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2017/03/29

日本の大企業が次々とつぶれていく悪い冗談

電器のサンヨーはすでになく、シャープは外国に買い取られ、東芝も倒れようとしています。これを時代の流れと感じる人は、過去の流れを知らない若い一群でしょう。なぜなら、「これからの時代は株主優先へと大きく変えることが、日本復活の唯一の選択肢」という、90年代後半から進めた国家変革の結果がこれだから。

労働者の所得を大きく落とす政策で、バブル後に傾いた企業が助かる約束だったのです。日本をデフレの格差社会に変えて、奴隷制と呼ばれる賃下げを行い、引き換えに企業コストが軽減して立ち直り、経済大国へと返り咲く筋書きでした。だから国民も長い年月がまんできた。

ところが、搾取された従業員だけでなく搾取した企業までが、今になって没落し始めて消滅してびっくり。時代の流れではなく、国の運営を間違ったのです。企業強化のために国民が貧乏に甘んじた98年からの19年に、企業も仲よく倒れる誰トク状態で、これは笑うところなのか泣くところなのか。

要するに19年間、日本国民はだまされました。上が下をだましたのではなく、上も下もだまされた。だましたのは、株主最優先を熱く唱えた投資家たちが疑わしい。しかも少数。それらグローバリストは帰属意識がなく、どの国がどうなっても関係なく金以外に無関心。文化が壊れても平気なタイプ。

おもしろいのはだまされた被害意識の薄さで、イギリスやアメリカやオランダの変化をレイシズムとしか思わない層の広さに表れています。金銭感覚でなく人種感覚で世界が動くとの奇妙な思考の日本人。案の定、90年代のテレビ議論も忘れ、時代の必然と勘違いして。いっぱい食わされた自覚が、この期に及んでも芽生えない日本。

東芝は電器だけでみれば、『サザエさん』のスポンサーで知られる東芝ランプやアイロン程度に思えますが、日立と並んで外国に「日本すごい」と言わせた巨大インフラを数々実現した頭脳集団システムです。そんなボロ企業はいらないと日本人が思っている心理が原因で、日本はよけいに不景気なのです。
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2017/03/28

江戸しぐさという謎の道徳と徳川慶喜の大政奉還

小学校の道徳の授業で、「江戸しぐさ」なるものが一部の教科書にのって小さな騒ぎが起きました。江戸時代に常識だったとする日常の心がけが「江戸しぐさ」だという。しかし今の歴史学者は誰も知らず、記録にも落語にもなく。なかったものを国会議員と官僚が信じ、教科書にのせました。

その教科書を批判する本によると、「江戸しぐさ」に出てくる川を渡る船内で席を譲るマナーは、馬も乗るから座席がない江戸の船ゆえ、嘘の話だとわかるという。「江戸しぐさ」は、現代の若者を調教する目的で江戸を名乗り、最近でっちあげた作法だと結論されています。

てんまつで気になったのは、「江戸しぐさ」の資料が現代に残っていない疑問に対する、愛国NPO法人の釈明でした。説明では「江戸しぐさ」を伝承する江戸っ子たち全員を、明治政府が虐殺して葬り去ったから、いったん途絶えたのだと。途絶えたのを僕らは復活させたくて、教科書にのせたのだと。

日本でそれはないねと多くが直感したはず。うそつけと。というのも、外国の人がたまげる日本史です。フランス革命のごとき貴族と市民の戦いではなく、話し合いで徳川幕府から朝廷へ権力を戻した大政奉還の穏便ぶりが史実でした。日本をほぼ完成させていた徳川の殿様は、未来を信じ政権を返却した。

江戸から明治へは、東京に改名して持ち上がっただけで、同じ中味です。同じ建物のまま、洋服や靴を試す江戸の人たち。明治への革命に内戦はなきに等しかった。日本以外によくみる市民虐殺を言い出したばかりに、しぐさ自体の出自が疑われ、騒ぎになったのでした。

