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2019/12/30

来年2020年の日独は激動|デフレ不況貧困対金融商品プライム問題

ドイツの危機が近いと言われますが、金融問題がよく語られます。ひとつは民間のドイツ銀行が売った金融商品のプライム問題とされます。プライムとは、リーマンショックのサブプライムローンを浮かべます。

ローンは借金のことで、メインでないサブは返せる見込みが低い相手を意味して、つまり借りたサブちゃんたちの多くが破産するわけです。すると現金を引き出され使い込まれた銀行側も、借り逃げされて不良債権となった事件でした。

サブプライムの仕掛け人はドイツ銀行だったから、アメリカが一兆円の制裁金を課すという、その危機がひとつ。そして今も、ドイツ銀行がジャンク債同然を5千兆円も発行している別問題です。

このように銀行が金融商品を売りたがる理由は、貨幣新発行手続き(信用創造)の特別行使権で手っ取り早く手数料をかせぐためです。理由は、正規の企業融資では金利が得られない先進国の不況傾向があるでしょう。

日本が典型で、現在のような国ぐるみ故意にデフレ不況を深める逆走を続ければ、投資する先が増えない銀行は困ります。すると預金者からマイナス利息、すなわち口座維持費をとって食いつなぐ方向になるのは明らかです。

グレタさんの温室効果ガス騒動も、金融が仕掛けたマネー捻出の契機づくりが疑われ、国際金融資本はそちらへシフトする意思表示済みです。京都議定書では米中でなく欧州側についた日本も、ここではブレーキを踏んでいるような。
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2019/12/23

ベルリンのカイザー・ヴィルヘルム記念教会|クリスマスマーケット

ドイツ、ベルリン市の有名なクリスマスマーケットの写真が、特派員から届きました。2019年12月22日の撮影風景です。カイザー・ヴィルヘルム記念教会の建物群のあたりで毎年開かれている恒例行事です。

六角形で高い新鐘楼塔と、八角形で低い新教会堂の間にあるのが、ネオ・ロマネスク様式の旧教会堂です。この教会については、2016年末の記事にも書いていました。ジャパン・フェスティバル・ベルリン2017の直前でした。

ジャパン・フェスティバル・ベルリンのいつもの会場ビルは、同じ通りに面した約1キロ東なので、この教会がたぶん見えます。このあたりは、国会議事堂が近いブランデンブルク門からは、地図上で時計の8時の方向です。現地はもう真冬の服装ですが、中はまだ軽装だとか。

ベルリンクリスマスマーケット

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all photos: (c) Mihara
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2019/12/17

ジクレー版画の駆け込み参加も可|英語でプレスとプリントは同じ意味

ジクレー版画という技法について、最近はあまり説明しなくなっていました。版画は昔から、プリントアートのことです。このプリントという語は、版画のプレス機と、印刷のプリンターのどちらも含み、しかも両方は同じものです。

プリントの語は日本では学校で配るチラシだから、版画のイメージには遠くなっています。しかし英語圏ではプレスとプリントは近い意味です。印刷技術で絵を量産すると版画になります。新聞紙や一万円札も版画です。

フランス語のジクレーは、デジタル画像を版として使い、インク吹付プリンターで刷った紙作品です。写真光沢紙からテクスチャーのある美術紙まで、用紙で画風が変化します。電子データを外国へ送って現地で刷ればよいから、日本で刷って輸送する手間が省けます。

幸いドイツではデジタル版画が一般化し、国内注文数が多いスケールメリットで、プリント料金は日本よりかなり安くなっています。日本に戻ると高くてショック。その内外価格差を利用する展示が、ジクレー版画企画です。出品者は画像を用意すれば調整もいらず、プリント仕様に合わせる作業はこちらで行います。

そうして時間が余るなら、原画を加工する時間に使えます。複製画に作る以外に、特別エディションとしてレイアウトを変えたワンメイク版にしたり、気になっていた部分を色変えしたりもできます。二作品を合成したりも。

