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2019/07/31

日本銀行が手をこまぬいている原因はリフレ派の経済信仰

理屈を勘違いした消費税増税を前に、日銀は金融をいじるべき場面なのに、いじらないニュースがありました。国家が傾き途上国化した今、立て直すのは中央銀行の上司たる政府です。つまり衆参議員がやるべき簡単な理屈ですが、しかし誰も何もできない状態。

日銀で起きたことは、芸術よりも簡単かも。耳タコの「異次元の金融緩和」とは、お金を大量に用意して低金利融資をセットしたこと。具体的には政府が国債を発行し、一般銀行と投資家が買った状態でスタンバイ。こうして2013年から中央政府はお金の元を刷り、マネタリーベースはできた。政府負債1100兆円のうち400兆円がこの発行残高です。

なぜお金を増やせば景気が上がるかは簡単。1960年代高度成長や、80年代バブルのインフレ好況は金余りでした。消費は美徳。逆に70年代不景気や、27年間の平成デフレ不況は金不足です。節約は美徳。金不足の国民に金を与えれば、欲しかった物をあれこれ買うから好景気に向かう。簡単な話です。

そこでお金を増やす会社である日銀が、お金を用意した。しかし結果はデフレ不況のまま。そこで空前の好景気が来たと虚偽発表して、後に統計操作が発覚。そして国民は今、芸術以上にわけがわからない判断停止の心理で、参院選も敬遠した。

日銀がお金を用意しても、なぜ景気は上がらないのか。簡単な話で、用意だけして国民に与えないリフレ政策だから。与え方は簡単で、政府財政出動と法人税増税と消費税減税です。日本を傾けた時の手順の逆をやればよい。財政出動のやり方は、政府が発注し政府小切手で支払う。全国の交通や河川インフラと教育や研究や福祉が先決で、トップは水道管。簡単な話。

その簡単なことが、なぜ日本だけできない?。政府財政出動は個人貯蓄の使い込みだと誤解し、禁じてデフレスパイラルを強めたのです。母が子に乳を飲ませると、母の体がしぼんで消滅するからと恐れて、子が飢え死にした悪い冗談です。非科学的信仰が招いたこのドジを、芸術的なギャグネタと見立て今出版準備中です。
→消費税おもしろギャグ動画へのリンク
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2019/07/28

美術を作り続ける動機は神のさい配か?

アートを制作する動機は何か。よく聞く俗説は「作る衝動」。それもおそらく正解のひとつで、積み木に触れた子どもが口に入れる時期の後、並べたり積み上げて、未知の形態をつくり出す行動を説明できます。本能の情動みたいなもの。

その時必ずしも「おかあさんの顔をつくろう」とはならず、積み木をかためたり広げたりして、一種の空間デザインを行うことが多いでしょう。近代美術の発展どおりの、具象を崩して抽象化する手順ではなさそうで。

それはよいとして、衝動という短期とは別に、長い年月つくり続けるエネルギー源は何か。それは、自分は特別だという確信かも知れません。自分に他と違う独自性があると気づけば、人類の一代表に選ばれた意識も生じるはず。いわば引っ込みがつかなくなる。音楽ではそうした「選手」の人数は非常に多い。

自分の作品が他と異なり取り替えがきかないなら、自分が手を引けば人類にできたことが小さくなるわけです。人類の遺産に欠けが生じる。たとえわずかでも、既存の範囲から広げる使命を感じる本能でしょう。これは神のさい配というものかも。

しかし作った時に感じよく思える作品は、過去に誰かがやっていたりします。後出しの制作ほど、ゴミに映ってしまう宿命も負うでしょう。ゴッホの時点で、印象派のすき間狙い的な拡張が目立ちます。その最高傑作は結局、子どものかきなぐりみたいになり馬鹿にされた。

企画展示に出る作品にもいえて、見分けがつかないほど似たもの同士は出現せず、互いに拡散しています。しかし国内の鑑賞者の目にはどれも同じに見えるらしく、もっと作品同士の差異を広げたい気は残ります。ちなみに絵をわかるというのは、絵の心がわかることではなく、絵同士の違いがわかること。
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2019/07/26

イギリスがEUから合意なき離脱を行う立場を理解する

国際政局のいつものパターンは、まず英米が先行主導し、各国に次々と伝播して、成果が出そろってから最後に日本がついて行く序列です。日本より先行する国に、欧州以外のアジア勢が増えてきたのも国際化か。日本で流行り始めた頃には、他国はもうその次へと進んでいたりして。

