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2019/11/14

沖縄・首里城の入場料が安いから火災が起きた真剣な訴え

「沖縄県の首里城が焼失したのは、入場料が安すぎるから」の論説が話題でした。この発想のまずさは、財政均衡が招く貧困化の原理が抜けている点です。言い換えれば、不人気な文化財はお荷物だからあきらめろと同然。独立国が貨幣プリンターを持っていることを、知らずに書いたはず。

さらにこの主張への批判も、同じ発想で勘違いしていました。「再建費用があれば必要性の薄い文化財よりも、貧困者や福祉のために使うべきだ」。独立国には貨幣プリンターがあるという視点が、やっぱりありません。貨幣が増えない前提で資金ショートを想定したこれらの思想を、金本位制度と呼びます。金とはゴールド。

総量一定のお金を、各人の関心が向く分野へ奪い取る思想が日本に広まりました。結果はマクロ経済(GDPなど国家経済)が際限なく縮んで、上級国民も一般市民も手をこまぬいている状態。なぜこうなったのか、全然知らない人の多さが怖い。

会社からもらう給料も、実は国債発行が生むマネークリエーションの回転だとは、日本で知られません。お金に困れば貨幣を発行する世界標準をイメージできずに、ラグビーボールのようにお金を奪い合うゲーム脳に陥る。身障者や高齢者叩きは、口減らしの意図か。美術にもみられる抽象思考の壁です。

「無駄な出費が多いから日本は傾いたのだ」は狂った思想で、無駄な出費が多い国ほど裕福に決まっています。一例がアメリカで、車やバイクを何台も買って使い分ける人が多い。ドイツでも、食べられもしない無駄の極致たるジャパニーズアートを買う市民が少なくない。

「無駄な買い物で経済が回り、好循環サイクルで国力が上がる」と気づくまでは、経済力ゼロに向かって縮み続けます。日本の政治家は、国民を一人でも多く死なせたくて無駄を削減しているというより、財政を切り詰めて大勢を貧困化させるほど国民が喜ぶ様をみて、ポピュリズムでやっています。国際陰謀ではなくて。
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2019/11/01

沖縄・首里城とパリ・ノートルダム大聖堂の火災と財政

首里城の火災を見て、パリのノートルダム大聖堂の屋根が焼失した半年前を思い起こしました。直後に、世界各国は文化財の建築を点検しました。スプリンクラーのチェックや追加工事など。しかし文明国はそれが十分にできない状態です。世界の景気は後退し始めており、だから世界的な減税ブームです。

よくある言い方「国はお金を持っている」の意味は、国ほどの規模なら国家予算も多く金庫も大きい、という意味ではありません。国家は金持ちという意味は、中央政府が打ち出の小づちを持っている意味です。貨幣プリンターシステムから、無限に出資できる意味なのです。

ところが、ノートルダム大聖堂が燃えたフランスは、お金を持っていない国です。ユーロ統一通貨に加盟したので、自国通貨フランを廃止し貨幣プリンターがなく、自主通貨発行の財政出動ができません。国家が打ち出の小づちを捨てると、お金を生めない県相当の属国に落ちる道理です。

ギリシャショックとは、固定為替相場制度の非自国通貨ユーロの欠格を、国が後で知ったショックでした。国づくりできない仕組みに気づいたショックです。文化財を厳重保護する豊富な資金を民間に頼り、景気が悪いとスプリンクラーが削減される宿命なのです。民営化とは切り捨ての意味。要はだまされた。

一方、自国通貨の円を発行できる日本は、謎の宗教的理由で打ち出の小づちを封印しています(特別会計分には多用)。この緊縮財政で、公費に困窮するフランスとそろって困窮中。そして首里城も焼失。先進国は貧困化を狙った逆走がお好きで、日本もバブル時代の大工事からもれた地域は水害が目立ったばかり。節約があだ。

今「文化財火災安全指数」という数字を考えました。GDPを文化財の合計床面積で割った数字を国際比較すれば、国の保護力がわかる。日本は1997年に消費税3パーを0に減税すれば、今GDPが1300兆円になっている試算があり、だが逆走の増税で22年間500兆円で足踏み状態。予想どおり芸術文化資産の滅失がスタート。
2019/10/12

日本の企業人の働き方がダラダラする原因は何と政府

日本はダメだ論に、因果の逆転が目立ちます。国内のオフィスをみて、「こんなにダラダラと仕事をしていたら会社は伸びるわけもないし、国内経済が落ちて不況になっても当然でしょ」。もっともらしいこの観察は間違いです。国内経済を落とす政策を受けて、ダラダラした順序だから。因果関係が逆。

政府の特殊な思想により国内経済が落ちました。「緊縮財政」は貨幣発行の停止、「消費税」は貨幣回収の促進。貨幣削減でみんなのサイフが軽くなるから、お客は商品やサービスを買わなくなる道理。こうして需要が減れば、供給を減らす以外にない。会社でハッスルして増産したら、人が余り自分か同僚がクビになる。

