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2023/09/22

ビットコインが円に置き換わることは絶対にない|通貨と国家の謎

ビットコインが最初に急騰した時、実際に大儲けした者が世界中にいたので、世界を統一するお金の本命だと語った著名人が目立ちました。マネーロンダリングできるあこがれもあって。でも、通貨に格上げされる可能性は完全にゼロです。

なぜなら、お金は国ごとの固有の産物だからです。円、米ドル、英ポンド、スイスフランなどハードカレンシーは単位を表すもので、一国の政府のみ発行権を持ち、自在に増減する権利と義務を負います。自国通貨建て国債発行で現れ、徴税で消えます。

増やせば好景気、減らせば不景気になります。景気動向をみて、政府はこまめに通貨総量を増減させます。エアコンの温度調節と同じで、寒いと温め、暑すぎは冷やす。ちなみに日本だけが寒い時に冷やして「失われた30年」のデフレ不況が34年目です。日本だけが逆なのは、戦後教育の洗脳です。

話を戻すと、円や米ドルは「主権法定不換貨幣」とも呼び、厳密に借用証書です。通貨信任は納税義務の設定で発生し、国境の外には出ません。知らない人が多い。だからEUの統一通貨ユーロは、致命的な欠陥があり自滅が予想されます。

つまりお金は、国ごとに財政政策を行使する用具であり、政府が常に張りつき毎日こまめにコントロールし、物価や給与を調整しながら安定させ、国土の発展を続けさせる仕組みです。現在の主流派経済学は、この仕組みから脱線しています。

脱線内容は黄金を代替する証書と誤認した「商品貨幣論」で考え、エアコンの調節機能を無視。皆がギリシャを馬鹿にした2009年からのユーロデフォルトは、単純にユーロ設計の欠陥です。独自通貨ポンドを続けているイギリスは賢い。
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2023/09/08

新自由主義が表現者を染め始めた令和|災害大国が特殊事情の日本

現総理大臣が2021年の党総裁選に立候補した時、「小泉内閣以来の新自由主義から転換する」が公約でした。日本経済の「失われた32年」(当時)をV字回復させるかもと思わせました。当選して総理になると新自由主義へ戻り、緊縮財政と増税による通貨削減を再開し、国民の貧困化を急いでいます。

新自由主義をやめてケインズ主義に戻すと景気が上がってしまい、日本資産の時価総額が高騰して昭和の経済大国に返り咲いてしまいます。日本解体を願うブレーンたちの資産移転ビジネスには不都合なので、総理の元へ押しかけて景気回復を阻止したのです。

この新自由主義の思想は、すでに経済ブログで論じたように、ダーウィンの『種の起源』にある「進化論」の影響を受けています。生物は「弱肉強食」と「条件」で淘汰され進化する原理ですが、ダーウィンの言う「進化」は退化を含むから、読者は昔から初歩的な誤読を続けています。

そこに日本らしい「貨幣観の誤謬」が加わり、自己責任と選民思想が激化しています。低収入者は国のお荷物なので権利を制限すべしと唱えるカリスマご意見番たちは、テレビの人気者ぞろいです。テレビがないこちらの目に、逆さまの常識がここまで広まると日本破壊組の勝ちかと映ります。

最近、音楽畑にも新自由主義が命の徒が現れ、細々と続ける先輩ミュージシャンに「無能な者は廃業せよ」と言い放ち、自分の優秀さを誇っていました。初めてみるタイプ。読者から批判があると、自分はガリレオやゴッホだという調子で、嫌われ者こそ本物の証しと言い出して。

新自由主義は助け合いや情けを不正行動とし、一握りの勝者以外は消えるべきという優生思想が上位理念です。勝者の幸福を、敗者の不幸の上に築く思想。ところが日本ではうまくいきません。理由は地勢学的で、地震台風大雨豪雪火山津波の島国だからです。冷たい内戦では自然の猛威に敗れ、双方が消える運命が日本。
2023/08/25

新自由主義が先進国を壊し尽くす時|日本は今から徹底破壊へGo

「新自由主義」は「ネオリベラル」とニアリーイコールです。理念を平たく言えば選民思想、格差拡大です。人類を二分して、強い者が弱い者を隷属させ搾取する。ダーウィンの『種の起源』に記された「進化論」に影響を受けています。自然淘汰の経済版といえます。