この数カ月の各国の動向は、このパターンどおりでした。イギリスがEUを無理やり脱する動機は、日本が世界に逆行して一人経済成長を止めた斜陽と根が同じです。しかし日本の視点では、EUに内在する経済面の不合理がわからず、人種差別問題が焦点だと思いがちな限界があります。

そもそもEUは誰が何のために設計したか。フランスやイタリアやスペインの上に、誰が決めたのか「指導的役割を持つ委員会」を置き、主権在民を封じた規則がEUです。グローバル金融が上に詰めており、イギリス側は規則で弱肉側に回されるワナに気づいた。博愛をうたうマネー争奪戦だった。その地獄からの脱出。

イギリスは民主主義が国技で国是です。経済財政の非民主化というか私物化、私人が主導するモリカケ式よりは、庶民の声を集める民主手続きを演じたいイギリス。英米はともに、自治区の連合体が好きで、全体主義は嫌い。国の方針を国民が決める方式に戻す、単純な話です。要は貧困化に鍵をかけたくない。

民主主義は芸術と似ています。日本で民主主義や芸術は崇拝され、でも本物の民主主義や芸術作品に面すると、「僕にはちょっとだめ」となる。類例で、前にドイツのソーセージの話をしました。本物は動物臭が強くてちょっと、それで魚肉ハムなどライトなにせ物へ回避。民主主義と芸術は日本でライト化しました。

日本のネットによく出るのは、国の運営を偏差値の高い上級国民がしっかり行い、下級市民の選挙権を廃止する改革案です。大衆の政治参加を害とみる意見が多い。これは、美術の公募コンテストを望む動機と同じ。優秀作は上が決めて下に伝えるべきで、市民感覚で良否を判断してはだめと考えるのと同じ。
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2019/07/25

Googleにインデックスされても検索で出ない怪現象

Googleの検索ソフトには、一般には知られない隠れた性質があります。サイト制作者が困る問題のひとつがこれ。あるWEBページが、すでにGoogleにインデックスされてはいる。ならばタイトルで検索すればヒットして出るはずなのに、全く出ない怪現象です。

どういうことなの?という疑問がネットにいくつもあり、質問コーナーにもあります。今も解決しない謎です。WEBサイトづくりの手順はおおまかにこうです。ドメインを取得し、サイトをデザインしプログラムして、ドメインフォルダにサイトページを置く。

するとリンクをたどってGoogleボットが訪れ、インデックスされます。インデックスとは、Googleの総合索引データベースに当該サイト全ページが記録されること。検索会社はGoogleしかなく、YahooやMicrosoftなどは撤退して久しい。

記録されるとGoogle公認ですが、次に怪現象が起きます。サイトアドレス(URL)でGoogle検索すると、一応インデックス済みだと確認できます。しかしタイトルで問うと、そんな名前のページはない結果が出ます。この空白が数カ月続きます。

それが起きるのは新規ドメインか新規サブドメインのみで、中古ドメインでは起きません。初登場のドメインだと、トップページがタイトル検索で出ても、サブページはタイトル検索で長期間出ずに、干されたかたちになります。

美術作品サイトと違い、商用のランディングページなどはGoogle検索結果からの流れ込みがほとんど(95パーなど)なので、裏が疑われます。特別料金で解除される疑惑もあるほど。以上プロ制作のお話でした。
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2019/07/22

参議院議員選挙にみられた経済理論の対立軸をチェック

昨日の参議院議員選挙で、政党の要件5名を満たさない零細党が複数ありました。それらはみくびられながらも、知識層に感慨を与えたようです。「れいわ新選組」「オリーブの木」「幸福実現党」は日本に合う理論を持ち、しかし不発でした。

三党に共通する理論とは何か。「ケインズ理論」です。ケインズ理論とは、1929年の世界大恐慌で、アメリカ政府に意見したケインズ氏のデフレ対策でした。政府財政出動と金利下げと減税で、国民を富ませて景気を上げる手法です。世界史に出てくる「ニューディール政策」がそれです。

それに対して今回勝利した大政党は、「新自由主義経済」と呼ぶ反ケインズ理論を信奉しています。これは物がよく売れて、80万円の版画をホイホイ買うほど浮かれたインフレ好景気を、効果的に冷却する理論です。緊縮財政と規制緩和と民営化と増税です。過熱する経済活動をストップさせ、落ち着かせる手法です。

