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2019/06/18

消費税増税に反対する国民の理由が間違っている

美術に関わると、奇妙な思い込みによく出くわします。都市伝説的な思い込みが、定説として流布しやすい分野です。日本で目につくのは、「芸術家は精神の病気」という思い込み。芸術的感性がない者を、天が与えた健康と受け取る。

最近のアンケートでは、2019年10月に予定された3度目の消費税増税に、60パーセントの国民が反対しているらしい。これは驚くほどの数字です。低すぎるから。おそらく消費税の役目を間違って思い込んだ、ためらいでしょう。

最近個人サイトでMMT(現代貨幣理論)と消費税について、芸術的な視点で説明してみました(クラウドファンディング報告)。国民の間違った思い込みの筆頭は、国税の徴収は国の財源確保だとする、よくある誤解です。

60パーセントの消費税反対派の、胸の内はこうでしょう。「消費税が少ないと国家予算が不足する」「だから増税は必要だ」「でも今は家計が苦しすぎる」「なので皆でもっと節約して、消費税は据え置きにできまいか」。甘えていると叱られるのを恐れながら申し上げます、と。

思い込みはここ。原理上、消費税に財源の機能はありません。政府と子会社相当の日銀がお金を刷れば足りるから。プリンターで増やせるお金は、増やす者にとって金目の物ではない。国税はインフレ率を調整する物価のスタビライザー機能です。所得税はそれプラス格差是正で、犯罪と紛争の防止です。具体的には共産主義革命の下地を生まないための所得再分配です。

税は人類が貨幣を発明した次に考え出された、物価安定装置です。ラーメンの値段が倍々に上がるのを徴税で防ぐ。「税は国の財源」はフェイクです。さらに消費税は景気の過熱を緊急阻止するブレーキ役で、買い物をやめさせる冷や水として発明されました。物が売れすぎて困る時だけ増税するのが、日本以外では常識なのに。芸術の迷信の方がまだまし。
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2019/06/03

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2020現地担当決まる

ドイツの展示活動の幹事さんを探していましたが、紹介があり決まりました。これでジャパン・フェスティバル・ベルリン2020もできそうです。これから打ち合わせして、拡張していければというところです。

マニュアルどおりの作業でなく、アイデアを出し合い夢広げる世界ですが、10年前よりかなり変化しました。我々はヨーロッパの国技的なアートの市場に、はるばる参戦していると感じます。現代アートは日本の得意わざとはいえないし。

景気は気になります。令和日本は逆走でのデフレ不況をまだやめないし、ドイツもEU域内の首都の地位にありながら、GDPはイタリアともども低調です。日本よりはドイツが明るいのは、官僚主導批判と減税が検討されている点でしょう。日本はその場面で逆走して途上国化しました。

政治行政面でも、日本は国際潮流から遅れています。たとえばEUで死者を多く出した移民難民問題は、資本主義で富の分配をめぐる階級闘争です。日本では人種問題へずれた説明ばかりで、国民は時代の空気を読めずにいます。ポロックの絵を写実デッサンの技量で読むみたいな感じ。

そんな国際対国内のギャップを感じながら、日独美術文化活動を続けている感覚があります。知られるように、ヨーロッパで日本の存在は小さくなりました。ジャパンマネーが弱くなったから。EUが頼るのはMMTも活かしてきた中国です。世界が変わったあらゆる起点は1989年でした。

最近いくつか聞いたのは、ドイツの日常的な手続きは手間で、人に優しくない不評です。対する日本は一時、少ない公務員数ながら行政の親切設計が流行しました。しかし国政の逆走はひどい。政府財政出動と減税があれば、内需拡大して早い段で好景気と多子化に戻るはずなのに。その解説も何本も書きました。
2019/04/04

日本美術を躍進させる研究会ファンクラブの目的意識

クラウド・ファンディングの第二弾を昨日公開しました。『日本美術を躍進させる研究会ファンクラブ』と題して、日本の美術市場を今よりも大きくしようという、勉強会的な変則案です。難解なテーマなので、ゴールを設けないファンクラブ型を選びました。