デフレ時代に民間にできることは何もなく、生産調整では打開できない簡単な原理です。「日本はもう物があふれた飽食で、消費は伸びない」の指摘は現実と合いません。台風で電柱が倒れて電気が止まった千葉県は、なぜ困り果てたか。各家庭が別荘を持たないからです。予備がない。

みんなが何でも持っていて、もう欲しい物は何もないという指摘はウソ。物余りで買わないのではなく、お金がないから買いたくても買えない。自転車も1万円ではなく、8万円のが欲しい。アルミ製27段変速。全国が金欠で需要が細いのに、供給は過剰だから、社員はブラブラ手を抜きます。役不足の飼い殺し状態です。

今、日本一周旅行する日本人はわずかです。国内を見てもつまらないからでなく、旅費がないからです。買えない物、できないことだらけ。60号の絵など家庭で考えもつかない。国民の体験が少なく、技量が低い時代の到来か。もう物はいらないよという声は、イソップのブドウです。

大事なのは量が売れること。大勢が多く買える金回りが先決です。人口が多い国は内需国として国際政情で崩れにくい理屈。日本はその強みを放棄して、輸出中心の小さな北欧国を目指して貧困化させ、これは脱アジアコンプレックスの害なのか。サマータイムへのあこがれと根はいっしょ。
2019/10/11

銀行がなくなる日が近づいている令和の日本

銀行の役割が何なのか、日本国民の大半が完全に誤解しており、その原因は社会科の教科書がウソの説明だからだそうです。誤解が若者に多いのは、ウソ説明に接する機会が近年の方がかえって多いからだという。

ウソ説明はこうです。「銀行は国民からお金を預かり、そのお金を会社に貸す」。これに納得した人はウソ説明を信じています。正しく説明すればこうです。「銀行はお金を作って会社に貸す、その一方で国民のお金を預かる」。二つは別。

銀行の本業は貨幣を生んで貸すこと。預かる仕事は本来不要のオマケです。預金を流用して、又貸しする仕事ではない。だから昔から、銀行の預金業務を廃止する案があります。預金全額を全員が同時に引き出せないのは、単に通帳が貨幣だから。預からなくても貸せるのが国際ルール。教科書はそこを偽っています。

偽る動機は何なのか。1973年より昔に経済学を学んだ人による、天動説の吹き込みでしょう。天動説とは具体的には「金本位制度」です。悪気があっての国民洗脳ではなく、時代錯誤の教育荒廃と思われます。この誤解が優勢の今、銀行の存在意義を消し去る事態をまねいています。

銀行の儲けのタネは、店頭で創造(信用創造)したお金を会社に貸して、後に返金された際に増えている利子分です。金利。ところが政府の緊縮財政と増税で故意に起こしたデフレ不況で、どの会社も売れなくて増産向けの投資が消え、銀行は出番がなく干上がりました。このプロセスは表に出ない話です。

そこで銀行は、オマケのはずの国民の預金に課金して食べていく道に向かいます。その時デフレ不況で銀行利子は極小だから、国民は銀行に預けると損するので逃げます。厚かましいなりに経済成長の立役者だった銀行は、国ぐるみ経済成長を故意に放棄した令和の増税で、存在自体がじゃま扱いされ始めたという災難。
2019/09/16

制作時間をとるには日本の景気を上げないといけない

Yahooニュースなどに、社会批評のコラム記事があります。記事の長文が粗末な時があり、多いのはタイトル詐欺。内容が事実誤認や浅慮、まとまらない論理や結論ありきの強引も、よくあるパターン。読者の意見コーナーに批判が集まります。

「読んで損した」「プロがこれでは困る」「金がもらえていい身分だ」「時間を返せ」。しかし執筆作業の裏に回れば、時給40円などです。推敲を重ねても報酬は変わらず800円。時給80円に上げようと急げば、細かい手は入れられません。文章づくりはそんなに簡単ではないから。

普通の本や雑誌の役目は、もちろん情報伝達です。書店で市販される本の大半は、比較的正確で独自色もあり、ていねいに推敲されて読ませどころが多い。ところがネット文章の大半は、情報伝達が目的ではないのです。

検索会社のサイト巡回ロボットプログラムに分析させ、検索候補の上位に出る順位獲得が目的です。アクセス広告とアフィリエイト収入が目的で、無料で読める代わりに内容が虚偽でもかわまない理屈です。悪人の個人情報を出すと別人だった名誉棄損事件もその論理であり、炎上させて消し逃げする方法です。

ネットの作文は、ネットの既存情報を言い換えるパクリ仕事が主流です。よく似た文書が複数目につくのはその形跡も多く、パクリの連鎖が貧困ビジネスになっています。もしオリジナル文をつくるなら、執筆者は素人でなく各分野の専門家に限られ高くつく。そういう文もネットにありますが。

