止められるかです。

何日か前からアメリカ在住日本人が、日本への警告動画を出してくれていました。感染スピードに対してアメリカ人は油断して、バッと広がって死にまくり、往年のマスク嫌いさえ消し飛んで皆マスクをつけたという。つけない者は狂って、路上でわめいているという。

ドイツからの目に日本は安泰にみえても、最大の問題はデフレ不況かつデフレ促進策です。コロナは泣き面に蜂です。だからラジオニュースから流れる市民の声は、仕事が消えたのに補償しないと終わりだという悲鳴でした。

なぜ日本だけ補償しないのか、欧米と何が違うかは、経済ブログに105編の詳しい説明があります。12月から、まるでコロナ恐慌向けに書いたかのような内容です。現金支給の意味がわけわからない方は、ご覧ください。皆書いてあります。

日本の暗雲が濃くなり、アートおもしろネタ話の気分も社会に消えてきて、皆が落ち着く話題を探しているところです。アート・マネージメント・システムは、連絡を取り合い続けています。
2020/03/21

世界の新型コロナ対策はベーシックインカムか|日本の勘違いは健在?

人工知能AIによる職種消滅が問題となった2017年に、ベーシックインカムに関心を持つ参加者がシンギュラリティーをモチーフにした絵を出品しました。AIといえば、蓄積データが多いコンピューターか、自ら意思や感情を持つ鉄腕アトム型かの分岐点があります。その分岐点がシンギュラリティーとされます。

今の問題はコロナウイルスです。グローバル世界に微生物が広がり、『宇宙戦争』で死滅した火星人みたいに、疫病で人類が絶滅する危機です。絶滅までいかなくても、現代の生存に欠かせない貨幣を断たれた人は強盗や詐欺でつながない限り死滅するから、福祉の欠陥国は事態が切迫しています。

すると各国の最後の策は、貨幣の配給、つまりベーシックインカムしか残されません。同時に支給するアイテムに「超高性能スーパマイクロファイバー4Dマスク」も必須で、その生産性向上のためにも産業を動かし続ける労働は続きます。

ところが世界で最もベーシックインカムを必要とする日本で、ベーシックインカムの構造が誤解されている現実があります。AI問題で話題が広がった頃に、カリスマ評論家やご意見番たちに、ベーシックインカムの理解者はおらず、みんなで誤解を広めました。

何を誤解しているかは、「財源はどこにある?」「月何万円を1億人以上に払うなら、その額を税金で集めることになり、お金持ちは逃げ出す」という、どうしようもない初歩的な考え違いだったのです。

このどうしようもない考え違いが、そのまま世界で日本だけが貧困化している理由と重なっているのです。日本は色々な事情で傾いているのではなく、わずか一個の理由で傾いています。絶滅危惧種みたいに言われる美術関係者向けに、説明を用意しています。
→ベーシックインカムは誤解釈のデパ地下
2019/12/13

日本のアーティストが海外へ出る動機|企業の脱出は法人税と無関係

日本のアーティストは、少しずつ海外へ脱出しているのかも知れません。芸術の理解者が国内に少ない問題もあろうし、ネームバリューで何ごとも回る風潮がうざいと、能力主義を求める理由もあるかも。しかしより切実な理由は、確たる美術市場がない点でしょう。

絵をかいても常設的な売る場もないか、あってもガチガチの条件つき。これは日本企業が海外へ工場を移す動機と似ています。ところが日本からの企業脱出で、以前から間違った動機が言われます。法人税が高いから、安い国へ出て行くとの定番のウソがあります。

アンケート調査すると、企業が海外へ工場を移す理由の上位は、相手国に「大市場がある」「資金と人材がある」「うちは一種類の商品だけで成り立つ」。相手国の景気がよいから引っ越すのです。その一方で、高い法人税が日本脱出の動機になると答えた企業は、たった8パーセント。