完成作品の大きめ画像がすでにあるなら、あわてる作業も特にありません。撮影の重要性だけはこの企画に限らずありますが。現代では、版画と無縁の画家も全員がジクレー版画家になっているといえます。自分の絵の高精細な撮影画像が、生涯の販売用資産になる時代だからです。
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2019/12/13

日本のアーティストが海外へ出る動機|企業の脱出は法人税と無関係

日本のアーティストは、少しずつ海外へ脱出しているのかも知れません。芸術の理解者が国内に少ない問題もあろうし、ネームバリューで何ごとも回る風潮がうざいと、能力主義を求める理由もあるかも。しかしより切実な理由は、確たる美術市場がない点でしょう。

絵をかいても常設的な売る場もないか、あってもガチガチの条件つき。これは日本企業が海外へ工場を移す動機と似ています。ところが日本からの企業脱出で、以前から間違った動機が言われます。法人税が高いから、安い国へ出て行くとの定番のウソがあります。

アンケート調査すると、企業が海外へ工場を移す理由の上位は、相手国に「大市場がある」「資金と人材がある」「うちは一種類の商品だけで成り立つ」。相手国の景気がよいから引っ越すのです。その一方で、高い法人税が日本脱出の動機になると答えた企業は、たった8パーセント。

答えた8パーセントは、法人税を誤解しているはず。個人の所得税と企業の法人税が、どんなに違うかは意外に知られていません。前にも、所得税と法人税を混線させて説明する啓蒙動画があり、間違い内容なのにウケていました。

所得税も法人税も、収入から経費と控除を引いた残りが所得です。家庭で買う応接セットやキッチンテーブルやコーヒーメーカーは、所得税の経費にはできません。ところが法人で買うと、法人税の経費になります。重税なほど、家庭のテーブルは安物に、企業のテーブルは高級になる道理です。

「高級になる」の部分に、「社員の給料を高くする」も含まれます。法人税率が高い国ほど、社員を奴隷扱いしない従業員ファーストなのです。つまり、法人税を下げよという声の裏に、社員の頭上に君臨する株主ファーストがあるとわかります。誰のマネーを奪い誰に与えるかで、税制が悪用されています。
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2019/12/07

若い新世代が日本をあきらめ始めた|不良債権処理と消費増税で貧困化

一昔前に野党の党首が交代して打ち出したスローガンは、「日本をあきらめない」でした。「誰もあきらめてなんかねーよ」などと、世間から散々に叩かれました。ところがその後は、特に若い世代が日本をあきらめ始めているという。それも当然です。年末の今、人類史上最長のデフレ不況を記録更新する直前だし。

日本国が通称「リゾート法」と呼ぶ国土開発の内需と株投資ブームで、マイルドなインフレを続けた1987年から1992年まで。88年に落ちたアートの次に不況に弱いフィットネス産業も落ちた95年まで。さらにWindows95で燃えたパソコンとソフト開発販売ブームの97年まで。という節目を振り返ります。

バブル後の経済低落を、突き落とした政策が二つ。ひとつは銀行に不良債権処理を急がせた金融政策。貸しはがし倒産の連鎖です。さらに決定的な分岐点が、97年の消費税増税でした。あの時の正解は消費税3パーセントを0パーに下げるのが世界の財政の常識なのに、いきなり逆走した。

逆走した理由は、税金は貨幣価値の安定が目的だという知識がない日本人が、予算不足を補う財源だと誤認したせいです。その思い込みは今も国民の96パーセントが信じたままで、記録的なデフレ不況を今もしっかり「支えて」います。国際陰謀論以前の問題として、国民の勘違いで国を倒したかたち。目が覚めるのはまだ先。

つまり日本の貧困化の起点は、1992年、95年、97年の三種類あります。リーマンとか関係ない。もちろん89年の消費税導入も犯人ですが、インフレ好況ゆえ悪行ともいえなかった。国民に明るい笑顔があった。物品税廃止で、モーターボートなどぜいたく品を皆が買いやすくできた。実際にヨットを買った会社員も多かった。