絵もまた、オリジナルは手を入れる時間の大きさで、ものになっていきます。試しに描いて「なかなかうまくできた」と思っても、後で見返すとたいてい全然だめだと感じるもの。それは自分が日に日に上昇するからで、いったん飽和したといえるまで、ゆっくりでなく急いで自己投資するのが得策です。
2019/08/30

facebookのLibraと円のユーザー使用料と芸術

日本の自国通貨である円を使う人は、基本料や手数料を払っていません。もし有料だと儲けるメカニズムが生じ、独占権を盾に途中で使用料がつり上がるでしょう。主催者がユーザーの足元をみる豹変が途中で起き、規律が壊れていきます。目的が変転している消費税みたいに。

その円も、外国へ送るには手間とコストが多大にかかります。子どもが留学して親が仕送りする時、身元を詳細に明かし、まとまった送金手数料と為替手数料を払います。何年か前までは、外国へ30万円届けるには31万円前後送りました。

仮想通貨なら30万円ぽっきり送れば全額届きますが、善良な送金の陰で反社会的な送金にもサービスが開かれます。テロ報酬や資金洗浄など、闇資金と闇金融の規模は大きい。今それをやるなら、銀行の特別契約とカジノ送金網あたりか。

通貨を発行する私人が急増したのは、親役の特権で巨万の富が手に入るからです。だから各国の現状は、非営利特殊法人(NPO相当)たる政府に自国通貨発行の権限を与え(EU各国は除く)、お金の使用料による庶民搾取も阻止しています。

「日本の借金は1000兆円、国民一人800万円で子孫は借金づけ」の真っ赤な嘘に、日本人は30年もだまされました。貨幣プリンターを政府だけが持つ仕組みを、国民が知らなかったからです。「借金が増えたら破産するのは家庭も同じ」は勘違い。「政府借金が増えるほど国民所得が上がる」と今ごろ知っても、貧困化した後。

自国通貨の論理で、世界統一通貨へのあこがれは消えます。お金は売買ツール以前に、国内の水や食料や物資を国民に行き渡らせる統治ツールだから。ところがこの貨幣機能は世界中で勘違いされ、まるで芸術機能とそっくりです。昔の人の巧妙な知恵を今の人が理解できず、解釈が浅くなるのも共通点か。
2019/08/25

facebookの仮想通貨Libraと国家財政の関係は

facebookの登録数は27億人だそうで、ユーザー向け仮想通貨Libraを発行すれば、世界最大シェアの貨幣です。そこでドル、ユーロ、ポンド、人民元、円などを廃止に追い込み、世界統一通貨のグローバル化を夢みる声も出てきました。

ただ世界で100人中およそ100人が誤解しているのが、現代貨幣の機能です。Libra側が例外的に理解しているかは不明です。貨幣は各国の中央政府が発行権を持ち、自国民を富ませて飢えさせてを、財政で自在にさじ加減でき、偶発の自然現象ではありません。景気は人為的だとの事実も誤解されやすい。

誤解した例で、積極財政を放棄して人類最長のデフレ不況で中産階層を貧困化させた日本でさえ、異次元金融緩和なる「財政出動なき国債発行」で、日銀当座預金に一般銀行の融資準備金を積み上げました。リフレ政策と称する勘違いですが、方法が間違いでも内需を上げようと動いたのは確かです。

もし世界通貨で一本化すると、これもできません。納税義務とセットの自国通貨がない国は倒れます。特定民族を滅ぼす立場に立つ業者が新たに出現します。今その立場にあるのは英米の老舗銀行による、ディープステートと陰で呼ばれる国際金融コンツェルンとされ、それも崩れるかも。

Libraが各国通貨を駆逐すれば、国民生命をコントロールする国家財政テクニックが消えます。つまり世界統一通貨は宇宙人からみて、地球人の人口調節法になる理屈です。穀物メジャーと石油メジャーが質に取られるはず。

国境を越えた統一通貨といえばユーロで、EU本部の財政出動が一応は存在しても、加盟国ギリシャは財政破綻しました。自国通貨ドラクマを捨てたヒラのプレイヤーとなり、ドイツに借りたユーロを期限までに返せなかった。日本が原理的に絶対に破綻できないのは、自国で刷った円を自ら借りる模範的な内需国だから。
2019/08/15

銀行の信用創造は芸術の創造と関係あるのか

お金の成り立ちというものが、芸術よりは数段も難解で高度だという事実を知り、人間の精神活動の不思議な深さを感じています。平成日本の経済が墜落した失敗を指して、「僕らは同じ轍を踏まない」とはっきり言ったのは中国政府でした。

そこをはっきり言わず、こっそり誓い合っているむっつりの例がアメリカ政府で、共和党と民主党とも「日本の失敗に学べ」で一致しているという。日本の失敗は、デフレ時にインフレ叩きを行った数点の政策ミスを指すらしい。消費税と政府赤字削減と緊縮財政と基礎的財政収支均衡です。凍傷なのにアイスノンを使った。

お金と国家の話題で最大のキモは、信用創造という概念です。みんなが使うお金は全て信用創造で生まれます。美術展参加者の中に銀行出身の方もいて、ネット情報では日本の銀行員の半数が、日常業務である信用創造の意味を正しく理解しているという。残り半数は誤解しているそうです。