ここまで言えばわかりますが、日本に合っている零細政党と、反対をやる大政党の戦いでした。ケインズ理論と、新自由主義経済の対立構図。12年続いた大恐慌より長い、22年続く平成大不況の解決策は、ケインズのニューディール政策の方です。その目玉の消費税廃止は、やるならゼロ課税が妥当です。それはなぜか。

ひとつは高負担を喜ぶ、自虐的な道徳です。負担の元凶をなくす案は逆にびびらせ、ポピュリズムと言われ嫌われる。ドイツなど先進国なら無料の高速道路でも、日本人は罪の意識がじゃました。それに将来インフレ好況の金余りが起きた時に、消費税を10パーでもかけて急冷する手段を残してよいはず。

消費税は買い物をやめさせる役目だから、消費バブルで重宝するはず。アメリカの税制はよく考えられており、連邦銀行の下で無意味な国税の売上税はなく、全額が州税です。日本も地方税に変え東京5.5パー、大阪3.7パーでもよいわけで。キリがよい現行税率は、理論より情緒の政策でしょう。
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2019/07/15

美術と税金を理解不能にした勘違いはこの二つ

過去に、知らない他人と美術の話をして、埋まらないギャップをよく感じました。何が支障なのかがまだ不明だった頃、他人はわからずやだと思ったものです。後に怖い構造を知りました。前提を間違うと、玉突き的に間違いが広がること。

埋まらないギャップの原因は、日本語の語感でした。すなわち「美術」の語が諸悪の根源です。「美の術」という言葉から「絵や彫刻は美しくあるべき」という前提が導かれ、日本人の脳内に隠れています。美という語が日本語訳だけにあるから、アートの制作も鑑賞も、日本だけが耽美的な古風になりがち。

「灰色の絵画やモノクロ写真は、美に欠けるので正しい美術でない」「その美しくもない絵が世界的に評価が高いというなら、僕も一応それに従いますけどね」と。「世界のピカソならよし、日本人はだめ」。屈折がつきまといます。アートワークはビューティーだとのいらぬ制約が、他国にはないハンデ。

前提の間違いは税制でも起きています。参議員の候補者に、消費税を廃止する主張がみられます。賛成意見の陰にやはり出てくるのはこれ。「減税して税収が減ったツケは誰が払うわけ?」「税金を何だと思っているんだ?」。

書いた人は、国家の運転資金を集めるために、国民が出し合うお金が国税だと勘違いしています。何だかまるで絵画『ゲルニカ』を見て、「灰色の絵は美しくないから厳密には美術失格」という反応と似て。専門家が誤解を率先し、デフレから出られない平成の奇妙な光景でした。

政府はお金を発行する立場だから、不足して困れば刷って市場へ入れて済みます。国と家庭は同じという説明は引っかけで、政府は貨幣を刷れる神の地位です。刷る時に誰の預金も借りない。国税は何なのかは、物価の安定と所得再分配です。徴税を財源確保だと頭から誤解する限り、失われた27年は30年、40年、50年と続く。
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2019/07/12

東京銀座の画廊はもう高級ではなくなったのか

東京の銀座が、グレードダウンして困っているニュース記事がありました。「銀座街づくり会議」の報告書で、銀座らしい風格が消えたという悩みです。要するに、安物店が並ぶ平凡な商店街に落ちてしまった。

銀座といえば、まず宝石店と時計店と画廊です。高級クラブやバー、高級寿司など単価と付加価値の高い店の集まり。高級靴やアクセサリー類なども。それらが没落して、大衆衣料や安売りドラッグストアや、回転寿司などへ交代が続く。

時代の流れなどでなく、平成日本の貧困化の一環であり、いつ何が原因で、犯人が誰かもわかっています。やるべきことの逆をやった。金満で増税し金欠で減税するセオリーに反し、バブル終了で金欠ぎみの1997年に、消費税を減税でなく何と増税した奇行の結果です。金欠の原因は不良債権処理の借金返済による貨幣消滅。

しつこく言うけれど、消費税は財源ではなくインフレ抑制です。本来の消費税は、プラス百パーからマイナス百パーの範囲で、上げ下げして内需を加減調整する貨幣経済のバルブです。上げて固定する使い方でなく、こまめに上げたり下げたりしながら景気と駆け引きする税です。サーモスタットの機能。