答えた8パーセントは、法人税を誤解しているはず。個人の所得税と企業の法人税が、どんなに違うかは意外に知られていません。前にも、所得税と法人税を混線させて説明する啓蒙動画があり、間違い内容なのにウケていました。

所得税も法人税も、収入から経費と控除を引いた残りが所得です。家庭で買う応接セットやキッチンテーブルやコーヒーメーカーは、所得税の経費にはできません。ところが法人で買うと、法人税の経費になります。重税なほど、家庭のテーブルは安物に、企業のテーブルは高級になる道理です。

「高級になる」の部分に、「社員の給料を高くする」も含まれます。法人税率が高い国ほど、社員を奴隷扱いしない従業員ファーストなのです。つまり、法人税を下げよという声の裏に、社員の頭上に君臨する株主ファーストがあるとわかります。誰のマネーを奪い誰に与えるかで、税制が悪用されています。
2019/12/07

若い新世代が日本をあきらめ始めた|不良債権処理と消費増税で貧困化

一昔前に野党の党首が交代して打ち出したスローガンは、「日本をあきらめない」でした。「誰もあきらめてなんかねーよ」などと、世間から散々に叩かれました。ところがその後は、特に若い世代が日本をあきらめ始めているという。それも当然です。年末の今、人類史上最長のデフレ不況を記録更新する直前だし。

日本国が通称「リゾート法」と呼ぶ国土開発の内需と株投資ブームで、マイルドなインフレを続けた1987年から1992年まで。88年に落ちたアートの次に不況に弱いフィットネス産業も落ちた95年まで。さらにWindows95で燃えたパソコンとソフト開発販売ブームの97年まで。という節目を振り返ります。

バブル後の経済低落を、突き落とした政策が二つ。ひとつは銀行に不良債権処理を急がせた金融政策。貸しはがし倒産の連鎖です。さらに決定的な分岐点が、97年の消費税増税でした。あの時の正解は消費税3パーセントを0パーに下げるのが世界の財政の常識なのに、いきなり逆走した。

逆走した理由は、税金は貨幣価値の安定が目的だという知識がない日本人が、予算不足を補う財源だと誤認したせいです。その思い込みは今も国民の96パーセントが信じたままで、記録的なデフレ不況を今もしっかり「支えて」います。国際陰謀論以前の問題として、国民の勘違いで国を倒したかたち。目が覚めるのはまだ先。

つまり日本の貧困化の起点は、1992年、95年、97年の三種類あります。リーマンとか関係ない。もちろん89年の消費税導入も犯人ですが、インフレ好況ゆえ悪行ともいえなかった。国民に明るい笑顔があった。物品税廃止で、モーターボートなどぜいたく品を皆が買いやすくできた。実際にヨットを買った会社員も多かった。

日本を暗転させた最悪の政策、97年の消費税増税の時に生まれた子は、今22歳だというわけ。大卒たちの半生は、日本が落ちていく時間に同調して夢も希望もない。冷え切った若者を、バブルや高度成長がリアルタイムだった年長者が温め直さないと、際限なく落ちそう。首里城や銀行の首ぐらいではすまないはず。

→【アートの本格解説】消費税と芸術はどちらが簡単な話か
2019/11/27

消費税15パーセントを要求するIMF|無駄をなくそうとする勘違い日本

消費税を10パーセントに上げると、次は15パーセント、その後20パー、30パー、40パーと上げていく薬物依存に似たのめり込みが、事前予想されました。根拠は、税率どおりに税収が増えない人間行動学です。500円のラーメンを1000円に値上げして、2倍の売り上げを狙うのと同様、客の買い控えが考慮にない失敗です。

現象は、かゆい腕をかけばかくほどますますかゆくなり、かくべき理由がかくことで生まれるのと似ています。日本語で悪循環と呼んで。ネガティブ・スパイラル。ついに出血や感染症を起こして、破傷風で死んだりして。

最近の国民は、消費税増税で不況が悪化し、所得が減るから収める所得税も減り、よけいに消費税増税が必要になる悪循環に気づきました。ところが改善策を99パーセントが勘違いしています。「増税する前にまず無駄をなくせ」という怒りの声が勘違いの典型で、全く何もわかっていない。