大政奉還してトップから降りた徳川慶喜(よしのぶ)は文明開化に加わり、侯爵となり国会議員となったそう。その徳川慶喜の孫娘が、平成時代にラジオ番組に出たことがあります。慶喜の質素な人柄と、彼の大好物だったカツオブシの逸話を披露してくれました。
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2017/03/26

新科目の道徳教科書でボツとした日本のパン屋

小学校の新科目となる「道徳」の教科書検定の話題。郷土愛不足という意見がついた例にパン屋の物語があり、和菓子屋に変えたら合格した報道がありました。これを聞いて、明治時代の「あんパン」開発を連想した人も多いと思われます。調べると4月4日が「あんパンの日」だとか。

あんこを後付けでなくパンに内包してつくる方式で、和菓子に近い独自製法だったという。さらに連想してメロンパン(関西はサンライズ)やうぐいすパンなど、日本発のパンがあります。しかし、海外からの注目はそのあたりにとどまらず。

来日旅行客が話題にした、トンデモなパンも連想しました。試食してマニア化したり、絶対食べない宣言も出た4種です。「カレーパン」「やきそばパン」「スパゲティーパン」「ポテトサラダパン」という、いわゆる調理パンがそれ。海外で驚かれる理由のひとつは、炭水化物同士のセットだから。

小さな手作りパン屋を持ちたい人がけっこう多いのは、自分が食べたい以外に、独自の工夫の余地が望めることもあるでしょう。市販の手作りパンを見て改良の余地を感じ、色々と思いついた新規参入もあろうし。成否は水ものではなく、能力主義的な要因が大きいし。価格破壊も不要。

ルーツが洋物のパンでは、郷土愛や愛国にならない暗黙の諒解だったのでしょう。が、かりんとうや金平糖などの専門店にくらべ、パン屋は日本色を出せる創造的な場に変わっているから、教科書で位置づけ直す機会だったかも知れません。古きを守る伝統ではなく、新しきをつくる伝統として。

同時に、もっとくだらないことも連想しました。パン屋と和菓子屋の呼び方です。XX屋は放送禁止用語に含まれ、XX店やXX業と言い換える自主規制が放送局にありました。パン屋は不適切な言葉で、製パン店が適切な言葉だとの内部規制。今回のニュースでは規制しませんでしたが。
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2017/03/24

日本のお菓子がけっこうな人気だって

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2017で、菓子の出展が目立ちました。市販のパッケージ商品がきれいに並べられた写真。前からですが、世界中で日本の菓子が人気で、ほとんど依存症的な外国のファンもいて、SNSやブログの来日体験記にも菓子を大量に買い込んだ話が出てきます。

菓子は加工食品であり、保存食です。この分野で日本製品の完成度を感じたのは、1960年代でした。親族に輸入雑貨の店主がいて、外国の菓子をたくさん送ってくれたのです。板チョコレートや粒キャンデー。カルミンやレモンドライのタイプが多くありました。

赤い網の袋に、エキゾティックなお菓子が詰めてあり、外国語のきれいな包装紙が印象的でした。色々な種類のお菓子が、量もどっさりで。ところが、試しに食べてみると全くびっくり。思いっきりまずい上に、とても薬臭かったからです。とにかく、お菓子らしい味がしない。

板チョコは薬品臭ばかりが強くて、カカオの香りや砂糖の甘さが皆無。まるで食べ物ではないみたい。砕ける粒タイプのキャンデー類は、フルーツ味のはずが味をつけ忘れたような感じで、本当に新品なのか疑ったほどでした。そしてやはり、医薬品のようなにおいばかりが強くて。

外国ではこれがおいしいのか、国によって味覚がこんなに違うのかと、強い疑問が残りました。それが近年の日本製菓子の世界的人気で、やはりそういうことだったのかと納得。クオリティーの内外差は昔からあったのだと。