テレビのカリスマご意見番や人気コメンテーター、経済学の権威者が言う「優れた人にお金を渡し、劣った人には渡すな」の信念もそれ。現に累進のない定率の消費税では、格差を開く目標が最初の案に含まれました。「税を広く薄く」は、要するにジェノサイドの意味です。

新自由主義は大そうなイデオロギーに思えますが、大口資本家が総取りする方便として、自由をバラ色と吹聴するデマです。たとえば国営公社を民営化し自由市場に入れると、通貨増量が省かれ、所得減が行き渡り、大勢が自殺して当たり前すぎ。この弱者淘汰に賛同する民意が怖い。

庶民を所得減にすることも、新自由主義の教条です。そこにじゃまが入るのが福祉です。国家が資金を投じ、ハンデキャップを小さくするのが福祉です。新自由主義はそれが大嫌い。「生まれつきの障がい者は淘汰されるべきなのに、国が加勢して活躍させるのはフェアでない」が新自由主義のエリーティズムです。

現代の政府出資は、必ず政府貨幣を追加発行した増分を投じます。つまり国の財源は通貨発行です。1973年以降は、国が払うたびにお金を刷り足す方式です。それを政権にやらせなければ格差は拡大するから、強者と弱者の振るい分けが早く進む。それが新自由主義。ネオリベラル。

ということは、新自由主義は恵まれた家系のボンボンや、運よく成功した人たちが支持します。テレビ人にめちゃ多い。恵まれていない者や運が悪かった者は、言い出さない。それで最初の話に戻ります。新自由主義は選民思想だと。
2023/06/04

反グローバリズムWe are readyが日本でも|各国文化をつぶすSDGs

時々会員様から、美術活動を中止し廃業する知らせが届きます。家族の失業や介護負担なども想像しますが、根底は国力低下です。日本は緊縮財政(通貨増量拒否)と消費税増税(既存通貨削減)で円の総量をわざと減らし、総需要(国民のサイフの重さ)を減らし続け、企業や店を干上がらせるデフレ不況です。

ベルリンの壁崩壊とソ連の解体以降に、世界は資本主義を歪めて株主の利益だけを優先しました。結果は「世界同時不況」で、日本国内でも民営化や働き方改革など間違った対応策が続き、大勢が貧困化し飢えて亡くなった平成と令和です。

他国は積極財政と減税でインフレ好況なので、そこへ黙々と亡命移住する日本放棄組の若者が50万人だとか。日本を沈める外圧が「新自由主義」「グローバリズム」の二大柱。1979年イギリス発の世界目標(SDGs)です。

新自由主義は、お金の意味を間違ったアダムスミス経済を基礎に、政府に財政政策をやらせず福祉を捨てさせ、国民の生死を自己責任に帰する経済版新興宗教です。グローバリズムは、人・物・金の国境をなくし、世界を均質に変える多様性否定の思想です。多様性こそ大事だとの宣言はカモフラージュ。LGBTQ。

グローバリズムは各国民族の固有の文化を消し、均質な人種のるつぼに変え、内戦に持ち込む目的があります。国家の争乱がカネになる「ウクライナ特需」もそれ。新自由主義とグローバリズムは、もろに第三次世界大戦への導火線の役です。

それに対して反グローバリズム運動『We are ready』が世界で広まり、日本でもデモが行われました。「村祭りの廃止を国際会議で押しつけないで」という、世界支配層への反発です。日本美術も伝統的風情を作品から抜いて無国籍に変えたら、取り柄がないでしょう。無駄で余計な、異文化性に価値があるわけで。
2023/01/13

2023年が激動の年になる理由は?|コストプッシュ型インフレ

ネットニュースや動画などに「これから世界は激動になる」のあおりが多くみられます。実はこれ、1970年代の再来です。あの時何があったのか。二つのショックです。オイルショック(1970-79)とドルショック(1971-73)。オイルショックとは、中東国が組織化し原油価格が高騰した事態です。

希少価値が根拠の計画生産で値上げし、エネルギー資源が足りる米ソ以外は、輸入価格が上がるせいで商品類の全てが値上がりしました。「悪性コストプッシュ型インフレ」の、いわゆる狂乱物価です。物価が上がれど所得が上がらず、むしろ下がる現象です。

インフレには二種類あり、通貨ばらまきで起きるのが良性デマンドプル型インフレです。これはサイフが厚くなった国民が買い物ブームを起こし、商品がよく売れるから強気価格になる値上げです。物価が2割上がっても給与報酬は3割上がる、嬉しいインフレです。