国税を徴収する目的は主に四つあり、(1)貨幣の信認、(2)貨幣価値の安定、(3)所得格差の縮小、(4)購入阻止です。(1)は自国通貨の宣言。(2)は超インフレの防止。(3)は共産主義革命やテロを防ぐ治安維持。(4)は悪品や悪所への抵抗増大。健康に期するタバコ税やアルコール税がそう。

徴税は財源の確保ではない。国内経済は政府発行の貨幣を循環させる方式だから。GDP500兆円に対して、特別会計と一般会計で280兆円の出費、補う国税は60兆円で、本来の財政出動のデカさがわかります。出費を300兆円に増やし、国税を40兆円に減らすのが正解です。貨幣発行増がGDP増であり、芸術よりよっぽど簡単。

時代錯誤の商品貨幣論で日本を攻めるIMF勧告に対し、「いや逆に減税しろ、そして国の無駄な出費を削減しろ」と騒ぐ国民。前半は正解で、後半は誤解。国の出費を減らせば、増税での穴埋めは自明の理ではないか。勘違いした国民が発する日本経済を縮小させる声を受け、国会議員が貧困化を進める構図がみえます。
2019/11/21

小さな政府が日本を壊した|報道番組が急に失政を言い始めたのはなぜ

平成時代のラジオ放送には禁句がありました。デフレという語です。「若者が車を買わないのは、デフレ不況で金がないから」と言うと、電波使用権で摩擦がある。そこで放送局は「今の若者は草食系で、車よりもエコに関心がある」などと、現実と違う分析を続けました。若者の貧困化に触れない対応。

しかし10月の消費税10パーセントでトーンが変わりました。「小さな政府を目指す日本で公務員の非正規化が進み、ライフワークの介護は不可能となり、地方自治が機能不全となった」と放送で語り出したのです。表現の自由を取り戻す動きか。

公務員は税金ドロボーで許せないという、アフターバブル時代の役人叩きを覚えている方も多いでしょう。民間企業の女子が貧困のあげく売春に手を出す平成末期、公務員は消費税増税するたび、給与増とボーナスアップでウハウハ。楽して儲かる上級国民のイメージが定着しました。

実際の公務員は、激務で死んだり病院送りになっています。日本は先進国中で公務員が少なすぎて、公共サービス崩壊へ転落中。失政とのほのめかしが、昨今の放送に出てきたのです。ところが放送局は、二言目には認識不足が著しい。ラジオ報道が国内に残された大問題を整理したのがこれ。

(1)日本の景気は回復せず、実質賃金が下がっている。(2)日本は財政再建も不十分で、国に無駄が多く借金ゼロに遠い。二つを改善しない政権批判ですが、放送は正気かとあきれた者も多いはず。(2)の財政再建の赤字縮小が、(1)の景気悪化の主因だからです。論者は日本国の病名を知らないらしい。

放送を言い換えるとこう。(1)男はやせ細ったままだ。(2)男は絶食も不十分で、無駄に食べている・・・。二つは因果関係です。どうやら放送局に日本を滅ぼす意図はなく、単に経済の仕組みを知らないだけ。善意のつもりでも、アナウンス効果を思えば罪深いのですが。
2019/11/14

沖縄・首里城の火災は入場料が安いせい?|敗因は無駄の削減でした

「沖縄県の首里城が焼失したのは、入場料が安すぎるから」が話題になりました。この着眼の間違いは家計と国家財政がごっちゃで、文化財を採算性で斬る収益主義の不適切です。家庭や企業とは違い、独立国の政府が貨幣プリンターを持つルールを知らずに書いたはず。焼失は公金カットによるニッポン貧困化の犠牲です。