活字情報発信に重点を置き、細く長くということを考えました。2018年に国内で公的な話題となった「日本の美術市場は小さい」「絵や彫刻を買う人が少ない」問題を研究するものです。一時的ニュースですぐに忘れられましたが、その後好転したわけでもありません。

欧米の美術市場にも問題は多いのでしょうが、国内に最も抜けているのは誰が作品の価値を決めるかです。美術作品を前にして、国民が自分で考えて値打ち決めする判断を、やってはいけない空気が強く残っている特異な問題です。出すぎた真似であるかのように。

別に難しい話にしなくても、周囲にこんな声が満ちています。「美術なんて高尚なもんは自分にはさっぱりです」「アートとか全然だめ」「僕は絵はわかりません」といちいち前置きする人が多い。その「わかる」がどういう意味かは別にして。

わからないと言う人が多い地は、売買も細い。展示会は盛況でも見るだけ。ついに政府も市場の小ささを問題視して、美術館の所蔵作品を外資にも流せる道を設け、運営経費をつくる構想が出たほど。その構想への反応は「難しいからわからない」「勝手にやれば?」。

「絵なんて好きなように見ればいいでしょ」になぜか日本だけ遠く、この内外差が市場規模の差になっています。しかも絵が売れない理由の説明は、絵の価値を国民に伝える努力不足だとして、資産運用の話になっています。絵を見る目を養う話ではなく、絵の信用情報を強化する話になっています。
2018/11/20

ホームレスを救おうと寄付を募ったアメリカの美談

アメリカの田舎道で、女の車が燃料切れとなった。手持ちの金がない。たまたま近くに住んでいたホームレスの男がわずかな全財産をくれたから、燃料を買えた。助かった女が恩返ししようと、クラウド・ファンディングでホームレス男の生活費の寄付を集めた。そんな美談がありました。

テレビ、ラジオで時の人となりゲスト出演となった。このホームレスの美談は作り話で、三人は詐欺で逮捕されました。検察官の調べでは、寄付総額4500万円は全額、ドイツ車や高級ブランドバッグ購入と、国内旅行やカジノ遊興費に使われていたそう。3人はカジノの常連客らしく、裏切りで内輪の訴訟も起きていて。

日本国民が作り話と知らず感動した例は「一杯のかけそば」ですが、寄付の美談も早くから突っ込まれています。幼児の難病がアメリカで直るとして高額治療費の寄付を募ると、1億円以上も集まった事例が複数あり。しかしネット掲示板で疑問の声が続出し、炎上騒ぎになったあれです。

両親と子どもが渡米すると思いきや、親類や知人も同行するという。渡航料やホテル代、観光費用や友人へのおみやげ代も、寄付金から出しているのだろうという、せこくて真っ直ぐな疑惑が次々と出てきたのです。医療に使った余りは、何に使うつもりなのかと。

この時のネット意見は、「寄付金をどう使おうが受けた者の自由だ」と「名目以外へ使えば詐欺になる」に分かれました。ついに掲示板の有志が難病の家族に会い、会計報告させて余りは慈善団体に寄付する約束を取り付け、チェック役になったという。

それもあり日本のクラウド・ファンディングでは、返礼なき寄付募集は公益法人しかできません。一般人は返礼品を用意するコースしか選べず、また市販製品や金券の返礼は禁止されています。これは作り話の詐欺を防いで、ふるさと納税が新設した規則も先取りしています。
2018/10/18

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2019の場所確保は成功

ジャパン・フェスティバル・ベルリンの場所取りに成功しました。主催者による募集は、2018が終わった直後の2月にはもう始まっていて、現地の常連団体やアーティストなどはほとんど固定的に確保しているようです。

日本から出向くこちらは、国内の絶不況を押して出て行くので、ボリュームが決まる秋までエントリーが延びるのが常で、結局8月にはテーブルが全てふさがっていました。空き待ちにもつれた大きい出遅れでした。

海外は普通に経済成長し、日本だけが長期デフレ不況の特殊事情なのだから、日本の気分で海外と関係してもうまくいかないと改めて感じます。緊縮財政なる人災で、日本の美術活動全般が萎縮していることを計算に入れる必要もあり。