1970年代は、悲惨な悪性コストプッシュ型インフレでした。物価高騰をイギリスが止めきれず「英国病」と誤診します。米シカゴ学派の新自由主義者にだまされ政策を誤り、今日の世界同時不況と欧州先進国の没落と、独裁的な共産主義の躍進を招くことになりました。

新自由主義で故意に国力を下げる貧困化作戦で、「失われた34年」の日本もそう。実は英米が日本よりも先に国力衰退に追い込まれ、英ジョンソン首相と米トランプ大統領は、衰退した自国を立て直す反撃でした。それで衰退推進派に抱き込まれていた報道各社から叩かれることに。

しかし変です。1970年代に氷河期が来て、英国は氷で冷やす誤った措置をとった。冷え切った50年後の今、また氷河期が来た。ここでさらに冷やすよう各国が向かうのか。冷やしてばかりだと世界大戦も近づく。コストプッシュ型は70年代と同様の不景気だから、金利上げも増税も自滅です。なのにやる動きがあります。
2022/09/15

日本が戦争に近づいてゆく|アフターコロナは世界大恐慌後に酷似

日本の新型コロナ騒動は、我々も参加したジャパン・フェスティバル・ベルリン2020最終日の6日後の2月1日。コロナの経済低落は1929年の世界大恐慌の再来を思わせます。1930年代に世界各国で貧困救済が遅れ、ファシズムとナチズムが台頭し世界大戦となった流れです。5~8千万人が亡くなった二次大戦。

コロナ恐慌で戦争が見えてきました。日本も戦争へ向かっています。先日、与党の副総裁が戦争の可能性を初めて記者会見して、しかし世間の反応は小さく。主要な背景は「失われた30年」。海外宗教に財産を取られ家庭崩壊した少年が、成人してジョーカーとなり元総理を暗殺した、すさんだ社会もそう。

亡き元総理の「日本はお金を増やせ」派は失墜し、「お金を減らせ」派が全権掌握しました。重税で暴発したフランス革命の前夜に似てきました。日本の低賃金は、仕事ができない人の増加ではなく、お金の量を故意に削減しているからです。政府の通貨発行額が、企業の賞金総額になる理屈です。25年間減らして死者続出。

貧困化を進めれば国民は荒れ、押さえ込むためにファシズム、全体主義へと向かいます。最近になって話題の本が、ハンガリー出身の米経済学者カール・ポランニー『大転換』です。市場経済が個人を分断させ、大規模戦争へ至るメカニズムの書です。ただし戦争はすでに始まっていますが。

ウクライナと台湾の次が日本という確実な流れの中、故意にミリタリーバランスを弱めた日本です。自己責任論で自殺する女性が増えすぎた、この不穏な空気で国民に好戦傾向がみられ、国家てんぷくに期待する心理もじわじわと広がっています。ジョーカー予備軍も増え、怪事件が多い。

今後日本を救う人が現れブームになれば、その人は日本を徹底破壊するはずです。ポランニー以外の何人もが同じ結論を出し、同じヒトという生き物である以上は、歴史の必然をたどるはず。というわけで、いつか三次大戦を美術展のテーマにしましょう。
2022/06/24

フランスに続き日本も参議院選挙|ロシアウクライナ戦以降の世界秩序

日本は参議院選挙期間です。日本国民が一貫して政治に求めているのは「国の無駄をなくせ」です。これは通貨発行の停止を意味し、経済を右肩下がりに落とし国民の貧困化を進める方向です。結果の「失われた30年」はもう33年目です。

コロナ以降に国民の一部は、国の無駄は逆に経済成長にあたると、やっと知り始めました。現代の財政は「管理通貨制度」と呼び、政府がお金を国民側にばらまき、人々に物を買わせて企業を育て、イノベーションを起こさせる順序です。アメリカも中国もそれで伸びた典型。

この解釈が戦後常に、あべこべにひっくり返されていたのです。企業の社長がまずイノベーションを行い、企業増収となれば世のお金が増える。それが経済成長だと大勢が誤解してきました。国民のおそらく99パーセントがこの考えです。

これの何が間違いかは、まず民間企業や家庭や個人がお金を増やせば、通貨偽造の犯罪です。各企業がお金を増量など不可能なのです。お金が増えるのは、銀行から誰かが借金し、負債がかさんだ時だと国際的に決まっています。イングランド銀行方式を、スイスにあるBISが強制しているからです。