入場料低廉説への批判も同じ不適切でした。「再建費を文化財ではなく、貧困者や福祉のために使うべきだ」。これまた独立国に貨幣プリンターがあるとの視点が、やっぱり欠けています。貨幣量が固定していて奪い合うこの思想を、商品貨幣論と呼びます。お金を限りある貴重な資源、レアアイテムだとみる勘違い。

総量が一定の貨幣を、自分の縁故分野へ引き抜く思考です。お金をこっちへ回し、あっちを葬る思考。結果はマクロ経済のGDPが停滞し、国民は貧困と不仲へ暗転。この変化は、1997年から貨幣プリンターを眠らせ、緊縮財政に変えた人災なのに、国民一人一人の劣化に罪をなすり合う人たちが怖い。

会社からもらう給料も、実は国債発行が生むマネークリエーションの循環だとは、日本で知られません。金欠の時に貨幣を追加発行する国際常識がイメージできず、フィールド内に今あるお金を、ラグビーボールのように奪い合うゲーム脳ばかり。身障者や高齢者叩きは、ライバルの口減らしが目的か。

「無駄な出費が多いせいで日本は傾いた」は狂った思想で、独立国は無駄な出費が多いほど裕福に変わると決まっています。一例がアメリカで、車やバイクを何台も買うコレクターが多い。ドイツでも、食べられもしないジャパニーズアートを買う市民が少なくない。生きていくのに全くいらない無駄な物に、お金を使うから社会が富む順序です。

「無駄な買い物が経済を回し、好循環サイクルで国力が上がる」と気づく日まで、日本は経済力ゼロへと縮み続けます。政治家は人口を減らす目的で無駄を減らしているかにみえますが、財政出動を削減し大勢が貧困になった方が、国民は逆に納得するものだから、大衆迎合でやっています。国際金融陰謀説より以前の話で。
2019/11/01

沖縄・首里城の火災とパリ・ノートルダム大聖堂|お金に不自由するEU

首里城の火災を見て、パリのノートルダム大聖堂の屋根が焼失した半年前を思い起こしました。直後に、世界各国は文化財の建築を点検しました。スプリンクラーのチェックや追加工事など。しかし文明国はそれが十分にできない状態です。世界の景気は後退し始めており、だから世界的な減税ブームです。

よくある言い方「国はお金を持っている」の意味は、国ほどの規模なら国家予算も多く金庫も大きい、という意味ではありません。国家は金持ちという意味は、中央政府が打ち出の小づちを持っている意味です。貨幣プリンターシステムから、無限に出資できる意味なのです。

ところが、ノートルダム大聖堂が燃えたフランスは、お金を持っていない国です。ユーロ統一通貨に加盟したので、自国通貨フランを廃止し貨幣プリンターがなく、自主通貨発行の財政出動ができません。国家が打ち出の小づちを捨てると、お金を生めない県相当の属国に落ちる道理です。

ギリシャショックとは、固定為替相場制度の非自国通貨ユーロの欠格を、国が後で知ったショックでした。国づくりできない仕組みに気づいたショックです。文化財を厳重保護する豊富な資金を民間に頼り、景気が悪いとスプリンクラーが削減される宿命なのです。民営化とは切り捨ての意味。要はだまされた。

一方、自国通貨の円を発行できる日本は、謎の宗教的理由で打ち出の小づちを封印しています(特別会計分には多用)。この緊縮財政で、公費に困窮するフランスとそろって困窮中。そして首里城も焼失。先進国は貧困化を狙った逆走がお好きで、日本もバブル時代の大工事からもれた地域は水害が目立ったばかり。節約があだ。

今「文化財火災安全指数」という数字を考えました。GDPを文化財の合計床面積で割った数字を国際比較すれば、国の保護力がわかる。日本は1997年に消費税3パーを0に減税すれば、今GDPが1300兆円になっている試算があり、だが逆走の増税で22年間500兆円で足踏み状態。予想どおり芸術文化資産の滅失がスタート。
2019/10/12