信用創造の真の意味はこうです。銀行が会社社長に融資する時に、万年筆マネーを貸し出すのです。窓口で貨幣を新造しており、完ぺきな「打ち出のこづち」です。銀行側が持つ預金残高から回しているのではない。つまり誤解する人はそこです。他人の預金を流用していると思って、又貸し業務だと勘違いしています。

これは信用創造の英語「マネー・クリエイション」ならわかりやすく、貸しているのに「マネー・レンタル」とは呼ばない。レンタルなど行っていないから。国会に招へいされる経済評論家や、ノーベル経済学賞の人まで信用創造の真意を誤解しているのは、芸術の創造への激しい誤解に匹敵すると感じます。

日本での絵画盗作シーンで、他人の画集から選んで似せたり、外国作家の絵を撮影した模写で連続受賞していた例がありました。ネタを使い回す方がイメージがわくわけか。確かに絵画への信頼は、どこかで見た二番煎じがかえって上だし。創造は常に人類の理解の外です。
2019/07/31

日本銀行が手をこまぬいている原因はリフレ派の経済信仰

理屈を勘違いした消費税増税を前に、日銀は金融をいじるべき場面なのに、いじらないニュースがありました。国家が傾き途上国化した今、立て直すのは中央銀行の上司たる政府です。つまり衆参議員がやるべき簡単な理屈ですが、しかし誰も何もできない状態。

日銀で起きたことは、芸術よりも簡単かも。耳タコの「異次元の金融緩和」とは、お金を大量に用意して低金利融資をセットしたこと。具体的には政府が国債を発行し、一般銀行と投資家が買った状態でスタンバイ。こうして2013年から中央政府はお金の元を刷り、マネタリーベースはできた。政府負債1100兆円のうち400兆円がこの発行残高です。

なぜお金を増やせば景気が上がるかは簡単。1960年代高度成長や、80年代バブルのインフレ好況は金余りでした。消費は美徳。逆に70年代不景気や、27年間の平成デフレ不況は金不足です。節約は美徳。金不足の国民に金を与えれば、欲しかった物をあれこれ買うから好景気に向かう。簡単な話です。

そこでお金を増やす会社である日銀が、お金を用意した。しかし結果はデフレ不況のまま。そこで空前の好景気が来たと虚偽発表して、後に統計操作が発覚。そして国民は今、芸術以上にわけがわからない判断停止の心理で、参院選も敬遠した。

日銀がお金を用意しても、なぜ景気は上がらないのか。簡単な話で、用意だけして国民に与えないリフレ政策だから。与え方は簡単で、政府財政出動と法人税増税と消費税減税です。日本を傾けた時の手順の逆をやればよい。財政出動のやり方は、政府が発注し政府小切手で支払う。全国の交通や河川インフラと教育や研究や福祉が先決で、トップは水道管。簡単な話。

その簡単なことが、なぜ日本だけできない?。政府財政出動は個人貯蓄の使い込みだと誤解し、禁じてデフレスパイラルを強めたのです。母が子に乳を飲ませると、母の体がしぼんで消滅するからと恐れて、子が飢え死にした悪い冗談です。非科学的信仰が招いたこのドジを、芸術的なギャグネタと見立て今出版準備中です。
→消費税おもしろギャグ動画へのリンク
2019/07/22

参議院議員選挙にみられた経済理論の対立軸をチェック

昨日の参議院議員選挙で、政党の要件5名を満たさない零細党が複数ありました。それらはみくびられながらも、知識層に感慨を与えたようです。「れいわ新選組」「オリーブの木」「幸福実現党」は日本に合う理論を持ち、しかし不発でした。

三党に共通する理論とは何か。「ケインズ理論」です。ケインズ理論とは、1929年の世界大恐慌で、アメリカ政府に意見したケインズ氏のデフレ対策でした。政府財政出動と金利下げと減税で、国民を富ませて景気を上げる手法です。世界史に出てくる「ニューディール政策」がそれです。

それに対して今回勝利した大政党は、「新自由主義経済」と呼ぶ反ケインズ理論を信奉しています。これは物がよく売れて、80万円の版画をホイホイ買うほど浮かれたインフレ好景気を、効果的に冷却する理論です。緊縮財政と規制緩和と民営化と増税です。過熱する経済活動をストップさせ、落ち着かせる手法です。

ここまで言えばわかりますが、日本に合っている零細政党と、反対をやる大政党の戦いでした。ケインズ理論と、新自由主義経済の対立構図。12年続いた大恐慌より長い、22年続く平成大不況の解決策は、ケインズのニューディール政策の方です。その目玉の消費税廃止は、やるならゼロ課税が妥当です。それはなぜか。

ひとつは高負担を喜ぶ、自虐的な道徳です。負担の元凶をなくす案は逆にびびらせ、ポピュリズムと言われ嫌われる。ドイツなど先進国なら無料の高速道路でも、日本人は罪の意識がじゃました。それに将来インフレ好況の金余りが起きた時に、消費税を10パーでもかけて急冷する手段を残してよいはず。

