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2019/06/28

シンデレラの主張にもお国がらの違いか

シンデレラ・コンプレックスという語があり、いつか王子様に見出され幸せになる期待を抱く、女性の心理のある一面だという。シンデレラ物語には人間の運命の、よくあるパターンを示すエピソードが多く含まれます。

『白鳥の湖』同様に王子が嫁を決める舞踏会があって、クラシックバレエがプロコフィエフ作曲で確立されています。舞台装置に深夜零時の時計があり、巨大なメカニズムを見せる演出もありました。12回打ち鳴らす音は大きく悲劇的。

逃げ出したシンデレラは靴が片方ぬげ、王子はそれを手がかりに辺境の地まで探し回ります。ついに王子一行は家にも来て、該当者なしで最後に残った家事手伝いの女が、あの時の本人とわかる。ふところから落ちた靴が、決め手の証拠。

この部分の成り行きで、シンデレラのキャラ設定が何とおりかあります。日本の感覚なら「そのほうもこちらへ参れ、足を入れてみよ」と、お供の者が強引に試させるのが順当でしょう。「おおっ、うまく合うではないか、もう片方はどこじゃ」という流れ。

しかしシルヴィー・ギエム主演のルドルフ・ヌレエフ版は違いました。義母や義姉たちがもめる中で、シンデレラは隠していた片方の靴を、堂々と床に置くのです。その押しの強い積極的な性格なら、家を出て独立してベンチャー起業も楽勝。

ソ連から亡命したヌレエフは、アメリカのハリウッド映画界をモチーフに振り付けしました。シネマにあこがれる女性が、スター俳優の相手役を選ぶオーディションに誘われ、契約書にサインするという奇抜さでした。『ロミオとジュリエット』を『ウェストサイドストーリー』にした感じ。パリオペラ座で受け継がれ、さらなるアレンジが加えられています。
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2019/06/24

ジクレー展と絵はがき展JFB出展の募集開始

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2020の日本新作美術展、5回目を募集開始しました。スペースは前回のコンパクトより広がります。新たに作家資料づくりで、マイクロポスター化を考えています。作品リストは毎回手間がかかっています。

現地の物価を時々調べていますが、デフレ日本以外の国は普通にインフレ基調なので、各種料金が高度成長時代の日本みたいに年々上がります。郵便料金や国際便、宅配やあらゆる入場料も上がっています。ジャパン・フェスティバルのエントリー料もかなり上がりました。

今の日本も物価は上がっていますが、これは増税で強制される総額アップと、物が売れないから採算悪化で値上げした、デフレ下のスタグフレーションであり、所得は下がり物価が上がる現象です。不景気下の採算割れ対策の例が、ヤマト便の値上げでした。

日本国内だけみれば、右肩下がりの斜陽が永続しそうな暗い気分ですが、世界各国は人口減でも少子化でも経済成長しています。経済は国民の覇気や能力ではなく、政策のさじ加減しだいです。具体的には所得分配率と政府財政出動です。所得移転を続けるレントシーキングを止める動きは、日本にはまだない周回遅れ。

一人負け日本の落ち込みは国際的な発言力低下にもなり、こうした海外イベントへの出資と出番の減少もあります。今回もへたすれば日本からの遠征が全滅し、現地だけで回るかもという不安がありました。脱落せずに踏ん張ります。

今回ジクレーの編集と用紙選択を少し見直します。絵はがきは全デザインが手元にそろっていますが、ジクレーは一部をチェック用に取り寄せただけでした。美術紙のテクスチャーと絵とのマッチングも改良します。
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2019/06/18

消費税増税に反対する国民の理由が間違っている

美術に関わると、奇妙な思い込みによく出くわします。都市伝説的な思い込みが、定説として流布しやすい分野です。日本で目につくのは、「芸術家は精神の病気」という思い込み。芸術的感性がない者を、天が与えた健康と受け取る。

最近のアンケートでは、2019年10月に予定された3度目の消費税増税に、60パーセントの国民が反対しているらしい。これは驚くほどの数字です。低すぎるから。おそらく消費税の役目を間違って思い込んだ、ためらいでしょう。

最近個人サイトでMMT(現代貨幣理論)と消費税について、芸術的な視点で説明してみました(クラウドファンディング報告)。国民の間違った思い込みの筆頭は、国税の徴収は国の財源確保だとする、よくある誤解です。

60パーセントの消費税反対派の、胸の内はこうでしょう。「消費税が少ないと国家予算が不足する」「だから増税は必要だ」「でも今は家計が苦しすぎる」「なので皆でもっと節約して、消費税は据え置きにできまいか」。甘えていると叱られるのを恐れながら申し上げます、と。

思い込みはここ。原理上、消費税に財源の機能はありません。政府と子会社相当の日銀がお金を刷れば足りるから。プリンターで増やせるお金は、増やす者にとって金目の物ではない。国税はインフレ率を調整する物価のスタビライザー機能です。所得税はそれプラス格差是正で、犯罪と紛争の防止です。具体的には共産主義革命の下地を生まないための所得再分配です。

税は人類が貨幣を発明した次に考え出された、物価安定装置です。ラーメンの値段が倍々に上がるのを徴税で防ぐ。「税は国の財源」はフェイクです。さらに消費税は景気の過熱を緊急阻止するブレーキ役で、買い物をやめさせる冷や水として発明されました。物が売れすぎて困る時だけ増税するのが、日本以外では常識なのに。芸術の迷信の方がまだまし。
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2019/06/15