日本の企業人の働きがダラダラする原因|貨幣減らしの国策以外になし

日本はダメだ論に、因果の逆転が目立ちます。国内のオフィスをみて、「こんなにダラダラと仕事をしていたら会社は伸びるわけもないし、国内経済が落ちて不況になっても当然でしょ」。もっともらしいこの観察は間違いです。国内経済を落とす政策を受けて、ダラダラした順序だから。因果関係が逆。

政府の特殊な思想により国内経済が落ちました。「緊縮財政」は貨幣発行の停止、「消費税」は貨幣回収の促進。貨幣削減でみんなのサイフが軽くなるから、お客は商品やサービスを買わなくなる道理。こうして需要が減れば、供給を減らす以外にない。会社でハッスルして増産したら、人が余り自分か同僚がクビになる。

デフレ時代に民間にできることは何もなく、生産調整では打開できない簡単な原理です。「日本はもう物があふれた飽食で、消費は伸びない」の指摘は現実と合いません。台風で電柱が倒れて電気が止まった千葉県は、なぜ困り果てたか。各家庭が別荘を持たないからです。予備がない。

みんなが何でも持っていて、もう欲しい物は何もないという指摘はウソ。物余りで買わないのではなく、お金がないから買いたくても買えない。自転車も1万円ではなく、8万円のが欲しい。アルミ製27段変速。全国が金欠で需要が細いのに、供給は過剰だから、社員はブラブラ手を抜きます。役不足の飼い殺し状態です。

今、日本一周旅行する日本人はわずかです。国内を見てもつまらないからでなく、旅費がないからです。買えない物、できないことだらけ。60号の絵など家庭で考えもつかない。国民の体験が少なく、技量が低い時代の到来か。もう物はいらないよという声は、イソップのブドウです。

大事なのは量が売れること。大勢が多く買える金回りが先決です。人口が多い国は内需国として国際政情で崩れにくい理屈。日本はその強みを放棄して、輸出中心の小さな北欧国を目指して貧困化させ、これは脱アジアコンプレックスの害なのか。サマータイムへのあこがれと根はいっしょ。
2019/10/11

銀行が消える日が近づいた令和日本|故意のデフレと低金利で崩壊寸前

銀行の役割が何なのか、日本国民の大半が完全に誤解しており、その原因は社会科の教科書がウソの説明だからだそうです。誤解が若者に多いのは、ウソ説明に接する機会が近年の方がかえって多いからだという。

ウソ説明はこうです。「銀行は国民からお金を預かり、そのお金を会社に貸す」。これに納得した人はウソ説明を信じています。正しく説明すればこうです。「銀行はお金を作って会社に貸す、その一方で国民のお金を預かる」。二つは別。

銀行の本業は貨幣を生んで貸すこと。預かる仕事は本来不要のオマケです。預金を流用して、又貸しする仕事ではない。だから昔から、銀行の預金業務を廃止する案があります。預金全額を全員が同時に引き出せないのは、単に通帳が貨幣だから。預からなくても貸せるのが国際ルール。教科書はそこを偽っています。

偽る動機は何なのか。1973年より昔に経済学を学んだ人による、天動説の吹き込みでしょう。天動説とは具体的には「金本位制度」です。悪気があっての国民洗脳ではなく、時代錯誤の教育荒廃と思われます。この誤解が優勢の今、銀行の存在意義を消し去る事態をまねいています。

銀行の儲けのタネは、店頭で創造(信用創造)したお金を会社に貸して、後に返金された際に増えている利子分です。金利。ところが政府の緊縮財政と増税で故意に起こしたデフレ不況で、どの会社も売れなくて増産向けの投資が消え、銀行は出番がなく干上がりました。このプロセスは忖度で表に出ない話です。

そこで銀行は、オマケのはずの国民の預金に課金して食べていく道に向かいます。その時デフレ不況で銀行利子は極小だから、国民は銀行に預けると損するので逃げます。厚かましいなりに経済成長の立役者だった銀行は、国ぐるみ経済成長を故意に放棄した令和の増税で、存在自体がじゃま扱いされ始めたという災難。
2019/09/16