日本を暗転させた最悪の政策、97年の消費税増税の時に生まれた子は、今22歳だというわけ。大卒たちの半生は、日本が落ちていく時間に同調して夢も希望もない。冷え切った若者を、バブルや高度成長がリアルタイムだった年長者が温め直さないと、際限なく落ちそう。首里城や銀行の首ぐらいではすまないはず。

→【アートの本格解説】消費税と芸術はどちらが簡単な話か
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2019/12/03

SNSの自分のアドレスがわからない|マイアカウントの正しいURLを探す

毎年、年末が近くなるとJFB出品準備作業と並行して、ネットサイト類の手入れも忙しくなります。FacebookやTwitterやInstagramなど、SNSでよく起きるのは、自分のアカウントの正しいURLがわからない問題です。URLに「?」や「php」の語が混じっていれば、それは正式アドレスではありません。

SNSのプログラムはCMS方式と呼ぶ構造になっていて、読者がボタン操作して選んだり外したりカテゴリー抽出したりで、画面を一時形成します。「動的サイト」の概念がそれで、多くはPHPプログラムと呼ぶ命令体系を使っています。

たとえば最新の投稿順に表示させると、「最新を表示せよ」の指令に従った画面が一時的に結成され、そのコマンドがURLの末尾に余計なスペルとして加わります。これかと思って表示URLをコピペすると、無意味な尾ひれがついています。

「田中一郎」で済む名前が、「田中一郎を探した結果」などいらない言葉が足されるようなもの。なので、自分のアカウントの本当のアドレスを知る方法が、ネット質問にも多くあります。これまで間違っていたと言う声も多い。

ところでこちらの「作家サイト制作WS」はPHPを使った静的サイトで、作るのも見るのも高速動作です。静的サイトはサーバー内での計算と組み替えがわずかで、URLをコールするシンプル構造でサクサク軽く動きます。

日本はデフレ不況で企業も貧困化し、経費不足でサーバーの補強が遅れがちです。それでCMS方式のプログラムが妙にのっそりと遅い動作に戻っていると感じます。今後5Gで部分的に高速化しても、富裕国でないと後追いになるでしょう。無意味な妄想の緊縮財政をやめないと、日本のサイトまでトロくなるのです。
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2019/12/01

ドイツの絵はがき印刷は美しすぎる|日本製プリンターのハイテク技術

毎年、晩秋から初冬にかけてはジャパン・フェスティバルの出品準備で、だんだん手がふさがってきます。特に手間がかかるのが絵はがきで、一枚売って終わりではなく百枚あるから、数が出る可能性を求めて微妙な手直しがかさみます。

絵はがきの難しいひとつは、全ての図柄で等しくするタテヨコ比です。正方形の絵はまず収まりません。裁断しろが大きいから絵の一部は切れますが、切れてよくなるバランスを見つけます。白や黒の囲みワクを設けたら、商品にならないし。

一枚一枚のレイアウトが何個かの条件で決まり、挽回する小細工を加えることもあり、元の絵と多少でも違う再現となります。多くの原画は縮小され、素材感は出ないように思えますが、やりようで出せます。そういう奥の深いところも。

CMYK変換が入るにしては、ドイツの絵はがきは色がよく出て、日本で普通に市販される絵はがきより鮮やかです。時々参加者が日本でつくられた絵はがきを送ってくれますが、鮮やかさはドイツが圧勝です。廉価なDM仕様だと、くすんだ色でもやむなしですが。

ドイツは上質の印刷機を常用できる富裕社会に思えますが、機材は日本製かも知れません。というのも、2013年頃に裁断寸法が日本の数値に替わっていたからです。少なくともジクレー出力機は日本製だとわかっていて、でもその成果を日本国民が堪能しにくい時代へと暗転しました。国庫の危機を狂言した貧困化の時代です。

美術館が所蔵する歴史名画を売却させる目的で、先進美術館構想が出されました。国内資産を海外へ売却して、館の現金収入を得るそうな。商品貨幣論から思いついた間違い政策です。シャープ社やエアバッグのタカタ社も、そうして外資へ売り払われた後です。
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