日本で超人気の菓子は初登場が明治大正など古い場合も多く、ロングセラーになっています。一方で後発の菓子は、新鮮な個性派として新客獲得を想定して企画されるようです。美術作品に本来期待されるクリエイティブ指向の展開が、日本の菓子にみられます。
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2017/03/19

日本の桜ソメイヨシノの由来は今も謎なのか

サクラの季節になると出る話題に、花見のサクラ並木に多い種ソメイヨシノの由来があります。今ならDNA鑑定でわかるはずだと思っていたら、すでに調査が進み、日本の在来種同士の交配種と確定しているそうです。

日本に古くからある物産は、二つの運搬コースが言われてきました。ひとつはペルシャ、インド、そして随や唐など現中国から海を渡って来たもの。正倉院の宝物が一例の、シルクロード。もうひとつは、かつて南方と呼んだ東南アジアから、沖縄を経るなどして本土に着いたもの。

ソメイヨシノもそれらのコースが推定されて謎でしたが、実は人が住まない太古から列島に自生していた種が直系と判明し、これで歴史ロマンもしぼんだかも知れません。命ある生き物だからわかりやすい。そして在来種の交雑比は不詳でも、挿し木は人為的で昔の日本人が広めたことも確か。人名も見当がついていたかも。

観賞用に花びらが大型化され、日本中の並木は同一個体のクローンらしい。そのソメイヨシノがワシントンにも輸出されていて、この寒波でまとまった数が枯れたニュースがありました。もしかすると日本から再び送るのかも。とにかく温暖化が望まれます。

ところでサクラを写真に撮るのは難しく、目で見た印象と違う雰囲気になり、意外に絵になりにくいのです。理由のひとつは、ソメイヨシノの花の色が微妙すぎて、機材で生じるカラーフェイリア(色味のずれ誤差)が勝ってしまう点もあります。

サクラの花は何色かというクイズがあり、ピンクと思っても実際はかなり白色に近い。その落差はよく心理色で説明されますが、山沿いに見るヤマザクラがソメイヨシノより赤い花に見えるのは別の理屈です。ヤマザクラの花は白なのに新芽が赤いから、印象派絵画の点描効果です。遠景と接写でかなり違って見えます。
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2017/03/18

世界のマスコミが庶民から疑問視される時代の英米

新自由主義経済を基盤とするグローバリズム社会は、70年代イギリスのサッチャー首相が始めた説が有力です。アメリカの映画俳優出身、レーガン大統領のあの頃。その先端にあるEUからイギリスが降りるということは、世界にトレンドをもたらせる国は相変わらずイギリスということかも。

1パーセントの人が99パーセントから搾取するグローバリズムは、日本では宅配荷物の激増に表れています。激務で低賃金のトラック運転手が足りない問題ですが、要するに送料無料の通販店のみ繁盛して、引き換えに日本全国にシャッター通りが増えた現象です。99パーセントの貧困へ向かうニッポン。

マスコミのうち放送局は、電波周波数に限りがあるせいで自由参入に脅かされない既得権ゆえ、1パーセント側に属します。日本では放送局の株を他国政府も買える甘さがあり、他国政府やグローバル企業が放送局を仕切れる理屈なわけです。

その放送局から流す情報が偏向していると日本で言われて久しく、しかしそれを表の争点にしたのは、何と日本の大先輩たるアメリカでした。日本にグローバリズムを伝授し、江戸時代に確立した大和国の構造まで変えさせた張本人のアメリカが。

偏向情報で目立つのはグローバリズム礼賛と、反対勢力への批判です。要するに1パーセントを「理性的」、99パーセントを「感情的」と伝える言葉が、放送局からガンガン流れる毎日です。ナショナリズム政治家たちを「愚かなポピュリズム」と叩く。毎日毎日、耳タコなほど。

マスコミがレフェリー役でなくプレイヤー役で加勢するせいで、世界が不穏となりテロの下地ができてきた、あるある構図。それでは国がもたないと、一転して言い出したのが英米です。事態がのみ込めない日本を置いたまま、サッチャー首相以来片寄った文明国を是正するリーダー争いを、英米が始めた政局です。
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2017/03/16