アートの制作時間を増やすには|日本の貧困ビジネスはパクリの連鎖

Yahooニュースなどに、社会批評のコラム記事があります。記事の長文が粗末な時があり、多いのはタイトル詐欺。内容が事実誤認や浅慮、まとまらない論理や結論ありきの強引も、よくあるパターン。読者の意見コーナーに批判が集まります。

「読んで損した」「プロがこれでは困る」「金がもらえていい身分だ」「時間を返せ」。しかし執筆作業の裏に回れば、時給40円などです。推敲を重ねても報酬は変わらず800円。時給80円に上げようと急げば、細かい手は入れられません。文章づくりはそんなに簡単ではないから。

普通の本や雑誌の役目は、もちろん情報伝達です。書店で市販される本の大半は、比較的正確で独自色もあり、ていねいに推敲されて読ませどころが多い。ところがネット文章の大半は、情報伝達が目的ではないのです。

検索会社のサイト巡回ロボットプログラムに分析させ、検索候補の上位に出る順位獲得が目的です。アクセス広告とアフィリエイト収入が目的で、無料で読める代わりに内容が虚偽でもかわまない理屈です。悪人の個人情報を出すと別人だった名誉棄損事件もその論理であり、炎上させて消し逃げする方法です。

ネットの作文は、ネットの既存情報を言い換えるパクリ仕事が主流です。よく似た文書が複数目につくのはその形跡も多く、パクリの連鎖が貧困ビジネスになっています。もしオリジナル文をつくるなら、執筆者は素人でなく各分野の専門家に限られ高くつく。そういう文もネットにありますが。

絵もまた、オリジナルは手を入れる時間の大きさで、ものになっていきます。試しに描いて「なかなかうまくできた」と思っても、後で見返すとたいてい全然だめだと感じるもの。それは自分が日に日に上昇するからで、いったん飽和したといえるまで、ゆっくりでなく急いで自己投資するのが得策です。
2019/08/30

facebookの世界統一通貨Libraと日本円の使用料|ある勘違い

日本の自国通貨である円を使う人は、基本料や手数料を払っていません。もし有料だと儲けるメカニズムが生じ、独占権を盾に途中で使用料がつり上がるでしょう。主催者がユーザーの足元をみる豹変が途中で起き、規律が壊れていきます。目的が変転している消費税みたいに。

その円も、外国へ送るには手間とコストが多大にかかります。子どもが留学して親が仕送りする時、身元を詳細に明かし、まとまった送金手数料と為替手数料を払います。何年か前までは、外国へ30万円届けるには31万円前後送りました。

仮想通貨なら30万円ぽっきり送れば全額届きますが、善良な送金の陰で反社会的な送金にもサービスが開かれます。テロ報酬や資金洗浄など、闇資金と闇金融の規模は大きい。今それをやるなら、銀行の特別契約とカジノ送金網あたりか。

通貨を発行する私人が急増したのは、親役の特権で巨万の富が手に入るからです。だから各国の現状は、非営利特殊法人(NPO相当)たる政府に自国通貨発行の権限を与え(EU各国は除く)、お金の使用料による庶民搾取も阻止しています。

「日本の借金は1000兆円、国民一人800万円で子孫は借金づけ」の真っ赤な嘘に、日本人は30年もだまされました。貨幣プリンターを政府だけが持つ仕組みを、国民が知らなかったからです。「借金が増えたら破産するのは家庭も同じ」は勘違い。「政府借金が増えるほど国民所得が上がる」と今ごろ知っても、貧困化した後。

自国通貨の論理で、世界統一通貨へのあこがれは消えます。お金は売買ツール以前に、国内の水や食料や物資を国民に行き渡らせる統治ツールだから。ところがこの貨幣機能は世界中で勘違いされ、まるで芸術機能とそっくりです。昔の人の巧妙な知恵を今の人が理解できず、解釈が浅くなるのも共通点か。