ところで、美術品は汎用性とは最も遠い特別な商品だから、人との出会いに左右されます。同じ作品がある回はさっぱりで、別の回には楽々売れるなど、機会のばらつきが実際に生じます。景気だけが要因ではなくて。これはアート・マネージメントでも大事なイロハです。

一回試した展示だけでは、成果の結論はごく限られるでしょう。売れなかったからすぐに作風転向するとか、去就を悩むなど極端な反応は禁物です。日本だけの特殊条件は、日本にいるとまず気づかないものだから。

そもそも現地市民は現代アート展覧会と聞いて、わけがわからないと警戒したり、不本意に足を運ぶ「がまん大会」とは思っていません。変なものを作る者は頭がおかしいとも思わない。こうした内外差も大きいのです。日本で好評の作品が現地で好評かも、疑ってかかる必要があります。
2018/08/17

リーディング・ミュージアム構想の対案の試案

日本のアーティストが海外で活躍している話題は、わかりやすい国力指標です。ただ、海外で伸びている美術家も、日本の市場に戻るとそう多くは売れません。美術に、ホームの洗礼があります。アウェーの洗礼ではなくて。

5月に政府が提案した『先進美術館(リーディング・ミュージアム)構想』が、タイムリーな話題になりました。小さすぎる日本の美術市場を問題視して、マーケット拡大のために美術館を大きく変える計画案でした。

その構想に大反対したのは美術館側です。が、美術館に国民が味方するかは不確定です。前年に「文化学芸員を一掃すべき」という発言が、地方創生担当大臣からありました。観光マインドの語はあったものの、学芸員の何が悪いかは勘違いだったような。

特に公立美術館には文化遺物を保全する大役があり、前線で美術市場をリードする役目ではないでしょう。ならば市場拡大は誰がやるかの問題です。ここでは美術館の出番も用意し、政府と違う別案を考えました。

この件はクラウド・ファンディングで触れたように、若い美術家が欧米へ移り住まずに日本にいるなら、常につきまとうホーム問題です。

ドイツ展示企画の陰に常にあった課題は、日本国内市場の相変わらずの狭さです。国内に買い気がない。日本に経済基盤を置けないアーティスト全般の深刻さが、作品を売る場がある欧米とは対照的なのです。
→ アートの本格解説4(スマホ版)
2018/04/01

今日からクラウド・ファンディングを始めます

というわけで、4月1日からクラウド・ファンディングを始めます。目的は日独美術文化交流活動の主にドイツ側資金準備で、また副次的な面にも期待があり、日独アートの落差を国民に伝える機会ととらえました。

日独アートの落差とは何か。日本では現代アートは特殊化し、ドイツでは一般化しています。この差です。ならば、特殊化と一般化はどう違うのか。まずは、大規模な現代アートイベントの開催場所です。

日本だと現代アート展はスペシャル化して、郡部や離島など日常からかけ離れた地理の、特別なキャンプを伴う場合がしばしばみられます。アートが遠くにあった方が、国民は安心します。それがドイツだと、近所のビルや横町の元農協の倉庫でも平気です。

晴れの舞台へ上がる特別感がなく、普通に生活圏に現代アートが入り込んでいるのがドイツです。「さあ、珍しいものをお見せします」式の大げさな構えが、ドイツではあまりみられません。各地方の各市で、現代美術の存在自体が日常化しています。

日常化は具体的には、普通の人が現代アート作品を所有し、家に飾ってある点です。日本だと現代アートを所有する一般人はまれで、美術業界人かなと思ってしまうでしょう。日本で家に置くならば西洋名画全集の図鑑あたりにとどめ、作品の実物まで買おうとは思わないものです。

こうした日独、日欧の差は、日本の慢性的な美術不況の原因であり、また隠れた伸びしろです。「だって現代美術はわけわかんないし」と敬遠された作品を、ドイツへ送るとスッと買われる。その差をマル秘情報にとどめず、明るみに出したいと考えていました。
2018/03/19

ジャパン・フェスティバル売上配当送金開始

今日からジャパン・フェスティバル・ベルリン展で買われた作品の、売上金をお送りする作業が始まりました。30名以上なので時間もかかります。それよりも気になったのは円安ユーロ高です。