鈴木香織展、東京銀座K's Gallery-an [参加者ニュース]

美術作品写真
鈴木香織展
銀座K's Gallery-an
東京都中央区銀座1-13-4大和銀座一ビル6F
2017年3月13日(月)~18日(土)
平 12:00~19:00
金 12:00~20:00
土 11:30~17:00
Kaori SUZUKI 作品撰集サイト
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2017/03/11

東日本大震災3.11から6年

あれから6年、全く風化していないのがよいことなのか。しかし今またテレビ番組で特集するせいではなく、現実に東北からの話題も減っているから、逆に国民の心に引っかかっています。復興作業も現在進行形のまま、一段落ついていません。

よりにもよって不況の二番底の、次の三番底が来るぞと言われていた時の天災でした。比較的羽振りがよかった芸能関係や、大企業からの大きい寄付以外は長く続かず、復興税も小さいものにとどまっています。バブル経済の範囲内の終盤だったので一般からの寄付が集まった、阪神淡路地震との差になっています。

復興予算が復興以外の別方面に多く流用されたことも知られ、日本は決定的に貧乏状態です。地震災害を逆手に取る、強引な景気アップには結局できなかったみたいで。以後の6年もグローバリズムのデフレスパイラルを深め続けて、中高年の実質失業率も上がる一方で。

海水が入ってきた地では、当初は大胆な都市計画も考えられました。宅地をいくらか高台にずらしたり、上げ底型の集合住宅を増やすのは、結局どの程度実施できたか。ほとんどは、低地に再びまちづくりして何だかなあという感じ。

参加者の中にも、復興ボランティア向けのプリントTシャツをデザインして、ロイヤリティーを赤十字に寄付するチャリティー商品に参加した方がいるでしょう。美術界からの資金はささやかな規模にとどまり、日本の中で存在感のないアート業界を実感したものです。

強いて言えば、巨大災害で日本は目立ち、欧米のアート展で日本特集が増えたぐらいでしょう。この勢いを日本に引き込んで内需につなげられないかと、ささやかな希望はあります。消費税でとどめを刺した、国民の意気消沈が壁ですが。
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2017/03/10

一眼レフとスマホカメラの画質の差は大きいのか小さいのか

カメラ業界もまた不況業種の近傍にいて、その原因は携帯電話機にカメラ機能があるからでしょう。ネットでも、携帯電話があればカメラは永久的に不要という声がみられます。

最新の携帯電話カメラの画質を検証しようと、一眼レフカメラとスマホカメラで撮りくらべた画像がネットによく出ています。大きな違いは、色の再現性です。その差は、日中の晴天で目立たず、室内や暗がり、またライト類が画面内に入ると激しく目立ちます。出版DTPの現場で困る現象です。

一般に小さいカメラほど撮像センサーも小さいから、レンズを通して焦点を結んだ一画素ずつの色を、よりアバウトな精度で受け取ります。それを補完計算して推測値で記録します。暗部に発生する偽色(ぎしょく)もそうです。小さいカメラほど補う量が増えます。レンズも小さいので、結んだ焦点の精度も低い。専門用語で言えば、収差が大きい。

略式の小さなカメラは、白と白の違い、黒と黒の違いの描写が苦手です。クリーム色など明色が白一色に飛んだり、ぐんじょう色の服が後の黒カーテンと分離せず、溶け込んだりします。オークション画像で、黒服が濃灰のシルエット状にのっぺり写るのも同じ性能不足です。布地の凹凸が消えてしまう。

小さいカメラはぱっと見重視できれいにつくろった画像なので、出版向けの調整であまりに時間を食い、十倍ですまない効率の差になります。どんなにいじっても、プロのクオリティーにならない。意外にWEBサイトの美術作品も、撮影カメラで見栄えの差がはっきり出ます。

