FC2ブログ
2018/12/29

2018年アート海外遠征展向けアートマネージメントは好調

アート・マネージメント・システム参加が少しずつ増え、内容も伸びた年でした。一般に海外美術展業者や団体は、作品内容に一切タッチしません。全て自己責任。理由は大きく二つあり、ひとつは活字どおりに自由を尊重。もうひとつは、芸術が何のことやらわからない往年の問題です。

後者は『アートの本格解説』で世界初分析済みですが、前者は日本の宗教と似た状況です。フランスでもロシアでもカルト宗教は違法扱いされますが、日本は原理主義的だからカルトも合法です。殺人が起きた後でさえ、野放し同然の悪平等状態となりがち。

美術作品のどれが芸術性が高いかを、自力では言えない限界がそれと似ています。普段から物ごとの線引きが恣意的だから、線引きする基準が跳び跳ねてゆらいでしまう弱点というか。この手の事例は『芸術ブログ』に時々出てきます。

話をアート・マネージメント・システムに戻すと、洋画が主流といえなくなった感触が強まり、日本現代絵画は日本画とイラスト画の方向へ寄ってきたと感じます。西洋っぽさを芸術の香りのメインとはしなくなった、平成時代の傾向でしょう。

だからか、複数の参加者のコンセプトが「現代の浮世絵」でした。こちらが現代の浮世絵と呼びたい作品もありました。一般的には日本ではバラの花の油絵が好評、ドイツでは和服女性の水彩画が人気と、趣味は分かれます。ドイツ向けには、異国情緒以外の見せ場を探すことが多くなります。

一方、抽象画には課題が目立ちました。日本では抽象画はわからないとして、今も敬遠は続きます。国民は抽象美術が大の苦手。傑作と駄作を分別できない国情が、やはり制作にも表れます。国内にかまう人が少ない放置ゾーンでもあり。自分にはまだ外国は無理かもと降りた方は、抽象の作り手が大半でした。
スポンサーサイト
関連記事
2018/12/24

インターネット時代に流行る文章とデザインの手法

ネット上で調べごとをすると、同じ文章があちこちに見られます。同一ではない、よく似た文章も目につきます。これはどういうことなのか。同じ人が同じ文をばらまいていることも一応あります。しかし多いのはパクリ改変です。

文筆(ライティング)の仕事で多いのは、12個のキーワードを出現させて2000字で書いてくれ式の注文です。アナログ時代なら、図書館で文献を調べるにしても、専門分野の心得がないと書けないのが普通でした。専門家が登用されました。

ところがネット時代には、キーワード検索で既存の文を探り当て、コピーして改変する道が開けました。俗にリライト業務と呼び、専門性を持たない素人アルバイト向けの仕事です。リライトの意味は、たとえば独文和訳を口語に整える作業も一応ありますが、需要の大半はネット文章を盗んで書き換えて使う盗作です。

前に事件ニュースになった医療サイトでは、医療関係者が書いた文の「しかし」を「だが」に変えて別内容に見せかけるなど。肩こりの原因を幽霊で説明し問題化しました。ネット読者が画面表示すればサイトにお金が入るから、内容はどうでもよかった。ウソ情報がネットに激増する動力源は、ネットアクセス広告収入です。

「こんな文でプロだなんて楽な仕事だね」と読者は悪口コメントしますが、超高額報酬でも2000字で1500円などで、本来なら10時間かけても足りない作業で、文章に中味があるわけもなく。読んだ若者はウソを覚えて生きていく。この文章づくりをデザイン業務で使ったとの指摘が、2020東京五輪のロゴマークでした。

あの時「盗まれるのが嫌ならネットに出すな」の声が多かったのは、盗作で食べている業者が多いせいです。これらの背景はデフレで質低下が進む流れであり、産地偽装、車の不正検査、新幹線の台車亀裂、川の氾濫と共通する国情です。この貧困の起点は偶然Windows95の発売年、つまりネット元年の人材派遣ブームでした。
関連記事
2018/12/18

社会インフラと美術インフラの日本的な特殊事情

日本のデフレ不況で起きた社会の変化を、適切に言い表したことわざが「貧すれば鈍する」でしょう。「衣食足りて礼節を知る」と同じ意味を、裏返しに言った先人の知恵であり、普遍的な法則といえます。貧困で常人も気がすさむ。

すぐ浮かぶ例は、1998年頃に急増したモンスタークレーマー。オレオレ詐欺も同じ文脈か。マネー市場と成果主義に感化され、他人を効率よく倒しやすい犯罪が好まれる。あおり運転やらの不機嫌と、邪推や被害妄想で沸点が下がった狂気の沙汰が日常化し、日本が22年間のGDP横ばいで得たものを物語ります。