日本人が円安で得るメリットは、自動車や家電などの一般商品を輸出した時に、現地で安く買ってもらえる点です。外国での安売り戦争で価格競争力を得る効用だから、巨大企業が希望します。

その反面、外国からの輸入品に多めの円を払わされるから、輸入業者は国内販売力が落ちます。円安なほど、舶来品は高嶺の花です。1ドル360円と極端な円安だった70年代は、西ドイツ製ポルシェ911が、日本製マツダRX-7より高かった。第三国のアメリカではマツダの方が高額だった。

この原理はグローバル時代、すなわち株主が大事で従業員は大事でないと定義し直した現代において、世界各国で優先されています。だから日本の円安は、巨大企業の忖度を受けた日本政府による為替操作だと、外国から疑われているほど。

海外へ出た美術作品が、現地で買われた売上金を日本円に換算すると、円安なほど増えます。日本のアーティストは、国際グローバル企業と同じ恩恵を円安で得ます。だから今回の参加者は、ユーロ数字が前年と同じでも、円に直すと前年より大きいのです。

問題は、同時に起きる出品料の目減りです。下がった円だと、外国で買えるサービスが減ります。展示会場のドイツ人バイト料だけでも、以前よりも多額の円を注入しないと足りません。しかも日本以外は経済成長しているから、毎年上がります。クラウド・ファンディングの動機は、そこです。
2018/03/13

クラウド・ファンディング第一弾が審査に合格しました

クラウド・ファンディングの第一弾プランは、昨日審査に合格しました。いつでも公開募集ができる状態です。プランのページの見せ場は、全て参加者様のドイツ撮影写真と、出品作品で構成されます。皆で力を合わせた結果です。

第一弾の目的は、ジャパン・フェスティバル・ベルリンに遠征する、ドイツ側活動資金づくりです。展示会の出品料が低いから赤字で、にもかかわらず参加者も出品困難になりがちな日本国内問題です。要するに2014年夏から続く、デフレ不況三番底の影響です。

そのジャパン・フェスティバル・ベルリンは、夢の展示会というよりは、定期公演的なオフィシャルな位置づけです。そこで、毎月の仕送りのかたちをとる「ファンクラブ型」としました。一般的な「プロジェクト型」は、第二弾以降として個展をすでに計画中です。

この第一弾の目標はもうひとつあり、日本からのドイツ遠征が具体的にどんな作品か、日本国内の鑑賞者に手にしていただきたいのです。見るだけではなくて所有を。日本から外国へ出て、向こうを盛り立てて終わりでは、やはり足りないからです。

現地の成果は日本に戻して積み立てたいところで、まずは好作品を日本でも広めたいと考えています。これは、日本もドイツみたいに美術が一般化すればよくなるのにという希望です。

アーティスト一人がクラウド・ファンディングを行うのは、なかなか負担が大きいとわかりました。負担のひとつは、リターンと呼ぶ返礼品の手配です。この第一弾では、現地での好評作品が増えつつある点はかなり強みだと感じています。
2018/02/17

クラウドファンディングと五輪フィギュアスケート男子実況

今、クラウドファンディング第一弾の準備中です。資金活用のプレゼンテーションなので、ポイントも色々あるようです。それ以前に、募集会社からの要求は幅広く細かいものです。そう簡単にはできません。

値打ちが高い謝礼品を豊富に用意できるかは、挑戦者の関門になっている気がします。こちらに世界一のアート絵はがきシリーズがあると自負はしても、嗜好の内外差を具体的にくらべたことはなかったもので。

ところで今日は五輪フィギュアスケート男子を、ラジオで聴きました。日本勢は金銀を同時に獲得し、ニュースの声もはずんでいます。すぐに思い出したのは、かつて長くフィギュア男子が国内で不人気だった頃です。

ひっそり出場した往年の日本選手たちは指導側に回ると、本気で勝とうと変革してきました。全体の力量が上がると、一転して冬季五輪で一番人気となり、好循環が起きています。各地でエキシビションが大入り。理解されるコツは、内容を充実させることでした。