それに逆らった日本でお金不足が続き、国民の自殺は目に見えて増え、歴史や領土を外国から攻められました。外国が日本を攻める資金は、日本人が嫌う「自国通貨の発行」です。国の支出は国民が負担するわけがなく、政府が毎回ボタンを押して書く電子数字です。コストはタダ。

日本の国家予算は年間100兆円です。参議院議員の立候補者は二つに分かれます。国民の負担は0円だと知る人と、知らないから国民に100兆円負担させる人の二つ。国民は後者に誠実な人柄を感じ続け、結果の「失われた30年」はもう33年目です。
2022/05/06

ロシアと日本の90年代の転落と幸福度|新自由主義と世界戦争

1989年のベルリンの壁崩壊後に、世界は自由経済の資本主義一辺倒になり、しかし幸福度は落ちました。原因は「新自由主義経済」「グローバリスム」が弱肉強食だからです。日本なら自助や自己責任など、公が民を見放すネグレクトがそれ。

ソヴィエト連邦がロシア連邦へコンパクトになった後、西側の国際金融資本はロシア国内の資源の利権を巻き上げました。ソ連国営企業を民営化させ株式上場させ、安値で国際ファンドが買い集め、支配権を得た株主資本主義です。

現場労働者を賃下げしてワーキングプアへ落とし、少数の資本家が富を独占する方式。ロシア国民は自由経済のビギナーとして保護されず、欧米のハゲタカファンドに食い荒らされ、不幸に落ちました。プーチン擁護論とは無関係に、西側が東側を食い物にした事実はあります。

西側が富裕化し東側に差をつけたのは、1980年代からの新自由主義経済ではなく、1960年代以前のケインズ主義経済の時です。日本でいえば所得倍増論で、要するに自国通貨の発行量を二倍に増やす正論でした。新自由主義はそれを阻止する。

日本の「失われた30年」は、1989年の消費税導入以降に経済がボロボロに壊れた国難です。1989年に日経株価は史上最高値3万9千円近くを記録し、今は7割程度に下落。日本もロシアに並び、新自由主義で国力をそがれた一人です。

日本の郵政民営化も、値上げとサービス悪化とローカル切り捨てとGDP減になり、だまされた国民は思考停止したまま。ドイツ展でも作品送料が変に上がり、デフレ下のスタグフレーションを2014年(消費税8%化)に先取りしました。今はロシア戦争で、スタグフレーション第二幕です。
2022/04/26

世界のインフレと日本のデフレで円安|正当な日銀はガリレオかゴッホ

世界はインフレ騒動で、ドイツもインフレが目立つと聞きました。ドイツは世界にならいコロナ減税し、生活用品と食料品の売上税7%を5%に下げています。減税で物価は値下がりし、インフレで値上がりし、暮らしの好転はチャラなのかも。

インフレとは何か。マスコミもおよそ全員が誤解しています。良性と悪性があり、通貨のばらまきによる消費ブームで起きる良性が、デマンドプル型インフレです。物価以上に所得が上がります。ばらまきによる通貨増を、経済成長と呼び、通常のインフレは幸福です。皆の警戒とはあべこべ。

対して原油や木材の高騰で起きる悪性が、コストプッシュ型インフレで、狂乱物価です。所得は横ばいか下落。このように物価上昇は二種類あり、世界は今デマンドプル型とコストプッシュ型のミックス状態です。アメリカは景気上昇を減速させるテーパリングで、金利を上げすぎにみえます。

しかし日本のみ特別です。日本は二次大戦の懲罰「財政均衡」が今も続き、故意に経済成長を止めて貧困化促進中です。日本だけがデフレ不況下の狂乱物価で、スタグフレーションなのです。日本にいても殺されると、海外亡命する若者が増加中。特に女性の自殺がすごい伸び。中高年の一家心中も。

日本の物価高騰に良性の成分はなく、悪性の成分だけです。景気過熱を冷やす金利上げは、欧米国と違い日本のみ厳禁です。原理を理解した日銀は金利を下げて融資を誘うために、国債指し値オペをやっています。論者たちは、金利の内外差が円安原因だとして、唯一正しい日銀を叩く声ばかり。あべこべ。

たとえるとこうか。各国は運動して体温上昇し、冷たいシャワーをあびる計画中。しかし日本の体温上昇はインフルエンザ発病なので、冷たいシャワーはだめ。そこで日銀は暖房を入れました。皆は「日本も外国のように冷やせよ」と批判しているわけです。「失われた30年」が続くはず。
2022/04/14