しかし解体前の日本の空気は、それとは逆の精神でした。1997年以前の日本が行く道は中庸と互助でした。ゴルバチョフ書記長時代にソ連職員が日本国内を見学し、「我が国が理想とした社会主義は、日本で実現していた」と放心したという。官民が連携した都市インフラも国民健康保険も、和の国日本ならできた。

日本が一億総中流社会を続けた動機は、国土のハンデでした。地震と噴火と台風。ハワイ諸島が日本側に寄ってきて、海底でめりこみ日本海溝となり時々反発する。日本全国どこでも震度7という。富士山の噴火も近いらしい。しかも台風が列島をなぞるように縦断。西洋にはない致命的な慢性欠陥です。国内不和だと困る。

災害銀座を思い出させたのは、新潟地震から時間がたった阪神淡路大地震でした。しかしその95年から「格差社会」「勝ち組負け組」「自己責任」など、助け合いを捨てたミーイズム思想が大流行しました。金欲しさに西洋側に立ち、日本の解体を促す日本人ロビイストが扇動したのです。

最近経済学者が、日本が裕福なのは僕らの功績ではなく、亡き先祖の功績だと説きました。円が世界三大通貨なのもそう。思えば美術も、先人の名画名作が今を盛り立てています。社会インフラと同様に美術インフラも、過去の才覚と蓄積が現代を支えている現実です。一方のミーイズムは死んだらゼロ。
関連記事
2018/12/12

デジタル版画の編集作業は時間の余裕があると有利

ラブレターを書いて直面するのは、翌日になって自分で読むとひどい内容だというショック。これはしかし電子メールでもそうだし、また論説記事やライトノベルの執筆も同様です。文章はなぜ一発で完ぺきにならないのか、という疑問です。

執筆時の思いは片寄っていて、後日読むと「こりゃだめだ」となります。Yahooなどに出るネット記事を読むと、内容がつかめない文や誤解を招く表現など、突っ込みどころが多くあります。概してまとまりが悪く間違いも多い。

これは一記事が800~1500円というジャンク価格で外注されているからで、見直し時間をとらない前提だから駄文の域から出ない典型例です。十倍に値上げしないと改善はありません。同じことが美術作品にもいえます。

たとえばピカソは生涯に絵だけでも13000枚も描き、非常にハイペースな作業でした。ところが過去の絵にちょこちょこ加筆していたから、即席仕事でもなかったのです。ネット記事の執筆者も半年後に推敲すればよくなりますが、ピカソはそれを絵画でやっていました。

これはジクレーの版下編集でもいえるでしょう。夏のうちにあっという間に完成していた版は、展示会までの残り時間に見直す機会があるから、何カ月もかけたのと同じように念入りになります。改良の余地がほとんどない状態にできます。

見直しの最極端は手塚治虫の漫画でした。旧作を別の漫画雑誌に転載するたびに、セリフを変えたりストーリーまで加えたり抜いたりしました。バリエーションは増えたけれど、作者にとっての完全版がどれなのか今も確定できず、初連載誌だけに残された幻の物語もあるらしく。その手もあった。
関連記事
2018/12/05

ジクレー版画づくりの撮影作業は簡単なようで難しい?

毎年12月は、ジクレー版画と絵はがき作りの作業が混みます。その作業工程の中で意外にネックになるのは、作品の撮影です。写真スタジオやジクレー工房へ外注せずに、参加者自身が撮影するには多少の技術知識もいるからです。

ストックした作品画像を使おうとすると、画素数が小さいから撮り直したい場合があります。それなら、カメラの世代交代が進んで自作品のストック画像の情報量が時代遅れになれば、時々撮り直して更新しておくのも手です。

セルフで撮り直す時の悩みがあります。今の時代は全自動カメラが一般的なので、写真撮影の理論を調べ直すべき必要も出てくるからです。絵画撮影は全自動の恩恵対象に入らず、マニュアル撮影が必須だから。

SNSで見映えするスナップショットではなく、純粋に商品撮影(ブツ撮り)の知識が必要で、ISO感度、絞りとシャッター速度の相反則に、回折や収差の原理、色温度、照度など、物理学も動員されるものです。カメラ小僧やカメラ女子なら楽勝でも、活字にすると長い説明になります。

写真家やCG画家は画素数を常に念頭に置き、作品が引き伸ばせるサイズ限界に見当をつけていることでしょう。しかし今や、手描き画家もCG同様に商品化できる時代で、一度は写真の講習を受けるのもよいかも知れません。

こちらのサイト制作ワークショップでは、絵画撮影ガイダンスも用意しています。所持カメラの活用法や、新型カメラの選定から始まります。本格カメラはほぼ日本製の一択なので、ドイツより日本で買う方が安く、また日本だと中古カメラの店が多く、キットレンズなどは市場に余っています。
関連記事