消費税は買い物をやめさせる役目だから、消費バブルで重宝するはず。アメリカの税制はよく考えられており、連邦銀行の下で無意味な国税の売上税はなく、全額が州税です。日本も地方税に変え東京5.5パー、大阪3.7パーでもよいわけで。キリがよい現行税率は、理論より情緒の政策でしょう。
2019/06/15

日本をインフレ経済に持って行くことができない謎

美術家はインフレとデフレのどちらがありがたいか。当然インフレです。インフレは買い物ブームになります。作品を欲しい人が2人より5人の方が高く多く売れ、穴場狙いも現れる。売れるから作るから売れるから作る、と経済成長の好循環がインフレ。逆に衰退の悪循環がデフレ。今がそう。

インフレ基調だと物価がほどよく上がり、お金の値打ちが前年より下がるので消費が増え、所得が物価以上に増えます。国民は趣味の手を広げ、体験も教養も学力も上がり、笑顔で優しい気持ちになる。実例は1960年代(東京五輪)と、1990年頃(バブル)でした。80年代の成果が、昨今のノーベル賞多発。

ネットでは、ハイパーインフレ警告を見ます。日本のインフレ記録は敗戦の翌年の300パーセントでした。今400円のラーメンが1600円に上がる計算です。それに対してハイパーインフレは13000パーセントだから、ラーメンが52400円に上がります。これが起きるのは、核か量子かプラズマ兵器での国土撃沈しかない。インフレ恐怖症は無意味。

朝まで飲み明かして歌って踊ったバブルの、インフレ率ピークは3.25パーセントでした。それだけでもアメリカの版画が60万円で売れまくり、文系の学生まで買いました。通販カタログに3千万円のイギリス車がのった時代。そのインフレに今持ち込めば、日本の市場も企業も復活するでしょう。

だから、国会議員も日銀総裁もインフレを目指すと誓っています。なのに不思議。物が売れなくなるデフレ促進を続けた不可解な平成時代でした。逆走した動機は今も定説がありません。不勉強説、馬鹿説、信条説、復讐説、買収説、出世優先説、法令遵守説、ハニトラ説、国際金融陰謀説など。

正解を誓いながら、逆方向へ走り続ける。実は美術でよくあります。新しい創造ですとパンフに書いて、古風で非創造的な公募展覧会はざら。ともあれ、デフレ不況からインフレ好況に変われば、美術界も好景気に変わり創造性が高まるのは美術史でも明らかでしょう。
2019/04/30

平成時代の最終日に思い返す30年間の流れ

平成時代の最大の特色は、人類史上最長のデフレ不況でしょう。海外エコノミストがあきれるほどの前代未聞の長期記録。なぜそうなったかは、冬の海から遭難者を拾い上げ、水風呂に入れて死なせたロジックだと、答は出ています。ならばなぜ、お湯に入れなかったのか。経費削減です。

冬の海に相当するデフレ不況の原因は簡単で、政府支出を削減する緊縮財政です。お金の価値が上がり、物価が下がるのがデフレです。人件費という名の物価も下がり、中産階層が貧困化し結婚と子育てがしぼみ、少子化も進みました。一億総中流をやめたから、子どもの減り方が加速した簡単な話。

無駄な出費が多い昭和に、日本は裕福でした。節約と削減に精出した平成に、明快に貧困化しました。普通なら法則に気づくはずが、原理の逆を続けた理由は何か。風呂の温度を上げなかった理由は。答は「レントシーキング」と呼ぶ、民主主義をさりげなく壊すキーワードでした。

明日から始まる令和時代に、国民はもう一度分断されるはずです。政府は財政出動してGDPを上げ多子化に変えよという派と、経費削減を強めて貧困化をすすめ国を小さくせよという派が、ネットと報道に分かれて戦うのが令和時代。主要国の自殺は迷惑だと、国際社会から叱られるまで続けるはず。

二次大戦の最大の原因は、1930年頃からのドイツ庶民の貧困でした。その欧州大戦と、日本が主役の太平洋(大東亜)戦争が同時期の理由は、1929年の「大恐慌」がカギです。貧困化した大勢が優秀だと大戦は起きます。だから大戦は財閥と金融の富裕層が仕組んだと、陰謀がささやかれるわけです。

今のままでは先進国は壊れ、優秀な同士なら大戦が起きます。そこで現状を変える動きが各国に出てきました。どう変えるの?だと周回遅れです。低体温症の庶民に風呂をわかす政策に決まっています。日本とドイツは世界経済に影響を与える立場なので、文化交流美術展程度でも国際政治の風向きを感じます。
2019/04/24

お金とジクレー版画が似ているおもしろい現象

芸術と経済が似ている話題の次は、お金とジクレーが似ている話題です。マネーとジクレーに共通するキーワードは「打ち出の小づち」です。何かを無限に出すことができるなんて夢話に思えますが、制度として実際に存在します。