日本では概して現代アートは理解の外ですが、現代アート関係者は国民が時代に追いつけば解決すると思っているようです。内容を充実させるべきだと指摘しても、現代アート推進側は受けつけません。不備は国民側にある前提で、もっと強く広報すれば理解されるつもりらしく。

こうした在来作品ありきの現代アート業界と異なり、スケート業界は出し物の改良で国民を魅せる策をとりました。現役選手のがんばりだけでは変わるものでなく、上層部が目的意識を整理して計画を立てたのは効果的だったでしょう。
2018/01/01

ストップ日本美術家減少とクラウド・ファンディング

新年おめでとうございます。我々は日本の新進美術をヨーロッパ国へ紹介しつつ、徐々に創造育成へ広げています。主力の現代アートは、絵や彫刻など動産型の三大画家タイプです。痴漢やテロなど、お騒がせ事件もアートだと拡大解釈したダダ運動タイプではなくて。

旧年の身近な事件は、参加者の相次ぐ休止でした。日本代表が減った損失。原因はEUのテロではなく、日本のデフレ不況です。若い人が生まれた時から停滞する日本は、不況26年目のヤマ場が初夏に来るそうです。

デフレを促進する現行の文言を、再度入れるか削るか。入れると東京五輪の年に景気五番底が来る経済原理だそう。主要国で日本のみGDP(国民総生産)が横ばいした、この20年でした。政策指針に書く単語で、景気動向が切り替わる分岐点が来るという。

日本の資金力、ジャパンマネーの弱化は、よく体験します。2016年中にベルリンの関係ギャラリーもなくなったし、円安で我々の現地購買力が落ち、出資不足で攻めきれない事態です。やりがい搾取も他国は法律違反だし、徐々に現地で動きが限られてきたのも事実。要は出品料が低すぎ。

「前も円安はあったのに、なぜ出品料が不足?」の疑問は、デフレ社会の感覚です。世界各国のGDP(国民の所得合計とイコール)は上がり続けていて、ドイツも人件費が年々上昇中。プリント料も郵便料金も、物価は毎年値上げされます。価格破壊による経済縮小は、世界で日本だけなので。

冬のキリギリス役アーティストを支援するのに、参加者からクラウド・ファンディングをすすめられました。資金支援する制度。日本らしい現実として、「購入型のみ」「主な支援は内輪」だと知りました。我々には秀作のストックがあるから、値上げを食い止める目的で計画してみます。
2017/12/27

クラウド・ファンディングの美術活動は謝礼が値打ち

国内でクラウド・ファンディングが流行りだと複数の参加者から教えていただき、さっそくCF事業の担当者と話をしてみました。わかったことは、まず支援を受ける側が一方的に得しない点。当然、寄付側も平成大不況の中にいるから、お互いに余裕が少ない前提です。

ちょうどふるさと納税と似て、本来ないはずの納税を受けた自治体が高級和牛をたくさん贈るなど、返礼品の量と質から入る必要があります。純粋に寄付だけ受けるのはだめで、お返しが必要な制度です。美術の場合は返礼を作品とするから、市販されない記念品となり外注経費も少なくて済みます。

物語企画でやるとして返礼品を考えると、けっこう充実しています。「ドイツで売れた絵はこれです」と実績つきのジクレー版画が輝いているし、ベストセラー絵はがきもあります。いずれも刷る前から厳選してあるから、どれもほぼ当たり。

今回知った大きい現実は、知らない他人からの寄付が少ない点でした。前に外国で話題になったような、広域から支援が集まったというネット時代の美談は、美術ではあまりないらしいのです。

つまり、親兄弟や友人や職場の同僚と町内のご近所さんが、支援の多くを占めている現実です。昔でもあり得た縁ある人々からの寄付が、意外に多いというデータを聞きました。ちょうど美術の売却と似て、内輪の人づてが絵画などの購入者になりやすい日本の傾向を思い出します。いやこれは、ゴッホさえもそうでした。

物語企画のドイツ展の作品購入は逆で、作者を知らない他人ばかりです。現地では作品の中身で食指が動きます。その現地へ作品を送るイベントへの支援は、出品者に縁ある方々が頼りになると予想できます。出品者の作品を、優れものにしておくことが最重要課題でしょう。