新自由主義経済とグローバリズムの43年|ロシアウクライナ戦争

ラジオニュースで最初に発する声は、2020年2月1日から毎日「し」でした。2022年3月24日から「ろ」と「う」に転じました。大勢がロシアとウクライナの情報をネットで集めているのか、美術関係ブログのアクセス数は減り閑散としています。

1989年のベルリンの壁崩壊で世界は転換し、日本は昭和から平成に変わり、消費税導入で貧困の起点。1991年にソ連は解体され超インフレ続きで、1998年にロシアはドル借金をアメリカに返せずデフォルトしたあらすじでした。

同じ頃アジア金融危機に見舞われた大韓民国をIMFは助け、日本も援助して(円とウォンのスワップ)、最近の大韓民国のGDPはロシアを超えたとされます。ロシア問題の筆頭は、20世紀末から貧困化し日本と似た転落です。

日本の場合、1947年の日米取り決め「ノーモア・パールハーバー」の「財政均衡」が、緊縮財政と消費税増税に化けた自滅です。ロシアは国際金融資本に資源の利権を取られ(イラクも同じ)、プーチンが取り返して超富豪財閥(対エリツィン派)が国内に勃興し格差社会を強めました。

ベルリンの壁のアフターでシンボル化したのが「世界の壁の除去」でした。典型が民族の壁である国境です。ロシアウクライナ戦争をみれば、国境を壊して民族を混ぜるグローバリズムは、モラルハザードでいさかいの元とわかります。

人間はメンタルの生き物で、非常にデリケートで臆病です。「壁をなくしてみんないっしょ」は、歴史と文化がDNAレベルで衝突します。この話題のたびに、ドイツで開く美術展で国籍不明のグローバル具象画が不人気だった事実を思い出します。
2022/04/05

ロシアウクライナ戦争を止められない人類|戦争にルールはあるが

戦争にもルールがあり、よく知られるのが「自国の軍服を着ていないと戦闘禁止」「銃弾は銅で包んだフルメタルジャケット弾」など。一般人への攻撃もだめ。これが意外に思えるのは、攻撃側は破り放題で、勝てば不問にできるからです。

捕虜の虐待禁止もあり、日本も戦後にもめた話がありました。日本軍側は英米兵士の捕虜を宿舎に集め、食事を出してやばいことが起きました。木材を削って食物に混ぜたり、腐った豆を食べさせたとして、戦後に告発されたのです。

こうした戦争ルールは、全てに違和感があります。戦争自体はやってもよく、合法だという意外なルールだからです。人類は戦争をなくそうとしないで、武力で戦う自由を今も保ち続けています。軍需産業もSDGsになっているからでしょう。戦争がなくならない理由は、合法だからです。

ロシアウクライナ戦争の起点は、ソ連初で最後の大統領ゴルバチョフが誘拐され、エリツィンが解決してロシア国初の大統領になったあの事件。ねじれたまま民主化と自由主義経済への転向が急すぎて、歪んだ問題です。特権階級と格差社会。

2000年頃に西側の親分だった米クリントン大統領は、副大統領だかのプーチンから「ロシアはNATOに入れるか」と問われ、門前払いにしたとされます。敵対関係を保とうとした背後の意思は、国際金融資本ではと指摘されています。

真珠湾攻撃との比較がネットニュースにあり、「門前払い」で戦争が起きるとわかります。ところで先の日本軍が捕虜に出した食事は、実はかつおぶしや納豆などの健康食品でした。今のような国際文化交流がなく、外国で知られなかったのです。
2022/03/21

グローバリズム時代が終わる事件続き|コロナとロシアウクライナ戦争

日本の「失われた30年」と呼ばれる、人類史上最長の不景気は、緊縮財政と消費税が原因です。なぜ今も続き33年目なのかは、それが原因と認めない未練がましさが原因です。未練がましさの基盤の思想が、新自由主義とグローバリズムです。

新自由主義とは、政府の役目を縮小して市場原理のみに従う経済理念で、金本位制に近似的に運営します。国の経済成長を下げて衰退させ、デフレ不況を強めて格差を拡大します。福祉の切り捨てと選民思想をとります。今の日本もこれです。

「ゆりかごから墓場まで」の福祉国家イギリスがまず壊され、日本人もあこがれるスウェーデンも壊され、民営化と採算性重視の理想で突っ走ったのが新自由主義。コストカットという名の経済縮小が顕著で、日産自動車のゴーン元社長もその顔役でした。