現代のお金、貨幣、マネーの意味は、大昔と全く同じで、中世とは全く違います。違いは管理者が自由に増やせる点。中世の貨幣は金銀銅なので、鉱山で掘れば増えました。なので景気を立て直したくて5パー増やそうにも無理です。ところが現代なら電子プリンターでポンポン増やせます。お金も版画も。

「誰もがお金を増やせたらだめでしょ」。そのとおり権限を持つのは銀行であり、洋服店ではなく。「でも増やしたら得しちゃうよ」。そのとおり増分を借りた人が使用権を得ます。「穴埋めはどうするの」。穴埋めする財源はいらず、総額が年々増えるだけ。考え方や今後の実験ではなく、現にやっています。

「ならば銀行が一京円増やせば、国民一人ずつに一兆円をタダで配れるでしょ」。できます。ただし、ラーメン一杯が十億円に上がるでしょう。お金の価値が下がるインフレというやつ。つまりインフレ率がちょいプラスになるよう、お金を増やせる上限が情況ごとにあります。人類は最近これを理解し始めました。

話は変わって、日本にジクレーが生まれた頃にも、お金と同じ疑問が出たものでした。「プリンターで出したペーパーが美術作品だといえるなら、一億枚刷って一枚一万円で一兆円儲かるよね」「そんな商売はずるい」「うまい話のプリントアートを美術と認めるな」「打ち出の小づちの版画をやめさせろ」。

売上は本当に一兆円でしょうか。お金と同じで、版画にも無限に刷ってかまわない理屈がある一方で、価値を保てる上限の量があります。ありふれて、だぶついて、もういらないと言うまで増やせば、値打ちは下がり紙くずに。そんな現代ジクレー論と似た現代マネー論を、理解する日本人が今なぜか急増中です。
2019/04/19

芸術と経済が似ているおもしろい現象

人類というか先進国のほとんど全員が、何百年も勘違いしていることがあります。「それって芸術のことでしょ」と言われそうですが、芸術の方がまだ理解者が多いだろうという、すごい分野があることを知りました。それは経済です。

前にノーベル経済学賞の人自身がお金の意味を間違って解釈していた、そんな指摘が話題になっていました。しかしよく考えてみれば、お金の正しい意味が記された教科書など原典が間違っているのだから、同情を誘うばかりです。

常識のどこが間違っているかは、マネーは金銀銅の代用であるというくだりです。その説明は史実に反する真っ赤な嘘で、世界最古のお金は文章を彫った粘土板でした。粘土板を紙に替えて、くさび文字を渋沢栄一や津田梅子、北里柴三郎の版画に替えたら現代と同じです。マネーは生まれつきプリント物、証書でした。

金銀銅とプリント物は何が違うか。プリント物には上限がありません。1980年代の耳タコな言い方「国に財源はあるのか?」は、勘違い発言でした。財源なる概念は総量が固定した金銀銅の場合です。プリント物の財源はプリンターのインクです。「国にお金がない」「奪い合い」という概念が国内経済には存在しません。

ということは、世界の各国政府(EUは除く)は、インフレギャップが生じない範囲で、デフレギャップが埋まるまで、お金を刷って国内に投資すればよいわけです。ばらまきだと経済成長しないから、まずインフラ投資。現にやっている国があり、最近は中華人民共和国もやりました。意外に堅実な首脳ですね。

それにしても、天才や偉人たちまで誤解しているのはなぜか。理由は簡単で、先に間違った説明を頭に入れて理論を固めたからです。物々交換から貨幣へ置き替えたというニセの説明で脳が満たされたから訂正不能。これはしかし芸術にもいえて、なまじ学問がない方が理解がスムーズなのはよくあることです。
2019/04/07

日本の美術市場を大きくする一歩はボロボロ内需の復興

アメリカの『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、日本の消費税10パーセント化が、さらなる経済悪化の自傷行為になるとの社説を出しました。この話題は日本国内に広がり、経済低落は時代の策略だったと振り返られています。

新古典経済の末えいである新自由主義経済は、規制緩和がスローガンです。先進国を貧困化させ、富を移転させるプロセス自体を金脈とする経営思想といえます。EUではスペイン、イギリス、フランス、イタリアなどが伝統の強みをそがれて、音を上げ始めました。スペインのアート市場もさっぱりだとか。

同時期に日本は長年GDPが横ばいで、国際発言力が落ちました。クジラに限らず。これは日本のポテンシャルまでつぶして、貧困にし向けた策略の結果だと、ネットでも持ち切りです。ではどうすれば日本は失われた27年から復帰するのか。

国債を多めに発行し、民間へ発注して科学振興や未来テクノロジーに投資し、内需に利く消費税を3パーに戻してGDPを上げる。こうしたデフレ対策を、上記5カ国が行うのが正道でしょう。通貨発行権は、日本と特待生イギリスにのみありますが。