日本をインフレ経済に持って行くことができない謎

美術家はインフレとデフレのどちらがありがたいか。当然インフレです。インフレは買い物ブームになります。作品を欲しい人が2人より5人の方が高く多く売れ、穴場狙いも現れる。売れるから作るから売れるから作る、と経済成長の好循環がインフレ。逆に衰退の悪循環がデフレ。今がそう。

インフレ基調だと物価がほどよく上がり、お金の値打ちが前年より下がるので消費が増え、所得が物価以上に増えます。国民は趣味の手を広げ、体験も教養も学力も上がり、笑顔で優しい気持ちになる。実例は1960年代(東京五輪)と、1990年頃(バブル)でした。80年代の成果が、昨今のノーベル賞多発。

ネットでは、ハイパーインフレ警告を見ます。日本のインフレ記録は敗戦の翌年の300パーセントでした。今400円のラーメンが1600円に上がる計算です。それに対してハイパーインフレは13000パーセントだから、ラーメンが52400円に上がります。これが起きるのは、核か量子かプラズマ兵器での国土撃沈しかない。インフレ恐怖症は無意味。

朝まで飲み明かして歌って踊ったバブルの、インフレ率ピークは3.25パーセントでした。それだけでもアメリカの版画が60万円で売れまくり、文系の学生まで買いました。通販カタログに3千万円のイギリス車がのった時代。そのインフレに今持ち込めば、日本の市場も企業も復活するでしょう。

だから、国会議員も日銀総裁もインフレを目指すと誓っています。なのに不思議。物が売れなくなるデフレ促進を続けた不可解な平成時代でした。逆走した動機は今も定説がありません。不勉強説、馬鹿説、信条説、復讐説、買収説、出世優先説、法令遵守説、ハニトラ説、国際金融陰謀説など。

正解を誓いながら、逆方向へ走り続ける。実は美術でよくあります。新しい創造ですとパンフに書いて、古風で非創造的な公募展覧会はざら。ともあれ、デフレ不況からインフレ好況に変われば、美術界も好景気に変わり創造性が高まるのは美術史でも明らかでしょう。
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2019/06/09

絵のモチーフはひとつを繰り返す方が傑作が出やすい

アメリカのある予言者が、日本の東日本大震災を初め、世界で起きた事件を予言した実績を誇りました。ノストラダムスのあいまいなポエム文を、現代の出来事へと言い回しで結びつけるトリックと違い、具体的に何年何月に大地震が起きるぞと、的中させたのです。

的中が本物だと信じる理由は、事前に予言内容を郵便として出し、局に記録がある点です。郵便や記録を偽造と疑うことも可能ですが、日本のテレビ番組では予言は本物だと解釈していました。しかしもうひとつ、隠れた情報がありました。

その予言者は年に三万通の郵便を出していたのです。鉄砲を数撃ち、いつか何かに弾が命中する方式でした。それならとスタッフを増やして三百万通出せば、日本の今後820年間に起きる地震を、一日単位の精度で的中できます。時刻も的中させるなら向こう34年分。たくさん予言すると、どれかはぴたり当たる。

このやり方に近いのが、ピカソの絵でした。ピカソは絵を壊して再編するアドリブ方式なので、偶然の当たり外れが激しく駄作が増えたのです。そこでギネスブック記録にもなった世界最多の作品数によって、傑作の数も多い結果を得ました。

当展示企画の参加者も同じで、「おっこれはいけるぞ」という作品は、同じか似た構図の類似作が何個もあるものです。グラフィックデザインも同様に、試作が持ち上がって完成するのではなく、同じものを何度も一から作り直して、同じ図案の別案へ生まれ変わっているのが普通です。

この事実は、画家が一モチーフを一作で終わって、はい次と渡り歩く気分転換した制作法では、完成度が出ないことを示すでしょう。似たような作品をこりずに繰り返すことで、偶然どれかが絶品になっていたという結果論があります。
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2019/06/03

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2020現地担当決まる

ドイツの展示活動の幹事さんを探していましたが、紹介があり決まりました。これでジャパン・フェスティバル・ベルリン2020もできそうです。これから打ち合わせして、拡張していければというところです。

マニュアルどおりの作業でなく、アイデアを出し合い夢広げる世界ですが、10年前よりかなり変化しました。我々はヨーロッパの国技的なアートの市場に、はるばる参戦していると感じます。現代アートは日本の得意わざとはいえないし。

景気は気になります。令和日本は逆走でのデフレ不況をまだやめないし、ドイツもEU域内の首都の地位にありながら、GDPはイタリアともども低調です。日本よりはドイツが明るいのは、官僚主導批判と減税が検討されている点でしょう。日本はその場面で逆走して途上国化しました。

政治行政面でも、日本は国際潮流から遅れています。たとえばEUで死者を多く出した移民難民問題は、資本主義で富の分配をめぐる階級闘争です。日本では人種問題へずれた説明ばかりで、国民は時代の空気を読めずにいます。ポロックの絵を写実デッサンの技量で読むみたいな感じ。

そんな国際対国内のギャップを感じながら、日独美術文化活動を続けている感覚があります。知られるように、ヨーロッパで日本の存在は小さくなりました。ジャパンマネーが弱くなったから。EUが頼るのはMMTも活かしてきた中国です。世界が変わったあらゆる起点は1989年でした。

最近いくつか聞いたのは、ドイツの日常的な手続きは手間で、人に優しくない不評です。対する日本は一時、少ない公務員数ながら行政の親切設計が流行しました。しかし国政の逆走はひどい。政府財政出動と減税があれば、内需拡大して早い段で好景気と多子化に戻るはずなのに。その解説も何本も書きました。
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