消費税は、暑い時に冷やし、寒い時に温める考え方です。家のエアコンと同じで、冬には冷房しないものです。冬とは不況の意味。冷房とは増税の意味。今が夏か冬かは、そりゃ経費削減オリンピックが共通認識で、銀座の絵もバーゲン価格なら、寒風吹きすさぶデフレ不況とわかります。税収を増やすには減税が正解。

国民は今も消費税の機能を勘違いして逆走を支持し、銀座の経済沈没は確定。芸術を高尚に難しく考えて、こね回してわけわかんなくする。それと似て、本来単純な消費税も細かく考えすぎて、かんじんの下げる好機に上げたら、昭和恐慌みたいになるはず。現になっていて、中小でない有力企業も次々取り壊される危機。
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2019/07/07

すし職人が修行する無駄な年月は日本にとって無駄か

にぎり寿司職人の世界がアホらしいという話題を、前に人気コメンテーターが出しました。焦点は二つあり、親方が新入りにノウハウをなかなか教えない問題。その教えない期間に店内の掃除をやらせる問題。

掃除の原型は、おそらく小中高生の教室掃除でしょう。掃除当番が机を後に運んで床を掃除し、前に移して反対側の床も掃除し、机の天板をぞうきんでふく。トイレ掃除も。外国だと清掃業者がやる作業が、日本だと生徒の義務です。

低年齢教育で生徒が掃除までやる理由は、日本の道徳教育でしょう。自己完結する自立の精神と、職業に上下なしとする良心の育成が目的だと考えられます。掃除は汚れ役なので、外国では下っ端扱いでしょうが、日本では皆が手を汚すから貴賤意識が薄れるというわけで。

これは平等社会の肯定であり、身分社会の否定です。日本に欧米のような堅固で絶対的な階級社会がない歴史を、今も裏づけている証明にもみえます。イギリスにもその思想はあり、女王の孫の王子が学校トイレの便器に手を入れて清掃する姿が、かつて雑誌で出回りました。階級社会でも教育的に掃除させる。

新自由主義経済のグローバリストである人気コメンテーターが、寿司職人を上級国民としてエリート教育すべきという警告は、時代の流行に沿った思想といえます。地位とお金が人生目標である今の競争社会に合うように、古来の職場を改革せよという意図でしょう。

寿司職人の減少は百円寿司の流行など、デフレ不況の節約による販売不振ですが、格差社会も原因です。後輩を育てた先輩がコストカットで切られる平成に、技術伝承が途絶えました。ベテランが日本を追われ他国に拾われ、向こうに貢献した技術亡命ブームもありました。半導体だけでなく、果物の品種も持って行かれて。
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2019/07/01

JFBのジクレー用紙のマッチング改良

ジャパン・フェスティバル・ベルリン2020の出展のめどが立ち、ジクレー版画と大型絵はがきの作品募集を始めています。アシスタント・ディレクターが伝統芸術系の新人なので、新たな可能性を感じています。

2014年の絵はがき企画スタート時は、印刷見本を早めに受け取ることができ、画面で見る絵と印刷結果との差異を小さくできていました。一方2015年からのジクレー版画は、作品が大きいので見本はなかなか入手できず、当面ヤマカンでの手探りでした。

ドイツで使われるアートプリンターは日本製で、こちらも大型インクプリンターを管理していた時代もあり、再現具合を予想はできました。メーカーごとのクセはあります。ただし、光沢紙と半光沢紙しか使ったことがありませんでした。

キャンバス目や水彩紙などテクスチャーのある厚い美術紙は、日本ではプレミアム扱いの高級品なので、見本の画像で想像するのみでした。後で一部を日本へ送ってもらい、おおむねうまい画調で刷られていたと確認できました。

しかし用紙にもクセがあり、暗い絵のディテールが埋もれやすい紙もありました。その作品は早く売れていたのですが、特性がわかったので原画の質感重視で改善します。売れればよいというだけではないし。

絵がシンプルだと、テクスチャーのある用紙でにぎやかにします。ドイツのファインアートにも写真光沢紙がありますが、写真用ながらテクスチャーがあったりします。廉価なカットペーパーの光沢紙よりは、経年耐久性が高いのでしょう。
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