ところで、なぜ『ウォール・ストリート・ジャーナル』なのか、少し奇妙です。90年代のウォール街は、世界を新自由主義経済で統一する本部であり、各国をデフレ化してマネーを国際ファンドへ移管する頭脳集団だったはず。日本にとどめを刺す直前のタネ明かしは、誰に何を伝えるサインなのか。

日本は数少ない輸出黒字国なのに、内需国です。それなりに多い人口による消費力でGDPを巨大化させ、円の信用を維持してきました。鉄道模型や書画骨董が売れるうちが強い。日本の内需が大きいほど外資が儲かる新しい主義でも、ウォール街の新世代がみつけたのかも。
2019/03/16

実質賃金の意味を大物経済評論家がなぜ間違うのか

文章に使えても、会話に使えない日本語がいくつもあります。ひとつが「役不足」です。国民の5割が意味を間違っているそうです。役不足とは、作業が簡単すぎて能力が余った状態です。大人が5キロの箱を持ち上げるのは役不足で、50キロなら能力不足になるでしょう。

しかし「この仕事はあなたには役不足ですね」と言えば、相手は怒るかも知れません。ほめられたとは思わず、「不足」の字のイメージで、何かが足りないだめな人だと悪口を言われたと思う率が5割だから。似たことが「実質賃金」という語でも起きています。

実質賃金をネットで見ると、ウソ解説の方が圧倒的に多く強い論調です。たとえば「名目賃金は収入を指し、実質賃金は税や健康保険料を払った残りを指す」という説明です。これは「実質」を「正味」のイメージに結びつけ、確定申告の差し引き所得と混同したのでしょう。

また「失業率を改善したから就業者が増えて、その功績と引き換えに実質賃金は下がる計算だ」も初歩的な誤解です。「増えた労働者は低賃金スタートだから平均が薄まる」のイメージで、一人当たりの平均賃金と混じったのでしょう。

ネットで、この間違いを続けた大物経済評論家が吊し上げられました。これはしかし字面イメージの支配力に注目できます。たった一字が人の脳に作用する誤導現象は、アート制作にもよくあります。作品タイトルもそうだし、絵に何かを描き足せば意味が一変する記号効果もそうです。

実質賃金指数は、名目賃金指数を物価指数で割った(分母とする)数字です。近年のグラフでは、名目賃金はニューカマー効果とは反対に徐々に上がり、実質賃金は名目賃金に反して著しく下落し、消費税で生じる購買能力低下で悪化が続く様子が読み取れます。国会質疑の争点はそこではなかったようです。
2019/03/10

大阪都構想のメリットの分量がわかりにくい問題

2015年に住民投票の僅差で反対多数だった大阪都構想は、メリットの規模がわかりにくいと言われ続けました。たとえば京都府と京都市の間にも、大阪と同じ問題はあるのかと疑問もわきます。普遍的な構造問題なのか、固有の特異性なのか。

大阪都構想が怪しまれた理由は、大阪市を五つの特別区に分割する点でした。全体の指揮を大阪府か都に一本化しても、特別区に五重コストがかかり相殺や逆効果になるから。五つをすっきりまとめた合理化が、現在の大阪市だともいえて、分けるとスケールメリットで不利です。

そもそも論もあり、節約で景気が上がると言われても、今日本は節約で沈んでいるわけで。何しろ、節約意識と不景気はイコールなのだから。つまり国にデフレ不況促進策があるから、全国的に不況で当然。二重の人件費とずさんな地域計画は解決法が異なるし、無駄金も一応府や近畿圏の地域経済になった理屈で。

日本各地に必要なのは無駄な経費の削減よりも、単純に市民が物を買うことです。庶民の購買力アップにつながらない改革は、失業した公務員の数だけ経済縮小するオチかも知れず。役所の経費を削減して、阪急百貨店や心斎橋商店街の売り上げが増える理屈が欲しい。

とはいえ現状維持だと最悪でしょう。大阪全体の落ち込みは慢性化し、その危機感で賛成票も多かった。東京一極集中による本社移転が構造問題であり、東京と大阪の二重出費を削減する国内の合理化で大阪府も伸びないわけで。やや好転した市の税収を、府の負債に回す策では間に合わない。

日本全国の二重行政のひとつは美術館です。よくあるのが、県立美術館と市立美術館の併存。両方とも県庁所在地の市にあるのが普通で。しかしある県では、新築の私立美術館は近代美術が主力で、古い県立美術館は現代美術が主力となりました。実験アートが県立へ残る棲み分けでした。二重三重も意外に悪くない。
2019/03/01

日本の強みが次々捨てられている原因はデフレ不況

100年近く前に、「世界で人種差別を禁止すべきだ」と訴えた国があったらしい。当時の先進国は反対し、国際会議で否決しました。訴えた国は世界の常識から浮きました。この史実は伏せられる傾向があります。訴えた国は戦前の日本だった。

中国のトウショウヘイ委員長の思想「黒猫も白猫も、ネズミを取る猫がよい猫だ」が、人種差別禁止と似てはいます。とはいえ、経済開放で金をかせぐ者を優秀な猫にたとえた成果主義の意味なので、日本の平等思想とは異なります。