新自由主義の反対語がケインズ主義で、政府の役割を大きくして、国民全体の所得を上げるやり方です。1960年代の所得倍増論の内閣がとった方法がこれ。その逆に大勢を貧困に落とす財政手法が新自由主義で、グローバリズムとセットです。

グローバリズムは国境をなくし、人・物・金の移動を自由にして、地球上の民族も文化も宗教も混ぜて薄めてシャッフルし、ボラティリティーを極大化させます。「ボラティリティーが大きい」の意味は、ジェットコースターの落差が大きいみたいなもの。波乱と不幸がグローバリストのカネになる。

このグローバリズムが、コロナとロシアウクライナ戦争で終止符を打ったのです。「世界はひとつ」は無茶と国際社会は知り、国境の意味を知りました。戦争の下地は異民族の融合策だった。「混ぜるな危険」は人間だった。ブレグジットで国境を再構築したイギリスは今回もまた予見者となりました。
2022/02/28

ロシアのウクライナ侵攻とポストアフターベルリンの壁|三次大戦開始

やっぱりと思ったのは、「ポスト・アフター・ベルリンの壁」です。「壁以後は終わった」。1989年は転換点の大事件が重なりました。世界史はベルリンの壁崩壊、天安門事件。日本史は昭和天皇のご逝去、消費税導入、金融バブルの崩壊。

共産主義が巻き起こした東西冷戦は1991年のソ連解体で終わり、民族や宗教の独立紛争と、新自由主義経済にグローバリズムです。全てが日本も直撃し、1989年以来33年続く「失われた30年」の不景気、デフレ不況です。原因は世界唯一の緊縮財政と無限の増税。

ソヴィエト社会主義連邦共和国がロシア連邦で出直した時、ゴルバチョフからエリツィンへ託された民主化と自由経済は実行されました。が、西側国の持ち株会社やファンドなど国際金融資本が指導しながら、天然資源の利権を奪っています。

民営化と株価上場の際、株を買い占めました。日本は郵政民営化で同じ目にあい、民営化で国営資産は流出し、国民は高料金と低サービスを強いられました。これがロシアにも激しく起きていました。

よく1998年のロシア財政破綻が言われますが、原因はドル建て国債の借金であり、固定相場のルーブルが急落し、過剰インフレになりました。インフレはお金が多いからではなく、国産の商品が乏しいから起きます。通貨を増やしても買う物がないから、お金がだぶつきすぎて価値が落ちすぎる。

新自由主義は、政府に通貨を刷らせず国を貧困化させ、企業や技術や特許や不動産を外資へ投げ売らせる理念です。侵攻はアフターコロナに向けたワールドオーダーデザインの一環、SDGs(エスディージーズ、持続可能な開発目標)を転換させる合図か。ドイツはついにエネルギー方針を改めるらしく。原発に戻るきざしも。
2022/02/22

世界のインフレ懸念で人類は大荒れ|コロナ恐慌後の景気動転

世界のインフレが報道されています。話題の中心はアメリカで、ドイツもインフレ基調だと聞いています。ただしインフレは世界でも日本でも誤解のデパートです。「インフレ怖い」は間違いで、インフレは好景気の基盤です。

インフレは物価の上昇を指し、通貨量に対して商品の供給量が少ないと起きます。ところが大きく二種類に分かれ、良性と悪性があります。良性はデマンドプル型インフレ、悪性はコストプッシュ型インフレ。需要けん引型か、原価押し上げ型か。

良性は通貨発行とばらまきで起きる消費ブームで、悪性は資源高騰で原価が上がる狂乱物価です。良性は物価以上に所得が上がります。悪性は所得が上がらないか下がります。悪性をスタグフレーションと呼びます。

日本以外は良性と悪性が同時に起きています。コロナ対策で大金をばらまいた好景気と、コロナ不況後の石油高騰による不景気が同時です。それでアメリカはテーパリング(景気上昇政策の縮小)をやるやる言いながら、良性と悪性の成分を見極め中です。日本はばらまき拒否し良性と無縁で、悪性インフレだけです。

人の体温なら、良性はスポーツで体温上昇。悪性は病原菌に感染しての体温上昇。良性は冷やして熱中症を防ぎます。悪性は冷やすと悪化します。インフレも同じで、冷却すべきとは限りません。良性と悪性で逆の対応が必要です。

このように一語に二つの意味があると、世界が大混乱します。日本でもインフレは怖いからと物価を下げ続け、企業がつぶれリストラやブラック企業の大ブームで、主要国で唯一経済衰退中です。経済用語の誤訳も犯人の一味なのです。