プロカメラマン以外は携帯で十分だという結論を見かけますが、これは日本人の美的感覚が落ちた証明とは違うでしょう。25年めの平成大不況で所得減がさらに続き、「読みたい本がない」「乗りたい車がない」「行きたいデパートがない」と同様、カメラもまたイソップ物語のぶどうになっています。
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2017/03/07

曜変天目茶碗のとても奇妙な展開

テレビのお宝鑑定番組で、世界的な発見となる日本の国宝級が出てきた「曜変天目茶碗」の話題です。奇妙な展開になっていますが、登場した双方に大きい疑問があります。

まず鑑定団への疑問は、あれを曜変天目茶碗だと決めた理由です。天目釉は普通に市販される本釉のひとつで、黒い茶碗になります。そして他の本釉と同様に、不純物や外因が加わると、窯変と呼ぶ色や肌触りの異変が起きます。偶然性を含む陶芸のおもしろさの一面です。

曜変天目茶碗にはくっきりした水玉模様が散在し、そのルックスを「曜変天目」と呼びます。水玉がある場合と、ない場合の二種類があったりしません。白馬は必ず白毛に決まっているのと同じこと。だから水玉模様が一個もない茶碗を、曜変天目と決めたことが不思議なのです。栗色の馬を、なぜに白馬と呼ぶのかという疑問。

そして否定派の最先端にいる研究家兼陶芸家にも、別の不思議がありました。水玉模様がなく、青赤ピンクに輝くミラクルな反射も皆無だから、曜変天目茶碗とは思えないという話で始まりました。なのに途中から、「にせ物」という言葉を加えてきました。

そもそも似ていないのだから、にせ物ではありません。曜変に見せかけた偽造とは違う。曜変天目ふうに作った贋作事件とは違います。本物かにせ物かの真贋の検証は、話がずれまくっています。調査してぬいぐるみでなく本物の馬と判明しても、栗色を白馬と呼べるお墨付きにはならないはず。話が脱線しまくり。

カニ風カマボコを、ニセのズワイガニと疑うならわかります。しかしちくわを指してニセのズワイガニかもと疑うと、焦点が割れて混乱するはず。登場人物の中に、話のわかる人はいないのか、という奇妙な展開でした。
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2017/03/02

美術を作り続ける動機をアーティストが保てない日本

どうも最近、経済の話題が多くなっています。芸術文化は経済力が支えるのだし、名品は好景気の中から出やすいし。買う側の貧困も、作者が制作に時間をかけられない貧困も、創造が生まれなくなる要因です。経済がアートを支えるものだから。

もう新規には作られていないアート集合サイトを、2017年の今いくつか訪問してみました。その昔CG販売サイトに参加していた2005年頃には、美術ポータルサイトやアート相互リンクサイトはまだ流行っていました。それが2008年頃から次々消えています。

さらに2010年代には、そうしたサイトに登録していた画家やイラストレーターのサイトとブログが次々消えました。どうやら2012年頃に、美術家が活動休止や撤退したケースが多いのです。不況の深刻化と東日本大震災と消費税率上げで、文化衰退は進んでいます。

アート集合サイトの残骸を見ると、「絵が好きです、色々描きますのでよろしく」という活字が今も目につきます。絵を描くのが好きなだけでは、残れなかったのでしょうか。確かな理念がある画家なら、不況でも続いたのかも知れませんが。

推測ですが、美術が好きで上手なだけにとどまらない、特別な目標や使命感を見つければ、美術制作も持続可能ではないかと。しかし関わって得るものがないと、迷い出すことになるでしょう。美術は生活必需品でないし、資格不要の自由業だから去るのも簡単です。

家計の問題で美術制作をやめるケースがこちらにも寄せられ、市場の欠損に自然に目が向きます。売買がそこそこ盛んな市場が常設的に存在しないと、駆け込むこともできません。郊外の美術祭でわいわいやるだけでは、一過性で刹那的です。ドイツには美術の一般市場があり、日本にはない差を感じています。
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