日本の思想は、生まれつきの条件を採点するのは正義でないとする、公平性の哲学でした。これが日本国内の助け合いの慣習になり、近年海外から来た観光客が口をそろえる「日本は人に優しい国だ」の感想につながるようです。

日本の思想の集大成が国民皆保険制度であり、幸運な人が悲運な人の医療費を払う方式です。幸運な人同士の互助会とは違うから、運営に細かい加減も必要で、でも制度を放棄していません。悲運も自業自得で自己責任だという考えを、本来の日本人は嫌うからでしょう。

ネットで「僕の国は終わった」の声が各国からあり、「日本も終わり」と投げやりです。日本が21年間傾いた原因はデフレ不況で、呪いの言葉は「節約」「削減」でした。新幹線車両の検査費を削減して、台車の鉄が割れて製造から撤退したとか。トンネルの天井が落ちてワゴン車の全員が死に、高級家具店は身売り、省庁は障がい者を入れず経費節減。

巨大堤防計画があったのに建設費削減で、結局チェルノブイリを超えた福島原発。輸出列車は台湾で珍しく大脱線。ところで、日本美術の斜陽到来はいつか。最近のアート大暴落は節約のすすめが流行し始めた1988年と、30年も前でした。日本は江戸時代からハイコストの内需拡大が強みで、実は平等思想の表れでした。
2019/02/01

2019年の世界の動きと日本のデフレ不況の継続情況

おかげ様でジャパン・フェスティバル・ベルリン2019が無事終了しました。皆様ありがとうございます。日本の空気に戻りました。が、次の一年がみえない理由は、2019年秋の消費税の増税です。誰もが経済が悪化すると予測しておびえています。死刑執行を待つ心理がこんな感じ?。

財界のみならず、日本国政府までが増税で起きるさらなる不況を予測し、経済低下を小さくする策を打ち出しました。軽減税率や電子マネー割引もそうで、ルールを穴だらけにした例外規定は、後年に既得権となり国の首が締まる悪政でしょう。

税率を上げても税収は増えないという、消費者心理の法則があります。ラーメンが一杯380円で、店の収入が800万円だとします。一杯760円に値上げすれば、収入は1600万円に倍増するのか。逆に、700万円にでも下がる可能性の方が高い。

税率5パーを10パーに上げると、パイ全体となるGDPが横ばいを保ってさえ、庶民の購買力は952分の909に落ちる理屈です。だから本来消費税は、景気が良すぎる時にインフレを食い止める目的の税金だったわけです。誤用が続くと、シャープやパイオニアのように外資に買われる企業が増え続けるだけ。日本の解体。

ネット配信番組も、政府が悪手を指す動機が読めずにいます。ささやかれるひとつの動機は、官僚の人事評価基準が、「税額」ではなく「税率」だからというもの。800万円から700万円に落ち込んでも叱られず、380円を760円に上げたらボーナスが出る、省内での出世レース説です。

今回のジャパン・フェスティバル・ベルリン参加で、日本側では「出品したいけれどお金がつくれない」の声が続出しました。一方、日本のバイト時給は780円などでも、ドイツでは最悪でも1300円と社会のデフレ度が違う。日本は貧乏。日本側の少ないお金の大半を現地へ送り、何とか実現した貴重な回でした。
2018/06/12

アメリカのトランプ大統領とEU国の貿易対立

アメリカのトランプ大統領はG7で、自由貿易主義のEUに対し、保護貿易を主張しました。それは時代に逆行する暴挙だと、EU側のマスコミは大批判します。ただ、国の保護はそれほど罪なのか。神が許さぬ悪行か。自明の理で済ます者は、大丈夫かと思う時もあります。

市場完全自由化の正体は、誰を富ませ誰を退けるかの配分を設計した上で、キャッチフレーズ化した流行です。時間のスパンが長い流行で、芸術はデッサンなりと似た感じの、普遍性なき一時ルール。

文明国で行われている保護主義的な傾斜策のひとつに、クオータ制があります。多くの国で国会議員は地区に分割して選挙するから、能力が高い順とは違う。国会議員の三割は女性とする女性枠も、クオータ制です。ガチの完全能力主義を避けるのが、むしろ文明国の機微のようで。

国家間の経済ハンデもいたるところに現にあり、日本からドイツへ美術を送ると関税は19パーセントで、逆に日本へ送ると5パーセント。ドイツ経済は保護主義的です。

1990年代のアメリカ発グローバル経済は、アメリカの食料を勝たせるために自動車の首を差し出したと、日本には映りました。つまり国と国の争いではなく、どの職種が儲かるようにするかの闘争が、貿易問題の実体です。ドイツ対アメリカではなく、職種対職種の利益争奪戦。

トランプ大統領が複雑な人にみえるのは、「大事なのはわが国の利益」と正面切ったからで、「大事なのは永遠の正義」と構える人と意見が合いません。価値を固定的にとらえると間違う、美術の「良い作品」と似ています。受賞作品、売れる作品、歴史名作などが一致しないあれ。